『翼の帰る処』140字ショートストーリー集

うさぎ屋|妹尾ゆふ子 @usagiya@mstdn.jp @usagi_ya

診断メーカーよ、なぜ本編のタイトルを知っているー！ ……みたいな結果が出ました。 　↓ 貴方はヤエトで『どこへ帰ればいい？』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「当然、わたしのところだな！」 　皇女が宣言するので、なにかと思ったら、賭けの話らしい。 「誰です、胴元は」 　賭けは嫌いだ。二度とやる気を起こさせないように――と考えたところで、思考が止まった。 　それ見通したように、皇女が笑った。 「わたしだ。馬鹿騒ぎも必要だろうと思うてな」

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すぐに思いついてしまったが、うーん。 貴方はセルクで『覚悟はできてる』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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弓をおろして、深呼吸をひとつ。 「覚悟はできてる」 「なんの覚悟だ」 「命令もなく、勝手に射た罰を受ける覚悟だ」 「戯け。よくやった、セルク」 　皇女の輪郭がふるえて見えると思ったが、気づけば自分自身が小刻みに揺れていた。 　――覚悟はできていた。 　少なくとも、ついさっきまでは。

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なんでも書けそう過ぎて、逆に難しいな……。 貴方はファルバーンで『終わりのない夜』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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わけもわからないまま、母に連れられて王宮を去ったあの夜。 　二度と戻らぬとは知らず、誰に別れを告げることもなく、彼は故国を棄てさせられた――たまに、これが現実なのかわからなくなる。 　ほんとうは、自分はまだ子どものままで、終わりのない夜の中を彷徨いつづけているのではないか、と。

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んんんんん、これはちょっとうまく140字にまとまるか、わからないな……。トライはしてみようと思いますが。 　↓ 貴方は厩舎長で『うつくしい古傷』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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厩舎長は、厩舎の外と内では人が変わる。 　鳥を動揺させてはならない。だから、誰より冷静であれ――それが最初の教えで、もっとも難しい課題だ。 「儂も昔はやらかしたものだ」 　さすった手の影に覗く古傷が、なぜだか美しく思われてならず、キーナンは眩しいものを見るように眼をほそめた。

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お題チャレンジ、どーん！ ……あっこれはアレですね、中古の乙女心の埃をはたいて頑張る感じですね、たぶん。 　↓ 貴方はルーギンで『誰よりもその場所が欲しいの、』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「ルーギン、お願いがあるの」 「喜んで承ります、姫」 　皇妹は楽しそうに笑った。 「どんなお願いでも？　新年祭、最初の踊りに誘って欲しいの――あなたに手を取ってもらいたい姫君たちには悪いけれど」 「わたしが手を取りたいのは姫、あなただけです」 　――あなた隣のその場所が、誰よりも欲しい。

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記念に今日はもう一回、お題をやるドン！ 　↓ 貴方は皇女で『もう顔も思い出せない』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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短剣を弄びつつ、皇女はつぶやいた。 「これで傷つけた不心得者、な……致命傷ではなかったが、結局は死罪だ。殺したも同然なのに、もう顔も思いだせない」 「違いますね。その者は、みずからの罪で死んだのです」 「なぜ怒る？」 「怒っていません」 　暗殺者の顔など忘れてくれ、と思っただけだ。

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本日のお題、どーん！ ……むむ。 　↓ 貴方はジェイサルドで『一時休戦』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「聞いてくれ。たのむ、急ぐのだ。殿がな……ヤエト様だ、わかるか。わかってくれ。北方なんぞに行かれてな……儂と共に後を追わぬか。儂に無理にやらされたといえば、そなたは咎められぬ。どうだ、一時休戦といこうではないか」 　そこで厩舎長にどつかれた。 「雛に変な作戦を吹き込むのはやめろ」

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今日のお題チャレンジ、いっきまー……これ本文中にありそうじゃないですか！ 　↓ 貴方はナグウィンで『そんな顔して言われましても、』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「なんでわたしが仕入れにゃならんのです。取り扱ってないのに」 「どうしても必要なのです。手に入る、と殿下がお約束してしまわれたとかで」 「だったら直接交渉――」 「絶対に嫌です」 「蠟燭くらい、本人が行けばすぐ――」 「頼れるのは、あなただけなんです」 「……そんな顔していわれましても」

