木吉と共闘した結果がコレかよ。
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

おはようございます。皆様の本日のご活躍を心よりお祈り申し上げます。…なんて言うわけねぇだろバァカ、今日は就活しねぇよ。 意識の低い就活生花宮のゲスケ ──序章── togetter.com/li/743174

2014-12-16 10:00:18

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「健太郎ー! 起ーきーろ!」 「んっ…」 ベッドに乗り上げて揺さぶってもくぐもった声を出すだけ。どーせ寝坊すると思い家まで迎えにきたが予想以上に瀬戸の眠りは深い。 「今日つったろ。しーあーいー!」 耳元で大声攻撃。効果は覿面だ! 「花宮…? 幼馴染の女の子みたいな起こし方すんね」

2014-12-16 12:30:22
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「はぁ? 寝ぼけたこと言ってないでさっさと着替えてこい。オレは下でおばさんとお前の話でもしてるから」 「それ地味に嫌だな。というか試合4時からだろ。早過ぎじゃない?」 「3時に会場入りしてmtgとアップすんだよバァカ」 欠伸する瀬戸にジャージを投げつけた。 「ハイハイ、花宮監督」

2014-12-16 12:35:06

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「…つーわけで、瀬戸が留学生を抑えてる間にパス回して得点。コースは練習の通りな。適宜T・Oでも指示するから」 ミーティング後、瀬戸がオレに近づき耳打ちした。 「一試合もつ気しねぇんだけど…ぴったり張り付いてたら接触事故くらい起こるよね?」 「可能性は大いにあるな」 「よしっ」

2014-12-16 15:10:09
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「花宮やっほー!」 「何しに来たんだよ」 ミーティングを終えて練習に移ろうとする頃に原がやってきた。 「瀬戸vsパパ何とか?の対決とかカオスすぎっしょw」 「冷やかしなら帰れ。古橋は?」 今日も山崎の姿は無い。最近アイツ付き合い悪ぃな。 「とっくに来て準備してるよ」 「準備?」

2014-12-16 15:15:06
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「古橋ヤバいの作ってきてさw」 原が指した2階席には大きな布を持った古橋が立っていた。 「いーよん!」 合図と共に横断幕が下ろされる。 “コートに返り咲く悪の花” 「古橋の字、綺麗だね」 瀬戸が仏のように笑む。 「ふはっ、熱すぎて引きまくりだぜ」 「その割には嬉しs…まだだ」

2014-12-16 15:20:07
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「多分、まだ終わってない」 瀬戸が上へ向き直る。古橋は死んだ魚のような目で口をパクパクしている。(まだ死んでなかったのか) オレ達が固唾を呑んで見守る中、ついに古橋が音を発した。 「がんばれ」 …ぶわっ! 隣でなぜか木吉が泣き出した。 「お前らの友情に感動した。一生の不覚だ」

2014-12-16 15:25:07

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「花宮の!ちょっといいとこ見てみたい!」 調子にノった原がシュートコールを始めた。しょうがねぇから瀬戸からパスを受け取る。手拍子のリズムに合わせて踏み切りボールを放った。天性のシュート感覚はそう簡単には消えない。ふわりと大きく弧を描いて浮かんだボールは難なくゴールに吸い込まれた。

2014-12-16 15:30:10
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オレのシュートを見て谷村が話かけてきた。 「まさかこんな下位リーグで無冠の五将にお目にかかるとは」 「今日はオレ監督なので」 「エントリー修正してこいよ。今ならギリ間に合うぜ」 「うぃ〜〜す」 「お、きたきた。遅ぇぞ」 幻の6人目()が姿を現した。……灰崎祥吾じゃねぇか!!

