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ささき @gz_ssk

前世記憶ありドゥドゥー×前世記憶なしディミトリの転生パロ妄想してたんですが、「穏やかに過ぎゆく2人のささやかながらも幸福な日々、だがその中でドゥドゥーはディミトリが前世の記憶を取り戻しつつあることに気付いてしまう。→

2019-09-06 12:25:24
ささき @gz_ssk

→ 彼の封じられた記憶の錠前を開ける鍵が己の存在であることに気付いたドゥドゥーは、ディミトリの前から姿を消すことを決めた――」みたくなってきたのでもうダメ。やっぱりダメ。

2019-09-06 12:25:47
ささき @gz_ssk

転生後初セッでディミトリの傷ひとつない白い柔肌を見たドゥドゥーがぼろぼろ泣きだすところ見たいでしょうが。いきなり泣き出したドゥドゥーに驚いたディミトリが「ど、どうしたんだドゥドゥー!?」ってオロオロしながらその背を優しく撫でるところ見たいでしょ。

2019-09-06 12:28:14
ささき @gz_ssk

自らの背を撫でるその手のひらは温かく柔らかで、剣を握りしめ慣れた固い手のひらとはまるで違った。彼は、戦場から遠く、血の臭いを知らぬ――だがどこまでも己を気遣うその美しい心根はたしかにディミトリのそれだった。

2019-09-06 12:36:48
ささき @gz_ssk

転生パロ、前世で後悔を抱いて死んだ者は記憶を引き継ぐシステム。ドゥドゥーはディミトリの人生が苦難に満ちたものであったことが心残りで来世に持ち越してしまった。ディミトリは「ああ、俺はもう終わって良いのか」と思いながら最期の最期にようやく全てを手放して死んだので持ち越さなかった。

2019-09-06 19:12:00
ささき @gz_ssk

「…意外だ」「あらあら、どうしたの?」お前は、きっと悔いなく死んだのだろうと思っていた」「……私ね、アンと一緒に過ごせたあの数年間、とっても幸せだったわ。毎日とっても楽しくて嬉しくって、…ものすごく後悔したの。どうしてもっと早く一緒に暮らそうって言わなかったのかって」

2019-09-06 19:12:56
ささき @gz_ssk

「…」「私が選んだあの人生に悔いはなかったけれども、それだけがずっと残念だった。アンを知れば知るほど足りないなって思ったの。欲張りでしょう?でもね、本当よ。一生分じゃとても足りなかったの」

2019-09-06 19:18:25
ささき @gz_ssk

「私、今度こそ後悔しないわ。だってこれはきっと女神様がくれたとびっきりの奇跡だもの。こんな奇跡、きっともう二度と起こらないわ。…だから、あなたもね、今度こそ後悔なんてしちゃダメよ」

2019-09-06 19:21:44
ささき @gz_ssk

記憶持ち越し転生組、ドゥドゥー、メルセデス、シルヴァンですね。

2019-09-06 19:22:22
ささき @gz_ssk

これは転生パロではありますが現パロではないです。舞台はあれから200年後のフォドラ、融和路線を貫きゆっくりと軍縮を進め泰平の世を築いたファーガス神聖王国に再び生を受けた彼らの話…みたいな感じでよろしくお願いします。

2019-09-06 19:27:08
ささき @gz_ssk

これはご都合主義転生パロだから200年の時を越えて青獅子学級が再集結します。前世の記憶があるのは前述通りドゥドゥー、メルセデス、シルヴァンのみ。

2019-09-06 19:33:27
ささき @gz_ssk

これはディミトリを救うためのご都合主義転生パロなのでディミトリは王国の王子ではありますが三男坊です。次男は紋章を授かりませんでしたが長男は紋章持ちです。なので王位を継ぐのはディミトリの兄であり、ディミトリは王にはなりません。

2019-09-06 19:38:12
ささき @gz_ssk

いや本当に救っとるんはディミトリではなく腐れオタクの私の心ですが ゆるして

2019-09-06 19:39:47
ささき @gz_ssk

ドゥドゥーは士官学校に入学できてるってことはぼちぼち良い家に生まれてるんだろうなぁ。ダスカー地方の領地はさほど大きくないがそこそこ力のある騎士の家に生まれてて欲しい。

