お題「鬼畜上司」「はなたば」「外回り」
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色糸 @IRO_Iroito_

OGゲストを呼んだピアノ生演奏、在校生のありきたりな歌、先生達のはなむけの言葉。 一昨年、先輩達を遠くに眺めた予餞会は退屈だった。 昨年、僕は先輩に花束を渡す係になった。 本当は彩り鮮やかなんだろうけど、灰色の枯草にしか見えなかった。 今年、僕達が受け取るのは花束か、或いは枯草か。

2018-02-03 22:01:26
花滝ちかる @chikaru_toka

君は、覚えているだろうか。幼い頃、白詰草の花冠を飾ってたんぽぽの花束を持った君と、あどけない結婚式を挙げたことを。 大人になった僕は、あの日の野原にはなかったバラの花束を買い求めて、君との待ち合わせ場所に走った。勇気を出して、もう一度伝えたいんだ。 「僕と、結婚してくれるかい?」

2018-02-03 22:03:17
RAY/※※※ @growler_ray

「ねえねえ、見て!綺麗なお花でしょ!」 見渡す限り、瓦礫と焦土が広がる世界で、少女が花束を手に会話をしている。 この世界では滅多に見れない花を積んできたのだろう、そこには少女が無邪気な笑顔で嬉しそうに話す、微笑ましい光景がある。 会話の相手が骸でなければ、もっと良かったのだが。

2018-02-03 22:03:35
夢夜 @ruya_reve

今日も環状線の外回りに乗って仕事に行く。多くの人で混雑するラッシュ時は本当に辛いけど、それでも頑張れるのはいつもの車両のいつもの場所にあの人がいるから。あの人にとってわたしは何者でもないけれど、わたしにとってあの人を見つめるこの時間は出勤前の癒し。そんな朝8時台の環状線外回り。

2018-02-03 22:04:37
秋月蓮華 @akirenge

あの人にはなたばをあげた。 「外回りいつもお疲れ様です」 なんて笑顔を添えて。 「貴方ぐらいよあの人にそんな風にするの」 同僚が言う。鬼畜な上司だなのにって。 「そうしたいの」 だって。 憎いから。 はなたばには存分に呪いを込めた。 さあ、もうじき花開く。 #深夜の真剣140字60分一本勝負

2018-02-03 22:05:34
ちひろ @naruhara04

「ようやく一段落ねぇ」外回りから帰った僕に、上司は嫌味な労いを投げてきた。この鬼畜、と苦虫を噛み潰す僕は、彼女の手元を見て息を呑む。「あ、これ?」彼女はバラバラになった花束をかき抱きながら、「貴方がはじめて受け持った人間に、」そう告げ目を伏せた死神は、ふわり下界に花を手向けた。

2018-02-03 22:06:38
ちひろ @naruhara04

上げていただけるまで帰ってくるな、と言う上司の声を反芻しつつ、部屋に散らばる無数の原稿を拾い集める。「は、な、た、ば、」その中心にいる膝を抱えた先生は、ゲシュタルト崩壊した言語の海を漂流中。「外回り、」と言う名のガス抜きに「行きましょうか」まずは、この方をここから連れ出さなきゃ。

2018-02-03 22:07:38
夢夜 @ruya_reve

早春の花を束ねてお前に贈る。「これをお前に!」「……ありがとうございます……」ほんの少しだけ頰を染めるお前は花束よりも綺麗だ。お前は優しいから拒めないのかもしれないけど、俺のこと好きじゃないなら拒絶してほしい。じゃないと、俺、お前をもっと好きになっちゃう。大好きだよ……愛してる。

2018-02-03 22:07:49
夢夜 @ruya_reve

「これをお前に!」早春の花を束ねたブーケが目の前に差し出された。明るい笑顔は花束よりも好感が持てる。お願いですから、私のことを好きでないなら贈り物などしないでください。これ以上貴方を好きになっても辛いだけだから。「……ありがとうございます……」それでも私は……貴方を愛しています。

2018-02-03 22:09:43
∫ MatoP @_Mato_P_

うちの会社には、鬼畜上司がいる。 ミスをすればこっぴどく怒られたりなど、あげ出せばきりがない。 その上司が、外回りに出かけた。 どうやら、あの人は特に私にキツくあたる。 ずっと、愚痴を友人に零していた。 そして帰り際に、上司に小さな花束を渡された。 今日が自分の誕生日のことを思い出した

2018-02-03 22:10:17
例の人。@nox @nox_for_world

私の上司は鬼畜上司として有名だ。振ってくる仕事が多く、口も悪い。 「無理、終わらない!」 「あの鬼畜め…」 部下の悪評も多いけど、私はサボってるからなんじゃと疑問が… 「どうかした?」 「いや、また噂が、その…」 あのクズ共め…そう言う彼は悪い笑顔を見せている。 私の眼鏡が曇ってる?

2018-02-03 22:33:53
例の人。@nox @nox_for_world

小綺麗な服の子供が大きな花束を抱えて真っ直ぐこちらに歩いてくる。花束を私に手渡すと、無表情のまま丁寧にお辞儀をした。 花束に手紙が… 「天国で待っていてくれ、すぐに行くから寂しくないよ」 子供に伝える。 「あのバカに絶対来るなって伝えて! 」 花を一輪託す、白いカーネーションの花を。

2018-02-03 22:38:08
ほりむら @hooooli_1021

「革靴が擦り切れるまで帰ってこないでくださいね」笑顔のセリフに見送られて、漸く外回りから戻った午後20時。俺のデスクには山と積まれた書類と小さな花束。「1人の誕生日に祝福を、Happy Birthday」追伸の書類は今日中に、の文字に、俺はこの鬼畜!と心で叫んだのだった。

2018-02-03 22:58:20
例の人。@nox @nox_for_world

外に出かけた仲間が帰らない。 外は危険だと教わり続けてきたが、俺もいよいよ外の世界に出る時がきた。そんな矢先だった。 訃報は俺の心に深く突き刺さる、一族の繁栄と存続の為にはやむを得ない犠牲、そうだ怪物達は容赦しない。 外の世界は危険なのだ。 「営業で一人辞めたってよ」 「え、また?」

2018-02-03 23:30:36