破れ鍋に綴じ蓋（途中）

森の☆ハルビエ @hanomorisann

#金カ夢　#sris 昔、本当にあった話のネタで書いてます。何で読んだか忘れたけど10年以上経ってるのでもうわかんない。 …学生時代からの友達だったのが、社会に出てから付き合うようになり、夢主の借りているアパートで最近ではもう半同棲状態の夢主とsris。一緒にいるとお互い居心地が良くて、

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例えるならお茶碗とお箸、破れ鍋に綴じ蓋、自分たちはなんて似合いのカップルなんだろうと思っている夢主。まぁ、一番熱々のところは過ぎて、今は落ち着いてゆっくりと温くなったお茶を心穏やかに味わうような日々。別に倦怠期というのではない。一緒にいて安らぐ相手って幸せ、と思っている夢主。

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もう籍を入れちゃってもいいかなあ。ystkどう思うだろうと思っていた矢先、夜中、彼と同じベッドの上で眠っていた彼女は、トイレに行きたくなって身を起こした。セッして後、二人ともシャワーも浴びず寝入ってしまったらしい。眠っている彼を起こさないよう、枕元の小さなベッドランプを点けた夢主は

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こちらに背中を向けて眠っている恋人の方から毛布が落ちるのを見て、かけ直そうとした。「あれ…？」裸の背中に、何か書いて……？　何？ そこには、油性マジックで、丸っこくて可愛らしい文字で、「ystk 超愛してる」と書いてあるではないか！な、なんじゃこりゃあああああ！？　チャラいけど、

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これまで一度も浮気したことない、（と思ってた）それが取り柄の彼が？！ 叩き起してやりたい気持ちを抑える夢主。最近、残業や飲み会の多いystk。最近帰りが遅いのも、この字の主のせい？見た感じ、すごく若い女の子の予感。うわぁヤダなにそれ。他にもないでしょうね？　そっと毛布をめくると…おお

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お尻に「彼女さん別れて」とあった。…おい！　彼は一度寝ると朝まで起きない。眠りがやたら深いから、こんなもの書かれても気が付かないだろう。朝は自分より先に起きてシャワーを浴びるし、普通にしてたら気が付かないとこだった。それにしてもいつから？　このystkは癖毛を伸ばし、ちゃんと

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髪型に気をつけてて、見た目は若干垢抜けている。話題も豊富で、遊ぶところも沢山知っている。一緒にいて楽しい男は、他のの女にだってそうなのだ。…長い事当たり前過ぎてすっかり忘れていた。嘘でしょ、ystk……。思わず涙ぐみそうなのを堪える夢主。だけど。

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夢主は、ベッドを離れ、得物を取りに行った。再び戻ったとき、彼女の手には果物ナイフ……でなく、“風雨に強い！擦れに強い！”という某メ|ーカ|ーの強力油|性マ”ジ|ックペンだった。

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そして、ystkの背中を便箋代わりにした、夢主と浮気相手との文通+静かな戦争が、幕を開けたのだった。 ネタなので終わる。

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と思ってたら降ってきたので書き足し。 次の夜も深夜の二時を過ぎたけど、ystkは夢主の家に帰ってきた。最近は月のほとんどをここで過ごすようになっていた彼。あれか。年下の女の子に逆上せて、いろいろ買ってあげたりご馳走したりしてるから、生活費とか足りなくなって来たのか。このアホ……と

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夢主はベッドで寝たふりしながら考える。「夢ちゃん寝てるの……？　俺も寝よ……」また、こいつシャワーも浴びず…ああ、浮気相手のところで浴びてんのか、この野郎…。夢主はystkが寝入るのを待った。うつ伏せにひっくり返しても、ystk は起きなかった。パジャマを着た背中を捲りあげると、

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「お前何者？」と昨夜書いた夢主の筆跡にくっつけるように、「マジ上から目線でムカつく。私が本命だから」と挑戦的な文字が、ystkの背中で踊っていた。「オッス！オラ本命！挑戦なら受けて立つｿﾞ」と書き、ついでに「ちなみにいくつ？？女？？」と足しておいた。

