お題「砂時計」「ホットミルク」「三分の魔法」
0
Ryoma NAKAMURA @t88dc

雨がざーざー降りしきる夜。目が覚めてしまってリビングに降りると、本を読んでいたあなたがホットミルクを入れてくれた。ソファーで2人並んでホットミルクを飲む。身体がぽかぽかする頃には目がとろみはじめた。気持ちよく眠れそう。あなたがかけた3分の魔法のおかげだ。私はあなたの肩に寄り添った。

2018-06-09 22:00:03
水城弥生 @mizukiyayoi8484

砂時計を見ながらホットミルクを飲む夜。硝子の向こうで流れる無数の砂に惹き込まれ、流れ落ちるまでを見る。「おまたせ」そうしていると、急にカップ麺を持った君が隣に座る。まるで三分間がもたらした魔法のように。「びっくりした」「一緒にいたのになんでさ」静かな夜。ズズッという音が重なった。

2018-06-09 22:00:08
七草すずめ @suzume_nanakusa

捨てられそうながらくたたちを、 こっそり二人で救いましょう。 三日磨いた泥だんご 川に落ちてた丸い石 サンタの絵柄の包み紙 割れてしまった砂時計 いちにいさんで魔法をかければ、 きらめく欠片にはやがわり。 おかしの箱にとじこめて、 ときどきそうっとながめよう。 宝かごみかは、君しだい。 pic.twitter.com/dSM45EsmJN

2018-06-09 22:00:43
拡大
RAY/※※※ @growler_ray

好きで、止められなくて、どうしようもなくて。だから今日、私はあの子の飲み物に惚れ薬を盛った。効果は三分、私がかける卑怯な三分の魔法 けれど罪悪感が胸を締め付けてしまう。躊躇していると、不意にあの子が抱きしめてきた 「あんな薬いらない。愛を確かめ合うのが三分だけなんて、勿体無い」

2018-06-09 22:00:46
荻野千影 @ChikageOgino

甘いホットミルクを少しずつ飲み 絹のパジャマに身を包んで 柔らかいベッドに体を預け 枕元の砂時計から聞こえる 波のような音に誘われて アラームのスヌーズ機能が きっちり3分、私を起こす 化粧台を覗いたら、夢見がちなお姫様が 寝ぼけ眼でファンデーションを塗りながら 夜明けの鐘を待っていた

2018-06-09 22:01:19
色糸 @IRO_Iroito_

砂が落ち切る迄の3分間、やり直したい過去に戻れる魔法の砂時計。 それを使って手に入れた"現在"は、そこそこ楽しくやれている。 けど何故か、何か大切な事を……人を、忘れているような。 思い出せないもどかしさ、虚ろの胸に広がる寂しさ。──万感の思いを抱き、割れた砂時計を夕陽に照らす。

2018-06-09 22:01:35
楓もち/春秋 @mapledanke

今日は怒られてばかりの1日だった。1人で暮らしている小さな部屋で涙を拭う。ふと、ホットミルクが飲みたくなった。幼い頃によく父が作ってくれたあの味。その味が恋しくなった。鍋で牛乳を煮詰めていると懐かしい匂いがした。家族に会いたくなった。視界がまたじわりと滲む。今日は少し泣き虫だ。

2018-06-09 22:01:52
安津 るり @Ruri__anzu

不安な事や、落ち込む事があった時に必ずホットミルクを飲む。 そういう時にいつも母が入れてくれて、それを飲むと不思議と安心することが出来た。 そして今日もまたホットミルクを飲む。 これからするプロポーズ、果たして上手くいくだろうか…。

2018-06-09 22:02:06
安津 るり @Ruri__anzu

砂時計をひっくり返し、上から下に落ちる砂をぼんやりと眺める。 砂がすべて落ちたら砂時計の時間が止まるように、私の時間も止まればいいのに、なんてありえない事を考える自分に呆れてると砂が落ちきった。 私の寿命はあとわずかだ。 せめて、悔いの残らないように最後ま生きたい。

2018-06-09 22:02:10
花滝ちかる @chikaru_toka

突然、お前が俺に抱き付いたので動転した。 「おい!一体何だ」 「3分、時間を下さい」 悪戯っぽく笑うお前から、ふわりと花の香りがして、…俺は魔法にでもかかったらしい。 「あの…3分経ちましたよ?」 「知ってる」 俺は笑って、お前を抱き締めた。 「お前を、離したくなくなった」 #140字小説

2018-06-09 22:02:48
津森七@文学フリマ京都い-36 @tumori_nana

幸せをイメージして。手の中の砂時計が落ちきるのを感じたら目を開けるんだ。「小さな家。外は雪景色。私はホットミルクを飲む。でも…他には誰もいない」三分後、僕はこう言う。「さあそのとき、部屋へ入ってきたのは?」 僕だって答えてね。君の幸せに僕を入れて。これは三分の魔法。僕の祈り。