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本日のお題チャレンジ、参ります。 ……えーどうしよう、迷う。ちょっと考えます……。 　↓ 貴方はミアーシャで『相手が悪かったね』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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小走りにやって来た妹が、唐突に告げた。 「兄上は初恋もまだでいらっしゃると聞きました」 「誰にだ！」 「先ほどまで一緒に踊ってらした貴婦人ですよ」 「馬鹿な、そんな話は……」 　――したかもしれない。 　皇女はにやりとした。 「相手が悪かったですね。彼女こそ、我が情報収集の最終兵器です」

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〆切前なのに変化球を投げてみるスタイル、でお題にチャレーンジ！ 当然のごとく、漠然とし過ぎて難しい……まぁボチボチ考えます。 　↓ 貴方は地の文多めで『心臓が痛い』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「待っ……！」 　飛び起きて、胸を押さえた。動悸が激しい。 　夢をみていた――壮麗な伽藍にさしこむ黄金の光、床に刻まれる窓枠の影は聖なる文字、そこに神の答がある……。 「どうされました」 　尋ねる預言者顔を見上げ、これも夢だと思いながら、今度こそ跳ね起きた。 　――夢だ。 　心臓が、痛い。

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今日くらい休もうかとも思いましたが、お題を出してみます。 ……ハイ、難しそうなの来ました！ どうするかなぁ。 　↓ 貴方はウィナエで『君のいない春に眠る』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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神は預言者を眺める。 　――この者が死ねば、自分は彼女の存在をも忘れるだろう。 　過去を持たない神ゆえに、そう考えたことすら記憶に残らない。 　だが、神は知っている。彼女の働きあってこそ、世界は救われると。 　なにごともなく春は訪れ、人々が幸せに微睡むとき――もう彼女はいないけれど。

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お題チャレンジ。 あっ、……うーん……ぱっと思いついたのは140字だと厳し過ぎるのでちょっと考えます。 　↓ 貴方は代官で『もう顔も思い出せない』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「奥様に馴れ初めを訊いたら、代官様に訊け、と」 　恐縮する女官に、代官は曖昧に笑って見せた。 「……アレの父親に雇われたんですよ」 　強盗の手引きのために入り込んだ商家で、妙に懐かれて殺しそびれた娘が、妻だ。 「どんなかただったんです？」 「もう覚えてないなぁ」 　名前も。顔も。何も。

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お題どーん。眠いので何も思い浮かばないどーん。 　↓ 貴方はキーナンで『幸せがまわる』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「空は高くてあの娘は遠い　翼がなければ会えやせぬ」 　祭りの歌声を、キーナンは厩舎で聞いていた。翼を折った鳥がいて、高揚が伝播して迂闊に動くと困るからだ。 「翼を世話すりゃ鳥は幸せ　鳥が幸せなら人も幸せ」 　小さく唱和して、キーナンは微笑んだ。こうやって幸せは回るのだと思いながら。

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これキーナンじゃないじゃないですかー、ということをご指摘いただいたので、今夜もう一回、同じお題でちゃんとキーナンで書きまする。 たいへん失礼なうっかりをいたしました。 キャラ間違える作者ですみません（土下座） twitter.com/usagi_ya/statu…

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「領地の風習で、名前を書いた布を木に結びつけると無事に帰れるというんだ……思いだしていた。花が咲いたようだったなと」 　同室の寮生が、微笑んだ。 「幸せな光景だな」 　木の下に立つ人を想いながら、キーナンは答えた。 「ああ。独り占めできない幸せだ」 　――皆様がご無事でありますように。

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キャラを取り違えるようでは、そろそろ打ち止めかなぁ……と思いながら本日のチャレンジを出してみて、ちょっと笑いました。 これもうキャラ名とお題だけで成立してる感！ 　↓ 貴方は真上皇帝で『躾はしっかりとお願いします。』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「陛下……いえ、兄上」 　眉を上げて見返すと、皇妹は笑って言葉をつづけた。 「一回くらい、お願いしておくわ。お子様がたの……わたしのかわいい甥や姪たちの躾はしっかりとお願いします、って。今さら遅いかしらね？」 　彼は答えた。 「人はみずから育つものだ」 　――育てられるものに非ず。

