819プラスまとめ

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喧嘩しました|すがわら #819プラス 些細なことで彼女と喧嘩をしてしまったすがわら。なんとなくお互い意地になってぷりぷりしてたんだけど、部活中に彼女がクラスの男子と何やら楽しそうに会話しているのを見つけてしまう「こっちの気も知らないで何やってんだよ」無性に腹が立って冷静さも失って

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ズンズンと彼女とクラスメイトの間に入る「何話してんのさ」「っ、すがわら！」「別になんでもいいじゃん」彼女がぷいーっとそっぽ向くので、クラスメイトくん察して俺はこれで、って立ち去る。「楽しそうにしてたな？」「はい、それがなにか？」つんけんした物言いにすがわらカチーン「はい、仲直り」

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「は？」ブスッとした顔のすがわらが手を広げてこっち見てる「ん！」ここに飛び込んでこいってこと？「こーしが抱きしめるべきじゃない？」「あーもう！」痺れを切らしたすがわらがそのままぎゅうと彼女を抱きしめる。「俺も悪かったけど、お前も悪いよ。でもこうやってチクチクしてんのが

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一番やだかんな」「…ん、ごめん」「つーか喧嘩してっときに他の男子とニコニコ話すのやめて」「そんなつもりなかった」「さすがに嫉妬する」ぎゅ、の力が強くなる、独占欲強めのすがわら好き。多分この後うしろからさーむらさんが来て冷たい笑顔で怒られる

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喧嘩しました|さわむら #819プラス 普段はさわむらの方から折れてくれるのに、今回は全然そうもいかなくて、結局お互い意地張って喧嘩継続中のさわむらカップル。いつもなら部活終わったら彼女待たせてるからってそそくさ帰るのに、帰んないで部室にいるからすがわら辺りから怪しまれる「だいち、

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今日は彼女ちゃんと帰んねーの？」「まぁな」「喧嘩でもした？」「…」「図星みたいだな」あずまねが苦笑いでそろそろ帰るかって部室のドアを開ける「っわ、びっくりした！」「なんだあさひ、でかい声だして」ってあずまねの後ろから顔を出せば、部室の前に彼女がいてギョッとするさわむら「おま、」

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「あれ？彼女ちゃん！だいち待ってた感じ？」「…ご、ごめんね声…」おろおろしてるあずまねをスルーしてさわむらの胸ぐらをぐっと掴み「いつまでそうしてるつもり？」見上げてるのに凄みのある彼女に圧倒されなにも言えず「だいちが悪いと思ってるけど、こんな風に喧嘩したかったわけじゃないから。

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ごめんね」胸ぐら掴みながら言うことじゃねえだろと周りは思ってるけど「…っ、悪かったよ…」さわむらが降参と言わんばかりに両手をあげて頭を振る。「俺が悪いよ、彼女にここまでさせてることも含めて」胸ぐらを掴む腕が少し緩んだので、その腕を引っ掴み「つーわけで、先帰るわ、お疲れ」

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「おー気をつけてな」「おつかれ〜」「すがわら、あずまね、ありがと」彼女の手首掴んで歩き出したさわむらがポツリ「彼氏の俺より男らしいことすんなよ…」「え？なに？」「いや…自慢の彼女だよ、ありがとな」対等な関係が心地いいさわむらカップル推せる。

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喧嘩しました|あずまね #819プラス 「あさひなんて嫌い」ちょっとしたすれ違いで怒ってしまった彼女「あ、いや、違っ」ちゃんと説明したいのにうまくできなくてショボショボになるあずまね。もちろん拒否られてしまって自分から声をかけたりなんてできなくて、部活中もため息ばっかりで

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すがわら辺りに「彼女となんかあったんか〜？」って即バレする「俺が悪いんだけど…いや、100%じゃないけど」「相変わらずへなちょこだな」「い゙っ？！！」後ろを通るさわむらから思い切り背中を叩かれる始末「とりあえず話しかけることから始めんべ」「すが、ありがとう…そうだよな」

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背中さすさすしながら苦笑いのすがわらにお礼を言ったものの、そんな簡単に声なんてかけられるわけない。結局話せないまま、連絡もないまま、数日経った頃「あさひいる？」昼休みに急に教室に現れた彼女、クラスメイトがあずまねを指差す。真顔であずまねに近づく彼女に焦りまくる「あ、えっと…あの」

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「仲直り、しにきた」「へ？」てっきりまた怒られると思っていたので変な声が出る「あさひと話せないのちょっとしんどい」ポツリと呟く彼女に「お、おれも」なんとか絞り出せたのはそれだけ「あと、あさひにくっつけなくて寂しい」今度ははっきりと、ちょっと泣きそうな彼女が

