【炎ホ(未満)】エンデヴァーが引退会見をする日の一幕。エンデヴァー(53)、ホークス(30)。
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ひしょこ @hishoco

唐突に炎さんがひーろーを引退する日の話をする。 解放戦線から5年以上たって…炎(53)、ホ(30)の年齢の時かな。次世代も頭角を現してきているが、ツートップの席は譲らず二人で失ったものの再建に努めてきた。まだまだ現役でやれるのに、何故か急にホー久が20代を終える歳の夏頃に「年内で引退する」

2020-11-07 15:10:58
ひしょこ @hishoco

って、炎でばーが言い出すんだ。 「え!?嘘でしょ?」 「嘘じゃない」 「現役続けられますよね?どうして?」 「まあ、色々だ」 そうはぐらかされて、理由は教えて貰えないホー久。 考え直してくれないだろうか?と、画策してみたり、理由は何だと探りを入れてみるけど、鉄壁のガードに守られ

2020-11-07 15:14:39
ひしょこ @hishoco

確信めいたことは分からないまま。炎でばー引退の日は一部のハム案とひーろーたちにのみ伝えられた機密事項。勿論民間人はそんな事知る由もなく時は流れる。 その日の昼、各メディアにハム案が会見を行うとFAXが届いた。急遽で、都合のついた報道関係者が指定場所に行くと、ハム案の上層部

2020-11-07 15:18:26
ひしょこ @hishoco

びるびーどチャートTOP10の面々。そして、次世代ランキングとして話題になっていたひーろーも数名が揃っていた。 会見が始まり、まず壇上に立ったのは理事。そこで一般にも本日をもって炎でばーが引退する旨の説明がなされる。報道陣ビックリ。SNSも一気にトレンドワードがこの会見一色に染まる。

2020-11-07 15:21:07
ひしょこ @hishoco

続いて炎でばーが中央に立ち、自らの口からも引退する旨と、これまで自分をひーろーとして認め、応援して貰ったことへの謝辞を述べる。 そして、長い間お疲れ様でしたと、後輩たちから花束を送られるわけですが。 代表してホー久が、大きな花束を持って、歩み寄る。この日の為に、安心して幕を引ける

2020-11-07 15:24:17
ひしょこ @hishoco

ようにと、後輩一同でどんな言葉を送るか考えて、まとめられたスピーチ。 ユーモアたっぷりに、時に炎でばーを、時には報道陣の笑いを誘いながら、軽やかに口が動いていく。 記憶していた原稿内容を伝え終える。最後はホー久の言葉を好きに伝えろと言われていた。

2020-11-07 15:30:00
ひしょこ @hishoco

俺は、貴方に憧れてひーろーになった。 目標とした人の隣に立って、力になって…… 厳しい結果を受け止めなければいけない日も、絶望に飲まれそうになる日もあったけど。 貴方がどんな暗闇の中でも、炎を絶やさずにいたから、その光を道標に飛び続ける事が出来た。

2020-11-07 15:43:40
ひしょこ @hishoco

貴方が決して倒れないから、自分も諦めるか、負けるもんかと踏ん張れた。俺だけじゃない。他のひーろーも、この国の皆さんも、きっと同じです。 貴方がひーろーの職を退いても、貴方の意志と信念は後輩たちに受け継がれています。だから、心配しないで。今度は後ろから、俺たちを見ていて下さい。

2020-11-07 15:44:14
ひしょこ @hishoco

「貴方がひーろーを辞めてもいいと思えるくらいには平和になったみたいだから。俺ももう楽をしようかな」 「20〜30位くらいでか?」 「そう、その辺でのんびりと」 炎でばーとホー久、向かい合って少しあった距離をホー久が詰める。両手に持っていた花束を差し出した。 炎でばーが手を伸ばす。

2020-11-07 15:49:48
ひしょこ @hishoco

花束を受け取り、眩しいくらいにフラッシュがたかれ、大きな拍手でが会場に鳴り響く。 はずだった。 炎でばーの指先が花束に触れると、ホー久は一歩二歩と後ろに下がる。感動も最高潮、クライマックスを待っていた観衆は、あれ?と首を傾げた。 「……やっぱ無理。これ渡したくない」 「ホー久?」

2020-11-07 15:55:39
ひしょこ @hishoco

「まだ、全然…貴方を超えるひーろーいないじゃないですか。辞める必要ないでしょ」 「お前は、俺より強い」 「何度か勝負したことありますが、まだ五分です。勝ち越してない」 「物理的な強さが全てではない」 「どうしても、考え直してくれないんですか?」 「ああ」 「……だったら、俺も辞める」