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それではお題チャレンジです。 なんか難しそうです……。 　↓ 貴方は第三皇子で『はじめまして、を繰り返す』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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第三皇子が邸に門付の芸人を呼び入れるのは、珍しいことではなかった。彼は、つねに退屈していたから。 　彼は芸人の顔を覚えない。美しい舞姫も醜悪な道化も、ひとしく芸のみで見るし、その芸さえ忘れてしまう。 　数多の芸達者が、はじめまして、をくり返す。そのときだけ、皇子は少し笑顔になる。

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それでは『翼の帰る処』キャラでSSチャレンジ、メジャーなキャラが少なくなってきてもニッチに攻めていくシリーズどん！ 　↓ 貴方はレイランドで『これ以上甘やかして、どうするの』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「きれい？」 　貴石を飾った櫛は、婚約予定の姫君に渡すはずのものだった。 「おまえの髪の方が」 　最近、妹が可愛くてたまらない。 　――これはもう、妹にやろう。 　だが、髪に飾るより早く取り上げられた。 「これ以上甘やかして、どうするの」 　眉をひそめて、母はみずからの髪に櫛をさした。

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隙間を攻めて参ります、本日のお題チャレンジどーん！ あっ……難しい。考えます。 　↓ 貴方はナオで『始めから壊れているの』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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皇女を見ると、今もあのときの約束を思いだす。 「ナオ、無理なの」 　励ますように微笑む彼女の命は、長くない。ナオが知識と技術を尽くしても。 「わたしの運命は始めから壊れているの。ただ、子どもを産むまで耐えさせて」 「必ず」 「できれば、丈夫に育ててね」 　ナオは今も約束を守っている。

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いつものチャレンジ行きます！ えー……これを140字で書くの……。 　↓ 貴方はアストラで『きみがねむっているうちにころさなきゃ』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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彼は流離っている。時の流れには、もはや意味がない。今、言葉をかわしている相手の誕生を見守ることもできる。墓前に花を手向けることも。 　今、彼が腕に抱いている赤子は、やがて最悪の女王を産むことになる。 「きみがねむっているうちにころさなきゃ」 　彼が歌うと、赤子は微睡みの中で笑う。

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ちょっと今は気が散っているので、書くのは後になるかもしれませんが、とりあえずお題をドーン！ 　↓ 貴方は皇妹で『御不満ですか？』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「女子に政など無理だったのだ」 「陛下も目が覚められるだろう」 　聞こえよがしの悪口に、声が割って入った。 「かわいい子。ここにいたら口だけの亡霊に取り憑かれてしまうわよ。ちゃんと人がいるところへ行きましょう」 　唖然としている男たちを見回し、叔母は微笑んだ。 「ご不満かしら？」

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お題チャレンジどーん！ ……はい、なんか「なんともいえねぇ」感じの来ました！ 　↓ 貴方はグランダクで『正義の味方』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「朝議の話、本気なのか」 「競弓なら安心しろ、出るさ」 　違うと言いかけたのを呑み込んだ。帝国の風を取り入れようとかだ、と。 　孤立無援の尚書官の肩を持つのはセルクらしい。だが。 「……おまえってほんと正義の味方だよな」 　彼の言葉を聞きもせず、友人は――いや、友人だった男は歩み去る。

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あっ、忘れてた！　お題お題……。 ……これはーどうしようー。 　↓ 貴方は第二皇子で『痴話喧嘩は他所でやれ』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

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「ヤエトには刺激が必要なのではないか？」 「まさか。もっとご静養いただくべきです」 「一向に会えぬではないか」 「お会いになることご本復いただくこと、どちらを――」 　うるさい 「痴話喧嘩はよそでやれ。ああいや、続けてよい。わたしが出る」 　第二皇子は立ち上がった。見舞いは終わりだ。

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これを痴話喧嘩と言われても両者まったく納得しないと思いますが！ それと、著者校正が始まりますので、毎日お題でSSはお休みをいただきます。 書くのは大変でしたが（おもに削るのが……）楽しかったです。 おつきあいくださりありがとうございました！