@140onewrite『アイスクリーム』「またぁ~?先週買うたばっかやん」近所のスーパーで母からの電話に抗議した。「10個も買うたのに、なんで残りが2,3個なんや!」「ばあちゃん一人で食うてんねん。文句はばあちゃんに言うて」と逃げる母。私の怒りは、高温注意報発令中。#深夜の真剣140字60分一本勝負
2019-09-14 21:34:51@140onewrite 『不幸記念日』私が今いるのは…病院。腹部に妙な違和感を覚え、病院に行ったら、病気が発覚。しかも、夏期休暇日…。本当なら、旅行に出かけていたはずなのに。病気発覚するわ手術になるわ…楽しみにしていた夏期休暇が、不幸記念日に変わってしまった。 #深夜の真剣140字60分一本勝負
2019-09-14 21:58:44私が頼むアイスクリームは、いつも同じ味だった。違うものを頼めばって言われても、変わらない。 この味は、私の初恋の相手が好きだった味。これを食べてると一緒にいるような気がして、会えるような気がして。情けないとわかってても、頼み続けてた。 でも、今は… 「どれにする?」 「んっとね…」
2019-09-14 22:00:54『夢鯨さんが基底現実を旅して仕入れた入道雲のアイスクリーム、販売致します!』 そんな広告を見て急いで向かったけれど、お店のアイスはもう売り切れていた。 ポシェットに入れたお金を握り締めて、手を引かれて帰る、夏の夕方の帰り道。 明日は一番に来ようねって、お姉ちゃんと約束した。 pic.twitter.com/xmXE8FV0mW
2019-09-14 22:01:06じーちゃんはいつも同じアイスクリームを買う。 二つに割って食べるの。 でも下手だからうまく割れない。 いつも大きい方を渡してくれる。 ボクが割ってもうまく割れない。 笑って小さいほうを取るじーちゃん。 また一緒にアイス食べて、大きい方をじーちゃんに食べてもらいたかった。 @140onewrite
2019-09-14 22:01:55誕生日?忘れた。と君は淡々と言う。 「お祝いして貰ったこと無いから。お母さんが産みたくなかった、産んでって頼んでないのに私が生まれた、不幸記念日だから」 君の悲しみを、否定したい訳じゃないんだ。でも僕は、強く強く、君を抱き締めた。 「僕には、君の誕生日が1年で一番大切な記念日だよ」
2019-09-14 22:02:11#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 pic.twitter.com/XnpYXrrEoe
2019-09-14 22:06:38#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 pic.twitter.com/xqszvbD0N0
2019-09-14 22:07:04双子みたい。周りからよく言われた。違うのは、彼女のほうが食いしん坊なのに、全く太らないということだ。トリプルのアイスを注文した彼女。無念にも一番上が、ぽとりと足下に。不幸記念日だ、と笑う彼女。お揃いのポシェットは、二つとも私の元にある。急ぐのは、アイス食べる時だけでよかったのに。 pic.twitter.com/QjCla0T1LI
2019-09-14 22:14:31「おめでとうございます」 他人行儀の言葉は、私にとって不幸の通知と変わらない。プレゼントされたポシェットは、骨壷と同じ大きさだった。私にとって、この行事は溶けたアイスクリームみたいなものだ。昔はどうあれ、今はゴミ。 「ありがとうございます」 今日は私の誕生日。ただの不幸記念日だ。
2019-09-14 22:21:25女子の文化に頭が下がる。なぜあの小さなポシェットに、必要なものが一通りコンパクトに収まるのか驚愕だ。例えばアイスクリームを食べる時の振る舞いも、野郎共とは何かが違うのだ。見られる事への意識が次元から違う。 台風が通った。お困りの女性を見過して、俺への不幸記念日にはすまい。
2019-09-14 22:31:38アイスを落とし泣き出した娘の頭を撫でる。 「腰に魔法のポシェットがあるでしょ?」 お気に入りの人形を取り出し、ギュッと抱きしめるとすぐに笑顔が咲いた。 そんな思い出を手紙として話された今日。 冗談で不幸記念日とでもしようかな、なんて。 結婚、おめでとう。 最愛の父より、愛を込めて。
2019-09-14 22:33:32不幸記念日と彼女は話した。買ってきたアイスクリームが溶けてしまったから本日はそうだと何処かの短歌のノリで言っていた。 「不幸が軽くなるかは知らないけど」 僕は彼女に包みを渡す。中身はポシェット、前に彼女が見ていたものだ。 「今日は幸福記念日」 切り替え速、となるが、それでいいか。
2019-09-14 22:57:45