【白雪姫】白林雪夕華 【魔法の鏡】鏡杜 朝廉
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惡妬偽バナシ【完結】 @otogibanasi480

これは、この世で最も美しいと称された少女と、嘘をつくことができない少年のお話。 …その才能が、2人の幸せな日常を壊したのです。

2023-01-07 21:33:34
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…精神世界の舞台は姫によって変わる。 本日の精神世界の舞台は……。 「学校」

2023-01-07 21:34:21
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今回の試練の挑戦者は 「白雪姫」白林 雪夕華 「魔法の鏡」鏡杜 朝廉 pic.twitter.com/mH47WVOM0Z

2023-01-07 21:34:36
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2人が目を覚ましたのは見慣れた校舎の入口。 ここに来る前に2人が通っていた高校と瓜二つだった。

2023-01-07 21:35:45
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朝廉「なんかなっつかしいね~?ゆゆ」 朝廉は気の抜けた声で雪夕華に話しかけた。

2023-01-07 21:36:12
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雪夕華「……そうだね。」 いつも変わって元気な返答ではなく、静かに答えた。

2023-01-07 21:36:37
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朝廉「まあ出口見つけなきゃいけないし、とりあえず入ろうか」 朝廉はそういって入口の玄関に入ろうとした。その時。

2023-01-07 21:36:58
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思いっきり滑って転んでしまった。

2023-01-07 21:37:16
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朝廉「いたい……」 彼は、精神世界でも痛みはあることを理解した。

2023-01-07 21:37:46
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雪夕華「大丈夫?そんな変な格好してるからでしょ?」 朝廉「ゆゆは相変わらず綺麗なのにね」 pic.twitter.com/uZ0cHFs0bL

2023-01-07 21:38:14
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雪夕華「はいはい」 雪夕華は朝廉の手を取り、引っ張った。 雪夕華は鏡から目を逸らし、朝廉の手を握る。

2023-01-07 21:38:43
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雪夕華「なら、これで大丈夫でしょ、ちゃんと着いてきてね。ゆき。」 朝廉「わーい、ありがとうゆゆ」 二人は手をつなぎながら校舎に入った。 pic.twitter.com/ki5dKl79x8

2023-01-07 21:39:10
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シーンと静まり返っている校舎。2人は周りを見渡しながら足を進める。

2023-01-07 21:39:56
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朝廉「ねえ、なんか手繋いだら昔のこと思い出さない?」 雪夕華「…………幼稚園の時のこと?」

2023-01-07 21:40:28
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ーーー 二人は3歳の時に、同じ幼稚園で出会った。 お互い前の土地から転校し、初めての土地に来たばかり。

2023-01-07 21:40:58
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お互い家族環境に問題があった。 雪夕華の父親は交通事故で亡くなり、朝廉の父親は薬物に手を出し、家庭を崩壊させていた。

2023-01-07 21:41:24
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雪夕華はオッドアイの目や八重歯など、特徴的な見た目で友達が出来ず、寂しい想いをしていた。

2023-01-07 21:41:45
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周りの子どもが雪夕華の見た目を不思議そうに見る中、朝廉は

2023-01-07 21:42:11
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朝廉「綺麗な夕焼けと朝焼けの色!お空がいちばん綺麗な時の目だ!」 そう、キラキラした目で言った。

2023-01-07 21:43:17
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朝廉「うん!すっげー綺麗!」 この日から二人は友達、いや幼馴染となった。 pic.twitter.com/0rmmbYYmLc

2023-01-07 21:44:13
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ーーー 少し時が経った頃、事件は起きる。 朝廉が家の階段から落ちて入院したのだ。

2023-01-07 21:44:58
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雪夕華「ゆき!?大丈夫?」 朝廉「ゆゆ…なんかね目が変なの。」 朝廉の目は落ちた衝撃で色を見分けることが前より困難になってしまった。

2023-01-07 21:45:22
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雪夕華「(ゆゆがゆきを守らなきゃ……)」 この日から雪夕華は朝廉の手を引いて歩くようになった。彼のことを支えるために。 pic.twitter.com/Yx1PH5EAan

