ep300〜399
0
神猫 @Gotcat_3110

349 ドンッ "まただ。行くぞ!" 'ああ!兄さん!' ドンッ _____________ その瞬間に起きる。いつものこと…最近は見てなかった。この夢。 〇:はぁはぁ… 七:〇〇?大丈夫?

2020-03-22 21:21:40
神猫 @Gotcat_3110

350 〇:え? 七:え?やないって。うなされとったで? 〇:……そうなの? 七:うん… 〇:どうしたの? ななさんが俺の顔をじっと見つめてくる。 七:なんで…泣いてるん?

2020-03-22 21:22:09
神猫 @Gotcat_3110

351 …………は? 〇:俺…泣いてるの? 七:うん その時すべて分かった。 〇:はは…なんでだろね… 七:え? 〇:時々嫌になるんだよ。俺は…俺はなんで 七:〇〇… 〇:麻衣姉のことが好きになったんだよってね…

2020-03-22 21:23:11
神猫 @Gotcat_3110

352 そんな言葉を口に出した途端に涙が出てきた。 〇:なんで… 七:〇〇… 〇:好きになっちゃいけない…資格なんかないのに… 七:〇〇…抱きしめてもええ? 〇:………うん。 ななさんに抱きしめられる… 暖かい。また涙が止まらなくなった。

2020-03-22 21:23:38
神猫 @Gotcat_3110

353 〇:なんで…なんでっ 俺は弱い人間だ。自分の気持ちを押し殺すことができなかった。 七:……寝よ? 優しい言葉。 ななさんは…何も聞かずに何も言わずにただ抱きしめてくれた。 再び…眠りについた。

2020-03-22 21:23:59
神猫 @Gotcat_3110

354 翌日俺はある場所へ向かうことにした。 そこである人達には真実を話そうと思った。 1人で抱え込むのは無理があることを悟った。 朝食中 麻:今日は〇〇どうするの? 奈:私とデートでも行く? 七:絶対させませーん。 〇:俺は今日はどこか行こうかなって。 麻:ふーん。どこに? 〇:いろいろ

2020-03-22 21:24:47
神猫 @Gotcat_3110

355 奈:私達もついていっていい? 〇:ななさんだけ良いよ。 その瞬間3人の箸が止まった。 〇:ん? 麻:なんでなぁちゃん? 〇:いろいろしてもらったからお礼。 奈:ああそういうこと。 〇:はい。

2020-03-22 21:25:05
神猫 @Gotcat_3110

356 朝食を食べ終わり俺は支度をする。 〇:準備できましたー? 七:できたでー 〇:あ、靴は普通のある? 七:え? 〇:若干山登りますから。 麻:なぁちゃんをどこに連れてく気よ。

2020-03-22 21:25:35
神猫 @Gotcat_3110

357 〇:さーねー。行こ。 七:分かった。 麻:気をつけてね。 奈:行ってらっしゃいー。 なぜか少し不機嫌な2人を置いて麻衣姉の家を出る。 七:んでどこ行くん? 〇:俺ん家 七:え?

2020-03-22 21:26:00
神猫 @Gotcat_3110

358 〇:あの人迎えに行くの。 七:……かっきー? 〇:そういうこと。 七:なんでかっきーも? 〇:なんでだろ。信頼できるって何故か思えたから? 七:ふぅん。 そう言って。俺の家につく。 〇:入る? 七:当たり前やろ。

2020-03-22 21:26:16
神猫 @Gotcat_3110

359 二人で家の中に入る。 "ただいまー" あ:あ!お兄ちゃん!なんで帰ってこなかったの?かっきー怒ってるよ?よ? 奥を見るとまぁわかりやすく怒ってる遥香が朝ごはんを黙々と食べていた。 遥:…昨日早く帰ってくるって言ったよね?

