葉山にヘリから落とされた結果がコレかよ。
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

扉を開けるなり、今吉は崩れ落ちるように入ってきた。ちょっ… 「すごい汗ですけど…大丈夫かよ!?」 そのまま後ろ手で鍵を締め扉にもたれかかった。 「平気なわけあるかいな」 「(読まれてた…)」 まさか、これは…5年前に赤司が小バエに見せたのと同じ… >> スタミナ削り!! <<

2015-05-25 14:40:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「すまんの…休まして。世界ハードワーク経営者ランキング常連がそう予定開けれるとも思えんし…時間稼ぎにはなったやろ。はよ退院してな」 「その服は?」 「職員用ロッカーからちぃとな」 この重圧の中、看護師に化けたってのか…!? オレにはできないことを平然とやってのける! そこに(ry

2015-05-25 14:45:07

意識の低い就活生花宮の先輩 http://togetter.com/li/766658

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

青空の下、真っ白なシーツが波打つようにはためている。屋上に出ると爽やかさに反吐が出る光景が広がっていた。 「すごいな。ドラマみたいや」 「ソーデスネ」 オレ達のドラマの舞台には似合わない。 「花宮、」 「何ですか」 「お前の田舎のヤンキーみたいな服とアクセ、全部捨てといたからな」

2015-05-25 15:00:18
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

・・・ 「はぁ!!?」 「引っ越しのついでにな。頭ええんやから、もっと賢そうな服着ぃ」 「全身無印のアンタに言われたくねぇよ! つか、引っ越しって何だよ!?」 「前より広いしええとこやで」 「そういう問題じゃねぇ! 人の住居を勝手に移すな!」 「住所、変更しといて良かったやろ?」

2015-05-25 15:05:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「花宮が飲み込んどった…これ赤司君やんな?」 今吉はポケットからSDカードを取り出した。 「それ…! 探してたんだよ、返せっ」 手を伸ばすと、今吉はカードをさらに上へ掲げた。くそっ。 「ちゅーことは、やっぱりお前が殺ったんかい。だいたい何があったか察したわ。いつかホンマに死ぬで」

2015-05-25 15:10:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「おイタはせんとき言うたやろ」 「何年前の話だよ」 頭をこづかれた。くそっ、立てるようになったら覚えてろよ。180cm超える予定だからな。

2015-05-25 15:15:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ほれ。住所はこれな」 鍵とメモを握らされた。 「花宮が退院するまでに最低限暮らせるようにはしとくわ」 「…何が目的だ」 「赤司の代わりに強制就職なんて嫌やろ?」 「オレにここまでする理由がねぇだろ。アンタこそ、これ以上関わると死ぬぞ」 オレのこと…嫌いなんじゃなかったのかよ。

2015-05-25 15:20:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「嫌いなら…見殺しにすりゃ良かっただろ」 「嫌いだから殺すとか、ウザいから潰すとか、大人はそんな単純にできてないねん。第一、もったいないやろ」 光を反射して今吉の眼鏡が妖しく光った。 「目の前に高確馬降ってきたら、好きとか嫌いとかどーでもようなったわ」 背筋に懐かしい悪寒が走る。

2015-05-25 15:25:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ふはっ、オレは馬かよ」 何が大人だ。怪獣人形を戦わせて遊ぶガキだ。強いカードが欲しいだけ。呆れるほど単純だ。 「すごいやん」 今吉は笑みを深めた。 「通知書もろたゆうことは赤司に勝ったんやろ?」 「勝って…はねぇな。ゲームもそこそこに潰しただけです(謙遜)」 だが、悪くない。

2015-05-25 15:30:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「勝負は最後まで立ってられんくなった時点でゲームオーバーや。それは花宮が一番よぉ知ってるんちゃう?」 今吉は細めた目をうっすら開いた。不気味な表情にぞくぞくする。黒子の愉快な仲間達もイカレてるが、オレの周りも相当アレだ。 「ふはっ、勘弁してくださいよ」 あれからずっと考えてた。

2015-05-25 15:35:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

──動物園の猿山でも観察するように人間社会を見下していた。昔は、そんな奴だった。この人はいつからバスケのために涙を流すようなイイコちゃんに成り果てたんだ? 元からそうだったが、中学時代は巧妙に隠してたのか? オレはそれに気付かなかったのか? 全部違った。全てはオレの中にあった。

2015-05-25 15:40:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

気付けば、オレはいつも社会のガンの中心にいた。それが顕著なのが高校時代。同じ年、同じ学年、同じ学校に、生来「ラフプレー楽しい!」なんて奴が5人も同時に集まるワケがねぇ。んな天文学的な確立…それこそキセキの世代かっての。最初はたった一個の癌細胞から始まり、悪性腫瘍は増殖していく──

2015-05-25 15:45:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

悪巧みが苦手なくせに巣の中では企むことなく粗暴な山崎。 悪人(オレ)と付き合うことに、他人(オレ)を利用することに、躊躇が無くなっていった黒子。 そして、この先輩は後輩が人ひとり潰したことを褒めてやがる。 類が友を呼んでたんじゃねぇ。 周囲を類に貶めてたのか。オレが。