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ystkは短｜小だし、一戦交えると眠くなるヘタレだが、その分丁寧さがあって、ベッドでの女の扱いが実に上手いんだよねぇ…。かく言う自分も、このチャラ男の手管にハマってる口だから、若い子がこのバカにかかったらそりゃ、一溜りもないわ〜。夢主はムカつきながらも、顔も知らぬ小娘に少し同情した。

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でも、それとこれとは話が別だった。若さだけで私に勝てると思うなよ〜。夢主は素知らぬ顔で、その日は弁当を作って持たせた。「嘘？！夢ちゃんのお弁当？！珍し〜い！！大事に食べるね！！」何も知らない、知られていないと思っている彼は素直に喜ぶ。こういうところ、実に可愛いんだけどねぇ……。

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自分も会社では、お昼は外食やコン｜ビ｜ニ弁当で済ませている。今日に限って弁当を作ってみたのは、ちょっと確かめたいことがあったからだ。何か変化はあるかな？夢主とystkの会社は違うから、彼が戻るまで結果は分からない。何故だろう。夢主はちょっとだけワクワクしてきた。

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さて、今日もystkは帰ってきた。ご飯食べる？ううん、食べて来た。（ほーう）と夢主。何処で食べて来たの？と訊くと、一瞬の間があって、「会社の近くにある定食屋……オムライス美味しくて。あっ、今度夢ちゃんも一緒に行こ！」鼻を擦りながら早口で返事が帰ってきた。長く付き合ってるとわかる、

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嘘をついている時の癖。無料の個人経営で、若い娘が作ってんのねー。アホらす。「おっお弁当美味しかったよ！！夢ちゃんの卵焼き、俺大好き！」「そっか。また作ってあげるね」「へへ、夢ちゃんも大好き〜」なら、お前はなんで浮気なんてしてるんだあああああ！！心で叫ながら笑顔を作るのは少し

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難しかった。その日は一緒に風呂に入り、背中を流す名目で返事を読んだ。「手作り弁当とかダサ」……同じ会社の奴かーー！！　それは、悟|空の声で、「ク|リ|リ|ンのことかー！！」と同じイントネーションで脳内で再生された。

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謎は解けた…少しだけだが。「夢ちゃん、最近やたら優しいね。どうしちゃったの？あっちょっと、背中ゴシゴシしすぎかも。痛い。クーン」「ほら、最近仕事忙しくて、構ってあげてなかったな〜と思って。浮気でもされたら悲しいもの」「う、う、浮気っ！！ないないない」う〜そ〜を〜つ〜け〜〜。

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その後は疲れてるというystkにさっさと寝てもらい、綺麗に磨いた人間掲示板に、今日も夢主は返事を書いた。「この男の何処が好きなの？顔はそこそこだし、話は面白くて優しいけど、お調子者だし、給料は安いし、いい加減なやつだよ。若い子にこのアホの扱いは無理だと思うけど？」自分でも、なんて奴と

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つきあってるんだか…。「そういや、性別どっち？もしかして漢ﾉ娘？」 次の日、返事が戻ってきた。 「んなわけないだろ？！　なめてんのかババア！　女の子に決まってるでしょ？！ちなみに私は21!!」「あらヤダ。口が悪そうだから、てっきりそっちだと思ってたわぁ〜（棒）。それから、

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ババア呼ばわりすんなボケ。あんただっていつかは27になるし、80にもなるんだよ！自分だけ永遠に若い気とか笑う〜www 」 さて、次の日、返事を見るためにystkの背中を夜中に見た夢主は、「な、なんじゃこりゃああああ！！」とやはり脳内で叫ぶ羽目になった。なんと、そこには、

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湿布大の白いシールに、QRコードが印刷したものが、拡大されて貼り付けてあった。 決着が着かないのに焦れた浮気相手に、L|I|N|Eに、招待されたらしかった……。

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わぁ〜。最近の子って、やるぅ……。変なところに感心しながら、それでも登録してしまった。この背中掲示板も終わりか〜、それも、妙に寂しかったりもする。「ystk寝てるから、電話とかはやめてね」と送ると「おk。明日話そっか。おやすみ」なんだ、この馴れ馴れしさ。なんか疲れた。腹も立ってこない

