お題「嵐の夜」「濡羽色」「弱り目に」
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RAY/※※※ @growler_ray

恋人の家に初めて泊まりに行ったら、大嵐の夜にぶち当たったばかりか、停電まで起きてしまい、今は真っ暗な部屋で2人きり。 困った。これでは、なんというか、その… 「…ねえ」 「なに?」 「"あらしのよるに"って、知ってる?」 「童話でしょ?それが?」 ああどうしよう、私、狼になりそうだよ。

2020-04-18 22:01:40
戸魚 @d00rfish

貨物室にあの女が来て人間のいるとこじゃないよここと言う「甲板にばけつやらボウルやら並べて溜まった水を飲んであんたそうして生きられる」いつかひっくり返る船なのに嵐は自分の部屋で聞く台風「この船はゆうれいばかり。あんたもね」そう言った女の髪と わたしのこの髪もおなじ色にひかっている。

2020-04-18 22:01:57
缶詰みかん @Zhs686CSzE02Dl1

「あ…!」 彼の部屋でアルバムを見ていたら彼が急に慌て出した。 元カノとの写真が混ざっていたのだ。 流行りの服を着てキメ顔の彼。 「全部捨てたはずだったんだけど…」 彼の弱り目に私は笑いながら言った。 「大丈夫。だってこれ全然あなたじゃないし!」 私との写真の彼はいつも笑っているもん。

2020-04-18 22:03:41
花滝ちかる @chikaru_toka

似合う、可愛いと言われて、彼女ははにかんで笑う。 俺は知ってた。彼女はアイツを忘れられなくて、長い髪を無惨に切って、濡羽色を栗色に変えたんだ。 「俺、前の髪が好きだった」 何で泣きそうな顔するんだよ。 「好きだったってんだろ。今でも好きだ」 赤い頬の彼女の瞳が、初めて俺だけを映した。

2020-04-18 22:03:49
夢夜 @ruya_reve

#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 性懲りもなくいつもの二人のお話。 なんですが、今回は人数が増えました。 pic.twitter.com/xS856wqGeV

2020-04-18 22:05:46
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夢夜 @ruya_reve

#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 こちらもいつもの二人のお話。 先の投稿同様、別の人にも言及。 pic.twitter.com/ZdasD7tsN1

2020-04-18 22:06:50
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KTQ @wholiveo

ついに彼女が両親と対決した。よりによって今かと思うが、コロナは家庭にも影響したようだ。彼女が家出した嵐の夜、ふたりでトボトボ。「うち来る?」「今夜だけ泊めて」「行く当ては?」「みんな探してる」夜明けに彼女は出ていった。乾ききってない黒髪が朝焼けに艶めいた。濡羽色ってあの色か。

2020-04-18 22:07:07
掃き溜めに鶴 @hakidamenoturu

「こんばんは」嵐の夜に、停電した山小屋でふいに声をかけられた。「私、嵐が怖くて……そばに行ってもいいですか?」震える女性の声に頷き返した瞬間、闇の中から長い髪が伸びてきて、ギチギチと僕に絡みついてきた。どうやら声の主は幽霊だったらしい。まさに弱り目に祟り目。僕にとってはご褒美だ。

2020-04-18 22:09:32
京町 正巳 @YuriRoak

嵐の夜には身体が軋む。気圧が低いせいかもしれないし、湿度が高すぎるからかもしれない。あるいは過去に苛まれているから。カーテンを開けたまま、がたつく窓を眺めていた。水滴が張りついてすぐさま弾かれていく。嵐はいずれ去るものだ。だったら、次に晴れやかな朝が来た時、何を思えるか、だろう。

2020-04-18 22:09:48
掃き溜めに鶴 @hakidamenoturu

烏の濡羽色をした自慢の髪を、彼女が切った。「似合う?」掠れた声で笑う彼女の見慣れぬ赤いアイシャドウは、腫れた目を隠すどころか際立たせている。 何があったの。嵐の夜も日照りの朝も、ずっと一緒にいたじゃない。そう叫び出すのを耐えて、耐えて耐えて耐えて、私は「にあってる」と嘘をついた。

2020-04-18 22:10:53
うたこ💉 @utako_st

銃口は本物。 私の胸をきっちりと狙っている。私を殺そうとしている彼の濡羽色の瞳は何の感情も見出せず。 何を間違えた?どうしたら良かった?ぐるぐると回る思考はその漆黒の瞳に急速に吸い込まれていく。ブラックホールのように。 「バイバイ」 彼が言う。別れの挨拶もできず、私の視界は暗転した。

2020-04-18 22:15:51
Altair @_altair_73

急に降ってきたね、と君は笑った。昇降口にはまだ誰も居なくて、薄暗い空間には僕と彼女の二人きり。日直なんて面倒だと思っていたのだけれど。蛍光灯に照らされた濡羽色の髪から、目を逸らすことが出来なかった。初めての感情を今でも覚えている。きっとこの瞬間だ、君のことが好きだと自覚したのは。

2020-04-18 22:24:54
ケンタシノリ@童話&小説書き屋さん @kentasinori

この日、私は重い足取りで駅前のタクシー乗り場へ向かっていた。 部下のトラブルで先方へ大変な迷惑をかけた上に、帰りの電車は台風で運転取りやめの張り紙が……。凄まじい風雨に見舞われた嵐の夜、私は長い列に並んでタクシーを待つ羽目になった。弱り目に祟り目とは、まさにこのことである。

2020-04-18 22:31:45
ゆきやまイマ@鶏林書笈 @keirin_syokyu

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題:嵐の夜、濡羽色、弱り目に #木槿国の物語 画員は聞いていようがいまいが妻は愚痴りたい(笑)。 pic.twitter.com/qBUcytCXrU

2020-04-18 22:32:42
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秋月蓮華 @akirenge

朝行ったら会社が潰れていた。そのまま講演でぼんやりしていたら夜、帰ろうとしていたら嵐。 弱り目に祟り目。 嵐の夜。 「死にそうな顔をしているな」 濡羽色の髪をした背中に黒い翼のある男が問う。 「俺が勤務してる会社が潰れた」 「それで死ぬのか」 「死なねえよ」 何よりも真っ先に突っ込んだ。

2020-04-18 22:35:58
Yukari(冒険心と行動力の♈️) @yukari_unlimit

#深夜の真剣140字60分一本勝負@140onewrite #嵐の夜 #濡羽色 嵐の夜が全てを変えた。「お願いですから、やめて下さい」押さえつけられた彼女が怯えた目で見る。「主人に見られでもしたら…」「別居してんだろ」濡羽色の髪をすくい、耳許で囁く。「邪魔者はいない。俺の思いを遂げさせてもらうぜ」

2020-04-18 22:58:05
アオツリ @rararaSamhain

嵐の夜は瞼が重い。ついでに頭も体も重いのに、雨音と雷とが眠りを阻む。 「眠れない、苦しいね」 それに、こうして。濡羽色の瀑布、身長などゆうに越す黒髪を垂らして、枕元に痩躯の異形が立つ。今日くらいは、と言いかけた口も塞がれた。 「弱り目になんとやらだね」 異形が笑う。稲妻はもう見えない pic.twitter.com/8SgP3V5LAp

2020-04-18 22:59:31
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