阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
@R0noFIFdiKiJjA4
永井豪の『デビルマン』が不世出の名作である事に疑いの余地は全く無いが、それは人間の愚かさや反戦のようなテーマとして表れるテキスト面が特別優れていたからではないと思う。個人的にそれらは秀抜なコズミック・ホラーの系譜ではあるけど飽くまで秀抜の域を出る事は無いだろうからだ。
2021-08-01 18:30:50
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
@R0noFIFdiKiJjA4
寧ろ自分は反対に、テーマとして汲めないビジュアル面が『デビルマン』をその名作の地位に押し上げたのだと信じている。悪魔特捜隊の拷問官や牧村家を襲撃した暴徒の台詞や描写はそれ自体前述の秀逸なテーマの表れであるけれど、それが単なるテーマの体現であるならばここまであの作品が評価される事は
2021-08-01 18:30:50
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
@R0noFIFdiKiJjA4
無かっただろう。言い換えれば、彼らは単なるテーマの体現者として留まる個性の持ち主ではないのだ。彼らのような人間を現実に見る事ないしは見た事があるけれど、それその者を見る事は終ぞ無いだろうと僕は考えるのだが、それは詰まり彼らがある種のプラトンの言う「イデア」だからではなかろうか。
2021-08-01 18:30:50
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
@R0noFIFdiKiJjA4
即ち、彼らが単なる悪意や恐怖に駆られた人間としてではなくある種の形而上学的な性格をビジュアルの面で持って発揮している事が、『デビルマン』に描かれた物が単なる現世に対するコズミックホラー風味の説教譚に留まらず、寧ろ説教も現世も超えた地獄その物としての風格を持たせる。そしてその地獄
2021-08-01 18:46:30
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
@R0noFIFdiKiJjA4
の風格や描写は愚かさや絶滅と言った飽くまでも人間的な価値観を超えた神の領域、取り分けその領域を我々に垣間見せる契機となったサタン、即ち飛鳥了の愛(とそれに応えた不動明の憎悪)を我々に伝え、それが人間の愛と大きくかけ離れていないという感慨がある種の人間が神や天、
2021-08-01 18:46:31
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
@R0noFIFdiKiJjA4
前述のイデアと悲劇的に繋がっている事を暗に、即ちテキストではないビジュアルとして示しているのではないだろうか。要するに『デビルマン』の示す世界は表向き(テキスト)は人間の愚かさであろうが、その裏(ビジュアル)ではそのような近代の人間主義的なテーマを遥かに超えた神の領域と人間の
2021-08-01 18:46:31
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
@R0noFIFdiKiJjA4
神話的な繋がりが描かれていて、その神話世界はビジュアルである為容易には読者に理解はされないが必ず朧気ながらも我々の心を掴み、そして『デビルマン』に限り無い称賛を送らせるのだ。
2021-08-01 18:51:39
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
@R0noFIFdiKiJjA4
まあ、長々と呟いてきたけどその動機は 「『デビルマン』読んで言える事が人間は弱い、人間は醜い(それを知ってる俺は正しく、強い)しかなくてそれで得意になって群れてる、少し昔の漫画読んでる自慢のイナゴオタク気持ち悪いから彼らから『デビルマン』を解放したい」みたいな烏滸がましいものです。
2021-08-01 18:51:39