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鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

耳朶の痛みで正気に返るほど安い狂気に酔う春の夜 #短歌 #jtanka

2021-11-03 19:06:30
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

ヘッドホン越しに「お前は何者だ」と問う歌こそ何者なのか? #短歌

2021-10-21 16:06:43
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

恋ごころが首すじを通って頭の後ろから空中へ霧散していく 酸素と二酸化炭素とチッ素とさまざまのものに紛れてあなたの肺に届く そうしてあなたの呼吸になる 起き抜けのひと息になる ぬるい背中越しにそんな妄想をする

2021-10-20 06:13:46
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

首筋にひやと冷たい手を当てる貴女のいたずらのような朝 #短歌 #jtanka

2021-10-18 11:09:49
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

旅客機とアルタイルとがぶつかって欠けた光が窓際に立つ #短歌 #jtanka

2021-10-10 18:05:25
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

吸って吐くことさえ酷な貴方でも溺れてしまえば恋はモルヒネ? #短歌 #jtanka

2021-10-05 01:41:27
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

都市の亡霊は立っている 細い路地、古い駅、埋め立てられた川の墓場 名前の載っていない名簿を持った誰かが忘れたほんとうを呟くまで 都市の亡霊は祈っている 褪せたビル、曲がり角、雑草の生い茂る広い空き地 次々とやってくるいらないもの達に席を奪われてしまうまで

2021-10-01 02:55:56
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

窓際に立つ顔のない女に覗きこまれキスをされる 女には唇もないから冷たい感触だけが残ってものさびしい

2021-10-01 02:42:06
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

当たり棒を折ってゴミ袋に放り投げた時、「火葬が終わりましたよ」と呼び出された瞬間を連想した。 灰になった夏が、砂の入った小瓶と一緒に勉強机の陰からこちらを見つめている。 週末には台風が来るそうだ。 それが去ったら、きっと秋だって直ぐにいなくなる。 秋は短すぎて葬式には適さない。

2021-09-15 19:38:50
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

涼しくも晴れたある日、母と一緒に夏の葬式を挙げた。 かき氷機は隅々まで手入れし、植木鉢の中の枯れた花を捨て、袖丈の長い洋服を出して。 なむあみだぶつ、なむあみだぶつと、周りの大人たちが口ずさむから、空気を読んで白々しくも読経する時のような気分だ。

2021-09-15 19:38:50
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

燃える星色の宝石をちりちりとぶつけ合わせたような声が辺りいっぱい響き渡って、私の浅い眠りに入り込んでくる。 ススキをかすめて低空飛行すれば、宝石たちの共鳴は歓喜のように声量を増し、それから少し静かになった。 朝が来て、息が白くなる頃には、みんな消えてしまうと知っている。

2021-09-15 04:59:50
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

退屈と欠伸を歯噛みで殺せずに愛の言葉をまた聞き落とす #短歌 #tanka

2021-09-10 02:30:42
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

眠いの?と訊けば いいや、と返すからエンドロールまで飴を舐めている #短歌 #tanka

2021-09-10 02:30:41
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

無人駅を降りる知らない人達の知らない暮らしを郷愁と呼ぶ #短歌 #tanka

2021-08-22 18:13:37
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

海を往く二隻の船の片方が白くかすんでサヨナラと云う #短歌 #tanka

2021-08-22 17:04:34
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

い草の軋むやわい感触 電球から垂れた紐を引いてかちりと鳴る音 硬い煎餅布団は古ぼけて穴あき 枕元にはやかましく騒ぐ夜光時計 枯れていく指のあまい匂い 吹き過ぎ去ったもの なくなったもの達の夜はパレード

2021-08-16 04:34:14
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

豆がらを剥く指の白い場所ばかり熱くて痛むのが嬉しい #短歌 #tanka

2021-08-16 02:40:32
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

荒廃したベッドの上で記憶だけが幽霊のように顔を覗き込む

2021-08-08 05:22:25
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

ベーコンエッグの黄身を丸々あげてしまえる人だから、いつまでも傍に居ちゃいけないと思ってしまうのは弱い心か。

2021-07-25 06:27:56
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

入道雲が青空に張り付いている。 両親に愛された子供のひとり部屋のような世界だろうか。 誰か気まぐれな存在がモビールを取り外しただけの、偽物の空。 貴方も、私も、見えない誰かの愛し子だろうか。

2021-07-23 14:16:43
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

案山子は空に憧れるか? 地を這う生き物を模して作られた、夏の日差しに照らされる青白い案山子たち。 もがきながら羽を動かす蝉を見て、何を思うのか?

