ストレートな名言もたくさんあるけど、もちろん漫画という総合芸術なので。スピリッツが一冊の形になっていましたね。 沙代ちゃんの魂は水木の心に宿った。私はそう信じました。
2023-12-21 21:24:20「長い時が理解を深めるとは限らない。一瞬は永遠であり、永遠は一瞬である」 「何がつらいといって、親しい友を救ってやれないことほどつらいことはないんだ。自分の苦しみなら耐えることもできるが、我慢のしようがないんだからな」 (のんのんばあとオレ)
2023-12-21 21:24:19実家に置いてた「のんのんばあとオレ」を引っ張り出してみたら、まあ刺さること。これ実質ゲ謎ですよ、冗談じゃなく。水木先生のスピリッツを丁寧に紡いだことがよく分かります。
2023-12-21 20:39:56何度でも言ってしまうけど、水木のあの自尊感情の低さは、自責の念から来ているはず。「だから俺なんかに」とか「こんな醜悪な一族に憧れていたなんて」とか、戦場で悔いる行為をしていない人からは出ないと思う。 上昇志向は戦友の無念を背負った代償行動でもある。彼らを食べて生き延びたなら尚更。
2023-12-21 15:19:22まあ、その、私の言う核心なんて、水木は戦場でゲロ辛い思いをしてきたんだぞってことと、「他人と同じことをしていたのでは生き残れない」って何したのさ…人でも食べたの?ってとこだから。
2023-12-21 14:55:16そもそも核心を見つめるなんてことが、人間と人間の間でどれだけ可能か。 人が自分自身を見つめるには誰かに見てもらわないと出来ないってことでもあり、ジレンマだよね。 妖怪というフィクションを通じることで可能になった得難い物語であると思いました。
2023-12-21 14:40:08沙代ちゃんの真剣な気持ちを弄ぶなって優しく諭してくれる時には、もう完全に寄り添って見守る態度でいてくれる。水木はようやく素直な気持ちを吐ける。 ここから水木に沙代ちゃんの背後が見えた時、ゲゲ郎が自身の核心を見つめていたことと、沙代ちゃん共々見守られていたことに水木は気付くわけ。
2023-12-21 14:25:38形はどうあれ自らを直視した上で寄り添ってくれているわけ。水木はそんなの預かり知らないってのもエモ。 ゲゲ郎は徐々に変化していって、憐れみをかけるようになる。激昂する水木も趣深い。この男自尊感情が地を這っていても、底に矜持は残してるの。もちろんPTSDの兵士の強がりでもあって痛々しい。
2023-12-21 14:25:37ゲゲ郎→水木の、放置から見守りへ到る過程と、その過程を物語る声高くない調子がエモなの。 そもそも放置ということが、妖怪にしか出来ない。水木の背後にあるものを見つめて放置しつつ付き添うなんてことは人間には出来ない。妖怪の冷たさではあるけど、その冷たさが水木にとっては救いでもある。
2023-12-21 14:25:37そんで、水木が沙代ちゃんの背後を見た時に、ゲゲ郎が己の背後に見ていたものと黙した見守りの姿勢に気付くって流れが最高に好きなんですよ
2023-12-21 11:51:16私も水木人肉食萌えはやらかしているので何とも言えない。萌えずとも、その解釈があると物語がグッと深まるってものではあるんだけど、その流れにすら私はエモを感じちゃってるからね。苦しんでいる水木というキャラが好きなんですよ。ゲゲ郎が黙って見守っていたってとこも含めて。
2023-12-21 11:44:06沙代ちゃん、実にサクサクと片付けていくし、明らかに歯止めが効かなくなっていってるし、ああ、初めてじゃないんだな…の感覚はある。ただ、実際に時貞を殺したにせよ服毒だよね。時麿以降怨霊を使役する存在になった自分をどう思ったろう。水木と出会ったのはほんの狭間の恋を出来る期間だったのだな