2014-12-16 15:35:06
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「彼、日本人に見えるんですが本当に登録選手ですか」 「そ、そうかな? 髪型とか外国っぽいだろ」 運営に詰め寄るも相手にされない。クソ付けたみてぇな髪型しやがって。谷村がニヤニヤ笑ってこっちを見ている。買収してやがんな。 「パパで〜〜す」 ぬかせ、灰崎祥吾じゃねぇか!!(2度目)

2014-12-16 15:40:11
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「勝ったらマジで谷村サンの女でヤらせてくれんだろーなァ?」 「おー、穴の一つや二つ貸してやるよ」 オレ含め体育館のゲス濃度が凄い。新協の元主将、相変わらずセコいマネしてくれやがる。ウォロフ語を勉強した時間を返せ! 谷村が一層にやついた顔で振り向いた。 「強い奴呼んで何が悪いの?」

2014-12-16 15:45:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「どうする、花宮」 瀬戸はめんどくさそうに尋ねた。 「作戦は同じだ。天才だろうが何だろうが壊せばただのガラクタだ。早めに潰すしかねぇ。灰崎は隙も少ねぇだろうから一本一本丁寧にキメてけ。ヤバそうだったらオレも出る。エントリーなら谷村に言われるまでもなく登録z 「そうじゃなくてさ、」

2014-12-16 15:50:13
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「花宮はそれでも勝ちたいと思う?」 …… 「当然。オレはイイコちゃんが嫌いだが計画を狂わされることも嫌いなんだよ。谷村の奴、ザコのくせに調子のりやがって。後悔させてやる。力を貸してくれるな、健太郎?」 勿論、と瀬戸は笑った。 「蜘蛛の手足となる、それが瀬戸(オレ)のバスケだから」

2014-12-16 15:55:05

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

同じベンチに座る日が来ようとは。木吉は鉄壁の笑顔を崩して神妙な面持ちで話しかけてきた。 「さっきの谷村の話、花宮はどう思った」 「ムカつく」 「結果的にはオレ達も“強い奴”を呼んだことになる。オレは彼と何も変わらない」 「お前ほどムカつく奴そういねぇよ」 試合開始の笛が鳴った。

2014-12-16 16:00:25
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

……クソッ。 一瞬で10-2。開始早々にタイムアウトを取った。瀬戸じゃ灰崎に付くのは無理だったか。攻撃(ラフプレー)も難なく躱され全く当たってない。一ヶ月で叩き込んだパスコースは見る影も無い。 「木吉、流れ悪そうだったら適当に止めろ。恐らくオレにはその余裕が無い」 「…わかった」

2014-12-16 16:05:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「T大、選手交代です」 ラインを跨ぐ瞬間、2階席の古橋にウィンクを飛ばしてやった。(原が爆笑した) 「落ち着けお前ら。練習でやったこと思いだせ。フェイズ49から行くぞ」 まず手を叩いてチームを鼓舞。そして瀬戸に説教。 「健太郎、2週間でいいから禁煙しろつったろ」 「バレてた?」

2014-12-16 16:10:19
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

相手は灰崎にボールを集めるだけ。コースを読むまでもない。余裕の100%スティールだ。DFはマシになったが、得点力に欠け差が縮まらない。灰崎の能力は強奪。ティアドロップは奪われるとマズイから終盤まで打てない。ザコにボールが渡ると一瞬で灰崎に取り返される。 「さっきの試してみっかァ」

2014-12-16 16:15:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

灰崎がシュート体勢に入った。嫌な既視感に思わず目を奪われる。 「見るな花宮!!」 木吉の絶叫が遠く響く。リバウンドを構えてた瀬戸より遥か手前で灰崎は踏み切った。ボールは高い弧を描いてゴールに吸い込まれる。 オレのティアドロップだ。 ブザーが鳴った。1Q終了(ゲームオーバー)。

2014-12-16 16:20:12
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「こりゃ最初からオレのもんだ」 灰崎がオレに勝るとも劣らぬ凶悪な顔で笑う。練習で打ったとき既に見られていたのか。クソ、原の奴! 2階席の原を睨むと口パクで「メンゴw」と謝られてますますイラついた。数少ない得点源を奪われてどうやって勝つっていうんだ…!なんて言うわけねぇだろバァカ!

2014-12-16 16:25:03
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「ふはっ。技一つ奪ったくらいで何だ、」 2Q開始ののブザーが鳴った。 「セネガルだろうが帝光だろうが壊れりゃ結局ただのガラクタなんだよ。すぐに使い物にならなくなるぜ」 「…帝光?」 灰崎のこめかみがピクリと動き、纏う空気が変わった。 「どいつもこいつも忌々しい名を口にしやがって」

2014-12-16 16:30:19
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「さっきからちまちまシケたマネしてっけどよォ、やり返されねェと思ったかァ? オレはアイツらとは違ェんだよ!」 灰崎がオレのマークを外しゴール下に走る。ちょっと待て。何でお前がんなとこ行くんだよ。 灰崎が奪うように空中のボールを掴む。 「健太郎!」 その肘が瀬戸の頭を打った。

