第186回深夜の真剣140字60分一本勝負

夜ヶ咲 @yorugasaki

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RAY/※※※ @growler_ray

ずっと、その背中を追いかけてきた。 絶対に追いつくと、絶対に捕まえてみせると、絶対に……私のものにして見せると。 でも、いざ伸ばした手はあっさりと絡め取られて、気づけばこの体は君の腕の中。 獰猛な君の笑み。標的はそっちだって思ってここまで来たんだけど、どうやらそれは私だったみたい。

らん @amagi_ran

標的（ターゲット）に返り討ちに合い、死にかけていた俺を拾ってくれたのは闇医者のじじいだった。枯れ木みたいなすぐに死にそうなじじいだったが、俺が闇医者になれるほどの知識をくれた。#twnovel でも、本当にくれたのは知識ではなかった。じじいを見取って知った。あの人がくれたのは"心"だった。

あすか（オタク名sutella） @kagikiri0321

数多ある国の中で私の住む国がめでたく選ばれ海に沈んだ、岩の上に腰かけた私に見えるのは水平線から見える幼い頃によく上っていた近所の展望台へ続く道。残ったのは親友の家族と私だけ、寂しいけど...待ってるよみんなが私に追いつくのを。あぁ、あの子が呼んでいる。そして私は水中の自宅へ向かう。

癒月連理 @kizamukotonoha

標的と仲良く登山。二人の仲は深度ゼロ。山路を歩き吊り橋に差し掛かる、すると彼女は楽しそうに渡るのだ。 「怖くないか」 「え、楽しいよ」 下山した時は 「A君怖がりなんだね、でも良かったらまた来ようよ」 彼女の満面の笑み、標的は落とせなかったが、これだけで俺の中では及第点だ。

三上クコ @mikami_kuko

生きづらいな。赤、黄色、茶色。秋色の落ち葉を踏んで音楽を奏でながら、恋愛について考える。今まで何人かと付き合ってきたけど、キスやハグ、その先をしても全く心が動かない。こうやって落ち葉を踏んでいた方が断然動く。落ち葉に負けるものを押し付けてくる世界から、どうやったら逃げられますか？ pic.twitter.com/HhxDymSX6Q

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Pingu　novel @ckpingu_nvl

2人は山路を黙って歩いた。互いの息遣いだけが密やかに響く。標的は、エゾシカ。ガサッと聞こえ、男は目を凝らす。深度ゼロで木々の間から、幻の白い鹿。「何て神々しい」女はため息まじりに呟く。2人は顔を見合わせ頷く。鉄の玉を撃ち込む気はない。一緒に見れば、親密度MAXの伝説に男は賭けたのだ。

石森みさお@140字小説 @330_ishimori

#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite ) お題 ①標的 ②深度ゼロ ③山路 #twnovel #140字小説 twitter.com/330_ishimori/s… pic.twitter.com/kmd0W2IG7M

石森みさお@140字小説 @330_ishimori

被写界深度ゼロで撮影した彼の写真は全てが淡くぼけている。秘境の景色を標的とし単独で山路に分け入る老写真家は、一枚とてピントの合った写真を撮ったことがない。 何故か、と問うインタビュアーに彼は笑う。 「秘めた景色を知るのは私一人でいい。写真を見て、私だけがあの美しさを思い描けるのさ」

2021-12-04 22:01:26

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秋月蓮華 @akirenge

「山路」 今名乗っている名を呼ばれる。 「やるよ。これのせいで見たかった番組が」 「配信か録画」 スポッターである彼女が言って、仕方がなくライフルを構える。深度ゼロの境地……と言うと何だがそれを心に宿す。 引き金を引く。 標的は死んだ。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 ( @140onewrite)

TAKA001 @001TAKA

山路艦長は海上自衛隊随一の潜水艦乗りだ。日米合同演習で標的を全滅させたのは、後にも先にも彼しかいない。 202X年北方領土付近の海上、深度ゼロに緊急浮上した潜水艦は、おやしお型でもそうりゅう型でもない。だがハッチに立つ人物は海自の司令服を着ている。軍事衛星を見上げ、彼は宣言を始めた。

Z.P.M @ArcOkimuy

山路を歩いて考えるまでもなく情に棹させば流される。うかうかしていると標的にされることもある。やってご覧心臓はここだよ。見事射抜いてみるがいい。飛来する何本もの矢が私を掠める。おっと深度ゼロよ。私の名は幸運の女神。この年末も一人寂しく誰にも落とされずに過ごす羽目になりそうだわね。

ゆきやまイマ＠鶏林書笈 @keirin_syokyu

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題： ①標的 ②深度ゼロ ③山路 ＃木槿国の物語 白鳥の湖💦 pic.twitter.com/su6vfHQmg1

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ケンタシノリ＠童話＆小説書き屋さん @kentasinori

股旅姿をした藤兵衛は、長くて険しい山路を歩きながら目的の地に向かっている。 そんな時、藤兵衛を標的に忍者らしきものがいきなり襲いかかろうとした。だが、藤兵衛は振り向きざまに自らの刀で相手の男を斬り裂いた。 藤兵衛は、血まみれの屍となった暗殺者の姿を確認するとその場から後にした。

きりんさんの倉庫 @kirinsan_moji

さぁ深度ゼロのこの関係に弾丸を。標的は遥か彼方遠くの霊峰。貴方に繋がる道標や山路なんて無い。凍ったその笑顔に、ほんの一瞬でも衝撃を伝えたいの。貴方が築いたもの全てを超えて捕らえてみせてしまいたい。研ぎ澄ませた口舌を銀に染めて撃ち抜くわ、貴方の眼が揺らぐ様を笑顔で迎えてあげるから。

夏見 有 @you_natsumi

君の熱を伝える空気が背中に触れる。弛むシーツ、軋むベッド、君の寝息。あらゆる事象が君の存在を証明する。 瞼の裏に浮かぶ文字。何故君は、僕と時を重ねるのか。答えが出る直前で振り払う。 分からない。分かりたくもない。 寝返りを打つ。君の寝顔は、僕の思考を限りなくゼロへと近づけた。