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あずまねを真っ直ぐ見つめるので「ちょっと待ってよ…反則」顔を覆うあずまねの腰にぎゅ、と抱きつく彼女に「ここ教室っ…！」「目の前にあさひいて、我慢できるわけないじゃん」「…ごめんね、俺も寂しかった」男前彼女に振り回されながらも最後は自分も抱きしめ返してくれるあずまねあさひが好きです

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ひとつだけ|くにみ #819プラス 好きとか嫌いとか聞かれてもわからない。どうしてそんなにまっすぐな目で好きだなんて言えるんだろう「嫌いもひっくるめて好きだから」まるで私の心の中を読んだみたいに彼のセリフは続く「あのさ、」「好きかわかんない、とか言わないでよ」「言わせてよ」エスパー

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みたいなこの男のこの性格だって、知らないわけじゃない。外で降る雨の音が強くなる。雨を背景にオレンジジュースをストローで飲む180超えの高校生男子を独り占めできる贅沢も分かっている「彼氏、いないって言ってたよね」「じゃあ付き合う、は違うじゃん」「それはね」わかりやすくため息を

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ついてみたものの、変わらない表情でストローを咥えている「俺にかわいい彼女ができたら嫌じゃないわけ？」「それは」「毎日惚気て紹介なんかしちゃってさ」「なんで私と毎日会う想定なのよ」「好きだから毎日会いたいに決まってんじゃん」彼女の話はどこにいってしまったのか、会話にならない会話に

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今度は無意識にため息が出る「好きとか嫌いで括れないわけ。あきらのことをそういう風に考えたことない」もう10年以上一緒にいて、急に好きと嫌いなんて言葉で片付くわけない。もっと複雑で、難解で、ぴったりな言葉が浮かばない「でも、あきらとずっとこうして一緒にいたいな、と思うよ」歳を重ねて、

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いつの間にか私の背なんて追い越して、子どもっぽいところは変わらないけどたまに見せる男らしい表情にドキッとした日だってある「ちょっと待ってよ、散々焦らして告白返し？」珍しく顔を赤くしているあきらに余裕そうに笑ってみせる「好き嫌いなんてとっくに超えてるんだよ」

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それでいい|うかい #819プラス 諦めとか妥協とか、全部引っくるめてハハ、という声になって消えた。カラカラと開いた扉の奥から「もう閉店だぞー」という声がして、金色の頭が顔を出す「って、なんだお前か。どうした、こんな時間に」うかいは私を見てそのままレジまで降りてきた「ごめん、お店

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終わってんのに」「それはいいけどよ、まあ座れ」きっと何か察してくれたうかいが店の椅子に腰掛ける。「いいか」とタバコを取り出すので、小さく頷く。カチ、とライターの音と葉が燃えるチリ、という音だけが店中にこだまする「浮気されてた」ああ、もう涙は枯れたと思っていたのに、言葉にすると

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溢れてくる。零れてしまわないように息を止めたのに、パタパタと大粒の雨が降る。目に止まるのは自分の薬指に光る約束の証、世界で1番幸せだったのに「相手の子、妊娠してるの」うかいはどんな顔をしてるんだろう、止まらない涙を見られたくなくて、顔を上げられない「別れよう、だって。

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申し訳ない、だって」ロボットみたいに、あたえられた言葉だったみたいにツラツラと話せるのに、息ができないくらい苦しくなっていく「えーほんと、だっさいんだけどー」ほらまた笑えてくる。うかいは黙ったまま、鼻を掠めるタバコの匂いが妙にホッとする

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「まだあんだろ」俯いた頭がグッと押し込まれ、わしゃわしゃとかき混ぜられる。堰を切ったように溢れ始める、全部全部全部「おーし、泣け泣け、全部吐き出せ」 もう未練なんてないと思っていたのに、そんな顔をするな。今度はお前を攫う覚悟ができてしまう。でも今は。

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君の目を見つめると|あずまね #819プラス よし、小さく呟いた声は誰にも聞こえない。立ち上がって向かうのは彼女のもと、今日こそは「おーい、いる？」そろりと開けた扉から窺うように部屋に入る。声に気づいた彼女は顔をあげ、おつかれ、とひとこと「忙しい？」「ん？いや、もう帰ろうと

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してたところ」制服に着替えた彼女の手元には部誌「あ、もしかして最後？ごめん」閉めなきゃだもんね、と慌てて片付けを始めるので「あ、いや、ゆっくりでいい」彼女の近くまで駆け寄る。制汗剤の香りは俺たちのものと違い、フルーツのような甘い匂い「ｽｶﾞとさわむらは？」「あ、もう帰ったよ」