2014-12-16 16:35:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

レフェリータイムに周囲が響めく。 「…デコ丸出しにしてっからだ、バァカ」 「まだ頭は回るよ」 「回ってんのは目だ。引っ込んでろ」 ウチは洛山や誠凛のような捨て駒勝法はやってねぇ。このまま勝たせるのもシャクだが、瀬戸を消費してまで勝とうとは思えなかった。 「…木吉、包帯。得意だろ」

2014-12-16 16:40:10

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

イラつく。何もかも。灰崎も谷村も。ヘラヘラ笑う木吉も。 SGのパスを呼ぶ声は無視した。さっきお前が入れてればな…! ティアドロップを打っちまった。 しまった、と思った時にはボールは大きく弧を描いていた。リングに当たり無様な音を立てた。が、無事ゴールに収まった。ブザービーターだ。

2014-12-16 16:45:03
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どういうことだ。“強奪”は敵の得意技を牽制するために流していたただの噂だったのか…? 「入った…だと…?」 当の灰崎もまた困惑の表情を浮かべている。そのセンはなさそうだ。だが、確かに灰崎版ティアドロップには嫌な既視感があった。一体なぜ……そうか!(テコリン!) でかしたぜ、原。

2014-12-16 16:50:12
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ハーフタイム。2階席に向かって声をかけた。 「原ー! 練習んときのコール、あといくつできる」 「ダテに飲みサー渡り歩いてないよ。50はヨユー!」 「ふはっ、上出来だ。シュートのたびに違うのやれ。オレに聞こえるくらい大声でな!」 原は一瞬ぽかんとした顔をした後、口の端をつり上げた。

2014-12-16 16:55:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

強奪のタネは“わずか”にズラしたテンポ。敵が模倣した技のリズムを我流に変えて惑わせてくるなら、ハナから本来のリズムで打たなきゃいい。灰崎がマネたのは原の手拍子に合わせて打ったティアドロップだ。それをさらにアレンジすれば本来のリズムからかけ離れるため、見ても影響が少ない。

2014-12-16 17:00:14
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

38-26(点の入らねぇ試合だ)で迎えた第3Q。強奪回避法が解った今ならひっくり返せる。ガン飛ばす灰崎を煽ってやった。 「技を奪うだったっけ? 嘘だったんだ! 騙されたなぁ」 「ウソじゃねぇ!! いつもはオレのもんなんだよ!」 いーぜ、瀬戸がいない分、その調子で攻撃を単調にしろ。

2014-12-16 17:05:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「いい男!いい男!ホントはどうでもいい男!」「姫に捧げるレフェリータイム!」原のチョイスに毎回イラッとしながらも作戦は概ね成功だ。かなり感覚が麻痺してきたが、あと何発かは保つだろ。 54-44。巣(DF)を解き、武器(OF)ができたことで、試合展開は点の取り合いへと様変わりした。

2014-12-16 17:10:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「技も残ってんのに大したことねぇなァ?」 こうなるとこっちが不利だ。 「ふはっ、そりゃそうだ。オレはとっくにバスケ辞めてんだよ。真面目に頑張ってるお前と違ってな」 4Qで逆転するにはここで死んでもらうぜ! 灰崎の足を踏みつけた。 「実力落ちてないのは何でかなぁ?」 「テメ…!」

2014-12-16 17:15:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

踏んでいた灰崎の足がオレの膝裏を蹴り上げた。すかさずサッカーのように大げさに痛がって抗議するが審判は聞き入れない。 「花宮、」 「演技だ。無意味だったがな」 ベンチから立ち上がろうとする瀬戸を制し、谷村へ視線を移した。ドヤ顔ウゼェ。 「成程。部費に余裕あるときオレらもやってたね」

2014-12-16 17:20:22

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コートに戻る間際、瀬戸に呼び止められた。 「もしかしてオレに遠慮してる?」 「…はぁ? 何がだよ」 「違うならいいよ。…切れる札は切るべきだ、ってこと」 オレもお前がいいならいいが。 瀬戸は固めていた髪を雑な手つきで乱した。 「いつも不幸と共にある、それが花宮のバスケだろ」

