なんやかんやあって江澄や師姐を養うために自ら性器を切り落として宦官になった魏嬰が、宦官は奸邪であり国家に巣食う蛆虫と教えられてきた官吏の藍湛(皇帝の教育係を務めるような名門出身)と宮廷で出会い、なんやかんやあって忘羨になるまでの妄想ツイ。魏嬰だけでなく藍啓仁も宦官になるので注意!!
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地獄のホテルにお熱なkirishima(🇮🇳🇨🇳沼と🇰🇷ミュ20↑shipper @hananinakuguis7

しまったという顔で弟を窺う聶兄。「それは…その…この兄が悪かった、許せ懐桑」「ごめんなさいができるようになったのは成長ですね。話を続けていいですよ」えっへんと胸を張る弟に複雑そうな兄。懐桑が剣を振るえる年齢になると鬼教官と新兵のような関係性しか築けなかった皇帝と皇太子が互いに何の

2021-12-22 13:16:54
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躊躇もなく真情を吐露しているのを見て息をつく叔父上。「…必要な覚悟や具体的な手立て、立ちはだかるであろう障害について相談し、骨子が出来たところで懐桑を巻き込んだ。万事整え、後宮の解散を宣言した時のお前を含む文武百官の顔は見ものであったな」八重歯を見せて笑う皇帝に渋面になる藍啓仁。

2021-12-22 14:03:38
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「あの時分にはもう将兵は宦官が虎符を持つ事よりも、元帥の過労を案じておりましたな。妃嬪たちに仕える女官や宦官が暮らしに困らぬような仕組みづくりから温氏残党の世話、果ては兵器の開発まで…骨身を削る元帥を休ませようとする者には日光を浴びていれば眠らずともいい体質なのだと嘯く始末で」

2021-12-22 14:23:48
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ため息をつく叔父上。「いかにもあれが言いそうな事であるな…」「見かねた時は背後から手刀で一撃して、強制的に眠らせておりましたな。それでも一時辰も経たぬうちに起き出してくるので、一服盛るべきか真剣に悩んだものです」「当たりどころが悪かったら洒落にならぬぞ」苦言を呈する叔父上を鼻で

2021-12-22 15:05:24
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嗤う副官。「岩をなでるか砕くかしかない、藍氏の馬鹿力と一緒にしてもらっては困りますな。私の武功を以てすれば、体の機能を損なう事なく経穴を突く事など造作もない事。ご自身で体験されたいというなら、いつでもご覧に入れますが?」副官が慇懃無礼の見本のような態度をとるのは藍啓仁の罵倒に近い

2021-12-22 15:23:52
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批判(特に魏嬰が禁軍元帥になってから清流派が展開した烈火のごとき糾弾)に傷つきまくる魏嬰を見てきたからで、それを承知の叔父上は顔を引きつらせながらも甘んじて受けるが、そのあたりの事情を知る由もない藍湛はちょっとむっとする。「遠慮する」「お前をあれにつけたのは監視の意味もあったが、

2021-12-22 15:54:20
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今やすっかり父兄の顔だな」からかうように口の端を吊り上げる聶兄にふっと笑みを返す副官。「御冗談を、私は職分を全うしているだけです。父兄というなら陛下では? 先ほど藍公子に対して元帥の兄を名乗られた時など、鏡でお見せしたいほど良い御顔をされていましたよ」絶句する聶兄に吹き出す懐桑。

2021-12-22 19:01:13
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「懐桑ッ!」「策を練るでもなく己を貫いた結果として陛下と殿下の御心にこうも深く根を張るとは…。あれの配下に包囲された時も思ったが、まったくとんでもない男だ」吐息交じりにひとりごちる藍啓仁に遠い目をする副官。「それに関しては同意する。無理無茶無謀の三無羨の本領発揮の感があったな」

