急に誕生した新軍事用語「RLBM:Reservoir-launched ballistic missile 、貯水池発射弾道ミサイル」。湖底に水中艀を沈めて運用する形態と思われます。なおミサイル自体はSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)と全く同じ物です。水中発射弾道ミサイルと呼称してもよいでしょう。
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JSF @rockfish31

左:2021年10月19日発射の北朝鮮新型SLBM(新浦の沖) 右:2022年09月25日発射の北朝鮮新型SLBM(泰川ダム湖) 短距離弾道ミサイルKN-23(イスカンデル型)のSLBM派生型。塗装も形状も部品も同じ。外れてる底部カバーも同じ。 pic.twitter.com/3Lv2c5tslQ

2022-10-13 00:23:11
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JSF @rockfish31

この北朝鮮新型SLBMの重要な部品がこの底部カバーです。単に底をカバーするだけでなく機能が幾つかある。 ・底部カバー ・側面操舵翼カバー ・水中安定翼(グリッドフィン) 外観だけで3つの機能が分かります。そして発射後取り外し用の側面ロケットと、コールドランチ用のガス発生器がある。 pic.twitter.com/Vbiom4gP0K

2022-10-13 00:45:42
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JSF @rockfish31

この底部カバーの四方に皮を剥いたように広がってるのは本体ミサイル操舵翼の保護カバー。

2022-10-13 00:53:42
JSF @rockfish31

この北朝鮮新型SLBMはSRBM(短距離弾道ミサイル)でもあり、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)でもある。ダム湖から水中発射したら潜水艦ではないのでRLBM(貯水池発射弾道ミサイル)なんて新語も生まれたばかり。でもRLBMは全然広まってない言葉だからね。

2022-10-13 00:48:34
JSF @rockfish31

조선로동당 제8차대회에서 하신 김정은위원장의 보고에 대하여 (朝鮮労働党第8次大会で行われた金正恩委員長の報告について):過去記事カレンダー>> 2021年1月9日記事一覧 kcna.co.jp/calendar/2021/… 「핵잠수함과 수중발사핵전략무기 (核潜水艦と水中発射核戦略兵器)」 やっぱりこれSLBMの意味。

2022-10-13 03:03:48
JSF @rockfish31

朝鮮労働党第8次大会報告(2021年1月9日)の他のSLBMに該当する表現はというと・・・ ・水中および地上固体発動機大陸間弾道ロケット開発事業 ・核潜水艦と水中発射核戦略武器 どちらも「水中発射」とは潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の意味。

2022-10-13 03:07:35
JSF @rockfish31

そして2022年10月10日発表の2022年9月25日発射のダム湖水中発射弾道ミサイルは「戦術核」の搭載を想定していると北朝鮮の公式発表文にある。つまり、朝鮮労働党第8次大会報告(2021年1月9日)にある「水中発射核戦略武器」とは別物ということになる。明らかに戦略核と戦術核では意味が違う。

2022-10-13 03:10:08
JSF @rockfish31

さて、このダム湖発射SLBM(RLBMという呼称は普及していない)ですが、発射形態について考察していきましょう。候補としては以下の2通りです。 ①発射筒を装備した水中艀を湖底に設置 ②水を抜いて湖底にサイロを建設する 私は②の可能性は低いと判断しています。それは何故か?

2022-10-13 20:45:41
JSF @rockfish31

②水を抜いて湖底にサイロを建設する、の問題点は以下の通りです。 ・建設中に位置が光学衛星でバレる ・試射したら熱源で早期警戒衛星にバレる ・固定位置が判明したなら先制攻撃で潰されてしまう ・水密構造の永久陣地を湖底に設置するとメンテナンスが不可能、耐用年数が短く現実的ではない

2022-10-13 20:48:23
JSF @rockfish31

そうですね、固定建設位置がセンチメートル単位でバレてしまうなら、例え水を張ろうと潰すのは簡単でしょうね。短距離弾道ミサイルに大型の爆雷を搭載すればよい。ダム湖の水深程度ならそれで充分。水中衝撃波で潰せるでしょう。

2022-10-13 20:50:13
JSF @rockfish31

①発射筒を装備した水中艀を湖底に設置、の利点は以下の通りです。 ・既に同様の試験発射設備が海用にあるので流用が容易 ・搬入は幾つかのブロック単位に分けて建造、現地付近で組み立て、速やかに進水できる。つまり光学衛星でバレ難い。 ・水中艀はある程度の移動が可能。正確な位置が掴めない。

2022-10-13 20:53:12
JSF @rockfish31

・続き)つまりダム湖に居ることは分かるが正確な場所は分からないので、索敵に時間が取られ、発射までの時間が稼げる。 ・水中艀は浮上できるのでメンテナンスが容易。定期的に上がって来て修繕を受けられるので耐用年数が長い。 ・ぶっちゃけ製造コストが安い。

2022-10-13 20:55:39
JSF @rockfish31

・・・というわけで、ダム湖の水を抜き水密構造のサイロを湖底に建設して再度水を張るという作業、確実にバレます。でもそのような報告が無い。すると発射筒搭載の水中艀を搬入したと考えるのが妥当です。

2022-10-13 20:58:19
JSF @rockfish31

もし水密構造のサイロをダム湖の湖底に建設して、定期メンテナンスの度に水を抜いて作業していたら、それこそ位置がバレバレです。敵の攻撃圏内に固定配備施設。水を張ろうが生き残るのは無理ですね。止めた方がよい。噂の大重量弾頭の玄武5に水中爆雷弾頭を積んで叩き込めばよい。

2022-10-13 21:03:01
JSF @rockfish31

これが発射筒を装備した水中艀なら正確な位置が掴めない。潜水艦のような常時移動はできないけれど、頻繁に位置を変えることができる。ダム湖なら敵潜水艦の監視も無い。すると米韓側は攻撃するには索敵が必要になる。そして攻撃方法は短魚雷。

2022-10-13 21:05:15
JSF @rockfish31

たとえ超長射程アスロックを作ったとしても、索敵が困難で、対潜哨戒機を直接差し向けるくらいしか方法が無い。・・・発射前撃破、間に合うだろうか? 難しいと思う。

2022-10-13 21:06:38
JSF @rockfish31

Баллистическая ракета донного базирования "Скиф" 海底発射弾道ミサイル「スキフ」 vpk.name/library/f/skif… 海底に設置し、指令があるとコンテナが浮上。水面下近くまで浮上し水中発射というシークエンズ。つまり発射筒付き水中艀の一種になる。海底に永久陣地のサイロを構築するわけではない。

2022-10-13 21:27:30
JSF @rockfish31

ソ連の海中設置型SLBMスキフ、構想だけで終わったけどやっぱり移動可能な水中艀なんですよ。メンテナンスや建造の技術的な問題を解決するにはそうするしかないわけで。そもそもミサイル再装填の問題もありますしね。

2022-10-13 21:30:37
JSF @rockfish31

水中艀(すいちゅうはしけ)を水中艇(すいちゅうてい)と読み間違えた人が出たので(確かに漢字は似てる)、今後は「水中ポンツーン」または「水中バージ」と呼称することにします。見間違い防止。

2022-10-13 22:00:16
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まとめたひと
JSF @rockfish31

Twitterモーメントが2022年12月8日に編集できなくなったのでお引越し。