「バイバイ・リバティー・危機一発！」解説

石川 五右ェ門 @goemon_zan

[五右ェ門の今日は何の日] 1989年の今日、TVSP1作目「バイバイ・リバティー・危機一発！」が放送された。 世界最大のダイヤモンド「スーパーエッグ」と史上最悪のコンピューターウイルス「ニューウイルス」を巡って、ルパン一味と秘密結社「スリーメイソン」の争奪戦が描かれている。 視聴率は13.3%。 pic.twitter.com/0AmqZgbBEu

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本作は、平成に入って最初の「ルパン三世」であり、不定期ながら現在も続くルパン三世TVSPシリーズの第1作目となっている。 初回放送は、「土曜スーパースペシャル」で行われた。 1995年には、ルパンを長年担当した山田康雄殿が亡くなった際に「金曜ロードショー」で追悼企画として再放送されている。 pic.twitter.com/Ruh1roDTUY

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本作が制作された経歴を話そう。 1987年12月に「風魔一族の陰謀」が公開され、翌年1988年4月にOVAが発売された。 しかし、「風魔」は声優陣を総入れ替えした作品であった為、当時のファン達からの評価は低く、制作会社である「東京ムービー新社」に非難が殺到する事になり、結果は大失敗に終わった。 pic.twitter.com/4CByXa8JPZ

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そんな中、1988年の秋頃に「ルパン三世 PART2」の再放送が久しぶりに行われた。 当時の日本はバブル全盛期であり、その世情に「ルパンファミリーが世界を股にかけて大活躍」するという、PART2の世界観がとても合っていた。 この再放送は大評判となり、最高18%の高視聴率を記録したという。 pic.twitter.com/rSHwyx4RKS

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翌年1989年2月に「あのスター㊙アノ場面」という番組に、小林清志殿、増山江威子殿、納谷悟朗殿が突如登場。 司会者の板東英二殿が「この3人の方、ご覧頂いてお分かりになりますでしょうか？何のアニメか、お分かりになる方？」と観客に問いかけるも、観客達は分からない様子だった。 pic.twitter.com/kxN1h6bcK3

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「この方がお入りになったら分かるかと思います。どうぞお入りください！」という坂東殿の声を受けて登場したのは、山田康雄殿であった！ 山田殿の登場に、スタジオ内は笑顔と拍手に包まれて大いに盛り上がった。 そう。それは「ルパン三世=山田康雄」なのだと改めて認識させられる場面であった。 pic.twitter.com/xy9uL4e7sh

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さらに、この番組で4人による生アフレコも行われた。 このアフレコの後で、「土曜スーパースペシャル」にて「ルパン三世」のスペシャルが放送される事が発表された。 そのスペシャルというのが、本作「バイバイ・リバティー・危機一発！」だ。 こうして、「ルパン三世」の声優陣は元に戻ったのだ。 pic.twitter.com/qGFlyzOObc

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「風魔」での失敗がなければ、TVSPは制作されなかったかもしれない。 そういう意味では、風魔がもたらした物は悪いものばかりではないという事だな。 なお、「風魔」において描かれていた設定(偽装死をしたルパン一味、五右ェ門の婚約者の墨縄紫の存在、銭形警部の家族事情)は全て削除されている。

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ルパンのジャケットは赤色で、ネクタイの色は「PART1」で使用していた黄色となっており、拙者の衣装は、白色の着物・茶色の袴と複製人間に近い衣装だ。 次元と銭形の衣装は「PART2」とほぼ同じであり、ルパン達の衣装は「PART2」に準じている。 pic.twitter.com/0fNdzFo8RQ

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「風魔」ではスタッフ達も変更となっていた為、「ルパン三世のテーマ」は流れなかった。 しかし、本作で大野雄二先生が再び音楽担当になり、「ルパン三世のテーマ」が復活。 さらに、「ルパン三世のテーマ'89バージョン」という新たなバージョンが作られた。 以降、TVSP等で多く使われるようになる。 pic.twitter.com/w5MKofe1R1

