ティータイムの部屋に 橙色の光芒が 鋭角で飛び込んできて 夏の暴力的な陽気はなくても 私の胸を抉るには十分で 白磁のカップが床に落ち カモミールティーと 胸から流れる見えない血と 労働意欲の残滓が ゆっくりフローリングに広がる 47連勤後の午後 色々なものが纏めて 夕日と一緒に沈んでいった
2018-12-15 22:00:02はにかみ屋の君は、正面から僕と目が合うのを恥ずかしがって、いつも僕の隣にいたね。 でも、今日は僕と向かい合って、僕と見つめ合ってくれるかい? 僕は、祭壇の前で、純白の花嫁のヴェールをそっとよけた。幸福に頬を染めて、潤んだ瞳で僕を見上げる君は、 …ああ、とても、綺麗だ。 #140字小説
2018-12-15 22:01:59心まで凍えそうな初雪がチラつく冬の夜、既に時計は9時を回り、かれこれ30分私は外で待ちぼうけ。いい加減帰ろうかと思った矢先に、あの子の顔が見えた 「もー、こんな寒いのになんで呼ぶのー?」 「はあ?初雪が見れた日はデートするって言ったじゃない!」 「あ…えへへ」 「まったく……」
2018-12-15 22:02:04自由って…なんだろう なにが自由なのだろう 学校や仕事が無ければ? 趣味をずっと出来る生活だったら? 何かに縛られなければ? ホントの自由とは…なんだろう ずっとずっと、考えていた 正しい答えを探していた でも答えなんて案外簡単に見つかった 大切な人と時間を過ごす幸せが 私の答え(自由)だ
2018-12-15 22:04:03君がいなくなった。 突然宣告された自由。 夜中の通話に付き合っていた時間も、デートの度に使っていたお金も、これからは僕の自由なんだ。 やっと解放された。そう思っていた1週間前。 膨大な時間も、使う当てのないお金も、心に空いた大きな空間も。 君と出会うまで、僕はどう生きていたんだっけ?
2018-12-15 22:07:09幕が上がる。星が昇り、三月海月が光り、逆さ金魚が踊り、夕焼けが朝日よりも輝いた日々も終わろうとする、そんな最後の夜の幕が。 我楽多街が騒ぎに沸き立ち、髑髏桜から絞った酒を浴びる様に飲んだ。 騒げ、騒げ。 最後の夜が明けようとも。 突き進むのだ。 #140字小説 #深夜の真剣140字60分一本勝負 pic.twitter.com/79JXAOO57r
2018-12-15 22:09:29私の好きな、珈琲、甘い物、猫、写真。彼は何も言わずに付き合ってくれた。でも、あの日、私に言葉も残さず去ってから気がついた。彼が自分の好きな物に付き合ってくれと言わなかったことを。言えなかったのか。私の好きな物を、私という人間を本当はどう思っていたのか。私は何も知らないことを。 pic.twitter.com/19xAp2bkOx
2018-12-15 22:09:32○寄席 高座に正座する着物姿の松亭くじ楽(41)。 手を上げる松亭。 松亭「はい! お題目、『じゆう』であいうえお作文やります!」 松亭「『じ』自由気ままな投稿作を」 松亭「『ゆ』ゆとりある気持ちでまとめてくださる」 松亭「『う』運営に感謝!」
2018-12-15 22:10:49記念日なんか興味ないよ、と君は言っていたね。三ヶ月も半年も特別なことはしなかった。だから、付き合ってちょうど一年の今日だって特別な用意はしてないんだ。 たまたま君が好きな花を売ってるのを見かけただけ。たまたま君の好きなスイーツを見つけただけ。たまたまそれが今日だっただけ。
2018-12-15 22:12:32現代のテーマは「自由」だ。他者の権利を侵害しない限り、全てが許される。例えば、好きな日を誕生日にしても良い。パーティ会場は指定の飲食店最大三カ所、コースは五種類から選べる。プレゼントは、色と形の組み合わせが合わせて十種類以上! 皆、政府が保証してくれる。自由な社会は素晴らしい。
2018-12-15 22:22:01夜空を見上げれば満天の星 そしてここにはイルミネーションが点った街路樹 天と地のどちらにも光が満ちて寂しさなんて無くなってしまいそうだ いずれ人は宙の光さえも手に入れるのだろうか? そんなロマンチックな想いを馳せながら近くのコンビニで買った肉まんを頬張る #深夜の真剣140字60分一本勝負
2018-12-15 22:22:48吹き上げる風に髪が舞う。あと数分で私の10代は終わって、眼下に蠢く人達と同じになるのだ。だから私は、縛られる前に自由になる。足元にスマホを置いた。ふわりとマフラーが踊る。喧しく鳴るアラーム音がぐんぐん、ぐんぐん遠ざかって。「ハッピーバースデイ」全てが潰える音がした。
2018-12-15 22:24:39「星は、死ぬんだよ。」 寒空の下、きみの言った声を忘れられない。街灯の下振り向いた目の黒さとか。 「今わたしたちの見ている星、もう燃え尽きちゃったかもしれないんだよ」 おれは、口を衝いた台詞は迷子になった。僕、ということを辞めた夜。あの時感じた不安が予感であったとするなら、どれ程。
2018-12-15 22:31:30私のツイッターのフォロワーさんにはイベントがあれば東奔西走、海外にも平気で行ってしまう人達がいる。先日はヨーロッパからのツイート、今日は北海道、横浜・・・。イベントを楽しんでいる写真やコメントがひっきりなしに入ってくるタイムラインを眺めながら私は膝の上の猫をなでる。
2018-12-15 22:44:33先生、自由って何ですか。私主張する人が嫌いです。正しくったって間違ってたっておんなじよ。そのエネルギーの強さ、それこそが私を疲れさせる。でもね、それを口にすれば、誰かの口を塞ぐでしょ。だから私は自らの意思で沈黙を選ぶのです。先生には私が不自由に見えますか。先生、自由って何ですか。
2018-12-15 22:49:38ずっと一緒にいたい。 言葉にしたら簡単なのに、運命はそれを許さない。 楽しい時間も愛しい気持ちも、不自由な世界に霧散する。 そんな意の欠片は揺れ動き、また集まって輝きだすの。 貴方との愛の行方は運命じゃない。 小さな想い、神の悪戯、自由な時間の結晶。 だからずっと、ずっと一緒に……。
2018-12-15 22:53:27