2021-12-24 12:46:35
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自分には基本当たりが強い副官に同意されて驚く叔父上と皆のやりとりを興味深く見守る藍湛。「陛下、元帥が礼部と戸部を包囲せよと号令する前に、兵に何と言ったかご存じですか?」首を振る聶兄。「…軍は上意下達だが、禁軍には硬骨漢が多い。六部のうちの二つを囲めと言われて易々と従うとは思えん」

2021-12-24 16:49:13
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「元帥は怪訝な顔で並ぶ兵にこう言ったのです。"赤心で知られる禁軍に問う。陛下の膳や水差しに媚薬が混ぜられ、招かれざる妃が夜ごと寝所に潜んでいるような場所は天子の家と言えるか? 妃嬪たちを帰してはならぬ、然るべき皇后を選びその間に設けた嫡男を世継ぎにと忠臣を自任する者たちは宣う!"」

2021-12-24 18:10:10
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まさにその忠臣を自任する者たちの一人だった藍啓仁の顔が引きつる。「"だが陛下がどれほどの諫言を受けても妃嬪たちに指一本触れなかったのはまさにその御子が生まれ、周囲が弟君の御命を狙うのを恐れた為だ。礼部と戸部はそれを杞憂と一蹴し、あえて業務を滞らせて陛下の御意思を覆そうとしている!

2021-12-24 20:30:45
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天子が薬を盛られるのを恐れて兵糧を口にし、寝所でも剣を手放せぬ。かような仕儀に至っても陛下は俺にこれこそ本懐と、今までは己が世を去った後を考え思い悩むばかりであったが、家族の為に力を尽くすのは楽しいと仰られた。俺は弟君を案じ、その安寧のために闘う陛下を助けたい。皆はどうか!"と」

2021-12-24 21:11:35
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記憶の手触りをたしかめるように語る副官。「にわかに兵の歓呼が響き、誰かが包囲されたと叫んだ。状況がつかめず、我らは茫然とするばかりであったな」聞き入る甥にふっと息をつく叔父上。「忘機、お前は知らぬだろうがな、常のやわらかな高音を投げ捨てると、魏嬰の声は闇を貫く雷のように轟くのだ」

2022-01-19 14:37:03
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「後宮の解散を容れるまで、何人たりともこの庁舎を出る能わず。家族の待つ家に帰りたくば、弟を案ずる陛下の御心を尊重しろ。魏兄がそう宣言すると、居並ぶ兵が一斉に剣を抜いて、天高く掲げたんです。林立する剣が陽光を弾いてきらめき、興奮した私は兄上に飛びつきました…そして気づいたんです…」

2022-01-19 16:00:55
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真剣な面持ちの懐桑に固唾を飲む一同と、嫌な予感を覚える聶兄「兄が微動だにしない事に…。何事かとあらためたら落雷の直撃を受けたみたいに胸をおさえて、魏兄を見つめたまま固まってるじゃないですか?! もうこれは! 間違いなく! 落ちたなと!!」「懐桑ッ!!」扇を振る弟の頭をはたく皇帝

2022-01-19 16:20:56
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「魏兄~大哥がいじめる~!」「この…ッ!」「ほらほら陛下、懐桑は繊細なんですから、もっと丁重に扱ってください」うぐぐ…と手をわきわきさせる聶兄と、腕組みする魏嬰の後ろでドヤ顔する懐桑。彼らの絆を感じて胸がちくちくする藍湛に猫のように懐桑が目を細める。「うらやましいですか? 魏兄と

2022-03-16 21:37:26
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私たち兄弟は相思相愛なんです。魏無羨の幸せには我らが不可欠! そこのところ、知己を名乗るならよくよく承知しておくように」「禁軍も元帥の家である事をお忘れなく」突然の圧迫面接に戸惑い、声をあげようとするも懐桑に抱き着かれて黙らされる魏嬰。藍湛は保護者ズの警戒っぷりに首を傾げるが、

2022-03-16 22:15:37
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叔父上が抹額にふれてみせた事で、ひとにぎりの藍氏に脈々と受け継がれてきた呪いじみた伝統()に思い至る。自分が魏嬰を攫うと思われてる…!と衝撃を受ける藍湛だが、彼が不幸なら攫おうと思ったのかもとぐらぐらする。そんな様子を見て今のところその気はなさそうと目で会話する聶兄弟と叔父上。