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本作のターゲットとなる重要アイテム「スーパーエッグ」だ。 その名の通り、巨大なタマゴ状の形をした世界最大のダイヤモンドだ。 その大きさは、アメリカンフットボールのボールくらいの大きさとなっている。 数年前にルースターが宝石の展示会より盗み出し、作業員に変装して自由の女神像に隠した。 pic.twitter.com/jbHuQztPRw

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物語の中盤、ルパンはマイケルから「ニューウイルス」というコンピューターウイルスの存在を教えられる。 この「ニューウイルス」は、全世界のあらゆるコンピュータ上のデータを、使用者の望むままに改竄・消去できる強力なコンピューターウイルスなのだ。 しかし、保管場所は不明となっている。 pic.twitter.com/sJ0TfKBVQh

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本作の敵対組織「スリーメイソン」だ。 ニューヨークの巨大ビルを本拠地としているが、その実態はオカルト関係の魔術を崇拝している現代の秘密結社で、宝石の密輸で多額の収入を得ている。 構成員達はフード付きのローブと仮面をつけている。 構成員のほとんどは男だが、女の構成員も僅かにいる様だ。 pic.twitter.com/3M5XdF9Gji

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本作のゲストヒロインであるイザベル殿だ。 初登場時は、謎の追っ手に追われていた。 宝石商を自称しており、拙者を護衛役として雇う。 声を担当したのは、「宮廷女官チャングムの誓い」の女官長、「トンイ」の明聖大妃(ミョンソン テビ)の吹き替え等で知られる駒塚由衣殿だ。 pic.twitter.com/TrSfinVZuB

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本作の重要人物であるマイケルだ。 小柄な少年だが、コンピュータの扱いに長けている。 ルパンに「ニューウイルス」を探して欲しいと依頼する。 寝言で「ママ……」と呟く場面もあり、どうやら母親を探している様だが…… 声を担当したのは、モンキー・D・ルフィやクリリン等で知られる田中真弓殿だ。 pic.twitter.com/qHPnYWrZku

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本作の悪役の1人で、今回の黒幕であるシルバーマンだ。 スリー・メイソンのNo.1こと総帥である魔術師だ。 年齢はなんと123歳。高齢故に後継者に悩んでいる。 吐息で人を浮遊させたり、口から剣を出すなど、人間業とは思えない妖術を使う。 声を担当したのは、PART2の69話に出演していた前沢迪雄殿だ。 pic.twitter.com/4FcIPCcGwK

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本作の悪役の1人であるジミー・カンツだ。 実業家を装っているが、その正体はスリーメイソンのNo.3だ。 シルバーマンに畏怖する描写が多いものの、組織をまとめる能力は高い。 声を担当したのは、本作が初ルパン作品となった津嘉山正種殿だ。 津嘉山殿は、本作も含めて4回ルパンに出演している。 pic.twitter.com/qQ9UtK0orD

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本作の悪役の1人であるエドだ。 スリーメイソンの実行部隊の隊長で、スーパーエッグの行方を追っている。 物語序盤において部下を率いてルースターを襲った。 声を担当したのは、阿笠博士やデデデ大王(アニメ星のカービィ)等で知られる緒方賢一殿だ。 pic.twitter.com/sRkpnVNPmB

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本作の発端となったルースターだ。 次元の旧友である初老の泥棒で、 かつてスーパーエッグを盗み出し、捜査から逃れる為に作業員に変装して自由の女神像に隠した。 次元の数少ないまともな友人なのだが、スリーメイソンに襲撃され…… 声を担当したのは、PART2とPARTIIIにも出演していた大木民夫殿だ。 pic.twitter.com/3cLw6XfnOt

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主題歌は、慶田朱美殿が歌う「エンドレス・トワイライト－最後の真珠(パール)－」だ。 物語の結末に合わせてか、静かでどこか切ない雰囲気のある曲となっている。 ちなみに、この曲のみ歌詞のテロップがある。 「It's endless sparkling time 心に 終わらない愛が燃える 終わらない愛が燃える」 pic.twitter.com/YmRY9yIbcW

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ちなみに本作は、2021年の「金曜ロードショー」で行われた「みんなが選んだ『ルパン三世』」のTVSP部門で5位に選ばれた。 放送こそされていなかったものの、やはり1作目だけあって注目されていたのかもしれない。 pic.twitter.com/P2YDkCOPyB

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