当たって砕けたキさん

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ダさんに片思いしてるキさん、玉砕覚悟で告白したら見事にフラれてべっしょべしょになってからダさんといる時だけ（バトル時は除く）デバフかかってメンタルぐじゅぐじゅになっちゃうキさんの話？

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「dnd、今からオレさまお前に大事なこと言うんだけど、引かないで聞いて、答えてほしい」かなり深刻そうな顔で言うからダさんは身構える。こくりとひとつ頷くと、キさんは唾をごくりと飲んで鼻からスッと息を吸って「お前が好きだ」って告白する。「お前が好きだ、dnd。お前を愛している。できれば、

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お前と恋人になって、セックスしたいし結婚としたいと思っている」ダさんは男にも女にもモテモテなので同性からの告白はさほど珍しくないんだけど、10年来のライバルからの告白は流石に想定外でびっくりする。十分間が空いたあと、一世一代の告白を終えてぶるぶる震えた声で「返事を、聞かせてほしい」

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って言う。ダさんは直感で生きる男だからYESでもNOでもそこから意志が変わることは滅多にないって知ってるキさん。ダさんは無表情でキさんを見つめて、ほんの少しだけ眉尻を下げて「すまない」って短く謝る。申し訳なさそうなダさんにキさんのメンタルがぐしゃっとなります。まだ泣いちゃダメだよ。

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「そっか。ありがと、おかげでスッキリしたわ！結構な時間コレをずっと抱えててさ、重たかったんだよ。これからもオマエとオレさまはライバルで大切な友人だ」ってニカッと笑ってあっけらかんと言うからちょっと心配だったダさんはほっと胸をなでおろして「ああ、そうだな」って賛同する。

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その日はそこで解散して、それぞれの家に帰宅する。キさんは玄関のドアをくぐった瞬間にがくんと倒れて、そこから泥のように眠る。翌朝起きたら関節の節々が痛いし身体が熱くて重かった。ポケたちにご飯をやりながら熱を測るとかなり体温が高い。みんなにごめんなぁって謝りながら寝室にこもり、

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昨日の話を聞いてほしさもあってnzさんにメッセを送る。『熱出た。あとオレさまdndに振られたんだけど🥺』って送ったらすぐに既読がついて電話がかかってくる。『大丈夫ですか、何かいるものは』「ん゛、ごめんなあ゛」『すぐにSOS出してくれて逆に助かってますよ、食欲は？』「ある、かも……

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いや、わかんない゛……」『わかりました、色々買ってそっち行きます。布団被って寝ときんしゃい』「ありがと……」『はよ寝ぇ』電話が切れたあとネさんに言われた通りに布団にくるまって寝ていると1時間も経たずにインターホンが鳴る。「ドア開いてるから、上がってきたら勝手に入って…」

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『わかりました』廊下に出た以上また戻るのも億劫で、リビングのソファで毛布をかぶりネさんの到着を待つ。足元にこータすが来てあっためてくれる。ほどなくしてインターホンがまた鳴って、ドアがガチャリと開く音がした。「おはようございます、冷えピタ貼ります？」「うん……」

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世話焼きなお兄ちゃんは「食べれたら食べなさい」ってあったかいおかゆも作ってくれて、kbさんに教えてもらったらしくあつい緑茶も入れてくれた。はふはふ食べるところを何を言うでも無く見守ってくれる。「nz、ありがと。だいぶ楽になったかも」「どういたしまして。俺は世話焼きなんでね」

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「ふふっ、自覚あるんだ」「mryにしつこいって怒られてますから。……dndの件を聞いても？」ネさんはキさんの様子を伺いながら恐る恐る訊く。ネさんは今まで嫌がりつつもキさんの恋バナを聞いてくれてた唯一の人だから、キさんがいつからどれだけダさんのことを想っていたのか知っている。

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「いや、まあ、メッセのこと以外は何も、なんだけど……」だんだん言葉のしっぽがちっちゃくなっていくキさん。ネさんは何も言わず、キさんが口を開くのをじっと待っている。「玉砕覚悟で、言ったら、みごとに、玉砕っていうか、すまないって謝られて、うん……」緑茶が入ったプラスチック製の透明な