2022-03-16 23:36:40
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茫然自失の藍湛の肩を抱き、自分の房に連れ帰る魏嬰。「悪かったな、藍湛。無茶ばかりしてきたから、皆ちょっと過敏になってるんだ」「過敏とは思わない。私は…」うん、どうした?と聞く態勢の魏嬰に、己の気持ちを言語化できず口ごもる藍湛。不安そうな藍湛の手を魏嬰が励ますように握るが、それにも

2022-03-17 12:37:36
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心拍数が上がり耳を赤くして俯いてしまう。急かす事なく魏嬰が藍湛の手のひらをなぜている時、叔父上の声が響く。「忘機、話がある。魏無羨、」「はいはい、俺はお暇するよ。水入らずを楽しんでくれ。藍先生、病み上がりなんだから夜更かしはダメだぜ」「わかっておる。用を済ませたら戻る故、部屋を

2022-03-17 12:46:37
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温めておけ」ひらひらと手を振る魏嬰を見送り、叔父上と甥のあいだに沈黙が流れる。「陛下や殿下の危惧は過ぎたものだと思うか?」「…わかりませぬ。なればこそ恐ろしさを感じるのです」「それがわかるだけ上出来だ。忘機、我ら藍氏には執着がある。我が身も他者も滅ぼすような危うさがあるのだ」

2022-03-17 13:08:58
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藍湛を射るように見つめる藍啓仁。「叔父上は……私が己を律せず、魏嬰を傷つけるとお思いで?」「意図して傷つける事はあるまい。だが、結果としてそうなる可能性はお前の思うほど低くはないぞ、忘機」意味をはかりかねるようにぱちぱちと瞬きをする甥に息をつく叔父上。「あれは藍氏と相性が悪い」

2022-03-22 16:48:45
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疑問符を飛ばす甥を椅子に座らせる叔父上。「人としての藍氏とあれの相性は悪くない。だがな忘機、我らは時として獣になる。三千条の掟で枷をつけねばならんような獣を、藍氏は腹に飼っておるのだ」藍啓仁の言葉に一族の中で自然災害のように語り継がれる、生涯の一人に出会ってしまったがための藍氏の

2022-03-22 17:24:05
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大暴走の一つひとつが蘇って凍る藍湛。「此度、我らはあれに救われた。だが世人は魏無羨が政敵たる私を宦官に堕とした挙句、お前を唆して藍氏と反目させたと見るだろう」自分と叔父を助けた事が魏嬰の悪行として加算されるなど思いもしなかった藍湛は叔父の言葉に衝撃を受ける。「悪評は人を的にする」

2022-03-22 17:39:32
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青ざめる藍湛の肩に手を置く叔父上。「老若貴賤の別なく、数多の者があれの首を欲している。何の義理もない我らを助けて、そうした敵を刺激するのは賢明か?」「それは…」魏嬰があまりにも軽々と手を差し伸べたので、その代償については深く考えていなかった藍湛。「あれは己の肉を切り与えるように

2022-03-22 18:18:17
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人を助ける。これからもすれ違っただけの他者に手を伸べ、背負い、懐に招き入れるだろう。我らにそうしたようにな。幾度となく身を削るあれを見て、君子としてのお前は一層の敬意を抱く。だがお前の中にいる獣はどうだ? この世で最も大事な宝が見知らぬ者のために、己を危険にさらし続けるのだぞ」

2022-03-22 19:45:28
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まとめたひと
kirishimakagura(🇮🇳🇨🇳🇰🇷ドラとミュ好き20↑shipper @hananinakuguis7

虎に翼、RRR、hzbn、red book/銀河鉄道の夜(🇰🇷ミュ)マイディアミスター/ストーブリーグ、legally blonde/newsies/hamilton(Bway)山姥切長義にマウモア、魏無羨と温氏残党。マロmarshmallow-qa.com/kirishimakagur…