2015-05-25 15:50:08

視野の広い就活生伊月 http://togetter.com/li/735947
意識の低い就活生の会合 http://togetter.com/li/793052

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「で。」 頭上の先輩を見上げる。上空では雲が流れ日が陰り始めた。 「いったいどういうカラクリだ。深夜3時にたまたま東京湾沿岸で出くわすなんて、んな偶然そうそうあるワケねぇだろ」 「えー。別にいてもええやんけ」 今吉は眉を3時42分の形に下げた。どうやらどうにか誤摩化す気らしい。

2015-05-25 16:00:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「たまたまやで。たまたまGW休みが取れて、たまたま東京の彼女にでも会いに行こ思て、たまたま東京湾沿いの夜景の下見してて、そしたらたまたま花宮が落ちてきただけやん」 「…年末に別れたって言ってましたよね」 今吉は無言で眼鏡を押し上げた。 「最近ツメが甘いんじゃないですかぁ、先輩?」

2015-05-25 16:05:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「GW休みが取れたとこまではホンマやで。ただ偶然じゃないっちゅーのもその通りや」 「つまり、全部ウソじゃねぇか」 「…怒らんで聞いてな?」 「早く吐けよ」 「ホンマに怒らん?」 「早くしろ」 「森山が伊月のカバン取り返しに来たことあったやろ?」 「それがどーしたんだよ(イライラ」

2015-05-25 16:10:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

togetter.com/li/735947 “もうすぐそっち行くと思うからよろしゅう” 「あれな、森山に花宮の居場所教えたんはワシや」 ま、まさか… 「そのまさかや。ピンポイントで追ってきたとき何も疑問に思わなかったん?」 ウソだろ…? これ以上ハードな現実を直視させんな。

2015-05-25 16:15:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「あのネクタイピン、GPS発信器やねん」

2015-05-25 16:20:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「」 「ずっと黒子に預けてたやろ? その辺から胡散臭いと思っててん。そんで、黒子に電話して花宮に返すよう言うたら、赤司Co.,本社に向かってくやん。これ去年話題になっとった例の面接に挑まされとるんちゃう思たら嫌な予感して、早々に仕事切り上げて新幹線飛び乗ったっちゅーわけや」 「」

2015-05-25 16:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ぜーんぶ見とったで〜? 花宮がキャバクラの前でウロウロしとったのもな〜w」 「」 「動きだけで心境が手に取るように分かってホンマおもろかったわ〜w」 この一年の行動記録が瞬時に脳内を駆け巡る。AV借りて当日に返したのも、全部…? 今日ほど自分の記憶力を呪ったことはない。…いや、

2015-05-25 16:30:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

今日ほどこの男に殺意を抱いたことはない。 「〜〜っ!!」 「いや〜、スマンの〜w」 拳を握り締めると鍵が皮膚に食い込んだ。 「黙れ、ストーカー。謝って済むならケーサツいらねぇんだよ!」 「…それ花宮がゆう?」 「うるせーよ! バカ! ヘンタイ! 妖怪! 死ね! クソォオオオオ!」

2015-05-25 16:35:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

怒りと屈辱と記憶の読み込みで熱暴走したPCみてぇに頭が熱い。ファンを回す代わりに髪を搔き毟るが、頭上から両手を掴まれ止められた。睨みつけると溜息が落ちてくる。 「ワシかてな、」 今吉はオレの正面に回り、目線を合わせるようにしゃがんだ。 「花宮の夢を壊さんよう必死だったんやって」

2015-05-25 16:40:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「大学んときは近所に住んどったし、花宮の行動範囲も時間割も分かっとったから、たまに脅かしたるくらい訳なかったけど、就職したら忙しゅうて花宮がどーしてるかなんてサッパリわからんし…」 今吉は力なく笑った。 「さっきもサッと助けるつもりやったんやけど…カッコ悪いとこ見せてばっかやな」

2015-05-25 16:45:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…ふはっ、必死すぎだろ」 だが、それでも── 「普通の人間は、そこでGPS付けようなんて思いませんし、あのオッサン相手に涼しい顔でハッタリをカマせたりはしませんよ。発想が人間離れしてるっつーか…」 底を見せても底知れない男だ。 今吉翔一。

2015-05-25 16:50:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ジューブン妖怪じみてるぜ」 車椅子から身を乗り出し、手を伸ばした。珍しく目を見開く今吉の頬に触れる。あと、もう少し。 「…なんて、」

2015-05-25 16:55:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「許すワケねぇだろバカーー!!」 腕が完治してて良かったわ。油断している奴の眼鏡のつるを素早く掴み、大きく振りかぶる。キラリーン。柵を飛び出した眼鏡は傾きかけた日を反射し最後の輝きを見せた後、大きな弧を描いて屋上から落ちていった。 「ワシのメガネーーーー!!!!」

2015-05-25 17:00:11

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