2020-03-22 21:26:31
神猫 @Gotcat_3110

360 〇:はい… 遥:それで遅くに帰ってくるかと思いきや帰ってこなかった。 〇:それはすいません。 遥:昨日も一緒に寝たかったのに… 七:ゴメンな〜かっきー、うちが借りてもた。 〇:そういうことってかなんでそんな俺と寝たいの。みんな。

2020-03-22 21:26:48
神猫 @Gotcat_3110

361 遥:鈍感ってこういう人のことを言うんだよね… 七:〇〇はうちらのことどう思ってるん? 〇:頼れるお姉ちゃん? 母:こりゃ重症だ。 あ:お兄ちゃんのバカヤロー。 うん。最後のは普通に悪口。

2020-03-22 21:27:00
神猫 @Gotcat_3110

362 〇:はぁ…遥香とななさんはふつーにどっか連れて行こうかと思ってたのに 遥:……どこに? 〇:素直じゃないなぁ。 遥:ごめんなさい。 〇:えーっと□□山ってとこ。 七:ホンマに山なんや。 〇:たまにはいいかなって。 遥:遠い。

2020-03-24 18:56:49
神猫 @Gotcat_3110

363 〇:嫌ならついてこなくていい。 遥:いや、行きます。 〇:なら黙ってなさい。 母:〇〇… 〇:ん? よく見たら母さんが手招きしてる。 〇:なに?

2020-03-24 18:57:09
神猫 @Gotcat_3110

364 母さんの近くで小声で聞く 母:あの事話すの? 〇:まぁね。 母:成長したってこと? 〇:さぁ。好きに捉えといて。 母:じゃあ成長したってことにしとく。 〇:ありがと。

2020-03-24 18:57:31
神猫 @Gotcat_3110

365 〇:さ、出るよー。 遥:さっきお母さんと何話してたの? ちゃっかりお母さん呼び。 〇:なんでもー 七:はよ教えんかい。 〇:まぁ…どーせ後でわかるからさ。 遥:?

2020-03-24 18:57:45
神猫 @Gotcat_3110

366 とりあえず駅について電車に乗る。 〇:はい。ななさんと遥香は女性専用車両乗ってねー 七:わかっとるわ。 遥:そんなこと言われなくても。 なんか二人共辛辣だな。 〇:わかってるんなら良かった。 これ以上火を注ぐのは得策ではないと判断したのでそう返した。

2020-03-24 18:58:18
神猫 @Gotcat_3110

367 ア:次は…次は… 最寄り駅に着いたみたいだ。 "あ、いたいたー" 〇:ん? そこにはいるはずのない人。 さ:〇〇いたー! 〇:は? 遥:ちょっとさく!声大きい!

2020-03-24 18:58:45
神猫 @Gotcat_3110

368 声大きい!じゃなくてなんでここにいる? 〇:なんでいるの? 遥:〇〇の家にいたんだけど〇〇が帰ってきたことに気づかずにダッシュであの駅まで行ったら私達のやつに間に合ったんだって。 七:足速いんやな。 〇:驚きしかない。

2020-03-24 18:59:06
神猫 @Gotcat_3110

369 さ:私も連れて行って! 〇:まぁ…いっか。 七:ええんかい笑 そっから少し歩く。 七:〇〇いつまで歩かせるん? 遥:遠い… さ:楽しー!

2020-03-24 18:59:22
神猫 @Gotcat_3110

370 一人だけなんかテンション違うな。 〇:さくらさん元気ですね。 さ:さくら! 〇:え? さ:呼び捨てとタメ! 〇:あ、いいですよ。 七:〇〇随分とガード軽くなったな。

2020-03-24 18:59:36
神猫 @Gotcat_3110

371 〇:まあ… ななさんと遥香のせいだろって言いたいけどやめとこ。 〇:あ!もうすぐつくよ! 遥:やっと! 七:着く! 急な上り坂を登りきるとある一つの寺が見えてきた。 真言宗□□寺 七:この寺って…

2020-03-24 18:59:56
神猫 @Gotcat_3110

372 〇:ななさんは知ってる? 七:知ってるも何もあの災害のときに作られた寺やんな。 〇:うん。俺が…夢でうなされる原因だよ。 遥:え? さ:うなされる? 〇:ああ… "実は俺はあの災害の被害者であり…加害者だ。"

2020-03-24 19:00:19
神猫 @Gotcat_3110

373 七:は? 遥:あの…1ついい?あの災害ってなに? 〇:知らない?□□山はね…昔スキー場があったんだ。 遥:え? 〇:□□山事故…知らない? さ:知ってる…

