桜咲き誇る大樹の前に、少女が一人立っていた。 「この桜、どう?」 「と、とても綺麗です」 「ふふ、ありがとう」 思わず踏み出す一歩を、少女が手で押して止めてくる。 怪訝な私に、少女はにこり。それなら手品のように無数の桜花を散らして隠れ… 「あれ?いない…」 笑い声が、聞こえた気がした。
2023-04-01 22:10:43それ甘過ぎじゃない?と言われた恋話。桜花が盛りを迎える春に始まり、深みに踏み出す私、いつ切れるかわからない怖さに怯えつつ、ね。それでも優しくて、甘い言葉を掛けてくれて、どんどんはまる、底無し沼と言っていい程。どんなに金銭をねだられてもいいわ、それで愛が貰えるなら。好きなんだもの。
2023-04-01 22:12:02桜を見られる穴場スポットなんだと、前に君が教えてくれた。君がこの遮断機を潜ったのも、こんな春の午後だった。私のことが嫌いだなんて、そんな嘘が通用すると思ったのなら甘過ぎる。私宛の丸文字を、あんなに滲ませて。遠くから確実に響いてくる振動が、桃色の雲を揺らす。私はゆっくりと踏み出す。 pic.twitter.com/WHxRMMVc9N
2023-04-01 22:12:31春が来た! 目の前には一面に咲き乱れる桜の木々。 近くの枝に飛び移り、枝伝いに跳ねる。 そして目の前に咲く桜花に嘴を近づける。大事なのは根元を狙う事。 向こうから人が四角い箱を構えて近づいてきた。 急いで花をちぎる。 この花は甘過ぎる。あの花はどうだろ? 楽しい花摘みは飽きるまで続く。
2023-04-01 22:16:11#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite またこの企画に参加させていただけることを嬉しく思います😌季節を感じるお題をありがとうございます🌸 お題は「桜花、踏み出す、甘過ぎ」でした! #創作GL #創作百合 な感じです🌼 美しいままの思い出にならずに、一緒に大人になろうねという決意です😊 pic.twitter.com/HLZ4wYO4kw
2023-04-01 22:18:53満開予報と晴天のせいだ。言い訳を心中にコンビニで甘味と酒を買う。吹雪く桜花は遥か彼方の記憶と同じだった。高台の特等席は何も変わらず、桜と川とビル群がよく見える。二人分のベンチにお一人様の宴会。しょっぱいが飲み込む甘味は甘過ぎる。最後まで、浮かぶ桜の方が好きだったとは言えなかった。
2023-04-01 22:19:37和裕は高校の卒業式を終えると、桜花が咲き誇る並木道を友人たちと歩いていた。来月からは県外の大学へ通うので、 顔を合わせる機会はしばらくないだろう。 道沿いの喫茶店へ入ると、甘過ぎることで有名な練乳入りコーヒーを口にしている。和裕は、このコーヒーをいつも注文するほどの大ファンである。
2023-04-01 22:23:30#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題: ①桜花 ②踏み出す ③甘過ぎ #木槿国の物語 pic.twitter.com/dlVZ8ztFRN
2023-04-01 22:26:21桜花のようなその袖を掴めず私の手は空を切る。淡い桜色の五指が、触れるだけで溶けてしまいそうで、空恐ろしくて。桜の園へ踏み出すにはきっと、私は甘すぎたんだ。土足で踏み入ることなんてできない。だから、無遠慮に攫うなんて傲慢を許せなかった。色づく桜の木の下を思い、そっと足を踏み入れた。
2023-04-01 22:27:21甘過ぎるマフィンを口に含んだ。同時にペットボトルのお茶を飲む。四月、春。華やかな季節。 桜花が彩る。 「華やかなだね。でも」 危機を脱した世界はいつもと変わらないようで変わっていて、まだまだ続いているし終わらないのだけれども、 「君のいない世界は寂しいよ」 悲しみつつも、踏み出した。
2023-04-01 22:35:42#twnovel 桜花爛漫の景色の下、同級生たちは花見をしている。僕だけが一歩踏み出せない。甘過ぎる酒は同級生たちを酔わせたのだろう。見知らぬ誰かがいても彼らは気にしない。それがたとえ骸骨であろうとも。
2023-04-01 22:46:32夢を叶える為とはいえ新たな一歩を踏み出すには不安が伴う。そんなことを考える自分は甘過ぎだろうか。周りは先輩に倣えと次々に羽ばたいていくから不安と焦りは増していく。 でも無情にも時はやってきた。 蕾を震わせ花弁を開くと案外簡単で新たな世界が広がった。 ライトアップされた桜花見客を望む
2023-04-01 22:47:22苺大福が食べたいと幼馴染に呼び出された。待ち合わせ場所の公園には三色団子を食べる幼馴染の姿があった。桜花爛漫とはこのような様を言うのだろう。散った花弁の絨毯に一歩踏み出す。「大福も団子も食べるのか」「甘過ぎかな」「お前は花より団子だな」桜と共に見るこの嬉しそうな顔も悪くない。 pic.twitter.com/89hXfXeBBh
2023-04-01 22:52:00「桜花賞、絶対獲りにいくぞ」終焉を迎えた景気の底で、解雇された友が俺を競技場へと引っぱる。「有金はたく気か?甘過ぎるぞ」俺は助言するが、聞く耳を持たない。ゲートインが完了した。耳元でゴクリと音が。号砲と共に一斉に踏み出す。友は、「ここでバイトします!」と羊を前に土下座していた。
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