第二次世界大戦における活躍からその終焉まで
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天翔 @Tensyofleet

第二次世界大戦中、アメリカ海軍は軟式飛行船を用いた作戦を行っていた。終戦までに第1から第5の飛行船航空団(”Fleet Airship Wing")を擁し、主として対潜哨戒、救難などに従事していた pic.twitter.com/9Q55ebZI97

2014-07-19 13:15:12
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天翔 @Tensyofleet

公式な戦果としては、潜水艦撃沈1(共同)及び撃破1とさほど目を引くものではないが、西と東の両大洋における作戦飛行回数は3万6千回、作戦飛行時間は41万時間に及ぶ。

2014-07-19 13:20:10
天翔 @Tensyofleet

@Tensyofleet あ、間違えた。「潜水艦撃沈1(共同)及び撃破3」だ。なおK-74が攻撃したU-134は、このうちの撃破1にカウントされている模様。

2014-07-19 16:10:42
天翔 @Tensyofleet

これらの作戦に用いられた軟式飛行船の主力は130隻余のK級であり、小型のL級(22隻)/G級(10隻)は訓練に用いられた。、最も大型のM級は4隻のみの建造である。 pic.twitter.com/iwUTfK6SOx

2014-07-19 13:27:54
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天翔 @Tensyofleet

一方で飛行船の喪失はL級2隻、G級1隻、K級34隻に及ぶ。喪失原因としては、人的要因が21隻、以下設計に起因するもの13、材料に起因するもの1、不明1、そして敵による被撃墜が1であった。

2014-07-19 13:31:38
天翔 @Tensyofleet

この第二次世界大戦を通じて、アメリカ海軍飛行船部隊が被った、ただ1隻の戦闘損失がK-74である。 工場従業員の前でお披露目されるK-74 uboatarchive.net/U-134K-74Chris…

2014-07-19 13:34:56
天翔 @Tensyofleet

アメリカ海軍第3飛行船航空団第22哨戒飛行船隊に所属していたK-74は、1943年7月18日深夜、日付が変わらんとする直前に、レーダーによって潜水艦を探知した。

2014-07-19 13:42:36
天翔 @Tensyofleet

場所はフロリダ海峡で、探知された潜水艦はU-134であった。K-74は直ちに攻撃に入ったものの、乗員の設定ミスで爆弾は投下されなかった。goo.gl/1Fq94

2014-07-19 13:47:41
天翔 @Tensyofleet

U-134は55ktで爆撃針路に入ったK-74に対して2cm機関砲による対空射撃を行い、これを撃墜している。一方、K-74も100発程度の.50口径機銃弾をU-134に叩き込んでおり、これがなんらかの損傷を与えたようだ。

2014-07-19 13:49:31
天翔 @Tensyofleet

帰途に就いたU-134は、およそ1ヵ月後の1943年8月24日、スペイン沖で撃沈されてK-74の仇は討たれた。goo.gl/EPuAL

2014-07-19 13:50:33
天翔 @Tensyofleet

撃墜されたK-74の乗員は、墜落時点では全員が生存していたが、救助を待つ間に鮫に襲われて航空機関士が死亡しており、これがアメリカ海軍飛行船隊唯一の戦闘行動による死者となっておいる。おわり

2014-07-19 13:52:47
天翔 @Tensyofleet

おまけ:この戦闘の報告書 goo.gl/Y7pnO  K級飛行船の爆弾と機銃の搭載位置 goo.gl/HWMnS

2014-07-19 13:54:53
天翔 @Tensyofleet

アメリカで訓練飛行中のL級軟式飛行船(1944) #並びがエモい艦船写真 pic.twitter.com/bzskMUjSjs

2019-02-07 23:25:41
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天翔 @Tensyofleet

アメリカ海軍のK級飛行船、K-112。同船は1944年7月18日にジブラルタル飛行場に着陸し、アメリカで製造された飛行船として初めてヨーロッパに着陸した。背景は”ジブラルタルの岩”。 pic.twitter.com/tmJvlrK9Co

2016-08-01 22:20:48
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天翔 @Tensyofleet

ところで、第二次世界大戦後もアメリカ海軍は飛行船部隊を運用していた。新型のレーダー、ディッピングソナーなどの新たな装備に加え、滞空時間の延長も求められたため、より大型のN型が建造されることになった。 pic.twitter.com/HsLo0o3yRq

2014-07-21 22:35:05
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天翔 @Tensyofleet

1951年にN-1が進空、引き続き4隻の改良型が進空する。名称変更のごたごたがあって、これらはZPG-2と呼ばれることになる。ここで、飛行船に新たな任務を与えようという動きがあった。1955年のことである。

2014-07-21 22:43:26
天翔 @Tensyofleet

改修を受けたZPG-2Wは、気嚢頂部にAN/APS-69、操縦室下部にAN/APS-20、船体内部にAPS-70を搭載し、北アメリカの早期警戒レーダー網、コンティギュオス・バリアーとインショアー・バリアーの間隙を埋める用途に投入された。早期警戒飛行船の誕生である。

