1 千葉魂最後の1人は…。 中西「おい、新入り!総長の座る椅子汚れてるぞ。」 ??「はい!!」 冨里「新入り〜!喉乾いた〜。」 ??「はい、ただいま!」 名前ではなく「新入り」と呼ばれている。
2023-12-09 17:01:162 菅原咲月。千葉魂の新入り。 千葉魂に入ってわずか数ヶ月。新人らしくいろんな雑務をこなしている。 そんな咲月は根っからの不良というわけではない。むしろこれまでは優等生だった。
2023-12-09 17:01:283 高校入学当初。咲月は学年トップクラスの学力を引っ提げて入学してきた。進学校も目指せたが、家から近い今の高校を選んだ。丸メガネのおさげ髪、絵に描いたような優等生だった。
2023-12-09 17:01:454 しかし完璧で真面目すぎるが故になかなか友達ができなかった。 なかなかクラスに馴染めない中、2学期に入ってすぐの席替えでのこと。 ??「菅原さんだよね?よろしくね?」 菅原「あ、はい!あの…。」 〇〇「あ、ごめん。小川〇〇。よろしくね。」 菅原「お、お願いします!」
2023-12-09 17:02:005 「私のことなんて誰も知らない。」なんて咲月は思っていたが、〇〇はしっかり認識してくれていた。これが〇〇を気になり始めたきっかけだった。 以来、隣の席になった〇〇とはよく話すようになった。 〇〇「菅原さん、これってどうやるの?」 菅原「えっと、これはね…。」 〇〇「なるほど!」
2023-12-09 17:02:156 〇〇「やっぱ菅原さんはすごいね。」 菅原「いやいや、私なんて全然。」 〇〇「また教えてね。」 菅原「うん。」 いつしか咲月自身も明るくなっていき、友達も少しずつできた。自分を変えてくれた太陽のような〇〇に次第に惹かれていった。
2023-12-09 17:02:297 しかし3学期に入りまた席は離ればなれに。さらに学年が上がると違うクラスになり、完全に距離ができてしまった。 ただ〇〇のことが気になっていた咲月は密かに思いを寄せ、校内で見かけると目で追っていた。 そんなある日のこと。放課後たまたま見かけた〇〇を目で追っていると…。
2023-12-09 17:02:448 中西「おい〇〇!昨日はよくも…。」 〇〇「アルノちゃんじゃん。」 中西「だ、だからその呼び方やめろ!」 黒の特攻服を着た女の子に絡まれる〇〇。咲月は一瞬状況が飲み込めなかった。 菅原「(〇〇くんとどういう関係なんだろう…。)」
2023-12-09 17:02:569 その後何回も黒の特攻服を着た女の子たちとの関係を目撃した咲月。怖いと思った反面、〇〇と関われて羨ましいと思った。 いつしか千葉魂にも興味を持ち始めていた。ただ根が真面目な咲月にとって、住む世界が違う4人だった。
2023-12-09 17:03:1010 ある日。 千葉魂の1人とたまたますれ違った。思わず目で追ってしまった咲月。 彩「あ?何見てんだ。」 菅原「え?あっ、すみません…。」 彩「なんか文句でもあんのか。」 菅原「いや…。」 逆に自分が絡まれてしまった。どうしようかと慌てていると…。
2023-12-09 17:03:2111 ??「彩〜?何してるの。」 彩「あ、彩って気安く校内で呼ぶな!」 ??「家ではよく…。」 彩「あー!!そこまで!」 ??「なんだよ…。彩が変なことしなかった?って、菅原さん!?」 菅原「え!?〇〇くん!?」 彩「ん?お兄ちゃんの知り合い?」
2023-12-09 17:03:3512 菅原「え?お兄ちゃん!?」 〇〇「あ、そっか。菅原さんには話したことなかったかもね。妹の彩です。」 彩「ど、どうも…。」 菅原「妹さんだったんだ…。」 〇〇「ん?彩のこと知ってるの?」 菅原「い、いや、そんなことないよ?はじめまして。」
2023-12-09 17:03:4613 〇〇「そっか。彩、ほどほどにしなきゃダメだよ?」 彩「うるさいなぁ。」 〇〇「帰るか。」 彩「だ、誰がお前なんかと…!」 〇〇「また照れちゃって…。」 彩「殴る!身内だろうが関係ない!!」 〇〇「あー、ごめんごめん。じゃあ気をつけて帰れよ。あ、菅原さんもまたね。」
2023-12-09 17:03:5714 菅原「あ、うん!またね!」 彩「はぁ…。ったく…。」 菅原「いいね、〇〇くんがお兄ちゃんで。」 彩「はぁ?どこが?」 菅原「(なんて言って顔赤くなってる…。可愛い子だな。)」 この一件で千葉魂の印象も少し変わった。
2023-12-09 17:04:0815 そして高3に入る直前。咲月は覚悟して彩たちのもとを訪れた。 菅原「あ、あの!!」 中西「あ?誰だ、てめぇ。」 菅原「菅原咲月です!私を千葉魂に入れてください!」 冨里「は?なんでお前みたいな真面目ちゃんが入りたいんだよ。」 菅原「強くなりたいんです!」
2023-12-09 17:04:1716 奥田「千葉魂は今強いやつしか要らねえ。帰った、帰った。」 菅原「お願いします!」 中西「総長、どうします?」 彩「ん〜。」 菅原「彩ちゃん総長なの?」 冨里「てめぇ!気安く総長を…!」 奥田「覚悟できてんだろうなぁ?」
2023-12-09 17:04:2817 菅原「ご、ごめんなさい!」 奥田「総長。今すぐ追い出しますので!」 彩「ちょっと待って。菅原さんだっけ?」 菅原「はい。」 彩「ホントに強くなりたいんだね?」 菅原「はい!」 彩「気合いが足りないって思ったら遠慮なくいくからね?その覚悟はできてる?」
2023-12-09 17:04:3918 菅原「はい!」 彩「分かった。その覚悟忘れんなよ。」 菅原「はい。」 中西「総長!いいんですか?」 彩「たまにはこういうやつがいてもいいだろ。」 こうして咲月は千葉魂に入ったのだった。
2023-12-09 17:04:4819 千葉魂に入って4人と行動を共にするようになると…。 〇〇「あ、彩じゃん。」 彩「だから気安く…。」 〇〇「え?菅原さん!?」 菅原「あ、どうも…。」 中西「おい、新入り!相手が誰でも堂々としてろって言っただろ。」
2023-12-09 17:05:1020 菅原「はい!」 奥田「あいつにメンチ切ってこい。ほら。」 菅原「え、あっ、はい!」 〇〇の前に出された咲月。 菅原「み、見てんじゃねーぞ!(あ〜、せっかくの〇〇くんとの会話が…。)」 〇〇「フフ。菅原さん。」 菅原「はい。あ、あん?」 〇〇「また勉強教えてね。」
2023-12-09 17:05:2121 そう言い残して〇〇は去っていった。後から4人に問い詰められたのは言うまでもないが。 こうして咲月が加入し、今の千葉魂が誕生したのだった。 いつしか名の知れた存在になった千葉魂。そんな5人に新たな刺客が現れようとしていた…。
2023-12-09 17:05:4022 ?1「へぇ、あの5人がね…。」 ?2「ん?どうしたの?」 ?1「ううん、独り言。」 ?2「ふーん。暇だな〜。」 ?1「最近退屈だもんね〜。」 ?2「うん。」 ?1「じゃあそろそろ始めよっか…。」
2023-12-09 17:06:05