2023-12-19 05:30:42冒頭の時貞の死は暗殺のメタファーで語られていて、沙代ちゃんの恐怖と憎しみに対応するものになっている、と私は思う。 現実、毒の入手も使用も困難であるだろうし、沙代ちゃんに可能かとか、やったかどうかの話ではない。 現実にどうこうのレベルを越えて、メタファーとして語っている。ゲ謎すごい。
2023-12-19 05:19:09ゲ謎、語らずに語ることに秀でて不十分のない作品であるが、一つだけ全く語られないことがあって、沙代ちゃんの妊娠への恐怖。「語り得ないことについては沈黙せねばならない」に近い感覚ある。 しかし、語らないこともまた冒涜であるので、ゲ謎はちゃんと「語って」いる。
2023-12-19 05:19:08自分、水木の、人間という存在が縛りつけられている重力から逃れられない/逃れようとしないまっとうさとしんどみが好きなんだと思うけど、水木があっち側に片足突っ込んだ存在になったとしたらワケわかんないくらい萌えるので、人間とは事程左様に勝手なものなのです。
2023-12-19 04:39:46ゲ謎もう公開して1ヶ月だしネタバレはいいでしょ。 あの場所に来てるかもしれない「あの男」と、親父の長い思い出話の「あの男」は、あの作り込まれた映画の文脈上同じ人ってことなんだけど、何がどうして水木は年齢不相応の存在になってるんですか??ゲロ萌え……
2023-12-19 02:44:27水木は戦争を終えられないまま10年生きて、血桜の下でようやくツケを払ったと思ってたんだけど、記憶なくしたってことはやっぱあの男戦争を生き続けちゃってるの?いえちゃんと泣くほど悲しい「何か」を抱きしめて(失って)戻ってきたのだが。 鬼太郎を抱きしめたところから水木の戦後が始まるのだな。
2023-12-16 21:57:53親に大事に育てられて、育てられたと思ってたらお祖父様に身を捧げろだのって、大変辛い。やっぱ乙米、沙代ちゃんに自分も同じことしたって言ってたんじゃないかな。家族を愛するまっとうな子に育てれば、沙代ちゃんはお父様にそんなこと伝えられなかったろう。自分が父の子でなければ尚更。
2023-12-11 03:05:59克典と乙米、あれはあれでそれなりにちゃんとした夫婦だったんだと思う。沙代ちゃんの育ちっぷり見てるとそう思う。乙米は思想がアレだけど、他はむしろ普通のちょい厳しめの御婦人なんだろう。そういうのの方が怖いよね。
2023-12-11 02:51:12ほんと、完璧に作り込まれた作品で、よく検証したいから覚えたいの。でも覚えても劇場行くと思う。画とか音とか、何回観てもまた浴びたくて、浴びるたびにああよかったってなる魅力があるんだよね。
2023-12-08 18:34:16私の目標は脳内で再生コマ送り出来るくらい覚えることなのでまだ行くんだけど、意外にいつも同じところが抜けちゃう。細かいところ。ジブリみたく分かりやすく大きい場面移動がないからね。なんかずっとちまちましてる。
2023-12-08 18:30:35ゲ謎のちょっとした描写一つ一つの効率のよさ、情報の取捨選択、見事としか言えない。104分59秒でできること全部詰め込んで、語り過ぎず情報を選ぶことで観客の想像力を引き出し、観客の作品世界(と現実の世界)への見方をアップグレードさせて、重厚な世界観を作ってる。
2023-12-07 06:34:14ゲゲ郎と沙代ちゃんが顔合わせてる描写はなくて、よくできてるなと感心する。ゲゲ郎が沙代ちゃん見たら一瞬で事件解決だもんね。ちょろちょろと情報収集している描写を効率よく使ってて、沙代ちゃんと水木とのやりとりについてはゲゲ郎が信頼する筋からの伝聞なんだろう。
2023-12-07 06:15:27ゲ謎のように作り込んだ作品は、断定はされないが推論として考えられることはアリの範疇って文法。水木が戦友を食べたとは断定されないけど、十分あり得るとは提示されている。沙代と時弥の出生についてもそうだけど、その辺の微妙なあわいを胸に納めて観ることも鑑賞態度の一つとして勧められている。
