第6回深夜の真剣140字60分一本勝負

ちひろ @naruhara04

朝焼けの中君と二人、寝落ちてしまったこたつから抜け出し、コンビニへと歩いた。寝癖だらけの頭に白いものが付いては溶け、付いては融け。氷点下の中、みぞれかき氷と木のスプーンが、ビニール袋の中で寒々しい音をたてた。帰れば二人で食べよう。さくり、と口の中で融ける幸せを噛み締めながら。

ちひろ @naruhara04

朝焼けの中君と二人、寝落ちてしまったこたつから抜け出し、コンビニへと歩いた。寝癖だらけの頭に白いものが付いては溶け、付いては融け。氷点下の中、みぞれかき氷と木のスプーンが、ビニール袋の中で寒々しい音をたてた。帰れば二人で食べよう。さくり、と口の中で融ける幸せを噛み締めながら。

花滝ちかる @chikaru_toka

僕は知っていた。純粋な君が、恋しい別の面影を忘れられない自分を責めていたこと。 君が、暗い部屋から独り出て行く。さよなら、と小さな涙声は、僕の寝たふりに気付かずに。 ドアが閉まる音に、僕は目を開けた。まだ間に合うんだ。 夜明けの街を、僕は走った。君の涙を信じて、君を抱き締める為に。

花滝ちかる @chikaru_toka

僕は知っていた。純粋な君が、恋しい別の面影を忘れられない自分を責めていたこと。 君が、暗い部屋から独り出て行く。さよなら、と小さな涙声は、僕の寝たふりに気付かずに。 ドアが閉まる音に、僕は目を開けた。まだ間に合うんだ。 夜明けの街を、僕は走った。君の涙を信じて、君を抱き締める為に。

秋月蓮華 @akirenge

みぞれアイスを食べながら、暖かい室内で待機。 「お疲れ」 私は双子の兄に手を振る。 「早起きしたくなかったのに」 そうはいっても仕方が無い。外は大量の雪。 定期的に雪かきしないと困るのはこっちだし。 「雪融け……いつだ？」 「まだ降るって」 凍える日は続く。 #深夜の真剣140字60分一本勝負

秋月蓮華 @akirenge

みぞれアイスを食べながら、暖かい室内で待機。 「お疲れ」 私は双子の兄に手を振る。 「早起きしたくなかったのに」 そうはいっても仕方が無い。外は大量の雪。 定期的に雪かきしないと困るのはこっちだし。 「雪融け……いつだ？」 「まだ降るって」 凍える日は続く。 #深夜の真剣140字60分一本勝負

楓もち/春秋 @mapledanke

積もっていた雪が溶け始めたので、冬が嫌いだからと冬眠していた魔女を起こすことにした。硝子の棺の中で眠る彼女は相変わらず美しい。金色の髪、白い肌、血色の良い唇。僕に死ねない呪いをかけられたその体。爪で棺を軽く叩くと彼女が瞼を開いた。おはよ、と笑う君に悪魔である僕は百回目の恋をした。

楓もち/春秋 @mapledanke

積もっていた雪が溶け始めたので、冬が嫌いだからと冬眠していた魔女を起こすことにした。硝子の棺の中で眠る彼女は相変わらず美しい。金色の髪、白い肌、血色の良い唇。僕に死ねない呪いをかけられたその体。爪で棺を軽く叩くと彼女が瞼を開いた。おはよ、と笑う君に悪魔である僕は百回目の恋をした。

呂衣 @roiroi7272

ねえ、そんなうららかな、始まりの日差しの様な美しい笑みを向けないで。 もし君の金色の指先に触れでもしたら、僕は溶けてしまう。 解けて融けて、ずっと奥に隠していたものが無防備にさらされてしまう。 こんなものを太陽である君に見られたら、僕は。 どうか春の君よ、 目覚めないでくれ。

呂衣 @roiroi7272

ねえ、そんなうららかな、始まりの日差しの様な美しい笑みを向けないで。 もし君の金色の指先に触れでもしたら、僕は溶けてしまう。 解けて融けて、ずっと奥に隠していたものが無防備にさらされてしまう。 こんなものを太陽である君に見られたら、僕は。 どうか春の君よ、 目覚めないでくれ。

