お題「冷める」「肉料理」「ドラマツルギー」
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津森七@文学フリマ京都い-36 @tumori_nana

ドラマツルギーがどうとかこうとか、せっかくの料理に手もつけず、自らの語る御大層な話にあなたはすっかり夢中でいる。そんなに戯曲に詳しいなら、すっかり冷めた肉料理と私の心、拍手喝采空前絶後な展開にて、見事温め直してくださいませ。さあ、私が席を立つまであと五秒。

2018-09-01 22:01:27
夢夜 @ruya_reve

『恋愛感情は3年しか続かない』というけれど、お前への想いは冷めるどころか募っていく。 抱き締めてキスをしたい。 触れて奥まで感じたい。 声が聞けるだけでいい。 ……そばにいて。 「どうしたのですか?」 お前の声で物思いから覚めた。 艶めいた唇が目の前にある。 「ねえ……キス、したい」

2018-09-01 22:01:57
峰庭梟 @sss_books

「山猫軒という名の料理屋か。まるで宮澤賢治の童話だ」 「それは怖いなあ。大将、まさか俺たちを食べるとか言わないよね?」 大将は「まさか」と笑いながらテーブルに料理を置く。 「そういやこれ、何の肉だったっけ?」 大将は、山猫の目でニヤリと笑った。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 / 肉料理 pic.twitter.com/LQV3XBuN5u

2018-09-01 22:02:25
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夢夜 @ruya_reve

熱く燃え上がるような恋情だけだったら冷めることもあったかもしれない。 でも、貴方への想いは穏やかで優しい愛情でもあった。 ──これからも冷めることはないでしょうね 隣で眠る貴方の明るい色の髪に触れ、唇をなぞる。 ──愛してます そう呟くと、ゆるく私の腰を抱く貴方の腕に力が入った。

2018-09-01 22:02:32
花滝ちかる @chikaru_toka

情熱は燃え尽き、恋は冷める。育てた愛など幻だ。 「冷めるから、コーヒーも要らない?」 「要る」 熱く、苦いコーヒーにホッとする。 「じゃあ、私が冷めないコーヒーになってあげる」 俺は意表を突かれたが、笑った。 「お前は、コーヒーにしては甘いな」 新しい、甘い恋を始めようか。 #140字小説

2018-09-01 22:03:14
しろにった りん @rin_shironitta

さぁ今夜も、 君が示すドラマツルギーをなぞって、素敵な戯曲を紡ぎましょう。 漆黒の大きな瞳や、 戯言しか吐けない薄桃の唇。 月を吸い込み、蒼く染まったシーツに皺を寄せる、繊細な指先。 もちろん、心の臓まで冷めきった、 君の偽りの吐息が頬を撫でるのが、たまらなく心地よいから。

2018-09-01 22:05:11
繭美 @140mayumi

お題/冷める・ドラマツルギー 地区大会二位に終わって、地方大会に進めなかったあの青春時代を振り返る。高校演劇部の皆さん、頑張ってー!  #深夜の真剣140字60分一本勝負 #140字小説 #140字ss #演劇 #高校演劇 pic.twitter.com/Ahr4RMTuo1

2018-09-01 22:05:23
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RAY/※※※ @growler_ray

恋というのは、大体の人が熱々のままであってほしいと願うもの。ずっとラブラブイチャイチャして…でも、正直私には熱すぎる。 「ねえねえ」 「…何?」 「ううん、なんでもない!」 猫舌な人が飲み物を冷ますように、暑がりな人が扇風機で涼むように、少し冷めているくらいが、私は心地いい。

2018-09-01 22:05:58
繭美 @140mayumi

お題/肉料理 珍しく二個できたので、連投失礼します。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 #140字小説 #140字ss pic.twitter.com/ZkkPxAACNy

2018-09-01 22:06:46
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安津 るり @Ruri__anzu

「遅いなぁ」 せっかく作った料理が冷めていく。 会社を出た時間から考えて、帰ってきてもおかしくない時間なのに。 そう思ったら鍵の開く音がした。急いでソファから立ち上がり、玄関へ向かう。 「ただいま。なんて――」 「おかえりなさい!」 笑顔で出迎えると彼は怯えた顔をした。 「お前、誰だ?」

2018-09-01 22:07:13
水城弥生 @mizukiyayoi8484

彼女が得意だったハンバーグを始めとした肉料理を作る。「もう、私の前に顔見せないで」って急に別れを告げた君と離れてからも好物は変わらない。鶏肉牛肉豚肉。全てを揃えて熱々のフライパンに少しずつ入れて焼く。きっとこれらもすぐに口に入れないと、冷めるのだろう。僕らの関係と同じように。

2018-09-01 22:07:59
色糸 @IRO_Iroito_

人生という物語。序章は記憶にないし、終章は見られない。 特殊な物語故に、殆どの作劇法は通用せず、日々一行ずつ綴っていくが、書いてしまったら消すことはできない。 演者は自分のみ。観客は他の全てだが、それは同時に、私という観客に対する演者でもある。 誰一人、張り付いた仮面は剥がせない。

2018-09-01 22:11:34
にゃん @nyan_kotonoha

以前、つき合ってた男に冷めた肉料理をひどく叱られて別れた。連絡も何もなく全然帰らないから、作ったままうっかり寝落ちしたところに帰ってきたのだ。それ以来、ちょっとこの男はと思うと冷めた肉料理を用意するということを繰り返してる私は、今でも独り。今や料理よりも冷めた女になりつつある。 pic.twitter.com/iBxngzmPin

2018-09-01 22:13:28
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春日聖奈@二代目 夜 @haruhino37

「ただいま…」 机の上には夕飯の残りか、豚肉の炒め物。 結婚して三年目。 会社では高給取りと言われ、異性の後輩からは色の混ざった視線すら感じている。 が、実際の俺は妻の涙すら見て見ぬ振りをする最低な男だ。 本当に魅せたいのは、俺を見せたいのは誰なんだ。 もう一度、妻の方へと向き直す。

2018-09-01 22:14:01
にゃん @nyan_kotonoha

「恋に効く芝居とセリフ?」 「あんた演劇部でしょ、教えてよ」 好きな先輩に振り向いてほしくて始まった、級友の彼の指導。 沢山の言葉を囁かれ、仕草を仕掛けられ。 恋と芝居を延々と説く彼の顔は、教室でのそれとは全く違って凛々しくて。 数か月後。あたしの隣にいるのは先輩じゃなく、彼だった。 pic.twitter.com/ytTCkLsY7c

2018-09-01 22:17:27
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安津 るり @Ruri__anzu

『ありがとうございましたー』 ハンバーグ弁当の入った袋を手に家へ帰る。 ドアを開け、誰もいない部屋に入る。 「ただいま。なんて――」 誰も居ないのにな、と言おうとした。 「おかえりなさい!」 リビングから顔を出したのは、見知らぬ女。俺は一人暮らしだ。 怖くなり、怯える。 「お前、誰だ?」

2018-09-01 22:18:47