【アイリーンvsジョン】 #ホタテ創作_ホムワト 忘れた頃にやってくる。 そう、本当に忘れた頃にあの女はやってきた。 学校安全なんていう幻想はその日を持って打ち砕かれてしまった。 「ジョン・ワトソン!待っていたわ!今日こそ決着をつけましょう!」 「──……」
2019-10-16 23:52:45フルネームをでかい声で言わないでほしい。 あと、俺にはミドルネームが存在するのだがまぁ今はそんなことを言っている場合ではない。 「え…お前のことだよな?何か呼んでるぞ?」 「誰だ、あの美人」 「…」 俺のことで間違いない。 しかし、応えたくなかった。 なぜ。 なぜ彼女がここにいるんだ。
2019-10-16 23:54:43「無視!?この私を無視するっていうの!?あ!さては、怖じ気づいたわね?」 誰がだ! 「こんにちは、アイリーンさん。相変わらず痛いですね」 「何ですって…このガキ…」 「あなたと違って俺は忙しいので。じゃ」 「待ちなさい!」 ガシッと肩を捕まれる。 こ…この女!
2019-10-16 23:57:42ごてごてした爪を食い込ませてきやがった! 地味に痛い! 「私から逃れようたってそうはいかないわよ…!」 「本当、何なんですか!ホームズさんに用があるんでしょう?俺は関係ない!」 「関係大ありよ!」 彼女を引き剥がして、距離をとる。 いつ襲われるかわからない。
2019-10-17 00:00:12「学校にまで押し掛けてきて迷惑です!大体何でここに通ってることを知っているんですか!」 「ふん。簡単なことよ。前にお宅へ行ったときに教科書が机にあった。大学名がバッチリ書かれたね」 俺としたことが。 そんなものを見られていただなんて…
2019-10-17 00:03:12「あんたがいるせいでシャーロックは私と会おうとしないわ…どちらが彼に相応しいか決めようじゃないの…」 「はぁ!?あんたがストーカーしてるからでしょ!?」 「誰がストーカーですって!?」 自覚なしかよ! 「意味わかんないんで帰ってください。警備員呼びますよ」
2019-10-17 00:04:50「そんなことで私が脅せるとでも」 「あんなに優しい旦那さんがいるのに、まだホームズさんに未練があるんですか?ふられた腹いせですか?ホームズさんがどうなろうが俺の知ったことじゃないですけど、旦那さんが可哀想ですよ!」 「うるさいわね!旦那は関係ないでしょ!?」
2019-10-17 00:06:41だめだ。本当に埒があかないな。 かといって、俺は旦那さんの連絡先を知らない。 腹立つから警察を呼んでやってもいいが、こんなことで彼らを出動させるのは申し訳ないしな。 ここはもうホームズさんにヘルプを出すしかないのか。 けど、この女に会おうとしないやつが助けに来てくれるか?
2019-10-17 00:08:28──いや、来させるしかない。 俺は、スマホを手にした。 「ようやく私に会う気になったわね!シャーロック!」 「すみません。どちら様ですか」 あくまで初対面を装うつもりらしい。 「ふふふふ…その程度で私の心が折れると思っているの…?」 「さぁ、帰ろうか。もうすぐ日が暮れそうだ」
2019-10-17 00:12:17「待ちなさい!」 彼女がホームズさんに手を伸ばしたので俺は「危ない!」と叫んだ。 「ホームズさん、危険です!あの爪には毒が!」 「何だって!?」 「仕込んでるわけないでしょ!!」 俺達はさらに彼女との距離をとる。 「何ていかれた女なんだ…」 「違うっつってんでしょーが!」
2019-10-17 00:14:44「何なんですか、あなたは!こんな罪もない学生をいじめて…警察呼びますよ!」 「いつまでその他人行儀なのよ!」 「何のことかわからないので、早く我々の前から消え去ってください」 「こいつ…」 一向に退く気配がない。 そろそろ切り札、旦那を呼ぶが発動されてもいいのではないだろうか。
2019-10-17 07:54:32「あまりしつこいようなら弁護士に相談します」 「やれるものならやってみなさいよ!」 「では、法廷で」 「ま、待って!待って待って!」 弁護士というワードは効くのか… でも訴えられてもおかしくないレベルだもんな。 「おっと、それ以上は近づかないでもらおうか」
2019-10-17 09:03:26