さいこ@創作アカ @saico_create

午前三時。早起きと呼ぶには暗すぎる時間だが、一度冴えてしまった意識は簡単には微睡みに戻らない。仕方なく喉を潤すためにキッチンへ向かう。ふと、窓の外へ目を遣ると、刺すような宵闇に粉雪が舞い始めていた。街路灯の灯りに照らされて揺れる儚さの結晶。三文の価値はあるな、と思ってみたりした。

さいこ@創作アカ @saico_create

午前三時。早起きと呼ぶには暗すぎる時間だが、一度冴えてしまった意識は簡単には微睡みに戻らない。仕方なく喉を潤すためにキッチンへ向かう。ふと、窓の外へ目を遣ると、刺すような宵闇に粉雪が舞い始めていた。街路灯の灯りに照らされて揺れる儚さの結晶。三文の価値はあるな、と思ってみたりした。

例の人。@nox @nox_for_world

彼女に会えるのはほんの一時。 彼女は感じている、冬の厳しい日々を。 彼女は聞いている、湖の氷が軋む音を。 彼女は見ている、黒く重たい雲が割れて柔らかな日差しが白い世界を溶かしてゆくのを。 彼女に会えるのはほんの一時、春の来訪を真っ赤ドレスで彩る、雪融けの花。 彼女の名前は…。

例の人。@nox @nox_for_world

彼女に会えるのはほんの一時。 彼女は感じている、冬の厳しい日々を。 彼女は聞いている、湖の氷が軋む音を。 彼女は見ている、黒く重たい雲が割れて柔らかな日差しが白い世界を溶かしてゆくのを。 彼女に会えるのはほんの一時、春の来訪を真っ赤ドレスで彩る、雪融けの花。 彼女の名前は…。

例の人。@nox @nox_for_world

朝の挨拶は元気よく行うべきである。なぜならその日の全てが挨拶から始まるからだ。疲れた顔や声で済ませてはいけない。自分の家族に元気を分けられるように、明るく元気に振る舞うのだ！ 「あ、もう開いてる。まだ太陽も出てないのに元気だなぁ」 「このお花なんて名前？」 「あぁ、向日葵だよ」

例の人。@nox @nox_for_world

朝の挨拶は元気よく行うべきである。なぜならその日の全てが挨拶から始まるからだ。疲れた顔や声で済ませてはいけない。自分の家族に元気を分けられるように、明るく元気に振る舞うのだ！ 「あ、もう開いてる。まだ太陽も出てないのに元気だなぁ」 「このお花なんて名前？」 「あぁ、向日葵だよ」

例の人。@nox @nox_for_world

貴方の言葉は耳から入り胸に…。 世界で私だけが切り離されて15年経った。プライドという服で着飾る事ばかり得意になって、内にある心はドンドン弱気になり冷たく凍りついてゆく。 でも、貴方の言葉は胸に突き刺さってくる。凍った心が砕かれ溶かされる。それが嬉しくて、また耳を傾けてしまう。

例の人。@nox @nox_for_world

貴方の言葉は耳から入り胸に…。 世界で私だけが切り離されて15年経った。プライドという服で着飾る事ばかり得意になって、内にある心はドンドン弱気になり冷たく凍りついてゆく。 でも、貴方の言葉は胸に突き刺さってくる。凍った心が砕かれ溶かされる。それが嬉しくて、また耳を傾けてしまう。

レイト @zero_decade

気持ちの良い朝日が差し込むベッドの上で伸びをひとつ。 ーーよく寝た。いい朝だ。 時計を見ればいつもより少し早い時間で、なぜか得した気分になる。 キッチンに向かい、コーヒーを入れて、一口。苦味と温かさが喉を通り目が醒める。 さて、今日は何をしようか。 探しに行こうか、三文の徳でも。

