LIVEネタ(🦊🐰に嫉妬する🦁)
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旧彷徨 @_hoonysHeart

日本での4度目のツアーが始まった。 4人になって初めての日本公演…メンバーはもちろん、スタッフ含め全員が楽しみにしていたし、成功させる為に念入りに準備を重ねてきた成果もあって初日の千葉は大成功だった。 スケジュールの都合でスリランカから一度韓国へ帰れたけど、それもほんの数時間だけ… pic.twitter.com/pwM1y5Jojf

2019-12-04 14:19:49
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日本とは時差もないし、ご飯もビールも凄く美味しい…それになんと言っても親切で優しい人が多いのが好きだ。千葉、大阪と久々に日本のファン達に会えるのを楽しみにしてたのに…… 『昨日の夜中に…1時だっけ?』 大阪公演でのMC中 突然振られた話題に一瞬で頭が真っ白になった。 えっ嘘だろ…?

2019-12-04 14:20:17
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『ねぇジヌくん何時だっけ?』 明らかに動揺する俺にニコニコとユニが笑いかける。何があったのかと会場中の視線が一気に自分に集中するのを感じて、カラカラに乾いた喉からなんとか小さく声を絞り出した。 「…に、にじ……?」 『あー2時だったんですね!』 実はですね~と嬉しそうに話し出す🦊

2019-12-04 14:23:18
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ほんの僅かな期待を裏切らず、軽快なリズムで繰り出されるスンユンのトークはそれはもう思った通りの内容で…客席で飛び交う黄色い歓声さえ遠くに聞こえる。 (ああ…まだ今から何曲もあるのに…) 勇気をだしてそっと横目に見たフニの顔が全然笑ってない。そりゃそうだ、今まで知らなかったんだから

2019-12-04 14:24:00
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『それやばくない?』 緊張が漂ったのもほんの一瞬。 普段から勘の良いミノが咄嗟に発した一言に、フニもようやく呆れたような笑顔を作る。 「それやばいよ」 『それがやばいことなんもなかったんですね』 「やばいやばい」 自分はというと… わざとらしく拗ねた顔を作ってみせるのが精一杯だった。 pic.twitter.com/fpzcBTY5w4

2019-12-04 14:26:04
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「ねぇさっきのほんと?」 あの後ミノのおかげでその場は一気に和やかな雰囲気に戻り、ライブも大いに盛り上がった。やっぱり大阪はノリがいい。客席とのやり取りも楽しくて、そんなことなどキレイさっぱり頭の中から忘れ去っていたのに… ライブ終わりの車内で、隣に座ったフニが静かな声で呟いた。

2019-12-04 14:28:10
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「えっ…」 突然のことに声が裏返った。 馬鹿みたいに隣で固まる俺を一瞥すると、すぐに携帯の画面に視線を戻したフニが淡々と話を続ける。 『ユニが言ってた』 「…あぁ」 『じゃあ二人は昨日一緒に寝たんだ』 「……うん」 正直、密室でこの沈黙は相当つらい。 でもフニが怒るのも仕方ないよな…

2019-12-04 14:29:40
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俺とフニは恋人同士だから 当たり前だけど、メンバー以外には誰にも言ってないし言うつもりもない。 アイドルという職業柄ファンの子の手を握ることだってあるし、笑顔で甘い言葉を囁く時だってある。もちろんたまには嫉妬だってするけど…そこはお互いプロとして干渉しないのが暗黙のルールだった。

2019-12-04 14:30:44
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『ふぅん…』 「ごめん」 『ヒョン、なんで謝るの?』 薄暗い車内の中でも、フニの鋭い視線が突き刺さるのがわかる。 「なぁ…それ以上ジヌヒョン責めるのはやめなよ」 何も言えず黙り込んでいると、大人しく前列に座っていたミノが呆れた顔でこちらに身を乗り出してきた。 『…別に、責めてない』

2019-12-04 14:31:58
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「いや…完全に責めてますけど」 はぁ…とわざとらしく溜息をつくミノの普段は男らしい眉毛は今や完全に八の字を描いていて。フニはというと、相変わらず視線だけで画面が割れそうなほど険しい顔で携帯を睨んだままだ。 「兄さんは全員に送ってたし」 『……』 「たまたまあいつが起きてただけで…」

