光忠くんとばくだんおにぎりと長谷部くん

カコ🐙 @3nasubi31

🍙光忠くん、テレビで見たばくだんおにぎりが食べてみたくて長谷部くんに頼むんだけど、ばくだんおにぎりという名前が出てこなくて「なんか、こう、爆発する感じの名前のおにぎり！」と言ってしまい、出汁のきいたかやくご飯の一口おにぎりをたくさん作って貰う。

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「おいしい；；お出汁の滲みた油揚げと人参がしっとりご飯と絡み合って口のなかふわふわ幸せ；；でも違う；；これじゃない；；これじゃないけど美味しい；；長谷部くんこれめちゃくちゃ美味しいよぉ；；」「(泣くほど食いたかったのか？)よかったな」

カコ🐙 @3nasubi31

結局1.5人分ぺろりとたいらげてから「ばくだんおにぎり」という名前を思いだし、ようやく意図が伝わる。「あしたはそれ！ばくだん！食べたい！唐揚げとかウインナーとか煮卵とか入ってるやつ！」「お前、よっぽどおにぎり好きなんだな」おにぎらずも好きだもんなぁ、と長谷部くん苦笑。

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「煮卵とろとろ！しょっぱいご飯と合うし肉汁が染みてて幸せだよぉ……唐揚げとウインナーが一緒だなんて贅沢だね！」「そうだな」長谷部くんはいつものお弁当箱。「…長谷部くんのおにぎりは？」「いや、俺はばくだんは別に……」「ふぅん……」

カコ🐙 @3nasubi31

長谷部くんの弁当箱には、おかかご飯と煮卵、筑前煮と焼き魚。「筑前煮…」「夕飯の残りだぞ」「知ってるよ」「お魚…」「これも夕飯の残りだ」「知ってるけど……」昨日の夕飯は小松菜のおひたしに筑前煮と銀だらの塩焼き。白米が悪魔的に進む危険なメニュー。「おいしかった……」「………食うか？」

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「でも…長谷部くんのお弁当をとっちゃダメだし！」と言った瞬間に、ごくりと生唾を飲んでしまう。「体は正直だな」「なんたる無様…；；」結局銀だらと筑前煮は半分くらい光忠の胃におさまり、ばくだんももちろんぺろりとたいらげた。

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「そんなに気に入ったんなら明日から弁当はばくだんにするか？」「……いつものお弁当がいいな」指についた味のりを舐めながら光忠くんしょんぼり。「ばくだん、美味しいけど、いつものお弁当の方が長谷部くんのおかずいっぱい食べられるもん……」「そうか」

カコ🐙 @3nasubi31

「お前、ほんと」食い意地がはってるな、なんて言いながらも長谷部くんかつてないほど機嫌がいい。 次の日のお弁当はハンバーグとミートボールとポテトサラダと、海老のフリッターにミニトマト、梅肉とチーズのおにぎらず。好物ばっかりのお弁当に、光忠くん大喜びだとさ。おわり。