第35回深夜の真剣140字60分一本勝負

ひどり @hi_laup

#深夜の真剣140字60分一本勝負 #140字小説 pic.twitter.com/wHgrh3U6nd

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宇津木健太郎@受賞したヨ @KChickenShop

さあ、肝試しをしよう。 この星が滅び行くその瞬間。 消えない雪が残り続けて、星の冷えきるその暇(いとま)。 僕と君は、生き抜いているかな。 誰も判らない事だから、きっと誰もが恐怖する。 それでも、僕らはまだ青い星を目指して旅をするんだ。 #140字小説 #深夜の真剣140字60分一本勝負 #詩 pic.twitter.com/gUK803WyIS

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花滝ちかる @chikaru_toka

夏休み恒例の、夜の墓地を巡る胆試し。 「大丈夫。怖くないわ」君が僕の腕に抱きついて笑うから、ドキンと胸が跳ねて、 はっと思い出した。胆試しは《独りで》歩くはずだ。 「ありがとう」 僕は、幸福に笑い返した。 49日前に事故死した僕を、３年前に逝った君が迎えに来てくれたんだね。 #140字小説

竜虎 @btbticc_org

「私たちの物語は、ここで終わり？」 「かもしれないわね」 私たちはまだ蕾の固い桜を窓から眺めながら、卒業証書を持て余していた。義務からの解放は、むしろ将来の目標の無さへの不安に覆い尽くされている。けれど。 「私たちの物語は、これから？」 「かもしれないわ」 私たちは、まだ青い。

津森七@文学フリマ京都い-36 @tumori_nana

まだ青いトマトさえあなたは躊躇いなく口にして、「甘い」と笑ってみせるでしょう。踏み汚された残雪に等しい私を食むのだって、あなたには肝試しと同じこと。ねえ、引き返せない道もあるんだってこと、この身で教えてあげたいの。醜い傷痕が疼くたび、浅はかな愛を悔やんでね。

RAY/※※※ @growler_ray

残雪の意味は、文字通り溶け残った雪。季節をすぎても消えることを許されず、ただ孤独に残ってしまった哀れな物。 なんだかんだ売れ残ってしまって、一人寂しくお酒を飲む私と何が違うのかな。 「やっぱりいた。心配したんだよ？」 …貴女は、こんな哀れな雪に、手を差し伸べてくれるというの？

繭美 @140mayumi

お題/まだ青い・残雪 #深夜の真剣140字60分一本勝負 #140字小説 #140字ss pic.twitter.com/6xtMONvSLH

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こやままやこ @coyamayaco

キャンプ場の空はまだ青い。夜になったら肝試しだって。これからペア決めのくじ引き。君が誰かと二人きりで歩く姿は見たくないけど、かといって私が君と二人きりなんて何を話せばいいのかわからない。「やりたくないなあ」「俺も。一緒に逃げちゃおうよ」ドキドキしてるのはお化けが怖いからじゃない。

賀茂柚樹 @tanka_uta_575

まだ青い空を見上げてやれやれと息をつく。連日の猛烈な暑さに涼しくなるために肝試しでもしたいものだと考えるがまだまだ暗くはならないらしい。ふと腕時計を見やると午後7時30分になろうとしている。おかしい、と思った時には目の前に地面があった。痛む頭を動かすとまだ青い空が揺らめいていた。