2020-11-07 16:01:05
ひしょこ @hishoco

思わぬNo.2の発言に、やり取りを見守っていたギャラリーには動揺が走る。場内は不自然なくらいの沈黙に包まれていた。 「貴方が隣に居ないなんて、考えられない」 ……やだ。嫌です、やめないで。 クシャりと花束の包みが音を立てる。震える声で小さく紡がれた言葉は、子供のワガママのようだった。

2020-11-07 16:11:12
ひしょこ @hishoco

俯いたホー久の瞳からは、一粒、また一粒と滴がこぼれ落ちていく。 「ホー久」 また空いてしまった距離を、炎でばーが一歩踏み出し縮めた。足音を聞き、ホー久はイヤイヤと被りを振る。 不遜がトレードマークなのに、こんな幼げな様子を世間に晒して大丈夫か?と思いつつ、

2020-11-07 16:16:54
ひしょこ @hishoco

炎でばーはつむじが見える頭に手を置き、いや、掴み、大きく左右に振ってやった。 「え!?ちょ、痛い!痛いっす!!!」 「情けない面をさっさとしまえ」 「炎でばーさんが引退辞めてくれるなら」 「それは辞めない」 「何で!!」 「ひーろーとしての活動には、終止符を打つ。だが……

2020-11-07 16:22:49
ひしょこ @hishoco

ひーろーハム案委員の特別顧問として、籍を置くことになった」 「……へ」 「現場からの視点を持込んで、ハム案、警.察の在り方、組織改革。ひーろーとの連携システムの再構築。次世代育成方針の強化を行っていく」 「は、はぁ…えっ!?」 「平和を守る組織を、内から改革に努める。が、

2020-11-07 16:30:54
ひしょこ @hishoco

経験があるとはいえ、ひーろー視点が己のみだと偏りも生じる。生の声も拾えるよう、現役のひーろーを一人右腕に添えようと思っていた。 次のNo.1が…それに相応しい人物だろうと考えていたんだが。辞めると言うなら、その座を他の誰かに譲るんだな」 「ゆ、譲らない!」 「なら、それを早く寄越せ」

2020-11-07 16:37:20
ひしょこ @hishoco

虚をつかれ、目を大きく見開いて、瞬きすら忘れてしまっているホー久から、炎でばーは花束を奪い取った。 ホー久の頬にまた一つ、キラキラと光る筋が伝った。シトリンの瞳は揺らめき、目尻では滴がこぼれそうになっている。 炎でばーは手を伸ばし、溜まった涙をすくう。頬を撫で、冷たい筋をぬぐった。

2020-11-07 18:21:22
ひしょこ @hishoco

「しっかり見ててやる…お前が求めた世界を掴む姿をな。これからも頼むぞ」 サボるなよ。と、炎でばーは開いた右手をホー久の前へ差し出す。ホー久は大きく頷き、掌を握り返した。 静寂は一変、割れんばかりの拍手に、フラッシュ音、仲間からのヤジに、会場が明るさを取り戻す。音や光の洪水に、

2020-11-07 18:23:48
ひしょこ @hishoco

ホー久は、今自分の状況を再認識し 「うわ、ちょ、まって…映さんで!?」 と己の翼で身を隠してしまった。それがまた、皆の笑いを誘っている。 炎でばーも、フッとやわらかな吐息をこぼした。 そして、再び壇上の中央へ移動し、報道陣とカメラ越しの国民の前に立つ。力強い視線を向け、口を開いた。

2020-11-07 18:23:48
ひしょこ @hishoco

「これからも、俺たちを見ていてくれ」 そう締めくくられ、炎でばーの引退会見は幕を閉じたのだった。 ……っていう、駄々を捏ねちゃうホー久を見たくて始めた、炎でばー引退の日妄想でした。 この炎ホは、まだ未満の関係だと思います。 解放戦線以降、ハム案の中にある過激な正義思想を持つ人間は

2020-11-07 18:23:49
ひしょこ @hishoco

ある程度一掃されて、一時よりもクリーンになって来てはいたけれど。 あの時のホー久の様に、一人で危険を犯すような指示を平気で出す組織に戻らぬように。 誰か一人の犠牲で成り立つ世界にならないように。 ひーろーを守れるように、違う立場から働きかけることを決めた炎さんでした。

2020-11-07 18:23:49
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まとめたひと
ひしょこ @hishoco

炎ホはき溜め用 / icon by:@ufuxtu02hq / 初心者🔰/ 炎ホ🔥🦅 / 爆轟💥🍰 / 期間限定→ 2022.05.09 0:00 Close