戦前戦後を通じて唯一、主機に蒸気タービンを搭載した捕鯨船第十一京丸
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天翔 @Tensyofleet

第十一京丸(385総トン,極洋捕鯨)。1938(昭和13)年に鶴見製鉄造船(後の日本鋼管鶴見)で建造された捕鯨船である。外見は特に珍しいものではないが、実はちょっと特殊な船。 pic.twitter.com/ILyVLnghzP

2021-07-31 21:12:58
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天翔 @Tensyofleet

本船は蒸気タービンを主機とし、主缶に三胴式水管缶を搭載しており、戦前戦後を通じて唯一の例となっている。当時の日本の捕鯨船はほとんどが蒸気レシプロ、新型にようやくディーゼルが搭載され始めた頃である。 pic.twitter.com/ufo92Jn1GX

2021-07-31 21:15:16
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天翔 @Tensyofleet

複筒一段減速で出力2,100shp、最大速力16ktと中々に快速であるが、後が続かなかったことをみるに、好評とはいかなかったらしい。部分負荷時の効率の悪さ、操業時の頻繁な発停・前後進の切替や、後進時に全力が出ないあたりは蒸気タービンの特性上苦手とするところである。 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid…

2021-07-31 21:19:25
天翔 @Tensyofleet

本船の建造については海軍の意向を反映したものとなっており、「捕鯨母船及捕鯨船ニ関スル件照会」(海軍次官発農林次官宛・昭和12年2月2日付)において、捕鯨船については『最高速力ヲ十六節以上トスルコト』を『考慮セシムル様御配慮ヲ得度』となっている。 jmapps.ne.jp/yamatomuseum/d…

2021-07-31 21:38:49
天翔 @Tensyofleet

捕鯨船の機関操作の激しさは初めてディーゼル機関を搭載する際にも考慮されており、発停・前後進の頻繁な切り替えはよくないので圧縮空気でやろう、ということになり、かなり巨大な気蓄器を搭載している。具体的には、この主機の左舷後方にある2基のデカいエアタンク(捕鯨船文丸,大洋捕鯨)。 pic.twitter.com/y1dznyHwne

2021-07-31 21:46:39
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天翔 @Tensyofleet

ディーゼル機関を圧縮空気で駆動する、いわば「空気レシプロ」であるが、結局運用でなんとかなることが判明したので以後は採用されずに終わっている。

2021-07-31 21:47:37