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コップをぎゅうと強く握りしめる。ボタボタと大粒の涙が落ちてきて、ずびっと鼻を啜った。「おれさま、もお゛、だめかもしんない゛……なんも、なんも゛、かんがえられない……」足元にいるコ～たスはオロオロとしてさむい？さむい？とキさんの足にもっと寄り添う。じゅラるﾄﾞんは

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部屋の中でいちばんひんやりする隅っこでキさんをじっと見つめている。ぬメるゴんは熱を出している主人にひっつくことが出来なくて、でも主人が泣いていて、唯一主人に触れ合える選択肢を失ってしまってどうしたらいいかおよおよしてる。ネさんはとりあえず1番動揺してるぬメるゴんを引っ込めて、

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キさんの背中を優しくさする。「泣いとき。それでもお前はアイツと向き合わなきゃいけないんです。いつアイツと向き合ってもいいように、ゆっくり準備しとき。まず満足するまで泣けばいいんです」ネさんがそう言ってくれて我慢することなく泣き始めたキさん。泣き疲れて首が前へ傾き出すと、

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へたりはじめた冷えピタを貼り替えて、あたためたタオルで顔を拭いてくれる。寝室まで支えてくれて、布団を被るとトントンと一定のリズムで叩いてくれて、すぐに寝息を立てる。 起きると外は暗い。少し楽になった身体を起こしてリビングへ行くと、ネさんがpkたちにご飯をあげているところだった。

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「おはようございます。少しは楽になりましたか？」「うん。この子らのごはんまで、ありがとな」「なんてことないです、こいつらがおりこうさんにしてくれてるおかげで全然苦戦しませんでした。むしろこっちがどうしたらいいか教えられましたよ」「フフ、そうだろ。こいつらはかしこくて

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甘えるのも上手なんだ」「主人に似たんですかね」「ふふふっ」目元は赤く腫れているけれど柔らかく笑っているところを見てネさんはひとまず安心する。「さて、俺はそろそろおいとましますかね」「nz、ほんとありがと。かなり助かった」「この程度なんてことはないです。高くて美味い酒さえ

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奢ってくれりゃいつでも駆けつけますよ」「ふは、現金なヤツ！熱が下がったらとっておき持って行くよ」「それは楽しみですね」談笑しながら玄関でネさんを見送る。泣いて寝るとお腹がすいたのかくるると腹が鳴って、鍋に残っているおかゆを温め直してゆっくり食べる。ぽこんとテーブルの上のスマホが

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通知音を鳴らして、見てみるとネさんからだった。『言い忘れてましたけど、お前が寝てる間にgmに体調不良で休むって言っときましたから、明日の朝にでも改めて連絡入れときなさい』「ほんと、頼りになる兄ちゃんだよ......」ひとつ「Thank you!」とヌめラのスタンプを押して足下に擦り寄ってきた

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こータすを撫でる。「心配かけてごめんなぁ。まだ、いつものkbnさまに戻るのはちょいむずいけど、でも絶対戻すから。戻さないといけないから。それまで、お前らを頼らせてくれ」そう言うとpkたちはキさんの身体を配慮して控えめに寄り添ってきた。ヌめルごンは小指だけをそっと握って、

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じゅラるドんは膝頭に頭をコツンと当てた。「ありがとう......」体調が良くならないと彼らと触れ合うことができないからはやく体調だけでも良くなろうと一匹一匹におやすみと声をかけてまた眠りについた。

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そこから三日ほど休んだキさんはしっかり体調を直して、メンタルもほつれは見えるけれどなんとか立て直す。それでもダさんといる時はカケラ同士を縫い繋いでいる糸がほどけて、元のぐしゃぐしゃに戻っちゃうから無意識に距離が離れるしプライベートの会話も少なくなる。キさん自身もダさんもそれに

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薄々気付いていて、少し寂しく感じる。 そんなある日、キさんがプライベートでWAでキャンプをしている時、ばったりダさんに会う。「奇遇だな、kbn」「おー、オマエもキャンプ？」「いや、今日はr-zさんにスーツを仕立ててもらう予定で、その道中だ」「へえ、こんなところで油売っても大丈夫なの？」