2019-09-06 19:44:15
ささき @gz_ssk

ドゥドゥーは王家の三男坊がディミトリという名であることはもちろん知っていた。フェルディアへと向かうことのある父に同行を願い出ればその顔を見ることもできただろう。けれどもこれまでそうすることを避けてきたのは、やはりどこか恐れがあったからだろう。

2019-09-06 19:49:26
ささき @gz_ssk

そのディミトリがドゥドゥーの知るディミトリであるとは限らないのだ。いや、そもそもこの「前世の記憶」が正しいのかすら分からない。ドゥドゥーは知らない自分の知らない過去に確信を持ってはいたが、それが人に説明をしても理解の得られるものではないことも分かっていた。

2019-09-06 19:53:34
ささき @gz_ssk

だがあの日。初めて訪れる見慣れた門を潜り抜け、広間に立つその人が視界に入ったその瞬間。ドゥドゥーは嫌でも「理解」した。彼は、見間違いようもなくどうしようもなく、確かに、確かに“ドゥドゥー”のよく知る“ディミトリ”だった。

2019-09-06 20:00:33
ささき @gz_ssk

「ディミ、トリ」思わず口から溢れたその名に彼がこちらを見た。視界が合って確信が増す。“ディミトリ”だ。彼は、彼は“ディミトリ”なのだ。

2019-09-06 20:03:37
ささき @gz_ssk

「その、俺の記憶違いであれば申し訳ないんだが…どこかで会ったことがあったか?」ディミトリは顔を見るなり自身の名を呼んだ男の顔を訝しげに眺めながらそう切り出した。その言葉にドゥドゥーはようやく正気を取り戻し、ハッとして背筋を伸ばし直した。ああ、そうか、彼は「覚えていない」のだ。

2019-09-06 20:07:19
ささき @gz_ssk

彼には前世の記憶がない。その事実にドゥドゥーが覚えた感情は「歓喜」だった。自分のことなどいくら忘れられようが構わなかった。彼を生涯に渡り縛り続けたあの鎖はもうどこにもない。その事実だけが重要だった。

2019-09-06 20:12:56
ささき @gz_ssk

「…いえ。初めてお目にかかります、殿下。そして申し訳ありませんでした。どうか無礼をお許しください」ドゥドゥーは万感を飲み込んでこうべを垂れた。ああ、――ああ!叫びだしたい心地だった。歓喜の震えを抑えるのに必死だったのだ。

2019-09-06 20:18:28
ささき @gz_ssk

「頭を上げてくれ。俺は気にしていない、だからお前も気にするな」「ありがとうございます」「その敬語もできればやめてもらえるとありがたい。出自はどうあれここでは同じ学び舎で学ぶ仲間だ。…まあ、そちらのほうが気楽であると言うならば、無理にとは言わないが」

2019-09-06 20:22:07
ささき @gz_ssk

「申し訳ありませんが…」「ああ、いい。言っただろう?無理にとは言わない。俺もこれは俺のワガママだとは分かっているんだ。気を揉ませてすまないな」

2019-09-06 20:25:02
ささき @gz_ssk

「名を聞かせてもらっても?」「ドゥドゥーです」「そうか。俺は…知っているようだが、改めて名乗っておこう。ディミトリだ。これから1年間、よろしく頼む。ドゥドゥー」「こちらこそ、よろしくお願い致します、殿下」

2019-09-06 20:27:47
ささき @gz_ssk

差し出された手を握り返す。訓練を重ねているのだろうその手のひらはところどころに剣だこができ、幾度となく剥けたであろう皮が硬い感触を伝えていたが、――数えきれぬ血を流しながらも十分な治療など受けられずにできた歪な凹凸などない、きれいな手のひらだった。

2019-09-06 20:31:05
ささき @gz_ssk

そんな感じでディミトリと再会したドゥドゥー。このあと他の面子とも顔を合わせて、同時に物言いたげな様子のメルセデスやシルヴァンに気付いて、えっお前も?あらあら貴方もなのねぇとちょっと前世の話をする。んで、これはやっぱり知らない人には話さないほうがいいよねということで合意する。