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とりあえず、書き納めとばかりにystkのスペックを書いておいた。長所短所も思いつく限り記した。まあ、悪い奴ではない。でも、誠実かと思えば、そうでもないことが今回のことで発覚してしまった。冷静に考え、改めて将来を鑑みるに、一緒にいて楽しいだけでは済まない年齢に自分はあるのではないか、

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そろそろ、この関係を結婚以外の形で見直すべきではないかという気持ちになってきた。もしかして、ystk自体もそう思っているかもしれない。不満がなければ、このまま何事もなく一緒にいたはず……。「要るならあげるよ」彼だけが人生じゃないんだなぁ〜。答えが出てしまうと、気持ちが楽になった。

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仕事帰り、会社の駐車場で、車の運転席に座った途端、ポケットのスマホがピロンと鳴った。ystkか、と思って取り出すと、浮気相手の彼女だった。金髪巻き毛のビスクドールのアイコン。「彼女さん、今いい？」なんなんだ……。「いいよ。何？」返す自分も自分だったが。「あれなに？」「あれとは？」

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「“要るならあげるよ”とか酷くない〜」ああ…まあ、長い事連れ添った相手に対してはあんまりか…。悪いね〜と返しかけたとき、ふと気がついた。「ちょっと待って。ystkそこにいんの？」背中を見たということは…「ystk、今日は休みだったよ。知らなかった？」「普通に、スーツ着て出てったわ…」

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「は、やっぱサイテー。今日さ、お姉さんの書いてくれた彼のスペックと、取り扱い説明書見たよ。何アレ。てんでガキじゃん。私の前ではオトナの男演じてただけのヘタレじゃん。要らないよ、こんなの。返す。っていうか、お姉さんこそ、こんなんでいいの？　人生無駄にしてない？！」そっちか〜。

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てか、お姉さんとは…？　「まあいいや、とにかく、私はイチ抜けた。危うく子供おじさんに捕まるとこだったわ」…私は何を書いたっけか。あ〜、拗ねる話題と偏食大王なとこと、若い頃一度ギャンブルでしくじって、自己破産したこととか…。「私んとこ来て、明るいうちから盛ってさ。まあ、最後にしよう

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とか思ってたから、もう1回くらいしてもいっかと思って。背中の確認もしたかったしさ…」「今、あいつ、どうしてる？」「分かるでしょ。うちの寝室でぐうすか寝てるよ。用も済んだし、もう外に捨てたい」ystk〜！！ピロンと可愛い音がして、すうぴぃ寝てる子犬のスタンプが画面に出てきた。

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「それよりかさ、お姉さんに会いたいかな。ystkがいなきゃ、電話にするんだけど、こいつ寝惚けて私のお腹抱えて離さないの。前は可愛いと思ってたけど、気持ちが醒めたらホントうざい」「貴方、最初とだいぶ違わない……？」「恋愛フィルター磨いてただの伊達メガネにしちゃったの、そっちじゃん？

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ある意味大成功だよ。優しくて、大人なのに子供っぽいところもあって、あんなに好きだったのに、今じゃタダのスケベ野郎にしか見えないもん。お姉さんは、こいつの何処が好きなわけ？」「せ、誠実だった、とこかな……」「浮気してるじゃん」「あんたとね」「そりゃ、バイト先にいたこの人逆ナンしたの

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私だけどさ。付き合ってからだよ、彼女いるの知ったの。狡い奴だよ〜。“言い出せなかった”とか言ってた」「ぷっ」夢主は吹き出した。「狡いねぇ〜、実に奴らしい〜」それにしても 、ちょっと困った。彼女も別れるとなると、ystkの引き取り手がいない。それは、引越し先がペット不可と判明した感情に

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似ていた。まあいいや、さっさとケリをつけようか。あとは野となれ山となれ。夢主は彼のスマホに、「仕事が済んだらご飯食べに行こう」とSNSに送った。

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仕事が済んだから、のまちがいーー！！

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待ち合わせを一時間後に決めたのは、彼が浮気相手の家で身支度を整える余裕を与えてやるためだ。今ystkは、あの娘の匂いを鼻歌でも歌いながら消していることだろう。一体彼は何考えてるんだろう？　好きだから、彼氏だからと甘やかし過ぎたかな〜。夢主は車の中で溜息をつき、キーを回した。

