惡妬偽バナシ 第10章 【おやゆび姫】
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惡妬偽バナシ @otogibanasi480

これは、皆に愛される才能を持った少年と、主を守ることに生涯をかけた青年のお話。 …その運命はどうなってしまうのでしょうね?

2024-03-10 21:31:27
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…精神世界の舞台は姫によって変わる。 本日の精神世界の舞台は……。 「深い大きな森」

2024-03-10 21:32:50
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今回の試練の挑戦者は 「おやゆび姫」劉蓮花 「ツバメ」燕 pic.twitter.com/AfyW7v9HAq

2024-03-10 21:33:19
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惡妬偽バナシ 第10章 【おやゆび姫】 pic.twitter.com/5dkX6VwUrx

2024-03-10 21:34:06
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ーー蓮花は冷たい土の上で目を覚ます。 燕「お嬢様、目を覚まされましたか。」 燕は蓮花に優しく声をかける。

2024-03-10 21:34:31
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蓮花「……うん、ありがとうツバメ。」 燕は蓮花の姿を改めて見る。 身体は小さく、球体関節のその姿はまるで操り人形のようだった。

2024-03-10 21:34:58
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燕「……お嬢様は私が必ず守ります。」 燕は蓮花に頭を下げ、蓮花の後方に回る。 pic.twitter.com/nEARv2e6yA

2024-03-10 21:35:45
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蓮花「…うん、行こうか。」 蓮花は道を先導し、森の中を歩いた。 ーーー

2024-03-10 21:36:55
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おやゆび姫であるボクは、誰からも愛され助けられるお姫様。まさに生きとし生けるものから愛される才能。 父方がおやゆび姫の血統で父は中華マフィアの若頭。母は極道の組長の一人娘。

2024-03-10 21:37:32
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私の血は、おやゆび姫を濃く受け継いでいた。 昔は泣き虫で、守られていることも知らない子どもたった。

2024-03-10 21:38:02
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とある会合で、たまたま目を引いた同じオッドアイの男の人。 あの人がとても気になって、気に入ってなついてしまった。それが私の最初の過ち。

2024-03-10 21:38:42
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ーーー 2人は森を進む。 燕「……お嬢様、気をつけてください。何か気配を感じます。」 燕は蓮花に、声をかける。

2024-03-10 21:39:31
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ガサガサ……ガサガサ。

2024-03-10 21:39:59
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???「縺ゥ縺薙↓縺?¥縺ョ?」 カエルのような形をした物体が襲いかかってくる。 pic.twitter.com/sFqhYhtxKk

2024-03-10 21:40:24
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燕「お嬢様。お下がりください。」 燕は背後からすごい速度で刀を振り、目に命中させ、敵をひるませた。

2024-03-10 21:40:47
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燕「お嬢様、一旦離れましょう。」 蓮花を片腕に乗せて、燕は脚を早めた。 必ず、私が護ります。 pic.twitter.com/4EyrPUiEM4

2024-03-10 21:41:19
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ーーー 世話係となってからは毒の耐性をつけさせられたり、情報を吐かない様に拷問をされたりした。

2024-03-10 21:41:46
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一応血を引いてはいるので複数の女をあてがわれたりもした。 pic.twitter.com/XlCOV72bIr

2024-03-10 21:42:17
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お嬢に何かあるとお仕置きを受ける。 けれどその痛みにも慣れると、平然としていられるようになった。

2024-03-10 21:42:41
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ただひとつだけ耐えられないのは自分のせいでお嬢が拷問を受けたりすること。底われてしまう。 だからこそ、お嬢様は私が護らなければ それが私の仕事なのだから。 ーーー

2024-03-10 21:43:03
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2人は森の奥深くまで足を進める。 出口を探すため、2人でめぼしい所を探す。 2人はひとつの水たまりに目を向けた。

2024-03-10 21:43:25
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燕「おや、この水たまり、他の水たまりと比べて、こちらの姿が写っていませんね……もしかして……。」

2024-03-10 21:43:39
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燕が水たまりに指を近づけると、吸い込まれるような風が当たっていることに気がついた。