2019-12-04 14:32:39
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あいつ…とミノが顎で指した先、一番前の座席で横になったユンが穏やかに寝息を立てていた。 次の日、朝早くに自分の部屋に戻って誰にもバレてないつもりだったのに…結局あの後どうしたのかと他の二人に聞かれる前に「俺が誤魔化しとくから」と笑顔の弟に言われ安心しきっていた自分が馬鹿みたいだ。

2019-12-04 14:43:34
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結局車内の気まずい雰囲気を残したまま、その日の夜はひとり自室のベッドで丸くなって眠った。本音をいえばまだ怖かったけど…さっきあんな事があった後でまた懲りずにユニの部屋で一緒に寝たなんてフニが知ったら本気で喧嘩になりそうだったから。 🐻『怖かったら俺のとこおいで』 🐰『大丈夫だよ』

2019-12-04 14:46:14
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優しい弟からのメッセージを表示する画面にポタリ、と水滴が落ちる。 あっという間に視界が歪んで鼻の奥がツンと痛む。重たく濡れた睫毛に耐えきれずぎゅっと目元に力を入れると、堰を切ったように次々溢れてくる涙を止められなくて、やけに冷たいシーツに頬を押し付けた。 ほんと…馬鹿みたいだ……

2019-12-04 14:48:21
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ほんの数分前── ホテルに着いて車を降りた途端さっさと先に部屋に上がってしまったフニの背中をぼんやり見送る俺に、そっとミノが近付いてきてくれた。 『ヒョン、そんな落ち込まないでよ』 「ミノヤ…」 『ほら~可愛い顔が台無しじゃん』 兄さんは笑ってなきゃ、と緩い力で肩を抱き寄せられる。 pic.twitter.com/QuVzPXbdFR

2019-12-04 14:50:27
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「うん」 『…ジヌヒョンとしばらく会えなかったから、きっとヒョンも寂しかったんだと思う』 あの人全然顔に出ないけどさ… そうおどけて見せるミノの体温が、荒んで冷えきった心をじんわりと暖めていくのがわかる。 「そう、なのかな…」 『絶対そうだって!あっ、スンユニには俺から話しとくよ』

2019-12-04 14:55:11
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『多分あいつも反省してる』 「…けど、」 『自他共に認めるジヌヒョン馬鹿みたいなとこあるし、今は昔みたいに好きな時にヒョンのこと独占できないから』 だから許してやってよ 無意識、なんだろうな… ユニの事を話す時、少し寂しそうに目を細めるミノの顔を見るといつも何も言えなくなってしまう pic.twitter.com/DF3Gj8jaeB

2019-12-04 15:06:38
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『まっ!そういうこと!』 パッと明るい表情に切り替えると、軽く俺の肩を叩いて距離をとる。ニコニコ笑うミノについさっきまでの雰囲気はもう微塵も感じられなかった。 『今日はヒョンもゆっくり寝て』 「うん…ありがとう…」 『どうしても怖かったら俺に連絡くれればいいし』 「大丈夫だって…」

2019-12-04 15:08:32
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『カ…カンキ…カンキセン?』 「わぁ!ミノ凄いね!」 『いやあんだけ言われたらさすがに覚えるでしょ…』 「えっ…そうなの?」 『ハァ……でもそんな冗談言えるんならもう大丈夫かな』 「?」 頭にいくつもはてなマークを浮かべつつ、明日も早いから…とミノにお休みを言って自分の部屋に戻った。 pic.twitter.com/Pgz2JO1WQP

2019-12-04 15:12:02
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部屋に入るなりその場で服を脱ぎ捨てると、なるべくカンキセンを気にしないようにして手早くシャワーを浴びる。 頭から熱いお湯をかぶると沈んだ気持ちが少しはマシになる気がして…手早く身体を洗い、清潔そうな真っ白のバスローブを羽織ると濡れた髪もそのままにベッドの波に思いっきりダイブした。 pic.twitter.com/506oS6LkrO