2023-12-07 01:02:04嘘です。 水木に沙代の背後が見えた時、父の目に見えていたものに思い至ったはずです。沙代共々見守られていたことに。黙して見守る優しさと勁さ、己の核心を理解される得難い体験の衝撃が、クソデカ大波となって水木を襲います。沙代は先に逃がしましょう。相棒を救わなければ、否、救いたいのです。
2023-12-07 00:41:45人の真剣な気持ちを弄ぶなって優しく諭すことのできる父が、初めから見えていたのに一切口にしないところ、効くんだよなあ… 放置→憐れみ→見守りの経過がね。水木が金輪際預かり知らないところもね。
2023-12-03 10:39:40「つまんねーな!」って拒絶できたのは、自身のバイアスをぶっ壊せたからって見方もできるけど、自身が線引きしてるモラルを外れてるって明確な理由もあり、水木って変わってるようで変わってないのかもしれん。わたしはバイアスなんてそうそう壊せないと思ってる。
2023-12-03 19:56:30表層意識でこいつは負け犬って言ってても、自分より下はないって思ってたんじゃないか。なのに父に憐れみをかけられると激昂して胸ぐら掴み上げる水木くんが好き。底に矜持が残ってる。
2023-12-03 19:45:46観客目線では、水木が龍賀一族に「憧れてた」とか、「だから俺なんかに」とか、あそこの場面でわざわざ引っかかりのある台詞出してきたなって感じ。 水木、自分より下はそうそう居ないってバイアスがかかってるって設定じゃないかな。それもこれも人肉●のせい。
2023-12-03 19:38:53ゲ謎の副読本に野火も加えましょう。野火を準拠枠に観るゲ謎。語られること少なかった水木の戦記が深遠な叙事詩に。なにこの奥行き。膨らみ。悲哀。興奮してきたな。(※妄想です)
2023-12-03 09:04:37戦地のシーンで戦友との交流を一切描写しなかった。その度胸、潔さ、好き。子供だましにしないために難しい言葉も使うのと一緒で、観客を信頼している。
2023-12-03 08:43:02戦友が守護霊説は堅いな。「お主の後ろ大勢ついておる」は、我々が考えがちな「憑く」ではなかったと。水木は戦友を食べたけど、人を屠って力を蓄え呪詛返しで身を守っている龍賀とは対照になっている。 食べてもいいよって言われたから食べたんじゃないかって気がするんだよね。敵兵食べてなさそう。
2023-12-03 08:14:05俺が死んだらここを食べてもいいよって言う戦友と水木の妄想がはかどって仕方ない。 どこのお肉を指定しようかな。利き腕?お尻?心臓?水木にどこ食べてほしい?
2023-12-03 04:08:55野火ねえ~、見事なレトリックの戦争文学なんだよねえ~。昭和34年の市川崑の映画の方はわたしは観てない。古賀監督は観てるに決まってるか。 原作のね、煙草を扱って鮮烈なシーンがあって、あそこは見たことのない映像で覚えてる。
2023-12-03 03:51:16文化的に人肉食は薬食いだったり相手の力を得る行為ってのがあるし。封神演技で何故敵方の妲己が姫昌に伯邑孝の肉を食わせてやってるのだって話があり。
2023-12-03 03:40:20スペースで言ってた、戦友の霊が守ってくれたって見方もあながち間違いではないと思う。野火みたく、俺を食べていいよってシーンはきっとあったでしょう。
2023-12-03 03:32:20ゲ謎、「(父)お主の後ろに大勢憑いておる」「(水木)人と同じことをしていては生き残れない」○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ fse.tw/buqQAMPn#all
2023-12-03 03:02:37わたしはね、「人と同じことをしていては生き残れない」って言っちゃってた水木を練ることをライフワークとしますので。ほんと好きな余白。実態がその時その場所では珍しくもなかったことだとしてもね。
2023-12-03 02:45:27