2019-09-06 20:37:45
ささき @gz_ssk

ドゥドゥーは何くれとなくディミトリの世話を焼いた。思わず世話を焼いてしまったと言ったほうが正しい。ドゥドゥーにとってそれはもはや癖のようなもので、今の自分はディミトリの従者ではないのに、気付けばディミトリのために動いてしまっていた。

2019-09-06 22:09:31
ささき @gz_ssk

ただいかに彼が気さくに接してくれと言ったところで皆が彼に気を遣って何かとフォローに回ろうとしていたことは事実だったので、ドゥドゥーの献身は「多少 行き過ぎたところはあるが、これもよく騎士として躾けられた結果だろう」程度に受け止められていた。

2019-09-06 22:16:03
ささき @gz_ssk

王家に生まれ王の子として育てられたディミトリにとって臣下の献身は生活の中に自然にあるものだった。いくら彼が級友との交流に憧れようと、献身を与えられ それを受け入れることはディミトリの身に染みた「礼儀」だった。

2019-09-06 22:19:08
ささき @gz_ssk

そんなわけでドゥドゥーはディミトリによく尽くし、ディミトリはドゥドゥーに尽くされた。初めこそそれはただの主人と従者の関係に過ぎなかったけれども、側に居れば自然と言葉も交わす。共有する時間の長い2人は自然と仲を深めていった。

2019-09-06 22:23:25
ささき @gz_ssk

「お前、本当にそれでいいのか?」昼食の最中にシルヴァンに話しかけられるドゥドゥー。「…それ、とは」「殿下とのあれやこれやだよ」「…何か問題でもあるのか?」「ないっちゃないが、あるっちゃ大アリだろ」

2019-09-06 22:26:47
ささき @gz_ssk

「なんで俺らにこんなもんが残っちまってんのかは分からない。けど俺はこれが“死んでも消えきれなかった”もんだから残ったんだと思ってる。それが、前と同じことを繰り返してるだけでいいのか、って言ってんだよ」

2019-09-06 22:29:34
ささき @gz_ssk

「…同じではない」そうだ、同じなどではなかった。「殿下が俺の料理を食べて、美味しいと笑ってくださる」罪も罰も知らぬ青年が、翳りを知らぬ笑みを浮かべて己を見る。ドゥドゥーにとって、それ以上に望むことなどありはしなかった。

2019-09-06 22:32:57
ささき @gz_ssk

だからその言葉はドゥドゥーにとって青天の霹靂だった。「すきだ」 2人は自室を行き交う仲になっていた。勉学を教えあうこともあるし、ただ言葉を交わすだけのときもあった。夕食後、いつものように連れ立ってディミトリの寮の自室に訪れたドゥドゥーに、突如としてその言葉は投げ掛けられた。

2019-09-06 22:44:20
ささき @gz_ssk

「…すまない。不快な思いをさせるだろうとは思った。だがお前に対して不誠実では居たくなかった」頭の奥がくらくらと揺れる。「好きなんだ、お前のことが。…お前に、友愛では足りない情を向けている」全てがぼんやりと輪郭を失ってゆく中、ディミトリの姿だけが鮮明だった。

2019-09-06 22:52:33
ささき @gz_ssk

手を伸ばせば届く距離にディミトリが居る。すっかり見慣れたその景色が、頭の芯をどろりと溶かしてゆく。「お前に、名前で呼ばれたいと、そう思っている」ディミトリの青い瞳が揺れている。毅然とした覚悟の奥に押し込めた迷いがあった。諦めの奥底に消しきれぬ期待があった。「…ドゥドゥー」

2019-09-06 22:59:22
ささき @gz_ssk

「…ディミトリ」考えるよりも先に腕が伸びていた。「好きです、おれも。…おれも、あなたが」これが彼が抱くものと同じ情なのかどうか、ドゥドゥーには分からない。ドゥドゥーがディミトリに向ける感情は、膨れ上がり、入り混じり、もはや名付けることの叶わぬただただ莫大ななにかだった。

2019-09-06 23:05:57
ささき @gz_ssk

ただ、抱きしめた体の体温に、己の中にあった満たされぬ欲が目覚めてゆくのを感じた。

2019-09-06 23:09:22
ささき @gz_ssk

そんな感じでそういう付き合いが始まる。出会って半年、時季としては秋口ぐらい。表面上はそれまでと変わらないけど、2人で部屋にこもってはあまり大きな声では言えないことをした。

