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ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その1】昨日、4月22日、NEJMに興味深い症例報告が提示された。生後3週目の新生児が、COVID-19に罹患したが、確定診断が付かずしばらくの間「細菌性の敗血症」として対処された・・という反省的な症例報告。nejm.org/doi/full/10.10… pic.twitter.com/7kWUR8USbh

2020-04-23 07:38:48
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ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その2】タイトルを普通に読むと「SARS-CoV-2の敗血症か!」となるが、そうじゃないので、原文を読んでほしい。

2020-04-23 07:40:34
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その3】私が考えるに、NEJM編集部は、この新生児と同様に「細菌性肺炎+敗血症」として誤診・治療され、命を落としている症例が存在する可能性を念頭におき、このようなタイトルにしたのではなかろか?すなわち安易に「敗血症」にこだわるなと。

2020-04-23 07:42:52
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その4】幸い本症例は、途中でCOVID-19肺炎の "可能性" を考え、治療方針を変更したことで、救命できている。内容的には「なんでこんな症例がNEJMに?」と思われるが、読むべきところは治療プロトコル・・じゃない。

2020-04-23 07:44:51
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その5】Supplementに大事なことが書かれているのであります。字数の関係で、論文本文に収まりきらない内容、でも本文に並んで重要な情報は「補足(supplement)」として、別ファイルで提供される。

2020-04-23 07:47:08
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その6】多くの医師は、このsupplementにまで目を通さないが、supplementこそが、チョー重要なのであります。例えば、本症例報告の場合は・・

2020-04-23 07:47:56
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その7】アタシ的には、本症例報告で最も重要な点は、この臨床経過表にある。SARS-CoV-2 RNA検査のための「サンプル採取は入院当日」に実施されているが、その結果が判明したのは、ぬわぁんと!ぬわぁんと!『5日後』なのであります!!🙀 pic.twitter.com/sXEgBq4PjX

2020-04-23 07:51:01
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ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その8】古典的な「血液培養が2日後」に比べても、さらに遅い・・一体、「どんだけショボい病院」なんだよ・・と思いますわな、普通。

2020-04-23 07:52:28
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その9】ところがどっこい、この病院は「テキサス大学ヒューストン医療科学センター」という、とんでもない最先端病院なのであります。当然のことながら、検査施設もトップクラスであるに違いない。それでも、結果判明に「5日」を要してしまうのであります🙀

2020-04-23 07:56:11
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その10】確定診断が遅れれば、それだけ重症患者の命が失われるリスクは高まる。特に、小児・幼児の場合は、中高年と違い、今回のように誤診される危険性が高いので、「迅速な確定診断」が生命線となる。

2020-04-23 07:58:02
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その11】本文中にこのような記述はないけれど、NEJM編集部が世に訴えたい事は、ここにあると私は思った。米国にとって、恥ずかしい内容ではあるが、臨床現場で実際に起きている真実を包み隠さず、速報で報じるNEJMの姿勢には、誠に頭が頭が下がる🙇

2020-04-23 08:00:55
ドクターにしだ @WataruNishida

【NEJM COVID-19症例報告が教えること・その12】研修医や大学院生など、若い先生方に伝えたい。今は、COVID-19に関するあらゆる論文が「読み放題」なのでありますから、是非とも貪るように、睡眠時間を削ってでも読みまくってほしい。そして「読み比べて」ほしい。NEJMは、なぜ一流誌たり得るのかを。

2020-04-23 08:03:52