2014-12-16 17:25:06
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「もうやめてくれないか」 最後のインターバル。遂に木吉が苦言を呈した。 「灰崎相手に善戦してくれてるのは感謝する。皆は向こうがラフプレーを仕掛けてきたと思ってるが、先にお前が…」 木吉は離れた所にいる部員達を見た。 「オイオイ、偏見で物を言うのは良くないぜ」 「灰崎は危険な男だ」

2014-12-16 17:30:12
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「さっきのように平気でやり返してくる。これはお前のために言ってるんだ、花宮」 「ふはっ、じゃあお前が止めろよ。出ろ、木吉」 「…オレはマネージャーだぞ?」 「凡人に消費されんの、趣味なんだろ。クリスマスプレゼントに車椅子買ってやるよ。それともアメリカ行きの航空券の方がいいかな?」

2014-12-16 17:35:09
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わかった、と木吉はオレを見た。 「花宮はオレが守る」 「…ムリすんな、バカ」 「この膝か? 少しくらいなら大丈夫さ。高価な物はもらえないよ」 嫌みの通じない奴め。 「違ぇよ。精神的に、だ。ふはっ、動いてないのに汗すげぇぞ」 「これは武者震いならぬ武者汗だ。…そんなに笑うなよ」

2014-12-16 17:40:11

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とうとう限界か。踏み切るタイミングが、リズムが、ワケわかんねぇ。クソッ、中に使える奴が入って一桁差まで追いついたってときに。 「やっとオレのもんになったか」 「オレのもんとか何とか男相手にキモいんだよ」 一発入れてやろうとしたら木吉に髪を引っ張られた。 「花宮、髪切ったか?」

2014-12-16 17:45:05
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「切ったんじゃねぇ、伸びてきたのさ!」 離せ。オレがヅラだったらどーしてくれんだよ。 手のデカさは模倣しようがねぇから、後出しの権利は奪われる恐れがない。他の雑魚達は言わずもがな、こん中じゃマシな動きをしてた谷村もバテてきた。インサイド中心に得点を重ね、1ゴール差まで追いすがる。

2014-12-16 17:50:08
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残り10、9、8…時間がねぇ。そのままドライブで突っ込みジャンプ。ボールを放る。 「そりゃもうオレのもんつったろ! 入んねェよ!」 「ふはっ、だからどうした」 ボールはバックボードに当たって跳ね返った。 「決めろよ、木吉!」 「任せろ!」 木吉の手がボールをゴールに押し込んだ。

2014-12-16 17:55:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

同点…! あと1ゴール…! 急げ。4、3… 谷村のパスをスティールしたところで試合終了のブザーが鳴った。時間切れだ。 「クソッ…」 延長か。木吉の膝マジで爆発すんじゃね? 1µmだけ潰したことを後悔した。 「お前この後もつ?」 「勝敗は今までのゴールアベレージで決まる。つまり、」

2014-12-16 18:00:29
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「引き分けだ」 何ともヌルい幕引きだ。挨拶を終えるとどっと疲れが出た。 ベンチをふり返ると部員達が駆け寄ってきた。「花宮すごすぎ!」「木吉も何でマネやってんだよ!」「全国レベルの試合じゃん」“やっぱ花宮すげぇ!”を示すという当初の目的は果たせたし、まぁいいか。 「ふはっ、当然」

2014-12-16 18:05:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

釈然としない表情でガンつけてくる灰崎と目を合わせた。勝負には勝った。上々だろ。んべっ。 「悪役っつーのはもっと楽しく演るもんだぜ、ハイザキ君?」

2014-12-16 18:10:10

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

瀬戸の様子を見に医務室に寄ろうとしたところ、木吉に腕を引っ張られた。 「花宮。蹴られたところ、見せてみろ」 「大したことねぇよ。触んな」 「いいから」 無理やり手を引かれ更衣室に連れ戻された。静かな部屋では窓を叩く雨の音が煩い。

2014-12-16 18:25:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

オレをベンチに座らせ、木吉はその前に屈んだ。 「お前のバスケは好かん。だけど、」 慣れた手つきでオレの足にテープを巻き付けていく。 「今日は花宮を呼んできて良かったと思ったよ」 オレの左膝を撫でながら木吉は笑った。

2014-12-16 18:30:15