2014-07-21 22:47:42
天翔 @Tensyofleet

1957年3月、1隻のZPG-2Wが燃料補給なしで飛行距離15,675km、飛行時間264.2時間を達成し、飛行船の滞空記録を樹立している。

2014-07-21 22:51:20
天翔 @Tensyofleet

なお、戦前に世界一周飛行を達成した硬式飛行船LZ127グラーフ・ツェッペリンの無着陸飛行記録は、世界一周途上のフリードリヒスハーフェン-霞ヶ浦間の11,233kmで、これを上回る。

2014-07-21 22:53:17
天翔 @Tensyofleet

1958年、新型のZPG-3Wが進空する。全長123m/気嚢直径26m/ライトR-1820サイクロン1,575hp2基/最大速度152km/hの性能を誇る史上最大の軟式飛行船であり、この記録も破られていない。

2014-07-21 22:57:09
天翔 @Tensyofleet

手前からZPG-3W、ZPG-2W、そしてK型。エンジンナセル下の人影と比べると、そのサイズが分かるだろう。搭載しているライトR-1820サイクロンは、B-17のエンジンでもあった。 pic.twitter.com/lPuCo74VZH

2014-07-21 22:59:42
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天翔 @Tensyofleet

ZPG-3Wの気嚢内には12.8 mのAN/APS-70早期警戒レーダーが搭載されていた。 pic.twitter.com/OcH3KShMvX

2014-07-21 23:01:32
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天翔 @Tensyofleet

”重航空機”に同じAN/APS-70を積むとこうなるらしいのであるが、未だ空気より重いものが空を飛ぶということを信じられないのでよく分からない。WV-2E upload.wikimedia.org/wikipedia/comm…

2014-07-21 23:07:28
天翔 @Tensyofleet

SAGEシステムの一端を担った早期警戒飛行船の任務も、固定翼機の航続距離・滞空時間の延伸とともに終わりを告げた。アメリカ海軍飛行船部隊が最後の飛行を行ったのは、1962年8月31日のことであった。

2014-07-21 23:09:44
天翔 @Tensyofleet

ところがどっこい、飛行船は死しても皮を残していた。1980年、アメリカ森林局が木材搬出用として垂直離着陸機の開発契約をアメリカ海軍と結んだ。"Helistat "と呼ばれる飛行機械に用いられたのは、ZPG-2Wの気嚢だった。upload.wikimedia.org/wikipedia/comm…

2014-07-21 23:14:20
天翔 @Tensyofleet

パイアセッキ PA-97と命名されたハイブリッド飛行船は、4機のヘリコプター(H-34J,シコルスキーS-58の米海軍方)と結合された、世界最大の垂直離陸航空機となった。

2014-07-21 23:17:12
天翔 @Tensyofleet

1986年4月26日に初飛行を迎えたものの、7月1日に事故で墜落して死者1名を出し、開発計画は中止された。墜落時の映像が残されている。おわりyoutube.com/watch?v=_7jENW…

2014-07-21 23:19:11
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天翔 @Tensyofleet

アメリカ空母はB-25も載せれば軟式飛行船だって降ろす。ドーリットル空襲部隊に補給するL-8。キャプションには航空機の部品を運んできた、とある。 history.navy.mil/content/histor… pic.twitter.com/1L40bjdJa4

2020-04-18 12:51:58
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天翔 @Tensyofleet

" circa 4 April 1942"とあるが、4/1のサンフランシスコ出港後3日を経過していることになるので、ちょっと長すぎる気はする。L級軟式飛行船の要目は全長45.0m、気嚢直径12.1m、星型7気筒空冷145hp×2、巡航速力74km/h、乗員2~4名、航続距離880km。 history.navy.mil/content/histor… pic.twitter.com/TWORy4ucC8

2020-04-18 12:56:19
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天翔 @Tensyofleet

300ポンドのB-25爆撃機用スペアパーツをホーネットに届けてから4か月後、L-8は哨戒飛行からの帰途、原因不明の理由で乗員2名が行方不明になり、無人状態でサンフランシスコ近郊に墜落しています。 historynet.com/mystery-of-the…

2020-04-18 13:07:06
天翔 @Tensyofleet

ドーリットル空襲部隊の空母ホーネットに補給するL-8。以前同じような写真を見たことがあるが、陸軍の撮影らしい。こちらにもサンフランシスコ出港2日後、とあるのでどうやら本当らしいが、L級の足でどこまで届けに来たのやら。よく見ると対潜爆弾も積んでいるような。。。 fold3.com/image/29023376 pic.twitter.com/liFwKP83SG

2020-05-23 14:07:14
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天翔 @Tensyofleet

同じくL-8。下方はシマロン級給油艦、T3タンカーの一種。 fold3.com/image/29023390 pic.twitter.com/ulX8jsb3PI

2020-05-23 14:09:53
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