2019-12-04 15:18:44
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そうして丸くなるうちにしんみりした気持ちになってきて更にはミノからの✉…歳を取ると涙脆くなるって若い頃は信じてなかったけど最近思えば泣いてばかりだ… もちろん感動や喜びの涙もあったけど、今はただただ寂しくて、慰めるように自分の身体を抱き締めていると足首で光る細い金属に目が止まる。

2019-12-04 15:19:41
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シンプルだけど、アクセサリーや宝石類に疎い自分にだってひと目で上質な物だとわかる。照明を落とした暗い室内でも細い金属に装飾された小さなダイヤが輝いて、とても綺麗だ。 去年のバレンタイン 恭しく持ち上げた足首にこれを付けて、つま先にキスを落とすフニの横顔が昨日のように思い出せるのに pic.twitter.com/nVo8Ffpmg6

2019-12-04 15:21:13
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左の親指から小指まで…可愛らしいリップ音を響かせてフニの柔らかい唇が降ってくる。その不思議な感覚がやけに擽ったくて、耐え切れず動いた小指の先を甘える子犬のような仕草で軽く甘噛みされる。 『…痛いよ』 「ヒョンが動くのが悪い」 口では文句を言っておきながら、フニの顔は心底楽しそうだ

2019-12-04 15:22:28
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唇が離れた隙を狙って、もう随分と長い間フニに取り上げられていた左足を取り返す。ようやく帰ってきた足首に巻き付けられた繊細な糸のように煌めくそれを間近で見ると、小さなダイヤが飾られている事に驚いた。 『…ねぇ、絶対高か』 「それ、最後まで言ったら絶交する」 『だって…なんか悪いよ…』

2019-12-04 15:25:50
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「なんで?」 『なんでって…こんな高そうなやつ…』 「あれ?ヒョン知らなかった?俺が実はそこそこ人気のあるアイドルで、可愛くて綺麗な年上の恋人に似合う素敵なプレゼント買えちゃうくらいには稼いでるってこと」 『もう…笑わせないで』 「俺はいつも本気なんだけど…」 『…うん、ありがとう』

2019-12-04 15:26:59
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「これなら仕事中も大丈夫そうだね」 『うん、だからアンクレットにしたんだけど気に入ってもらえて良かった』 嬉しそうに目を細めて微笑むフニを見てるとこっちまで嬉しくなってきて、柔らかそうな頬にお礼のキスを送る。 「…ねぇ」 『ん?』 「男が恋人にする贈り物には意味があるの知ってる?」

2019-12-04 15:29:31
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ニヤリ、と片方の口角を上げた笑みに不穏な空気を感じて、腰掛けていたベッドの上をゆっくりと後に下がる。そんな俺を逃がさないとばかりに追いかけてきたフニの、しなやかで獣のような肢体に絡みとられ、気がつくと今朝替えたばかりの真新しいシーツの上で組み敷かれていた。熱い視線に身体が熱くなる

2019-12-04 15:52:52
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「……理由?」 『そう、時計なら同じ時間を刻みたいとか…服なら脱がせたい、とか』 ほんとはそっちにしようか悩んだんだけど…と、悪戯な笑顔を浮かべるフニの指先がシャツのボタンをひとつひとつ丁寧に外していく。冷たい空気に触れて、晒された薄い肌が粟立った。 『…俺はヒョンを独占したい』 pic.twitter.com/uKatfhvryh

2019-12-04 16:23:57
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前髪を払う仕草はこんなにも優しいのに…まるで獲物を前にして飢える獣のような眼差しで俺を見つめるフニの表情からは一切の感情が読み取れず、僅かな不安に体が震える。 『…怖い?』 「…ごめん、ちょっとだけ」 『謝んないで』 鼻先が触れ合う距離に顔が近付く 『……時々、俺も自分が怖くなる』 pic.twitter.com/1NHVQwvJ2I

2019-12-04 16:25:36
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🐰の足首に🦁からのアンクレットさせ隊pic.twitter.com/YCmdPmuTFz

2019-12-04 16:29:46