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「ああ、迷うことを想定してかなり前に家を出てるんだ。だからまだ余裕があるぜ」「これから迷ったらどうするんだよ、はは」スムーズに会話しているようだけど、やはり何か違う。ダさんはキさんと話す度にこの違和感にむずむずして、ついつい我慢できずに言ってしまう。

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「なあ、やっぱりこの間のを引きずっているのか？」「......は、」「いや、なんだ。この間、三日か四日休んだろ。それから、キミと話すと、いつもと違うようで、むずむずして」「............」キさんは目頭が熱くなって、途端に視界がぐにゃぐにゃと歪み始める。

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「なあkbn......」「......わか、ってんだよ、そんなこと......」震える喉でなんとか絞り出した声は驚くほど小さくて、ついにキさんは手で目を覆ってその場にうずくまってしまう。「自分でも、わかってるんだよ、ひきずってるって」「でも、そうだろ。フラれるって思って、告白したら、やっぱり

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フラれて、予想してたけど、好きな人にフラれたら、引きずるんだよ」「............」腕にひんやりとしたモノが当たる。ジュらるドんがキさんにぴったりとくっついて、ダさんをじっと見つめていた。「自分で変わらないって言ったから、がんばった、けど、むりだったんだ。ごめん、dnd、ごめん......」

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目を覆う指と指の間からぽたぽたと雫が落ちて、ずびっと啜っても鼻水が垂れる。ごめん、ごめんと言い続けるキさんを前に、ダさんはどうすることもできなかった。 そこからどうにかして二人は解散して、キさんはまた熱を出す。そこでまたネさんにお世話になる。今度はそれだけじゃなくて、ダさんからも

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「奢るから相談に乗ってくれ」と誘われるネさん。「この間、kbnと話をして。その、彼から、告白されて......」「ああ、そこらへんの話は全部聞いてるんでカットしていただいて。で？」そこでキさんはかなり前からネさんに恋バナを相談していたことを知ってちょっと嫉妬するとかわいい。

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「......あ、ああ。それで、「引きずってるんじゃないか」って訊いたら、肯定されて、謝られて......」（お前ら揃いも揃って謝り合って何してんですか）とか思ってるネさん。その単刀直入に訊かれた話もキさんから聴取済み（そこも知ってるって言ったらキさんに不都合があるかもという配慮）だから

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ダさんの困惑して悲しいような反応に「おや？」と思う。「......まあ、アイツには時間が必要なんです。長年積もり積もった感情を整理する膨大な時間が。ちょっとやそっとではそこは整理できないんです」「なるほど」「だから、しばらくは遠くで様子見したらいいんじゃないですか。

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何か良いきっかけやタイミングがあったら、そこでまた距離を戻せばいいんです。そこはお前のやべー勘を頼ってください」「......わ、かった。やってみる」 そこからまずキさんが意図的にダさんを避けはじめて、ダさんもそれを特に指摘することなく「その時」を待つ。黒夜事件が起きて、

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ダさんがオーナーになると意図的じゃなくても会う機会が激減して普通の距離感とか忘れちゃう。その間でキさんはしれっと立ち直ってダさんと普通に話せるようになる。ダさんもそれをなんとなくわかるんだけど「その時」が分からずじまいでどうすればいいかわからない。ダさんはこの離れてる期間に

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キさんのことが無自覚で好きだったのに気付いてほしい。でも、ダさんの中でキさんを泣かせてしまったのがトラウマでもう一度同じ事をさせてしまうのが一番のタブーだから容易に話しかけることができない。ネさんはそれを「こいつらめんどくせ～～～」って何も言わず傍観してる。最高。元気になった

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キさんから「nzぅ～ごめんなぁいっぱい迷惑かけて。オレさま完全復活です！」って報告受けたからダさんにちょっとアドバイスできないこともないんだけど「まあSOS来てないですし、放置でいっか」となってる。キさんはダさんのことが好きじゃなくなったわけじゃなくて「片思いでも今楽しいからいっか」

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って吹っ切れたよ。でもダさんからあの話されたらまたメンタルがしゃこんなるからね。意を決してダさんが告白したらそこでまだべしょべしょになるので拗れに拗れたまますっごい長引く。そんな話ないですか？