「子供を担ぎ上げて自分たちは知らん顔なんて、当時の勇者様とやらは何やってたんだかね」 村人たちにそう言って青年は少年の肩に手を置いた。 「オレは勇者様ってのは、人々に戦う勇気を分け与える者だった、って聞いてるよ」
2021-05-07 11:04:01「……オレは、まだ、お前のほうが幸せにできると思ってるぞ」 「オレはアイツが幸せになるならお前とだと思ってるぜ?」 ぴり、と空気が張り詰めた。
2021-07-09 11:04:22アルキードってちょうどテランの南でロモスとパプニカの間の海にちょこんと飛びだしてる形なので、ディーノ王子を船で送り出したとしたらこの二国のどちらかだと思うんですが、個人的にはパプニカ説を強く推します。幼馴染のダイレオあったとしたらとか思いません…?
2021-07-13 09:15:30「残像でも、殴りゃ当たるんだよォ!」 咆哮を上げて攻撃を右にかわしつつ、左手をぶち込む。 そのまま上体を倒して加速し、さらに先へ。 「……あいつは生きた大砲の弾みたいなものだな」 見ていたラーハルトが呆れた声を出した。
2021-07-30 08:48:46◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ひたすら無軌道に力を求めて進んでいた過去の自分を思い出す。 今いる城はたしかに自分の城の中でもかなり昔からねぐらにしていた場所で、いわば地元でもあった。 戻ってからも抵抗勢力もさして多くはなく、こちらから手出しもしなかったため、平穏だった。
2021-08-03 07:36:49驟雨が去り、みずみずしさを増した空気を、風がかき分けていく。雲がなくなり七色の橋が出現した空を不思議な気持ちで眺めていた。 「口、開いてますよ、ヒュンケル」 雨宿りしていた木陰から師が現れる。 慌てて口をおさえた。
2021-08-06 17:03:42「あんたは好きな人いんの?」レイニィはメリアの顔を見た。大きな黒い目がこっちを見ている。 「今の所思い当たるのは義兄ぐらいしか…人は怖いですし」 「あー、家族ねー。うちはおふくろはともかく親父はなあ…」メリアが渋い顔をする。 「ポップ師は素晴らしい方だと思いますが」
2021-08-07 23:21:05◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ギルドメイン山脈の下、小さな村。 そのほど近くで野営をしていたラーハルトの下にヒュンケルとエイミが戻ったのは真夜中だった。 ラーハルトが驚いたのは彼が小さな女の子を抱えていたからだ。
2021-08-08 06:36:33◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 魔物の島で暮らしてしばらくのちのこと。 ヒムは早朝の鍛錬を終えて海岸をぶらぶら歩いていた。 明日にはロモスとの交換便が来る。物資は少ないがまた面白い物があるといい。 足元に何かを見つけて拾い上げた。 「なんだこれ?」 貝殻でもない、石にしては透明度が高い気がする。
2021-08-11 11:13:58「レオナ、ごめんレオナ、もう泣かないで」 「……っ、バカ……」 「レオナ……」 ぽろぽろ涙を零すレオナをなだめながら、ダイはぼんやり頭の隅でレオナって意外と静かに泣くんだな、と思った
2021-08-13 01:19:15「元六軍団長、獣王といえば、そこそこヤれんだろ?手合わせしようぜ!」要は退屈だ、ということらしい。 島内での闘いは禁じられてるはずだろう、と問うとニヤリと笑って、元魔軍司令の遺児は「鍛錬なら禁止じゃねえだろ?」と答えた。
2021-08-13 22:59:14聖母の婚礼見えないかもしれないサイド ポ「お前…そういう格好だとホントきれーだなあ…」 マ「やっだ、やめてよ急にそういうの」 ポ「いやいやなかなかこれは眼福眼福ありがたい」 マ「何拝んでんのよまったく…」
2021-08-15 16:20:10◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 村で宿を取り、食事を摂る。 大きな村ではないので出た食事も宿とはいえ 野菜と細かい干し肉の入ったスープにパンと果物が中心の 日常食から出ない質素なものだった
2021-08-19 10:48:18「それぐらいなら誰にでもできるだろう」 「お前、それぐらいのレベル高くね?!一般の商人だぞ?まあ最初はマァムのおふくろさんのほうが熱心だったらしいな」 「母親公認か」 別にそこまででもねえみたいだけど、とポップは言葉を濁した。
2021-08-19 10:52:30酒場の隅で萎れたように座っていた半魔の女は背をすっと伸ばして楽器を手にとった。 「では最後の竜の騎士の話を。長くなりますので皆様楽にしてお聞き下さい…昔々、ロモスの南に怪物の住む島がありました…」
2021-08-21 23:41:46「ところで未解明呪文で復活まではわかりますが対象の指定までは難しいと思うのですが」 「先生に分けてもらった」 「何を?」 「死んだときのあんたの灰だよ」
2021-08-23 23:12:50【ネタメモ】辺境から飛んできた宇宙船。乗組員と思われるものはなく、中には冷凍睡眠装置に入れられた種族の違う男が二人。目覚めた二人は即戦闘行動に入ろうとするのを止められ隔離される。
2021-09-09 23:39:35先のこと考えると不安になってしまうビナスさんの話聞いて、答えることはできないけど指先で頭飾りそっと撫でてはげますブロックはいると思うんですよ