レイト @zero_decade

気持ちの良い朝日が差し込むベッドの上で伸びをひとつ。 ーーよく寝た。いい朝だ。 時計を見ればいつもより少し早い時間で、なぜか得した気分になる。 キッチンに向かい、コーヒーを入れて、一口。苦味と温かさが喉を通り目が醒める。 さて、今日は何をしようか。 探しに行こうか、三文の徳でも。

夢夜 @ruya_reve

朝が苦手な俺に早起きはかなり辛いものがある。眠い目を擦りながら寝室を出ると、キッチンで君が朝食を作っていた。俺に気づいた君が笑顔を見せる。「おはよう！　今日は早いね、よく眠れた？」早朝の君はいつもより爽やかに見える。こんな君の顔が見られるなら、たまには早く起きてみようか。

夢夜 @ruya_reve

朝が苦手な俺に早起きはかなり辛いものがある。眠い目を擦りながら寝室を出ると、キッチンで君が朝食を作っていた。俺に気づいた君が笑顔を見せる。「おはよう！　今日は早いね、よく眠れた？」早朝の君はいつもより爽やかに見える。こんな君の顔が見られるなら、たまには早く起きてみようか。

藤黄書房 @to_o_syo_bo

#深夜の真剣140字60分一本勝負 からだが震える。 まだ外は真っ暗。 みぞれ混じりの雨が心の底から僕を冷やす。 早起きして向かうのはケンカしたっきりの君の家。 ごめんね…を言いに。 からだが震える。 僕と君の雪解けはなるのか？ この震えはきっと寒いからではない気がする…。

藤黄書房 @to_o_syo_bo

#深夜の真剣140字60分一本勝負 からだが震える。 まだ外は真っ暗。 みぞれ混じりの雨が心の底から僕を冷やす。 早起きして向かうのはケンカしたっきりの君の家。 ごめんね…を言いに。 からだが震える。 僕と君の雪解けはなるのか？ この震えはきっと寒いからではない気がする…。

夢夜 @ruya_reve

予報は雨だったけど気温が低かったせいか、みぞれになった。「雪になるのも時間の問題だな」彼が呟く。降りしきるみぞれを見ている彼に、私は自分の小さなわがままを口にできないでいる。交通機関が麻痺すれば、彼はここに泊まっていかざるをえなくなる。そう願うのはいけないことですか……？

夢夜 @ruya_reve

予報は雨だったけど気温が低かったせいか、みぞれになった。「雪になるのも時間の問題だな」彼が呟く。降りしきるみぞれを見ている彼に、私は自分の小さなわがままを口にできないでいる。交通機関が麻痺すれば、彼はここに泊まっていかざるをえなくなる。そう願うのはいけないことですか……？

夢夜 @ruya_reve

「雪だ！」そう言ってはしゃぐ貴方の笑顔に胸が高鳴る。わかってる、それが私に向けられたものではないことくらい。私の貴方への想いも雪に埋もれてしまえばいいのに。雪融けと共に消えて無くなってしまえばいいのに。そう願うのに貴方への想いは募っていく。……貴方への想いは、隠せていますか？

夢夜 @ruya_reve

「雪だ！」そう言ってはしゃぐ貴方の笑顔に胸が高鳴る。わかってる、それが私に向けられたものではないことくらい。私の貴方への想いも雪に埋もれてしまえばいいのに。雪融けと共に消えて無くなってしまえばいいのに。そう願うのに貴方への想いは募っていく。……貴方への想いは、隠せていますか？

夢夜 @ruya_reve

雪を見つめるお前の横顔は悲しくなるくらい美しい。雪融けと共にお前が消えてしまったらどうしよう。そんな思いに囚われる。どこにも行かないで。ここに――俺のそばにいて。そんな不安を隠してわざとはしゃいだ声を出す。「雪だ！」「……ええ」胸が痛い。ねぇ、なんでそんなに綺麗な顔で笑うの……？

夢夜 @ruya_reve

雪を見つめるお前の横顔は悲しくなるくらい美しい。雪融けと共にお前が消えてしまったらどうしよう。そんな思いに囚われる。どこにも行かないで。ここに――俺のそばにいて。そんな不安を隠してわざとはしゃいだ声を出す。「雪だ！」「……ええ」胸が痛い。ねぇ、なんでそんなに綺麗な顔で笑うの……？

