1 とある日の放課後。 〇〇は学校近くのカフェで本を読みながらゆっくりしていた。そんな時…。 ??「あのー…。相席いいですか?」 本に夢中で気づかなかったが、周りはほぼ満席という状態になっていた。 〇〇「あ、どうぞ。」 ??「ありがとうございます。」
2024-01-15 17:00:492 高校生くらいの女の子はそう言い残して場所取りをしてから飲み物を買いに行った。 特に気にせず本に目を戻したのだが、その数分後だった。 ??「あ、きゃっ!!」 〇〇「ん?うわっ!!」 ??「あーー!!ごめんなさい!!」
2024-01-15 17:01:073 机に戻ってきた彼女がバランスを崩し、持っていたコーヒーを盛大にぶち撒けたのだった。 ??「あー…制服も、本も…。」 〇〇「あー、大丈夫ですよ。これくらいは。」 ??「いやいや、でも…。」 〇〇「それより大丈夫ですか?火傷とかしてません?」 ??「してませんけど…。」
2024-01-15 17:01:214 その後も彼女は何度も謝罪を繰り返していた。 〇〇が帰り支度を始めると…。 ??「あの、やっぱり…。」 〇〇「ホント大丈夫ですから。」 ??「いや、やっぱり謝罪はしっかりさせてください。本とクリーニングのお金は払うので…。」 〇〇「そ、そうですか?」
2024-01-15 17:01:445 相手の厚意を否定し続けるのも違うと思った〇〇はありがたく謝罪を受けることにした。 ??「では連絡先を…。」 〇〇「あ、はい。どうぞ。」 ??「ありがとうございます。〇〇さん?」 〇〇「えっと…井上さんですね?」 井上「はい。井上和って言います。またご連絡しますね。」
2024-01-15 17:01:586 それから1週間ほどして、和から連絡が来た。同じカフェで待ち合わせをするみたいだ。 〇〇「行ってきまーす。」 彩「ん?お兄ちゃんどこ行くの?」 〇〇「別に、ただの用事だよ。」 彩「ふーん。」 〇〇「夕方には戻るって母さんに言っておいて。」 彩「うん。」
2024-01-15 17:02:117 井上「あ、〇〇さん!」 〇〇「どうも。」 井上「これ、新しいカッターシャツと新品の本です。袋の中に制服のクリーニング代も入れてます。」 〇〇「なんかすみません。」 井上「いえいえ。こちらこそ私の不注意で…。」 〇〇「いえいえ…。」
2024-01-15 17:02:238 なんてお互いで謙遜していたが、せっかくカフェに来たので話をすることになった。 井上「え!〇〇さんって同い年なんですね?」 〇〇「そうですね。」 井上「じゃあ敬語やめません?」 〇〇「え?」 井上「いいですよね?…って私が敬語使っちゃってる…。」
2024-01-15 17:02:429 〇〇「フフ。いいよ。」 井上「うん!」 敬語もなくなりますます仲が深まる2人。 井上「ねぇ、この後予定ある?」 〇〇「いや、別にないけど。」 井上「じゃあカラオケでも行かない?」 〇〇「うん。いいよ。」 井上「よし!じゃあ行こ!」
2024-01-15 17:02:5510 カラオケに移動して、お互いに曲を入れていく。 井上「じゃあ私から。」 〇〇「うん。」 イントロが流れると和の表情が変わった。 井上「残酷な天使のように〜♪少年よ〜神話にな〜れ〜♪」 〇〇「!!!」 和の歌唱力に〇〇は驚きを隠せなかった。
2024-01-15 17:03:0811 和が歌い終わると…。 〇〇「和ちゃんすごい!!」 井上「え?」 〇〇「めちゃくちゃ上手いじゃん!」 井上「そ、そうかな?」 〇〇「よく言われるんじゃない?」 井上「いや、あんまり友達いないからさ…。」 〇〇「いや、すごい!すごすぎるよ!」
2024-01-15 17:03:1812 以降〇〇はつい和の歌声を聞きたくなってしまい、いろいろとリクエストしていた。 〇〇「は!和ちゃんにばっかり歌わせてたね。ごめん!」 井上「ううん。別にいいんだけど。」 〇〇「和ちゃんの後は自信ないけど、一応歌うね。」 井上「うん。聞かせて。」
2024-01-15 17:03:3013 井上「え!いいじゃん!〇〇上手いよ!」 〇〇「いや…さすがに和ちゃんの前では…。」 井上「別に関係ないよ。良かったよ。」 〇〇「ありがとう。」 その後もカラオケを楽しんだ2人。さすがに歌い疲れて、最後は2人で話しながらのんびりしていた。
2024-01-15 17:03:4214 井上「いやぁ、楽しかった。」 〇〇「うん。僕も。」 井上「なんか久しぶりにこうやって遊んだ気がする。」 〇〇「そうなの?」 井上「うん。私はいいんだけど、周りには受験生もいるし。」 〇〇「まぁそれはそうだね。また僕でよかったら付き合うよ。」
2024-01-15 17:03:5615 井上「〇〇ってホントに優しいね。」 〇〇「別にそうでもないけど。」 井上「ううん。ちゃんと優しい。〇〇といると落ち着く。」 そう言って〇〇の手を握った和。 〇〇「えっ…。」 井上「また来ようね。」 〇〇「う、うん…。」
2024-01-15 17:04:0516 カラオケ出た頃にはあたりも暗くなっていた。 井上「なんか私がお詫びする日だったのに逆に楽しませてもらっちゃった。ありがとうね。」 〇〇「ううん。こちらこそありがとう。」 井上「また連絡するから、無視しないでよ?」 〇〇「するわけないでしょ。また会おうね。」
2024-01-15 17:04:1817 井上「うん。じゃあ私こっちだから。」 〇〇「うん。またね。」 井上「バイバーイ。」 こうして〇〇と和の1日は終わったのだった。
2024-01-15 17:04:2418 〇〇「ただいま。」 彩「おかえり。遅かったね。」 〇〇「うん。思ったより時間経つの早くてさ。」 彩「そっか…。」 〇〇「ん?どうした?寂しかったのか?」 彩「ち、違うもん!」 〇〇「フフ。素直じゃないな。ヨシヨシ」 彩「😳」
2024-01-15 17:04:3519 頭を撫でられ照れる彩だったが…。 彩「(ん?香水…?それも甘め…。)」 〇〇から発せられた匂いに違和感を覚えた。 彩「(会ってたのは、女性…?)」 彩の中で疑問が湧くが、気のせいかもしれないと思い深くは突っ込めない彩だった。 つづく…。
2024-01-15 17:04:46