リチャード二世終演してさいネク写真展も観て帰宅。この3時間のための多忙でした。幸せだーお芝居って最高だなー。
2015-04-12 00:44:59内田健司さんのリチャードが兎に角、要。気品、虚無、絶望、慈愛のバランスが絶妙で、それを揃えてなお違和感を感じさせないあの薄いしかし線のある肉体で完璧。あの声と空気が紡ぐ性のあやうさがまた魅力的。やー、ひとことで「狂気」と言えない芯の確かさがたまんなかったです。
2015-04-12 00:53:42自由席のときは大体決まった席に座るんだけど、今日は座席見渡してふと「あ、ここがいい」って思った席があって、そしたらばとあるシーンのベストポジションだったのではという奇跡。あのシーンを一番美しく観ることができたはず。絵画を見ているみたいだった。今でも焼き付いてる。
2015-04-12 00:57:50あの時代の「王」というと、高貴さと美しさと愚かさと愛(自己愛にせよ他者愛にせよ)の提示っていうイメージなんだけど、作品になると愚鈍さと自己愛ばかり目立ちがちで、ただ今回のリチャードは在位中から退位後、もはや死してなおその全てが損なわれていなかった……。
2015-04-12 01:03:45ボリングブルックが人のための王だとしたら、彼は誰かのための王ではなく、生粋の王だったんだろう、うつくしかった……。
2015-04-12 01:10:57モノクロの舞台。王家の血だけが生々しい赤色をしていて、老若男女入り混じるタンゴと錯誤する服飾。車椅子の玉座。老いとは、若さとは何か。成熟とは、未成熟とは。取りこぼしたくない仰々しいセリフの洪水で溺れて死にたくなる空間で、反芻しては幸せ噛み締めてる。もう一回くらいねじ込みたいなー…
2015-04-12 01:15:26ネクストシアターを生で観るのは真田風雲録以来二度目。6年経ってもインサイドシアターの空気は同じなんだなぁ……。
2015-04-12 10:37:19内田さん、声は決して大きくないのに、独特のリズムと声色が遠くまで響きを飛ばす。貧弱さを匂わせる動作と病的な青白さ、不気味とすら感じさせるのに頭に残る。前回観た時には居なかったんだなぁ居たら忘れなそうだもの。すべてにかかる「危うさ」が、不完全なものを観たがる人間の興味を掻き立てる。
2015-04-12 11:43:47このシーンを一番美しく観たと思えたのはステージ向かって右手ブロック最前のやや捌け口寄りの座席 pic.twitter.com/PduwPtWqsC
2015-04-13 00:44:12さいたま芸劇のチラシコーナーすごく好きなんだよなぁ図書館みたいで。あれくらい多岐に渡ったチラシ置いてくれると嬉しいよね。こども魔笛気になる。
2015-04-17 13:12:01西洋史はテキスト読むより戯曲2回ずつくらい観た方が視覚効果も相まって記憶に残る。中高生の頃に出会いたかった。
2015-04-17 15:07:46リチャード役の内田健司さん、改めて不思議な方。生気のない顔にぐしゃぐしゃの髪、顔顰めたくなるくらいに痩せ細った身体は猫背で内股で、言葉を発すれば観てるほうが不安になって嫌悪感すら覚えそうな上擦った響き。でも目が離せない、異様な美しさ。吸い込まれたなぁ、他作品も観てみたい。
2015-04-17 17:00:56役者が脱ぐと横隔膜の動きが気になって、「この人背筋の使い方すごい…」みたいな感想のが先に出てくるので若干見るとこズレてる。
2015-04-17 20:39:43ネクストはDVDないけどもステージレジェンドで出始めたから、今回の公演もいつかは地上波放送されるのかなーとは思いつつ、内田さんの良さは半減どころか2割も分からないものになってしまうんだろうな、という役者さんだった。あの声なんなの、もっと聴きたい、聴きたくない、聴きたい
2015-04-17 21:36:19王位継承するのはいいけどナンバー制やめろよ!!!と受験の時に悲鳴をあげていたアレな。未だに世界史は苦手だ。漢字の方がマシ…。
2015-04-17 23:47:57でも、この後も続くヘンリーとリチャードの内輪揉めみたいな王位交代劇って百年戦争中なんだね…そんなことやってる場合じゃないのに、そうせざるを得ない。リチャード風に言うなら、力づくが世だったこのご時世ならば。
2015-04-17 23:54:50いったん視覚情報入れてから入ると分かりやすいんだ西洋史、どうしようちょっと楽しいw 史実にそぐわないところもあるけど、そこは史料を読めばいい話だからホント文字追っかけるだけより理解しやすいw
2015-04-17 23:56:42内田さんのリチャード、まばたきが特殊で、まったくしなかったりほぼ閉じていたり、かと思えば白目を剥いた状態で独白を続けていたり、「御機嫌よう」と笑ったときも「卑しい肉体は死ぬ」と倒れ伏したときも、目から表情が見て取れない。痩せこけた頬と骨張った身体と空洞の目は王の抜けた器。