RAY/※※※ @growler_ray

春は雪融けの季節。積もり積もった雪が冷たい水となり、埋もれていた植物に恵みを与える季節。 そして、そんな日は融け出た水があちらこちらで小川を作り、太陽を反射して道や野原を輝かせる。私はそれが見たくて、今日は早起きをしたの。 君だけに、この景色を教えてあげる。みんなには、秘密だよ？

RAY/※※※ @growler_ray

春は雪融けの季節。積もり積もった雪が冷たい水となり、埋もれていた植物に恵みを与える季節。 そして、そんな日は融け出た水があちらこちらで小川を作り、太陽を反射して道や野原を輝かせる。私はそれが見たくて、今日は早起きをしたの。 君だけに、この景色を教えてあげる。みんなには、秘密だよ？

∫ MatoP @_Mato_P_

朝早くには雪が降ると言われて、早起きしてみた。 でも、どうやらもう気温が上がってみぞれになっていて、雪は雪融けしていた。 内心がっかりしながら、部屋に戻る。 ふと携帯がなる。 君からだ。 「今度どっか行かない？雪国とか」 すぐに変身する。 「うん！行きたい！」 心があったかくなった。

∫ MatoP @_Mato_P_

朝早くには雪が降ると言われて、早起きしてみた。 でも、どうやらもう気温が上がってみぞれになっていて、雪は雪融けしていた。 内心がっかりしながら、部屋に戻る。 ふと携帯がなる。 君からだ。 「今度どっか行かない？雪国とか」 すぐに変身する。 「うん！行きたい！」 心があったかくなった。

Altair @_altair_73

冬が苦手だった。君が隣にいない温度、雪に刻まれる一人分の足跡。寒いね、と言うと繋がれた手の感触を思い出し、寒いね、と笑う君が脳裏に浮かんでまた胸がざわついた。あれからそう経っていないのに、随分昔のことのように思う。私は雪融けを待ちながらも、君のいない季節を迎えることが怖かった。

Altair @_altair_73

冬が苦手だった。君が隣にいない温度、雪に刻まれる一人分の足跡。寒いね、と言うと繋がれた手の感触を思い出し、寒いね、と笑う君が脳裏に浮かんでまた胸がざわついた。あれからそう経っていないのに、随分昔のことのように思う。私は雪融けを待ちながらも、君のいない季節を迎えることが怖かった。

千川@金欠マン @senkawa31337

融け始めの雪は厄介だ。 雪掻きをすると腰にダメージ、靴にも雪が染みる。さらにその上に雪が積もると……コケる。 わたしの心は雪のよう。融けても人に悪影響。だから自分が嫌だった。 融ける心を肯定できるようになったのは君のおかげ。 不思議そうな顔してはにかむ君。 責任、取ってくれるよな？

千川@金欠マン @senkawa31337

融け始めの雪は厄介だ。 雪掻きをすると腰にダメージ、靴にも雪が染みる。さらにその上に雪が積もると……コケる。 わたしの心は雪のよう。融けても人に悪影響。だから自分が嫌だった。 融ける心を肯定できるようになったのは君のおかげ。 不思議そうな顔してはにかむ君。 責任、取ってくれるよな？

鈴木　広 @madaremonokaki

目が覚めると外は薄暗い、空にわずかに輝く星と向き合う街灯の光 降り注ぐ雪はみぞれになっていた。 ん...おはよう ごめんね、起こしちゃった？ いいよ、まだ裸じゃ寒いや あなたは嬉しそうに毛布にくるまる 明日からはもっと早起きしなくちゃね わたしは雪解けと共に消える もっとあなたといたいのに

鈴木　広 @madaremonokaki

目が覚めると外は薄暗い、空にわずかに輝く星と向き合う街灯の光 降り注ぐ雪はみぞれになっていた。 ん...おはよう ごめんね、起こしちゃった？ いいよ、まだ裸じゃ寒いや あなたは嬉しそうに毛布にくるまる 明日からはもっと早起きしなくちゃね わたしは雪解けと共に消える もっとあなたといたいのに