2020-03-24 19:00:33
神猫 @Gotcat_3110

374 〇:それの発端…俺なんだ。 遥:は? 〇:そして自分の父親と叔父さんともう1人…大切な人の父親の命まで奪ったんだ。 "この話…誰にもしたことない。そしてある人達を除いて誰も知らないことだけど…俺1人で抑え込むのが…無理だった。だから聞いてほしい。 〇:それはね… 俺は話し出す。

2020-03-24 19:01:04
神猫 @Gotcat_3110

375 _____________ 〇:ねぇねぇパパ! 当時俺は5歳だった。父さんは消防隊員で珍しく仕事がなかった。 父:なんだ? 〇:どこか行こーよ! 真冬。外に出ることもほぼなかったから外に出たかったんだろうな。 父:じゃあスキー場行こうか! 〇:うん!

2020-03-24 19:01:27
神猫 @Gotcat_3110

376 そこが地獄の始まりだった。 〇:やっほー! 数時間後俺は優雅にすべっていた。 ?:なぁ…なんで俺らも呼ばれたんだ? ?:同じく。 父:別にいいだろ。お前らもうまいじゃん。 "秀介、健"

2020-03-24 19:01:44
神猫 @Gotcat_3110

377 この2人の名前は…また後で言うよ。 健:ま、スキーは楽しいからいいんだけど。 秀:たしかにな。 父:にしてもあいつスキーうまいな。 健:確かに。 秀:あいつ流石だわ。

2020-03-24 19:02:28
神猫 @Gotcat_3110

378 〇:パパ!ボク結構滑れる! 父:本当に、すごいなぁ〇〇は! 〇:えへへ 秀:ほんとにうまかったぞ! 〇:え!秀おじさんが珍しく褒めてくれた! 秀:珍しいってなんだよ! 健:間違ってはねぇだろ。

2020-03-24 19:02:42
神猫 @Gotcat_3110

379 秀:そうか。 健:あ、俺が見ても上手かったぞ。 〇:ありがと!健おじさん! 父:さ、まだまだ滑るぞー! この日が2月11日。 2月12日の未明…その日が□□山事故の日。 ニュースでは雪崩がおきたって言われてたっけ。

2020-03-24 19:03:10
神猫 @Gotcat_3110

381 "けどね…違うんだ…雪崩が起きたのは…俺のせい…みんなが遭難したのも俺のせいなんだ…"

2020-03-24 19:04:16
神猫 @Gotcat_3110

382 俺は父さんと健さんと秀さんと一緒にスキーを滑ってた。 その時別の方向にスキー板が向いちゃってコース外に出ちゃったんだ。 その時止まれば良かったんだろうけど5歳児の俺は止まれなかった。 いくら子供用の板と言ってもスキー板。 当然とても滑る。

2020-03-24 19:04:55
神猫 @Gotcat_3110

383 木にぶつかったりしながらなんとか突破しかけたんだ。 だけど… あと1本抜けたら広いところに出る! その1本が問題だった。 とてつもなく太くて低い位置にあったからそれに反応できなくて思いっきり顔にぶつけたんだ。 〇:いたい… そのまま転んで気を失ったんだ。

2020-03-24 19:05:31
神猫 @Gotcat_3110

383 何時間経っただろうか 遠くから〇〇ーって俺を呼ぶ声が聞こえた。 それで目を覚ました。 普通なら目を覚まさないんだろうけど何故か目を覚ましたんだ。 改めて周りを見たら真っ暗。 どこに行ったらいいのかわからない状態。周りに人もいなさそうだし。

2020-03-24 19:07:38
神猫 @Gotcat_3110

385 麓を見たら明かりがついてたからとりあえずそこまで行こうって思って そこまで滑っていったんだ。 そう…それが間違いだった。

2020-03-24 19:08:09
神猫 @Gotcat_3110

386 雪に詳しい人ならわかるかもしれないけど雪の上を横向きに滑るとどうなるか… そう…小規模でも雪崩が起きる。 5歳児にそんなことも考えるのは無理な話 できるだけ広いところを通っていこうと思って通ったらほとんど横向き。 〇:はぁ…はぁ…遠いな… 体力も限界に近かった俺に起きた出来事。

