1 ある日のこと。 遠藤「あ!〇〇さん!」 〇〇「あれ?今帰り?」 遠藤「はい!」 最寄駅でばったり会った2人。どうやら同じ電車に乗っていたようだ。 〇〇「こんなに遅くまで珍しいね?」 遠藤「ちょっとやらなきゃいけないレポートがあって、大学で終わらせてきましたから。」
2023-05-14 17:02:352 〇〇「そうなんだね。お疲れ様。」 遠藤「〇〇さんも遅くないですか?」 〇〇「ちょっと買い物してから帰ってきたからね。」 遠藤「そうなんですね。」 シェアハウスまでの道中を会話しながら進む2人であった。
2023-05-14 17:02:463 〇〇「ん?なんか靴が多いな。」 遠藤「ホントですね。」 帰ってきた2人。玄関の靴の多さに違和感を感じながら中に入っていくと…。 白石「あ、〇〇、さくちゃん、おかえり。」 〇〇「ただいま。」 橋本「お邪魔してます。」 ??「あ、〇〇くん!久しぶりやな〜。」
2023-05-14 17:03:074 遠藤「え!?えー!!」 白石「ん?さくちゃんどうしたの?」 遠藤「な、なんでさゆりんさんが…。」 白石「あれ?さくちゃんってまだ会ったことないんだっけ?」 遠藤「はい…。」 白石「さゆりん、私の親友なの。」 遠藤「え!そうなんですか?」
2023-05-14 17:03:205 驚くのも無理はない。さゆりんこと松村沙友理は今をときめくインフルエンサーなのだ。特に女子高生たちの間ではカリスマ的存在なのである。 遠藤「(麻衣さんの交友関係すごいな…。)」 松村「さくちゃんって言うんや。可愛ええな。」 遠藤「いやいや、私なんて…。」
2023-05-14 17:03:366 松村「〇〇くんも高校以来かな?」 〇〇「そうですね。お久しぶりです。」 松村「そんな固くならんとってや。」 〇〇「いやいや。でもどうして3人でここに?」 橋本「さゆりんの休みに合わせて久しぶりに会おうってなって。でもお店とかだと、ちょっとね…。」
2023-05-14 17:03:537 〇〇「なるほど。」 白石「ここなら伸び伸びできるじゃん?」 〇〇「うん。じゃあ3人でごゆっくり。」 松村「ん?何言ってるん?〇〇くんも参加やで?」 〇〇「え?何でですか?」 松村「そりゃうちら飲み過ぎちゃうから、止めてくれる人もおらんと…。」
2023-05-14 17:04:108 〇〇「もう大人なんですから、それくらい自分たちでやってくださいよ。」 松村「いいやんか〜。」 橋本「〇〇くん。こうなったらさゆりんはてこでも動かないよ。」 〇〇「えー。今日講義パンパンで疲れてるのに…。」 白石「いいじゃん。ね?」 〇〇「はぁ…。」
2023-05-14 17:04:229 ということで〇〇も参加になったのだが…。 遠藤「(さゆりんさんってすごいな…。あんな簡単に〇〇さんを誘っちゃうだなんて。)」 松村「ん?さくちゃんも参加する?大歓迎やで?」 遠藤「い、いや!私は遠慮しておきます!失礼します!」 私は足早に自分の部屋に戻ることしかできなかった。
2023-05-14 17:04:3510 松村「じゃあ、乾杯!!」 2人「乾杯!」 松村「ほら、〇〇くんも!」 〇〇「乾杯…。」 橋本「なんかごめんね。〇〇くん。」 白石「いいのいいの。」 〇〇「なんで姉ちゃんが決めんだよ。」
2023-05-14 17:04:5611 白石「さゆりん忙しいでしょ?」 松村「まぁぼちぼちね。」 橋本「休みないんじゃないの?」 松村「ううん。そんなことないよ。休みは作るようにしてる。」 〇〇「テレビとかに出たりはしないんですか?そういう人もいますけど。」 松村「んー、オファーがあったら出るけど。」
2023-05-14 17:05:1512 橋本「なんかネットとテレビってやっぱり違うみたい。テレビ側が最近やっと歩み寄ってきてるみたいだし。」 松村「それは感じる。前まではネットが中心だったから若者にしか知られてない感覚だったけど、最近はお父さんお母さん世代にも声かけられるもん。」 白石「テレビも少し出てるもんね。」
2023-05-14 17:05:3313 松村「まだインフルエンサーってチャラチャラしてるイメージ持たれてるから、テレビも出て世間の認知度も上げていかないとね。」 〇〇「偉いですね。」 松村「え〜そう〜?😊」 〇〇「まんざらでもないじゃないですか。」 松村「えへへ。😊」
2023-05-14 17:05:4414 少しずつ酔いも回ってきて、酔っ払った3人と、絡まれる〇〇の構図が出来上がってしまった。 〇〇「もうお開きにしましょうよ。」 白石「えー!まだ飲むー!」 松村「まだまだこれからやでー!」 橋本「フフ。」 松村「ねぇ、〇〇くんは好きな人とかいないの?」
2023-05-14 17:05:5815 〇〇「別にいないですよ。」 松村「へぇ、そうなんや。」 白石「ずっと浮いた話聞いたことないもん。」 〇〇「モテる3人とは違ってすみませんね。」 橋本「〇〇くんだってモテるでしょ?」 〇〇「奈々未さん、皮肉ですか?」 橋本「違うよ。私、〇〇くんのこと好きな子知ってるし。」
2023-05-14 17:06:1216 白石「え!誰?誰!?紹介してあげて。」 橋本「それはその子に悪いって。」 松村「えー!私も立候補しようかな!」 〇〇「はい?酔ってるからって何でも言っていいわけじゃないですよ?」 松村「私的には高校の時から気になってたけどな。」 〇〇「でも立場が違いすぎますよ。」
2023-05-14 17:06:3117 松村「立場とか関係ないって〜。」 〇〇「でも僕には務まりませんよ。」 松村「そういうんじゃないんだけどな〜。」 橋本「またシラフな時に口説きなよ。」 松村「〇〇くん覚悟しときなよー!」 〇〇「はいはい…。」
2023-05-14 17:07:0218 一方…。 遠藤「んー…。なんか眠れないな。」 なんだか最近は眠れない。やっぱり〇〇さんのことが引っかかっているのだろうか。今日は特にさゆりんさんに格の違いを見せつけられたし。 遠藤「お水でも飲もうかな。」 リビングに降りていくことにした。
2023-05-14 17:07:2219 部屋の扉を開けると賑やかな声が聞こえてきた。 遠藤「(まだ飲んでるんだ…。)」 あんまり4人の空気感を壊さないようにそっと冷蔵庫まで向かおうとした。のだが…。 遠藤「えっ…。😨」 リビングに降りた瞬間に私は絶句してしまった。
2023-05-14 17:07:31