2018-06-09 22:03:43
夜詩アリア @Youta_Aria

私はホットミルクが好きだ。それも、アツアツのやつ。ワットの低い安物の電子レンジで3分間待つ。そして「ピー」と鳴る音が、私の魔法がかかる合図だ。触れるのすら億劫なアツアツのホットミルクを3分間冷ます。プラマイゼロだけど、それでいい。大嫌いな彼からもらった、お気に入りの砂時計を使って。

2018-06-09 22:08:05
宇津木健太郎@受賞したヨ @KChickenShop

就寝前、ホットミルクを飲みながら、別れた彼の置き土産を眺めるのが日課。 捨ててもいいけど、凝ったデザインと、流れ落ちた後に現れる硝子のハートが素敵で。 こんな良いセンスの奴今まで居なかったなとちょっとだけ後悔。 そして私はミルクを飲み干し、今日も眠る。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 pic.twitter.com/GRgZlanvx1

2018-06-09 22:08:49
拡大
夢夜 @ruya_reve

学生時代、眠れなくて談話室で膝を抱える夜が頻繁にあった。 そんな時、何度か一緒になったお前がホットミルクを作ってくれた。 「飲みなさい。落ち着きますよ」 ほんのり甘いホットミルクに泣きそうになったこともある。 ──本当は、お前も眠れない夜を過ごしていたんだって……最近気づいたよ。

2018-06-09 22:09:36
夢夜 @ruya_reve

砂時計の砂が落ちていくのを眺めていると、貴方に声をかけられた。 「何してるの?」 「……時が過ぎて行くのを見ていました」 私の抽象的な答えに、貴方はこう呟いた。 「時の流れってさ……残酷だよね」 少し寂しそうに笑う貴方を見て思わず抱きついた。 ──貴方の痛みを、私にも分けてください

2018-06-09 22:10:54
∫ MatoP @_Mato_P_

うるさい目覚ましで目が覚めた。 梅雨だからか、少し肌寒い。 ホットミルクを作る。 着替える。 歯磨きする。 顔を洗う。 そして、家を出る前に砂時計をくるっと倒す。 倒してる間に本を読む。 3分間の魔法にかかる。 その間が、一番の楽しい時間。 家を出る。 ありふれた日がまた始まる。

2018-06-09 22:19:03
秋月蓮華 @akirenge

彼女は砂時計をひっくり返した。 僕はホットミルクのマグカップを持つ。 「三分」 「貴方の紅茶が出来るまで待ちます」 三分間の蒸らし時間。 紅茶が美味しくなる魔法。 「待ってくれるんだ」 笑う貴方に、 「苦じゃ無いんですよ。貴方と居られるので」 僕は言う。 #深夜の真剣140字60分一本勝負

2018-06-09 22:22:51
詩音 @utanone_salty

『砂糖三匙にバターを一欠片、融かしたら牛乳を入れて一煮立ちだよ。』あなたの声が残る台所で、完成したホットミルクを飲んだ。机の上にはあなたがくれた砂時計。蒼く輝く砂が落ちきるまで3分、それは丁度牛乳が弱火で一煮立ちする位で。もう居ないあなたを何時迄も忘れられない。私も、この部屋も。

2018-06-09 22:26:20
remember us @Shangri_74

ホットミルクを飲みながら、新聞を読んでいた時、ふと一つの記事が目に付いた。 曰く、VRの進歩で、どんどんリアルになってるようだ。 近くで体験会があるらしく、無料で3分間の魔法にかかれるんだそうだ。 つい砂時計を倒してしまう。 この感覚もVRになるのが、待ち遠しいようで寂しかった。

2018-06-09 22:34:20
或いは温くなったホットココア @hotcocoa_maybe

眠れない夜は、彼にせがんでホットミルクをつくってもらう。鍋にふたり分の牛乳と、隠し味のはちみつを少し。アンティークな砂時計が落ちるまで、きっかり3分間温めるのが彼のこだわり。「ちゃんと眠れますようにって魔法をかけてるんだよ」っていつか言って笑ってた。おかげで今夜も眠れそうです。

2018-06-09 22:38:03
日引 @hibiki_ost

雑貨屋の店先にあった砂時計がふと目に留まり、つい買ってきてしまった。ひっくり返して、3分間。さらさらとこぼれ落ちる砂粒になぜか暖かみを感じた。ふと思い出した、眠れない夜、母が入れてくれたホットミルク。僕は3分間の魔法にひたった。たとえ部屋に独り、カップ麺が床にあっても。#140字小説

2018-06-09 22:50:08