2019-09-06 23:12:21
ささき @gz_ssk

言うて本番はやってない。寮だし。でもただ軽く触れ合うだけから始まって、口付けを交わし、どんどんエスカレートして、まあ普通にペッティングと呼ぶべきようなことをする。兜合わせとかしてほしい。

2019-09-06 23:17:02
ささき @gz_ssk

そういった付き合いを始めてからしばらく経ったころ、ドゥドゥーはときおりディミトリがどこか遠くをぼうっと見つめるようになったことに気付く。ドゥドゥーが訝しがって声を掛けると「いや、なんでもないんだ」と誤魔化すように笑う。気にはなったが、そう頻繁にあることでもないので流していた。

2019-09-06 23:22:56
ささき @gz_ssk

事後(※挿れてはいない)、ディミトリがペタペタとドゥドゥーの顔を撫でる。「どうかしましたか?」「ドゥドゥー、お前は良い男だな」「…お戯れを」「俺は本当のことしか言わない」くすくすと笑うディミトリは上機嫌だった。ドゥドゥーはディミトリが良いならなんだって良い。彼の好きにさせる。

2019-09-06 23:30:55
ささき @gz_ssk

ディミトリの指先がドゥドゥーの顔をなぞる。額、頬、口の端。その優しい指使いに身を任せていたドゥドゥーは、しかしハッと気付いてゆるゆると眠りに落ちつつあった意識を目覚めさせた。――これは、彼が今なぞったこの場所は、かつて、“以前”のドゥドゥーが傷を負った跡があった箇所ではないか?

2019-09-06 23:35:32
ささき @gz_ssk

ディミトリに意識を向ける。彼はどこか遠くを見つめるような様子でドゥドゥーの顔を眺めていた。熱に火照った体が冷や水を浴びせられたように凍りついた。血の気が引いて指先が冷たくなってゆく。――まさか。その疑念を、たまたまだと己に言い聞かせ、ドゥドゥーはディミトリを抱きしめて眠った。

2019-09-06 23:39:45
ささき @gz_ssk

で、冬のある日。封じられた森に魔獣が迷い込んだという知らせが入った。ガルグ=マクの近隣の村に魔獣の群れが現れその討伐を騎士団が行なっているのだが、そこから逃げ出したものが修道院の敷地内に入り込んだのだという。騎士団が群れの討伐を中止し大修道院に引き返せば、村々への被害が出る。

2019-09-06 23:48:19
ささき @gz_ssk

そんなわけでその魔獣の討伐が課題として青獅子学級に課せられる。相手は単独で手負い。手負いの獣ほど…とは言うが、弱った相手にトドメを刺すだけの戦闘はさほど手こずることもなく終わった。

2019-09-06 23:50:31
ささき @gz_ssk

「殿下、戻りましょう。…殿下?」ディミトリの視線は封じられた森の遺跡へと向けられていた。近ごろ見ることの増えた遠いところを見る目。ディミトリの口が小さく動き、4文字の言葉を紡ぐ。ドゥドゥーの背筋が凍った。「せんせい」。疑いが確信に変わる。――ディミトリに前世の記憶が蘇りつつある。

2019-09-07 00:01:45
ささき @gz_ssk

奇しくもその日は守護の節の終わり。ベレトが闇に囚われ、そこから帰還したあの日と、同じ節の同じ日の出来事だった。

2019-09-07 00:03:57
ささき @gz_ssk

転生パロでのベレトの立ち位置どうなってんのか設定すんのすっかり忘れてたやべーよやべーよとなっている ベレトは200年後の世界に転生している様子はない そういうことでよろしくお願いします

2019-09-07 00:05:41
ささき @gz_ssk

転生パロ妄想、このシルヴァンは何をそんなに悔いて記憶持ち越しちゃったんだろうな〜とぼんやり考えてたんですが(考えてなかったんですか?)(考えてなかったです)、もしかしたらこのシルヴァンはフェリクスと一緒に死ねなかったシルヴァンなのかもしれんなと思った。

2019-09-07 11:17:45
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まとめたひと
ささき @gz_ssk

オムライスだいすき成人腐。