2015-04-18 22:03:18ゴールドシアター単独の公演も観たいなぁ…あのエネルギーは発足の目的がうたうように人生の史実を重ねた貫禄なんだろうか、突然説教されても無下にできない気迫が。ネクストの彼が演じた老人と、実際に月日を重ねた彼らが演じる老人、どちらも素敵だったなぁ。
2015-04-18 22:07:11イザベルは1回目に観た浅場万矢さんがとてもよかった!沈痛な面持ちの見舞いのシーンからロンドンでの別れまで、彼女には常に悲しみと憐れみの影が付きまとっていて、まさしく「愚鈍な王をただ一人庇護する箱入りの王妃」。発せられる声からお顔から立ち姿から、とにかくハマり役でした…。
2015-04-18 22:12:36ネクストのリチャード二世における「服を脱ぐ」という行為は、王が同性愛者だったと言われている史実を臭わせているだけではなく、忠義の表れなのかなぁと思った。王の前で裸になるということは王への忠誠を示すこと、示させること。
2015-04-18 22:19:12シェイクスピア作品、観たり読んだりしてるけど好みでなかったのか今まで残らなかったのに。「リチャード二世」の戯曲が好みだったのかな。一言で言えば退位する王とその絶望ってだけなんだけど。一貫する美に弱いのかもしれない。
2015-04-18 22:21:43リチャードに脱がされたボリングブルックが今度はオーマールの服を脱がすように、権力は動く。それから某二人の一人称がある部分ですり替わるんだけど、それがまたぞっとする。
2015-04-18 22:24:12リチャード二世、無事千秋楽終わったようでお疲れさまでした。ここまで純粋な面白さで心を揺さぶられる公演に出会えたのは久々。ただただ満足です。というわけで、ぼちぼち演出等に関する感想を。
2015-04-19 22:14:27ステージはおなじみインサイドシアター。ステージを囲み上から覗き込むように三方向に客席、そしてその客席の倍の幅はあろうかという奥行きのあるステージ後方。
2015-04-19 22:16:20ピアノの音と穏やかな笑い声と共に、30人近いご老人方が車椅子でぞろぞろ出てきたときには正直どうしようかと思った…笑 基本的に若い男性は燕尾、その他は和服という和洋折衷な出で立ち。不思議と違和感はない。音楽が切り替わると同時にステージ上にいる人間が一斉にタンゴを踊り出す。圧巻。
2015-04-19 22:21:36若い男性と高齢の女性、高齢の男性と若い女性、男性同士、女性同士…年齢も身分も違う老若男女入り乱れの群舞は、まるであちこちに張り巡らされた人間同士の駆け引きみたいだった
2015-04-19 22:24:12リチャード二世も車椅子で登場。そう、玉座が車椅子。貴族たちも皆乗っている車椅子。のちにボリングブルックが王座に着く際も車椅子へと座るのだけど、王の椅子だけは自動操作。玉座とは不便なようで便利なようで、また、誰でも座れるもののような。
2015-04-19 22:27:16あ、そう、コヴェントリーでの決闘シーンで出てきた馬のクオリティ高すぎて。モーブレーの馬、落ち着きなさすぎて。……PMC野郎公演を思い出してなんかいませんとも!
2015-04-19 22:29:55韻文をイメージで飛ばすと聞いてもピンと来なかったけど、観て理解というか、観ないとわからんこれ。セリフは勿論日本語訳なので、朗々と紡がれる仰々しい言葉の羅列はそれはそれでとても心地いい。ただ韻を踏む子気味よさを視覚イメージでぶつけてくるかよ、と。結局「後味」なんだよね。すげーわ。
2015-04-19 22:33:40ヨーク公と公爵夫人がオーマールの罪を巡って罵倒し合うシーン、真面目な話なのに、夫婦漫才のような可笑しさがあって、つい微笑んでしまった。実際の役者年齢は親子ほど離れてるはずなのに、あの空気が出せるものなのなぁ。
2015-04-19 22:39:23服を脱いで横たわるシーン、照明が十字架を描いていて磔のキリストだった…。フリント城で王位継承を受諾した時には地球が投影されて、あの時点ではどうしようもなく彼が王だった…美しかった…その足元で鎧を投げ捨て爪先にキスをし、その後毒を吐いた意図はまだよく分からない…。
2015-04-19 22:44:11途中でリチャードとボリングブルックの一人称が入れ替わる。「余」は「私」へ。「私」は「余」へ。ボリングブルックは一幕と二幕で全く違う野心に溢れた猛獣のような顔へと変貌していて、一方のリチャードはただのリチャード名も無きリチャードへと落ちても何も変わらない。それがまたヒヤリ。
2015-04-19 22:47:19内田さんのリチャード王ねえ、独特の話し方もそうなんだけど、話を聞いてる様子がまた良い。あとは階段上での立ち姿。下からの光に照らされて、表情は登場時となんら変わりなくて、それは絶望的な意味でも王の風格的な意味でもそうで、下へ、下へ…のくだりさえも美しくて眩暈がした。
2015-04-19 22:51:01さらりと吐かれた「叔父上御機嫌よう」これは何時ぞやに臣下が口にして王が笑ったセリフではなかったっけ。今笑いながら吐いたのは、誰だっけ。
2015-04-19 22:55:06