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1 飛鳥「好きな人っているの？」 〇〇「急にどうしたんですか？」 飛鳥「いいから！」 〇〇「んー。正直よく分かりません。ちゃんと人を好きになったことがなくて。」 飛鳥「そうか。」 〇〇「こんな答えでもいいですか？」 飛鳥「うん。」
2023-06-03 17:00:30
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2 飛鳥「じゃあそろそろ帰ろうか。」 〇〇「はい。ごちそうさまです。」 飛鳥「うん。」 会計を終え、帰路につく2人。 飛鳥「今日も〇〇のおかげで楽しかったよ。」 〇〇「こちらこそ。楽しかったです。」 飛鳥「また行きたいな〜。」
2023-06-03 17:00:46
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3 飛鳥「〇〇。」 〇〇「はい。」 飛鳥「これからもよろしくね。」 〇〇「はい。なんですか、急に改まって。」 飛鳥「いいでしょ！そんな日があっても！」 〇〇「まあいいですけど。」 飛鳥「それじゃ、またね。」 〇〇「はい！ありがとうございました。」
2023-06-03 17:01:27
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4 〇〇と飛鳥が出かけていた頃、さくらはシェアハウスに戻って考えていた。 遠藤「(お姉ちゃんの余裕からして、絶対に〇〇さんと出かけてるな。)」 姉の飛鳥の表情からそれを感じ取ったさくらだったが、止めることもできなかった。
2023-06-03 17:01:58
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5 そんな時。 白石「あれ？さくちゃん、考え事？」 遠藤「え？」 白石「なんか珍しく表情が固いから。」 遠藤「そ、そんなことないですよ。」 白石「ふーん。そっか。」 遠藤「白石さんこそどうしたんですか？」 白石「実は家にあったオーブンが壊れちゃってね。」
2023-06-03 17:02:14
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6 白石「いろいろありすぎて迷うから、ここのオーブンでも使って良かったら同じの買おうかなって思ってさ。」 遠藤「じゃあ何か作るんですか？」 白石「うん。グラタンでも作ろうかなって。」 遠藤「いいですね！私も食べたいです。」 白石「うん。みんなの分も作るよ。」
2023-06-03 17:02:26
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7 白石さんは料理上手で有名である。よく私たちにも差し入れしてくれるのだが、それが全て美味しい。 遠藤「……。あ！！」 白石「ん？どうしたの、さくちゃん。」 遠藤「白石さん！私に料理を教えてください！」 白石「え？別にいいけど、急にどうしたの？」
2023-06-03 17:02:39
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8 遠藤「そ、それはいいじゃないですか。」 実のお姉さんの前で弟さんのためになんて、口が裂けても言えなかった。でも料理ができる女性であることに越したことはないと思った。 白石「じゃあ一緒に作ってみようか。」 遠藤「はい。お願いします。」
2023-06-03 17:02:55
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9 白石「じゃあまずは具材を切っていこうか。」 遠藤「はい。」 白石「玉ねぎの千切りからお願い。」 遠藤「は、はい…。」 白石「さくちゃんってあんまり料理しないの？」 遠藤「あんまりというか、まったく…。」 白石「そっか。好きな人でもできた？」 遠藤「えっ！？」
2023-06-03 17:03:20
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10 白石「危ない！！」 遠藤「あっ…。」 白石「危なかった…。」 遠藤「す、すみません…。」 白石「ごめん。なんか変なこと聞いちゃって。」 遠藤「いえ…。」 白石「慎重に少しずつ切っていこうか。」 遠藤「はい。」
2023-06-03 17:03:39
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11 具材を全て切り終えたところで…。 白石「じゃあグラタンで1番大事なホワイトソース作りだね。」 遠藤「はい。」 白石「具材を炒めてからが重要なんだけど、牛乳を少しずつ入れていくの。ダマにならないようにね。」 遠藤「はい。」 白石「じゃあ、やってみよう。」
2023-06-03 17:03:49
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12 牛乳を少しずつ入れていく…。 遠藤「こ、こんな感じですか？」 白石「ん〜、もう少し入れてもいいよ。」 遠藤「これくらいで？」 白石「そうそう。それで混ぜる。」 遠藤「はい。」 白石「うん。いい感じだね。」
2023-06-03 17:04:03
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13 白石「よし、いい感じでとろみがついてきたから、マカロニと合わせてあとはオーブンに入れるだけ。」 遠藤「意外と簡単なんですね。」 白石「うん。ホワイトソース作りだけ手間がかかるけど、それ以外は簡単だよ。」 遠藤「じゃあ仕上げましょうか。」 白石「そうだね。」
2023-06-03 17:04:20
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14 チーズをかけてオーブンに入れると、あとは待ち時間になる。 白石「さっき少し聞いたけど、好きな人でもできた？」 遠藤「その話ですか？」 白石「だって気になるじゃん。」 遠藤「ま、まぁ…。」 白石「えー、そうなんだ！どんな人？」
2023-06-03 17:04:31
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15 遠藤「すごく優しいです。」 白石「へぇ。さくちゃんから好かれるなんて、さぞ幸せ者なんだな、その子は。」 遠藤「(あなたの弟さんです…。)」 白石「じゃあいつかその人にもグラタン食べさせてあげなよ。嫌いな人いないでしょ。」 遠藤「そうですね。」
2023-06-03 17:05:07
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16 なんて話をしているとグラタンが出来上がった。 遠藤「おー！美味しそう。」 白石「上手くできたね。」 遠藤「はい！」 白石「じゃあ食べてみようか。」 時間も時間で、匂いに釣られて同居人もリビングに降りてきた。
2023-06-03 17:05:19
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17 大園「うわ、美味しそう…。」 梅澤「さすが白石さんですねー。」 白石「今日はさくちゃんが頑張ってくれたんだよ？」 梅澤「え、そうなの？上手！！」 遠藤「いえいえ、白石さんに教えてもらっただけで…。」 白石「熱いうちに食べようか？」 大園「食べたい！！」
2023-06-03 17:05:51
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18 「いただきます！」 梅澤「ん〜。美味しい。」 大園「初めて作ったんだよね？すごいよ！」 遠藤「うん！美味しいですね。」 白石「やったね。」 梅澤「さくちゃん、また作ってよ〜。」 遠藤「教えてもらえたら、頑張ります。」 白石「うん。定期的にここで作ろうか。」
2023-06-03 17:06:24
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19 遠藤「はい。今日で料理が好きになれました。」 白石「うん。料理って覚えるとすごく楽しいからさ。どんどんいろんな料理作っていこうね。」 遠藤「はい！」 料理という武器を身につけることになった私。いつか〇〇さんに振る舞えるその日まで。 つづく…。
2023-06-03 17:06:34