2021-07-22 13:26:28
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

手洗いのセンサーにすら無視をされ明日の今には泡だろうか #短歌 #tanka

2021-07-18 16:20:14
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

蛙が鳴いて、道路の気怠い匂いが充満する。滴る水音が暗い室内に響いている。 それだけの触感を、だからなんだと切り捨てられたなら、胸骨の内の風船など膨らまなかっただろうか。 あんまり無闇に大きくなるから、今では俯せで眠ることも叶わない私だ。 外では蛙が鳴いている。それだけだろうか。

2021-07-17 00:47:36
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

「夜が来るまでの刹那が永いから」 あと3カウント、きみは無灯火 #短歌 #tanka

2021-07-03 11:19:24
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

「夜が来ないのが怖いから夏は嫌い」 髪で隠した双眸に月 #短歌 #tanka

2021-07-03 11:19:24
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

電線の行く先見つめて田に植わる青さに気付く夏のはじまり

2021-07-03 10:52:34
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

しゃぼん玉を買う右の手と同じ手で 生活費払い、青い息吐く #短歌 #tanka

2021-07-01 22:32:12
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

真似っ子人生 声高に 後出ししようぜ、じゃんけんぽん 何度やっても勝ち目は無いし さっさと降りるよ このクソゲー

2021-06-24 08:45:35
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

何故書いた、どうせ死ぬなら初めから頭蓋の中の靄でよかった #短歌 #tanka

2021-06-24 01:10:45
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

「才能を信じる?」 「僕は信じてる。それを言い訳に捨ててきたから」 #短歌 #tanka

2021-06-17 01:58:24
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

月が綺麗とか それだけじゃ駄目だった? 貴方がギターを置かないために #短歌 #tanka

2021-06-17 01:46:45
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

「刺してみて」 笑うあなたの内側の泥が目に入る 七つの誕辰 #短歌 #tanka

2021-06-17 01:26:53
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

刺してみて、駄目なら明日考えよ 今日死ねなくても百年あるから #短歌 #tanka

2021-06-17 01:16:08
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

世界に朝をこぼすのならば 音をなみなみ注いでおくれ 窓から漏れる走行音や子供の足音 聞かしておくれ 小鳥のさえずりちかちかと 煩いくらいに喚いておくれ それでわたしの嗚咽も全部 なかったことにしておくれ

2021-06-10 06:41:14
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

ベランダに煮物の香り、室外機 小人一家の夕飯かしら

2021-06-06 05:00:26
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

夜風以外のぜんぶが溶けて堆積する午前三時 内耳をどろどろが埋めつくして終いには視界不良

2021-05-25 03:28:16
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

心臓の鼓動が耳を賑やかしても間違ってないと叫んで歌え

2021-05-25 03:16:37
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

半袖をかぞえてみれば多すぎて 閉じない箪笥は夏が来るから

2021-05-05 01:11:33
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

胸の内から吹き上げる熱風が まだ遠い夏と手を繋いで少しずつ 一歩、髪を揺らしてまた一歩

2021-04-23 02:49:24
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

窓の外を過ぎる知らない屋根の色 数え揺られて未だエトランゼ

2021-04-19 09:40:08
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

濡れたタイツの不愉快な感触 頬にはまだ冷めないあなたの温度 砕けた端から立つすえた匂い かろうじてあなただったと分かるくれ石の白、白、白 一片でも持ち帰って、すり潰して、明日食べるスコーンの生地に入れられないかしら

2021-04-07 03:52:15
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

蹴った硬球が芝を転がればそこから一面の春

2021-04-03 19:23:54
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

夜風は憂鬱を少しの間だけマシにしてくれる薬だ。 詩を読むときのように、僕の孤独を笑ってくれる。 初めて歩く道のように、僕の自由を許してくれる。 ことばを捕まえるなら、きっと今この時みたいな、静かで冷たい夜が一番いい。

2021-03-30 04:27:57
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

燃える石ころ ひとつ、ふたつ 硝子に水晶、金剛石か おそらの上のだれかの涙

2020-12-14 03:43:05
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

まち針の折れた心に刺すことば

2020-12-14 03:32:20
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まとめたひと
鳴坂蒼也 @Aoya_Nakizaka

自称一次創作なんでも屋さん。またの名をアクティブなオタク。 歌をうたう、演技する、文や絵を描く、合成音声と戯れる等。 お仕事のご相談はDMからどうぞ。 FA▶#鳴坂見ろや TRPGアカ▶@Nakizaka_TRPG