お題「京」「フィルム」「光さす」
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花滝ちかる @chikaru_toka

貴方に出会って知ったの。恋に落ちるのは一瞬でいいなんて。 忘れられなかった、あんなに切なく恋した人の面影が、遠くなるなんて。 永遠に続くと思っていた雨が止む。貴方は自信の無さそうな微笑さえ、銀色の光差すように。 「俺じゃダメか?」 私は首を振った。 貴方だから、好きなの。 #140字小説

2019-07-20 22:01:39
松岡 9JIRA @aoarup

○土手(夕)   座る少年(10)、夕日を悲しげに見ている。目に涙の跡。   側に来る女性(20)、開いた傘を少年に差し掛ける。 女性「雨宿りしていきなよ」 少年「何で傘? 雨降ってないのに」 女性「降ってるよ。君の心に」   ハッとする少年。 女性「だから光さすまで、少しだけ。雨宿り」

2019-07-20 22:02:06
にゃん @nyan_kotonoha

光さす場所は、思ったよりも前だった。「相変わらず下手だな」という声が聞こえてきそうなピンぼけ。あの人は言ったことすら忘れてるだろうけど、誉められていたら今もこうして続けていただろうか。目指す理想の京にはまだ遠くても、あの言葉がフィルムを透かして見えるうちは、撮る事はやめられない。 pic.twitter.com/A84GUMVngz

2019-07-20 22:05:11
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秋月蓮華 @akirenge

京に進学のために越してきて数ヶ月、ようやく慣れてきた。 コンビニのおにぎりのフィルムをはがしつつ、私は町並みを歩く。 おにぎりは美味い。 待ち合わせ時間より少し早く来れば誰も居ない。 欠伸をしていると、 「お待たせ」 あの人が来る。光がさす、感じがした。 #深夜の真剣140字60分一本勝負

2019-07-20 22:35:14
べクジ🍭🚽 @beku_bekuz

写真とは、日常を閉じ込める為のものだ。カメラを持って歩き続けた涯に見つけた答えは、そんなありふれたものだった。 退屈に喰われた写真家の日記。 挟まっていた写真に映る世界は、色褪せて何も映さない。 一人の読者に過ぎない僕と彼をどうしようもなく隔てているのは、薄い一枚のフィルムだった。

2019-07-20 22:48:15