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お待たせ〜〜っと、能天気な恋人が、白いクロスのかかった4人がけのテーブル、夢主がすわる向かいの席に腰を下ろした。「嬉しそうね」「だって、二人で外食っての珍しいじゃん？今日はこのままデートしちゃう？その後ちょっとロマンチックなとこ泊まってみるぅ？ピュウ☆」ピュウじゃないわこのアホ。

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「この店、久しぶりだな〜」ystkが、カフェレストランの店内に視線を巡らせる。「それに、この席とか、さ。記念日でもないのにどうしちゃった？」覚えているのが意外で、夢主はちょっと驚いた。

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ここは数年前、学生時代からの友人関係から、彼が飛び越えてきた場所だ。この店で、この席で告白され、恋人になった思い出の場所。「懐かしついでに、あの時と同じの、頼んじゃお」止める間もなく、奴は“初恋のピンクカレーセット”を注文した。……夢主の分まで。

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ystkらしい、斜め上の気遣いだった。「別に、記念日ってわけじゃないけど。今日は、素敵なゲストをお呼びしております」仲間内で食事を楽しむスペースとして、他の席から離され、籐製のパーテーションで仕切られている。ちょうど夢主が背にしているそれ。その後ろから、夢主が呼び出した相手が現れ、

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すとんと夢主の横に腰を下ろした。うわ、と思ったけれど、ここは大人の訳知り顔な顔を装う。「ゲストって、誰…えええええ？！」疑問がそのまま驚嘆に変わるystk。日に当たった事などないような白い肌を、フリルをふんだんにあしらった膝丈の黒いドレスに、胸元を越す長い黒髪に同色のヘッドドレス

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「しかし、何処のメイドさ…」夢主は初めて見る彼の浮気相手に思わず呟いた。「それ本気で言ってる？」どう見ても地獄の黒メイドにしか見えない。間近で見るとすごいなゴスロリ。それにしても、すごい美少女……「あれ？二十歳過ぎてるって言ってなかった？」「ロリ顔って言われてるから、まだ平気」

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そうか。二十歳すぎたら止めるとか、大人の偏見なのか。夢主は自分がどっと歳をとった気がしてうんざりした。それどころでないのは、ystkだ。そこへ、「初恋のピンクカレーセット」などというふざけた名前の料理を並べに来た女性従業員が、それに似合わぬ不穏な雰囲気の男女とゴスロリを見比べ、

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若干引き気味になりながら、黒メイドに注文を訊いた。「初恋のピンクカレーセット」夢主がすかさず答え、ゴスロリが目を丸くしたが、ひと睨みされると、文句を言うこともなく夢主との攻撃目標に標準を合わせるように視線を向けた。

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怪しいピンク色の料理が三人分揃ったところで、夢主とゴスロリは、料理に手をつける所でなくなってしまったystkを公開処刑した。ystk掲示板でのやり取り、夢主への隠し事や、ゴスロリにつきまくった彼に都合の良い嘘などがそれぞれの口から暴露され、二人の荒ぶる女の怒りは、それこそystkにとって、

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天変地異やこの世の終わりのような恐ろしい災難だったろう。一通り言いたいことを言い、聞きたいことを互いから引き出した夢主とゴスロリはある程度吐き出すと、ぐすぐす泣いている男をほっといて、冷めてしまった料理を手早く平らげた。

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暴露された。が暴露され、で切れてる……（誤）orz

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「ゴスロリちゃんどうする？」「要らないよ。もう、連絡してこないでね。よっちゃん」よっちゃん……思わず遠い目になる夢主。「私たちも…ここで始めたなら、ここで終わりにしよっか、ystk。また友達に戻ろう？まだ遊びたいんなら、私と付き合わなくてもいいんだよ？」

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「ごベン"な"ざい"……！！ わがれ"る"の"だ"け"は"勘弁し"でぇ"！！」「あっ、こいつ、やっぱり私とは遊びだったんじゃん…？！」ゴスロリがテーブルから身を乗り出して平手でystkの脳天をべちんと叩く。「おちゃらけてても割と誠実だと思ってたのに、こんな若い子に手を出すなんてねぇ……」