0
前へ 1 ・・ 5 6
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL (続きだお☆) 俺は小豆。一応座敷童っていう妖怪というか精霊というか…まぁ何でもいい。座敷童は座敷童だ。 俺は会社からのいつもの命令でとある企業に所謂スパイとして送り込まれた。 そう、いつものことなのだ。 これまで様々な会社を潰してきた。

2014-04-24 21:55:13
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 何て思っていると、前を歩いていた猫様がチラッとこちらを見た。 一つに結った馬の尾のように長い黒髪がさらりと揺れる。 「優秀が故に謀反など起こされませんように」 「……………。」 糸目が一瞬開かれたような気がした。 …え?もしや、バレてる?

2014-04-24 15:35:56
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL とにかく油断は禁物だ。 「さぁ、どうぞ。貴方の仕事場をご紹介いたします」 猫の後についていく。 「貴方は大変優秀な方とお聞きしております。期待していますよ」 「それはどうも…」 さっきから表情の変化がないなこの人… 猫というより狐みたいに目を細めちゃってさ

2014-04-24 15:26:46
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 子どもに見える自分が言うのも何だが、身長もそんなに高くないので華奢なせいかよけいに女に見える。 さながら遊女という言葉が似合いそうな化け猫様々だ。 …これが…ラスボスに行き着く前にめったうちにしてくる裏ボス…

2014-04-24 13:16:17
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL そりゃあ着物美人に挨拶とはいえ頭下げられていい気分にならないはずがない。 …この人男だけど。 それがこの人のやり口だ。 本人に自覚がないと言うから全く質の悪い。 化け猫というのに何だろうか、この艶めかしさ。

2014-04-24 13:13:09
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「こちらこそお願いいたします。面接でお会いしましたよね。牡丹と申します。」 恭しく部下である俺に頭を下げる。 すごい複雑な気分。 悪い気分ではないんだけれど、決して。 …思い上がると痛い目見るってか…

2014-04-24 13:07:19
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「おはようございます。小豆さん…でしたでしょうか。」 「あ、おはようございます。これからよろしくお願いします」 翌朝、潜入先に初出勤すると、敵の御大将自ら会社のロビーで新入社員の俺を待ち受けていた。 いやはやそれにしてもこの人は目立つ…。人じゃないけど。

2014-04-24 13:01:47
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「よぉー。お前辞めるんだって?」 「…先輩…」 残業を終えて帰り支度をしていたら、まだ残っていた上司が陽気に手を挙げて近づいてきた。 「辞める…つーかあれか。いつもの」 「はい、まぁ。」 「いつもいつもご苦労様だな。そんで?今度はどこだ?」

2014-04-23 22:29:23
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 時間が時間なのでフロアには誰もいないが、念のためにとコソッと耳打ちをした。 「げぇっ!マジかよ…!とうとう社長も思い切ったなぁ!ずっと目の敵にしていたとはいえ…」 「俺も驚きました」 上手くやれるか若干不安である。

2014-04-23 22:52:02
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「人間がボスなんだろ?なのにあの会社を敵に回した所はこっぴどくやられてるって話じゃねぇか…。やっぱあの化け猫か…」 噂は色々聞いている。 人間がどの程度のやり手かは知らないけれど、先輩の言うように最大の敵は…

2014-04-23 23:00:07
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「お前も大変だな…。まぁ無事に任務完遂したら飲みに行こうぜ」 「そうですね…。…無事に帰ってこなかったら、その化け猫に殺されたと思ってください」 「おいおい…冗談はやめろよ~」 先輩は笑って俺の背中をバシバシたたいたが、冗談で済まないかもしれない。

2014-04-23 23:11:27
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL そのくらい今回の仕事は慎重にいかねばならない。

2014-04-23 23:12:09
前へ 1 ・・ 5 6