2024-03-10 21:44:06
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燕が蓮花に報告をしようと振り返ると、蓮花が突然口を開く。 蓮花「ツバメ。」

2024-03-10 21:44:31
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燕「はい、お嬢様。」 蓮花「ボクは今この手足でまともに歩くこともできない。もうボクを護る必要なんてないんだ。」

2024-03-10 21:44:52
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蓮花「ボクを運ばなくていいんだよ。ボクがボクである内にさっさとお逃げ。」 蓮花は目を伏せながらそう呟いた。 pic.twitter.com/dxiWXB9GTq

2024-03-10 21:45:36
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燕「お嬢様……私は。」 燕がそう言いかけた時。

2024-03-10 21:46:01
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燕「お嬢様!!!!!」 蓮花「え?」

2024-03-10 21:46:33
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???「縺薙▲縺。縺ォ縺翫>縺ァ」 蓮花の背後の地面からモグラのような化け物が飛び出してきた。

2024-03-10 21:46:54
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蓮花「……あ……」 蓮花は逃げようと脚を動かしたが、思うように動かない。 球体関節である身体は、動きをとめてしまった。

2024-03-10 21:47:14
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蓮花に化け物の手が迫る。 ビチャッ。

2024-03-10 21:47:39
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蓮花「…………え……」 蓮花の目に、写った光景は。

2024-03-10 21:48:06
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燕「…………お嬢様……お逃げください……」 腹を貫かれ、大量出血している燕の姿だった。 pic.twitter.com/gxQK8y0hYe

2024-03-10 21:48:26
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蓮花「ツバ…………メ…………?」 pic.twitter.com/7McjpHTWOm

2024-03-10 21:48:58
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燕「…………ガハッ……ゴボッ…………」 燕の口から大量の血が溢れ出す。 既に致死量だった。

2024-03-10 21:49:40
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蓮花「いや、嫌だよツバメ!」 蓮花は燕に手を伸ばす、しかし燕はそれをはらいのける。

2024-03-10 21:50:02
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燕「お嬢様はお逃げください……それが……私の希みです。」 燕は今にも息絶えそうな声で告げる。

2024-03-10 21:50:22
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蓮花はそれでも動けずに立ち尽くす。 目の前の光景に理解ができなかった。 ドンッ

2024-03-10 21:50:41
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燕は蓮花を無理やり押し、水たまりの方へと追いやる。 その衝撃で、人形である蓮花の顔にはヒビが入り、軽い身体は簡単に飲み込まれそうになってしまった。

2024-03-10 21:50:54
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蓮花「ツバメ!待って、ボクは君に……」 蓮花の言葉を遮って燕は言葉を返す。 pic.twitter.com/vAJFV1Cl1d

2024-03-10 21:51:31
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燕「私をあなたの燕に選んでくれてありがとう。可愛らしい蓮花を見守れて、幸せでしたよ」 pic.twitter.com/KNqjn9WbO3

2024-03-10 21:52:03
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燕「蓮花、愛しています。だからあなたも私を忘れず、永遠に愛してくださいね。」 燕はそう言うと笑顔で微笑んだ。

2024-03-10 21:52:28
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蓮花はそのまま水たまりへと飲み込まれて言った。 ーーーー

2024-03-10 21:52:53
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蓮花は水たまりからスロープへ落ち、見知らぬ部屋へと戻ってきた。 身体は元に戻っていた。

2024-03-10 21:53:13
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蓮花「ツバメ!」 蓮花は落ちてきたスロープを見上げる、しかし高さがあり、戻ることはできなかった。

2024-03-10 21:53:35
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蓮花「ツバメ……どうして?私1人だけ生き残っても…ツバメが居ないと意味が無い。」 蓮花は珍しく感情を露わにする。酷く動揺していた。 pic.twitter.com/A5vBRJE7Lt

2024-03-10 21:54:04
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コツコツ……。 「……エスケープおめでとう。けれど何か不満があるようだね?」 誰かの足音がして、後ろを振り返る。

2024-03-10 21:55:18
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蓮花「誰だ!」 ししょう「俺はししょうの本体だよ。まあそれはどうでもいいと思うんだけど……。」 ししょうは蓮花を見つめる。

2024-03-10 21:55:44