【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その1】RT-PCRネタシリーズ第三弾。RT-PCRの基本を押さえなければ、次のネタの解説に進めないので、珍しく夜にツイートするの図。
2020-04-27 23:18:25【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その2】さてさて、新コロはRNAウイルスであり、RNAの増幅にはPCRではなく、逆転写-PCR、すなわち「RT-PCR」が必要であることは、おわかり頂けたことかと存じまする。
2020-04-27 23:20:24【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その3】なぜ変態オジサンが、ここまでRT-PCRという言葉にこだわるかと言えば、RTという修飾語が付くだけで、増幅対象ブツが『RNA』であることを強烈に主張してくれるからであります。
2020-04-27 23:21:40【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その4】これまた何度も繰り返すが、PCRの増幅対象ブツは「DNA」であります。世の中のPCR厨は、新コロがRNAウイルスであるという事実すらわかってない、アンポンタン集団ということになる。
2020-04-27 23:24:45【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その5】ブツがDNAなのか、はたまたRNAなのか?この違いは、遺伝子工学上極めて大きな影響をもたらす。なぜか?
2020-04-27 23:25:27【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その6】それは、「RNAが極めて不安定な物質」だからであります。では、なぜ不安定なのか?
2020-04-27 23:27:47【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その7】それは、我々人間様が分泌する、汗、唾液、痰などあらゆる分泌物に含まれる『リボヌクレアーゼ ribonulcease, 略して RNase』が、RNAをブチブチに、ぶった切ってしまうからであります。まさにハサミ!✂
2020-04-27 23:29:50【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その8】分子生物学の研究者は、このリボヌクレアーゼを最も恐れる。ウイルスよりも恐れる。なぜなら、リボヌクレアーゼは「酵素」であるため、ウイルスよりも遙かに小さく、しかも我々の手の表面や、唾液中に豊富に含まれているから・・。
2020-04-27 23:31:46【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その9】ちょっとオタク入ってますけど、Thermo Fisher Scientific という世界最大の科学機器・試薬メーカー(本社米国)の日本語ブログに、オモシロ記事が掲載されていたのでご紹介。thermofisher.com/blog/learning-… pic.twitter.com/oaXfFhPHlN
2020-04-27 23:34:48【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その10】熟達した研究者であれば、手袋の有る無しで、RNA抽出後のRNA純度に影響はない。しかし、抽出後のRNAサンプルを掌や指の上に置いた場合、ましてや唾を購入させたサンプルでは、RNAが見事に分解されていることがわかる。
2020-04-27 23:37:46【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その11】不肖アタクシも若かりし頃は、何度も「謎のRNA分解」に遭遇したものでございます。手間暇掛けて抽出したRNAが、ホルマリン変性電気泳動で確認すると(現代では到底許されない鬼畜実験)、バラバラ殺人事件に終わっていたショックは、今でも忘れないッス😭
2020-04-27 23:44:20【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その12】閑話休題、ともかくRNAという物質は、人間の汗・唾液・痰に含まれるリボヌクレアーゼによって、瞬間的に分解されてしまうという、この事実だけ、頭の隅に留めておいて頂ければ幸いに存じまする。
2020-04-27 23:46:16【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その13】なぜ人間の体液に、これだけ豊富なリボヌクレアーゼが含まれているのか?その理由は神のみぞ知る・・ですが、恐らくは、ウイルスの攻撃から身を守るために、人類が身に付けた仕組みなのでございましょうね。
2020-04-27 23:48:22【RNA抽出はリボヌクレアーゼとの闘い・その14】ここまで来て、ようやく「検体保存問題」を論じることが出来るようになりました👏(チカレタ・・)。
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