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先に帰れと言ったのは俺だけど、とは言わず、確かにいつも一緒に帰っているから聞かれるのは当たり前だろう。変に思われるかも、と苦笑いが溢れる「残り、あずまねだけ？みんな今日早くない？」「そんな日もあるよ」あんなに意気込んだ割に全然きっかけが掴めなくて、いつも以上に会話がぎこちない気も

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する。だいちの呆れた声が聞こえる気もする「あずまね、鍵取って欲しい」「あ、あぁ、悪い」手慣れた様子で体育館を閉める作業を進める。大きな体育館にはたった二人「ねーえ、あずまね！これ、誰のだろう」「にしのやのタオルだな」「はあ、洗ってやるか」「いや、待って」当たり前のように

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自分のバッグに西谷のタオルを突っ込む彼女の手を思わず掴む。目を丸くした彼女に、自分がしでかしたことに気づき次の言葉に詰まる「ど、したの」「あ、のさ…ちょっと嫌だなって」思わず彼女から視線を外し、掴んだままの腕も離すタイミングを見失う「あずまね…？」こちらを覗き込む彼女の視線に

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ひとつ呼吸を整える「好きな子が別の男子の私物持って帰るの、嫌だなって」「え、と」「急にごめん。好き、なんだ」まっすぐに見つめる俺の瞳に応えるように頷いた彼女の顔も真っ赤で、夢みたいだと呟いた。

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ありがたく受け取れ！|くにみ #819プラス 次の授業の準備をしているところに「ねえ」と声がかかる。顔を上げれば、教室の扉にくにみがいる。窮屈そうに扉を片手で押し上げるようにして、半身教室に入っている彼はやっぱり大きい「古文の教科書」一言それだけ告げ、もう一方の手をこちらに差し出す

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「が、なに？」わざとニコリ、と笑えば不機嫌に顔が歪む「貸して、忘れた」「最初から『古文の教科書、忘れちゃったから、可愛い彼女さん、僕のために貸してくれませんか？』って言えばいいのに」「たまに出てくるそれ、なに？」「どれ？」お望みの教科書を渡しながらとぼけてみれば、

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もういいと面倒そうに首を振る「ありがと」「どういたしまして」用は済んだはずなのに、そこから動かないくにみにどうしたのかと視線を移す「まだ何か忘れ物？」「うん、やっぱかわいいなって思っただけ」「ん゙っ？！」「なにその声」いつもの眠そうな瞳が少しだけ優しくなる

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「じゃーね、俺の可愛い彼女さん」ヒラヒラと手を振って自分のクラスに戻っていく背中に大好きって叫んでおいた。

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誰よりもずっと|さわむら #819プラス 教科書に書かれた「ままならない」という表現をみて、今の自分にピッタリだと思った。そうまさに、ままならない状況が続いている「さわむら、聞いてる？」「あ、あぁ、すまん」心ここに在らず、気にしているのは目の端に映る幼馴染の姿、見たことのない男子生徒と

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何やら話をしている「いや、どうなのかな、わかんないけど」会話の端が聞こえ、困っている様子が伺える「そこをなんとか！」「う、うーん、私そういうの苦手で」「なんの話だ」「っ、だいち！」思わず間に入るも相手の男はさっきまでの笑顔は何処へやら、引き攣った頬が痙攣気味だ

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「俺が話し、聞こうか」「い、いや、すみません！出直します！」一目散に廊下を去っていく男に悪態をつく「出直さなくていいっつーの」「だいち、顔こわいって」「助けてやったのにその言い方か？」「それは…どうもありがとう、とっても助かりました」「素直でよろしい」これまでは無意識に

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彼女の頭をぽん、と撫でていたのが、最近は自分がズル賢いと思うくらいには計算してやっている「なんだか急に2年生から声かけること増えたんだよね」「にしのやとかたなかあたりに言っておくよ」「いやいや、大丈夫！この間もえんのしたくんが気にして声かけてくれて、助かったんだ」伏兵は味方にあり

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、と言ったところか「そうか、えんのしたが」強かな奴め「だいちが幼馴染でよかった〜」当の本人は無邪気に愛想を振り撒く達人だ。このセリフも何百回と聞いてきた、もはや傷つきもしない「俺はそろそろ幼馴染、飽きてきたけどな」「飽きるとかある…？」「はぁ…お前ってさ、

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本当にこういう時気が利かないよな」それはいいよ、そのままで、なんて今言うつもりもないけれど「まあ、気にしなさんな」最後は俺が全部掻っ攫うから。