2020-03-24 19:10:47
神猫 @Gotcat_3110

388 その夜は晴れていたな。 今でも思い出すよ。 その瞬間を。 その…光景を。 だって…雪の塊が…麓まで滑り落ちたんだ。 小さい俺にだってわかったよ。やってはいけないことをやったんだって。

2020-03-24 19:11:34
神猫 @Gotcat_3110

389 〇:え? ただ雪崩の跡を滑って行ったらすぐに麓についた。 "〇〇!" 〇:父さん… 父:〇〇!無事だったか…無事だったか… そう言って父さんに抱きしめられた。 それより俺は呆然としていた。 ただ目の前の事実に驚愕していた。

2020-03-24 19:21:25
神猫 @Gotcat_3110

390 建物が…なかった。 〇:パパ… 父:ん? 〇:ここに建物なかった? 父:ああ…あったぞ? 〇:なんで…ないの? 父:この雪でな。 俺は…何を言われてるのかわからなかった。当たり前だ。5歳児だったからな。 〇:雪…で?

2020-03-24 19:21:54
神猫 @Gotcat_3110

391 父:ああ。 その時だった。 ドンッ 父:な…またか! 健:俺も行くよ。 父:……ああ!行くぞ!健! 健:ああ! 父:秀介!〇〇のこと頼んだ!

2020-03-24 19:22:12
神猫 @Gotcat_3110

392 秀:オーケー任せといて! 〇:パパ達どこ行くの? 父:パパ達は消防隊っていうヒーローだからな。困っている人たちを助けないといけないんだ。 〇:嫌だ…行かないでよ。 父:このあとは秀介を頼っ… ドンッ 父:なんでこんなに雪崩が… "〇〇逃げろ!" 〇:嫌だよ!父さんも…健叔父さんも

2020-03-24 19:23:11
神猫 @Gotcat_3110

393 父:いいから! 健:俺たちのことは気にするな、な? ドンッ 父:まただ…行くぞ! 健:ああ!分かってるよ! "兄さん!" そう言って…父さんと、健叔父さんは行ってしまった。

2020-03-24 19:24:00
神猫 @Gotcat_3110

394 秀:〇〇…行こう。 〇:嫌だ…嫌だ嫌だ! 秀:ここは危険だ!だから行くぞ!早く! 〇:ここでパパと叔父さんを待つんだ! 秀:くそっ 秀介さんは俺を無理やり持ち上げて運んだ。 〇:離せ!離せよ!

2020-03-24 19:24:21
神猫 @Gotcat_3110

395 秀:ここで離したらお前何するかわからないだろ。 〇:俺は…待つんだ! 秀:黙れ! 〇:…… 秀:5歳には荷が重いかもしれない!俺らが目を離したのが悪い!あの場所から下りてきた時点でなんとなくわかったよ…だけど…生きなきゃ意味がないんだぞ!

2020-03-24 19:25:11
神猫 @Gotcat_3110

396 〇:秀介おじさん…パパ帰ってくるよね… あのときの俺はすごく泣いてた記憶がある。 秀:ああ…帰ってくるさ…絶対にな。 そう言って立ち去ろう…その時だった… ドンッ 1つの雪崩が俺たちの方に流れてきた。 秀:まずい…逃げるぞ!

2020-03-24 19:26:57
神猫 @Gotcat_3110

397 そう言って秀介さんが走る…が雪崩のスピードは、とてつもなく速い。 すぐに追いつく。ただ… 秀:よし…端っこまで来れた。おい〇〇。 〇:何? 秀:元気で生きてろよ。 〇:え… 秀介さんは…その言葉を最後に俺の視界から消えていた。

2020-03-24 19:27:22
神猫 @Gotcat_3110

398 俺は…その時空中にいた。 雪崩が来る前に投げ出したんだ…俺を その着地のときに手を折った。 それが俺の傷。 雪崩…それを起こしたのが俺。 結局父さんも叔父さんも帰ってこなかった。 _____________

2020-03-24 19:27:50