3回から9回にかけて、夏紀先輩というキャラクターはどのような役割を担ってきたのか、というお話。分析すると、まあみんな夏紀先輩のこと好きになるのはストーリー上しょうがないよな、という結論に至りました。
0
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

ユーフォ1期序盤の夏紀先輩について。 #anime_eupho

2017-07-14 11:36:44
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

ユーフォに限らず、名作には必ず名脇役がいるものです。 というよりは、主人公の周辺によいキャラがいないと、その物語は輝きません。 というわけで、まず序盤で夏紀先輩が果たした役割を見ていきます。

2017-07-14 11:37:44
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

まず夏紀先輩が初めて(台詞のあるキャラクターとして)登場してくるのは3話です。 緑に「他の1年生は?」と話しかけて、1年生を気に掛けているそぶりを見せておきながら、先に帰ってしまうというシーンです。 pic.twitter.com/qmj1J10RxP

2017-07-14 11:40:31
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

ここで夏紀は、低音の他の先輩達、とくにあすか先輩と対比させられ、「やる気のない先輩」の象徴として使われることになります。 もちろん他のパートにはたくさんやる気のない先輩がいるわけですが、そのうちの一人として久美子達のそばに置かれるわけですね。 pic.twitter.com/tvXm8PCJqd

2017-07-14 11:42:05
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

ここで、あすか先輩と対比であることには注意が必要です。 一つには、久美子達の未来があすかと夏紀の二択になっているように見えるから。 そして、この対比はあとで別の形で生きてくるからです。

2017-07-14 11:43:16
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

さて、やる気のない夏紀先輩は、久美子の行動によって合奏練習に参加し、そして海兵隊は滝先生に認められるというストーリー。 これはつまり、久美子たちの行動がやる気のない先輩達を変えた、ということを象徴します。 pic.twitter.com/BZA68cegtP

2017-07-14 11:45:07
拡大
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

だから、海兵隊後の夏紀のこの表情にぐっと来るわけです。 久美子(視聴者は多かれ少なかれ自分を投影しているはずです)たちによってやる気を出し、音楽の楽しさを思い知る。 夏紀の変化は吹部の変化。 この時点で、夏紀が頑張っている姿そのものが喜びになるわけですね。 pic.twitter.com/mm21jSjyXG

2017-07-14 11:48:24
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

つまり、久美子の視点からユーフォを見ていれば、この時点で夏紀に好意を持つのは必然的なのです。

2017-07-14 11:51:07
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

ユーフォ1期中盤の夏紀先輩について

2017-07-15 00:45:42
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

かなりの人をノックアウトしたであろうと思われる、1-10のこの夏紀先輩。 ここにどうやって至ったのか、というお話です。 pic.twitter.com/2eA8LXgzDq

2017-07-15 00:47:06
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

さて、序盤、海兵隊で「やる気のない先輩」の象徴という立場が解消されることになった夏紀先輩ですが、そのあと、久美子や葉月に先輩としていろいろなことを教えるシーンが登場するようになります。 pic.twitter.com/2FE5txBpxL

2017-07-15 00:48:44
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

ここのところの葉月は「吹奏楽知らない」の代表として使われていて、登場人物が葉月に説明するシーンを入れることで視聴者に説明する、という役割があるわけですが、 このあたりから夏紀が説明するというシーンが出てくるのです。 pic.twitter.com/KHVrbXBxn2

2017-07-15 00:50:25
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

このあたりで吹奏楽の説明が一段落し、「北宇治吹奏楽部」の説明が混じってくる。それを夏紀が担当します。 久美子たちの先輩という立場を与えられているわけです。 なお、このように久美子と目を合わさないシーンが多いのもこの時期の夏紀の特徴として重要です。

2017-07-15 00:52:07
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

葵ちゃん問題であすかが頼れる先輩から得体の知れない人へとシフトし、 一方で夏紀がやる気のない人から先輩へとシフトする。 あすかと夏紀の対比は、意味合いを変えながら続きます。 あすかのフォーマルさが仮面をかぶっているように感じられ、 夏紀のだらしなさが本心を見せる姿へと変化します。 pic.twitter.com/8gjEX7Mhpk

2017-07-15 00:55:06
拡大
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

だらしない、というか、無防備な態度って、相手に本心を見せているという意味合いもあるんですよね。 だから、2期OPのこの画像とか、すごく良いわけです。 背景が無人なのが重要なポイントです。 ”二人っきりで本心を見せてくれる”を示唆するからです。 pic.twitter.com/QC8Rfvh1PD

2017-07-15 00:57:15
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

さて、本音を見せてくれる頼れる先輩、という立場に収まれば話は簡単なのですが、そこでオーディションが行われることになります。 久美子は夏紀と競い合うことから目をそらします。 久美子と視線を合わせるシーンが少ないことで、夏紀が久美子と敵対するかも知れないと予感させています。 pic.twitter.com/06Cp5w2B5K

2017-07-15 01:01:24
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

つまりここで視聴者は、 好意を持った夏紀が久美子と敵対しそう というストレスを与えられているわけです。 久美子も夏紀の練習風景を見てしまい、中学時代のトラウマを思い起こします。 pic.twitter.com/bE2TrAsCH0

2017-07-15 01:03:19
拡大
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

そして結果発表後の硬い表情。 ファーストフード店への呼び出し。 読めない表情。 と我々のストレスを高めておいて、 pic.twitter.com/1hfX4shgWP

2017-07-15 01:08:04
拡大
拡大
Stefan Nemanjić Prvovenčani @Stefan_N_P

そのストレスを解放します。 先に親切にしてくれたエピソードがあるので、すんなりと中学の時の先輩と対比であると納得できるように出来ています。 単にプラスに持って行くのではなく、その前にいったんマイナスへと持って行くからこそプラスが生きる。そういう流れでした。 pic.twitter.com/FfD6ewO0sv

2017-07-15 01:10:18
拡大
拡大