2023-01-07 21:45:55
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幼稚園、小学校と2人で仲良く手を繋いで毎日登下校していたのだった。 ーーー

2023-01-07 21:46:36
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雪夕華「……なつかしいね」 雪夕華は思わずクスッと笑みを零した。 二人はそのまま角部屋の教室に足を踏み入れる。

2023-01-07 21:46:54
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朝廉「わ~教室だ。」 雪夕華「授業毎日聞いてないけどね」 朝廉「ゆゆもでしょ。」

2023-01-07 21:47:18
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雪夕華「ところでお化けはどこにいるの?」 お化け……オウジサマのことだ。

2023-01-07 21:47:43
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朝廉「……なんも聞こえないね、寝てんじゃない?」 雪夕華「ゆきじゃないんだから。」

2023-01-07 21:48:16
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そう言いながら雪夕華は教室の窓際の席に腰掛けた。 雪夕華「ゆきも座ったら?ちょっと疲れたんじゃない?」 pic.twitter.com/5zc5vpf97K

2023-01-07 21:48:36
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朝廉「じゃあ、俺も座ろうかな~」 と朝廉が隣に腰掛けようとした瞬間。 背後の窓からなにか音がした。

2023-01-07 21:49:17
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ペタ……ペタ……………………………… 恐る恐る雪夕華が振り返るとそこには。

2023-01-07 21:49:42
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???「譌ゥ縺乗ュサ繧薙〒縺上l」 「オウジサマ」がいた。 pic.twitter.com/v1vpgHK20K

2023-01-07 21:50:17
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雪夕華「ゆき!」 雪夕華は朝廉の手を掴み急いで走り出した。 それと同時に背後の窓ガラスが割れる音がした。

2023-01-07 21:50:54
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朝廉「え、威力ヤバ~~~笑」 雪夕華「笑ってる場合じゃない!」 pic.twitter.com/mkUw6GJFma

2023-01-07 21:51:25
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二人は全速力で駆け出し、体育館倉庫へと身を潜めた。 化け物は今は近くにいないようだ。

2023-01-07 21:52:15
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朝廉「あれ、ここ体育館じゃね?」 雪夕華「バスケ男子だもんね」 朝廉「そうそう、中学の時とかね」

2023-01-07 21:53:01
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ーーー 中学時代は少し距離が空いた。 私に婚約者が居るということを知らされたことが原因だった。 あまりにもショックを受けた。

2023-01-07 21:53:23
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家に帰らないことが増えた。 親はそれでも心配なんてしなかった。 朝廉は部活もあって前より少しいる時間が減った。

2023-01-07 21:53:46
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時には手首を切って命を絶つことを考えた。 必死に止めて、一緒に遊んでくれた人がいた。 今では私の大好きな親友だ。

2023-01-07 21:54:10
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モデルの仕事を見学しに行った時に変な男に絡まれた。 その人は私を庇ってくれた。 今も大好きな先輩だ。

2023-01-07 21:54:47
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それでも朝廉には敵わない。 幼い頃は手を引っ張っていたのに、手を離そうとする私の手を逆に握り返してくれた。 pic.twitter.com/SuU4zrb7qZ

2023-01-07 21:55:19
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「ゆきが だったら 良かったのに」 聞こえない小さな声で呟いた。 ーーー

2023-01-07 21:56:07
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雪夕華「そろそろ移動しない?出口探さないと。」 朝廉「そうだね。」 2人は場所移動を始め、廊下に出た。 廊下を静かに歩きながら慎重に進む。

2023-01-07 21:56:34
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雪夕華「ねえゆき、出口の条件はなんなんだろうね。」 朝廉「何だろ俺にもわかんないや」

2023-01-07 21:57:00
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二人はそう言いながら階段を登って屋上に向かった。 屋上には真っ暗闇が広がっている。

2023-01-07 21:57:20
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雪夕華「夕焼けじゃなかったね、残念。」 朝廉「朝焼けでもないね。」 二人はそういった後に笑いあった。

2023-01-07 21:57:48
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ーー。背後。 グチャ………………グチャ……

2023-01-07 21:58:10