2021-09-14 09:24:05ヒュンも半魔半人だからラーと「オレたちは二人でやっと人一人なんだ」って話をしてるとエイミさんは「あらでももうひとり魔族ができるならあなたたちはやっぱり二人よ」って苦笑する
2021-09-17 08:03:28――こんな時、あの方ならどうする?! 肩から胸に伸びた一房を握りしめる。 ヘッ、笑いがこぼれる。 「――決まってンだろ、真っ向から受けて反撃だよな!」 長い髪を引いて敵にまっすぐ向かう銀の影に、長剣を持った紫の影もふ、と笑いながら着いていく。
2021-09-20 08:46:26弊ハドアルのアルは男顔の美人なんだけどどちらかというと穏やかでちょっと幼いというかいとけないい感じなんだけど、これ女神が乗っ取ると凄絶な妖艶さがあると面白いなと思ってて
2021-09-21 08:18:22「アルちゃんちょっとお話しようか」 「なんでしょう」 「もう立場は一度クリアされてしまったわけだし、関係を構築し直してもよいのでは?」 「?なぜですか」 「えっ」 「あの方に命を頂きその恩に報いるのは何も変わりません」 「えっえっ」
2021-09-21 13:31:59「ハド様ちょっとお話しましょう」 「何だ」 「奥方様のことなんですけどもう少しなんとかしたほうがいいのでは」 「愛情表現はしている」 「伝わってません」 「伝わらなくても良いのだがな…側に居ればそれで良かろう?」 「ああああああああ~~~~(泣)」
2021-09-21 13:35:07ハド様の遺灰…あれな…まあアバンがちゃんと持ってるとは思うんですよね…そうかヒムちゃんに返すのもありよね…(宝箱にしまわれるか、みんなの墓に一緒に入れるのか…)
2021-09-21 20:26:03if時系列で延命嘆願に言ったら夜伽を申しつけられてそれを止めはしないんだけど翌日からギクシャクするハド様とそれ以来ハド様を避けるアルは見たいです
2021-09-23 23:25:23「しかしオレは多大なる罪を犯している」 罪、と女神は笑った。 「しからば問おう、汝は地上に出てから何度命を落とした?」 「大勇者の手で一度、その使徒の魔剣士との戦いで一度、大魔王の策略で一度、勇者との戦いで一度の四度」 「汝の罪は四度の死でも贖われぬのか?」
2021-09-25 06:55:36「……あなた、もっとこわい人だと思ってたわ」ぱちぱちとはぜる焚き火を眺めながら膝を抱えたままエイミが言った。 「今は怖くないのか」ラーハルトは苦笑した。 この女賢者が親友に好意を持っているのは見ればわかる。 ――当の親友は何故かそれを拒んでいるようだが。
2021-09-28 08:22:04「例えば妾は今そなたの伴侶の体を使っておるわけじゃが、そなた妾を伴侶と同じ気持ちで見ておるか?」「いいえ」「そじゃろ?例えば抱きしめたいと想うか?」「……全然」「そうじゃろ?……待て、なんか妾腹が立ってきたぞ?」
2021-09-29 13:41:37門前で揉める声がするので二人揃って様子を見に行くと、家宰と押し問答をしていたであろう男は 「おう生きていたか獄炎の!」と楽しげに声をかけてきた。
2021-09-30 17:51:22「答えになるかわからんが、一説によると」 島の長老はこころよく質問に答えてくれる。 「眠るのは頭の中の整理をするためじゃという」 「整理?」 「一日に起きたこと、自分の経験とのすり合わせ、いらない情報を選んだり…まあいろいろじゃな」 「そういうことを眠ってる間にしてんのか」
2021-10-01 14:56:30魔族の神様、魔王のこと面白いから気に入っていて、ちょくちょく奥方の身体乗っ取って無茶ぶりしてくるんだけど、先日「ここの酒だいたい飲んであきた。貢ぎ物として酒を寄越せ。半月ほど時間をやる」と言いおいてさっさと去ってしまった。
2021-10-05 15:33:15「ハドラー様にきらわれますよ」が弟に有効だと姉は気づくも三日後には「ハドラー様はこんなちっちゃいことできらいにならないもん!」と言いだしてマントに鼻水つける
2021-10-07 12:02:42ザム「ネズミなんて仕事でも見るだろうに飽きないのか?」 フェ「……?いや?あと短命な生き物が一生懸命なのってかわいいじゃないか。こっちは簡単に殺せるのに」 ザム「お前サイコパスか?!?」 フェ「???」
2021-10-11 10:07:21移住後のヒムちゃんな、はじめは遊撃隊のみんなと暮らしてるんだけど、そのうち自分は生活ペースも違うしサイズも重量もちょっとみんなと暮らすには持て余し気味なので海岸でちょうどよさそうな洞窟もみつけて移住しようと思って、
2021-10-12 11:55:56◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 銀の月の光が水の間で反射して、ちらちらと光っている。 普段居座っている洞窟ではない。 滝の裏の、かつて主といた洞窟だった。 アルビナスはいつもどおり主の側に控えてすました顔をしている。 フェンブレンは部屋の隅でブロックになにか話していた。
2021-10-12 23:15:27不思議なもので、焚き火を囲んで思い思いのものをかじっているだけで連帯感ができる。ゆらゆら踊る小さい者たちの大きな影を眺めながら、かつての仲間たちともこんな時間が過ごせたか考える。…あいつらなら酒か。
2021-10-14 08:06:27