お題「三月」「1人きり」「一番星」
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暁 悠宇 @a6JGNUYtaWLl8wJ

卒業式の夜、望遠鏡を担いで学校へ向かう。一人きりの屋上はいつもならありえないほど静かだった。 望遠鏡をセットして星を見る準備をする。高校生で最後の天体観測のチャンスだ。一番星を探してレンズを覗き込む。 こんな綺麗な夜空を、この学校で過ごした楽しかった日々を、僕は一生忘れないだろう。

2018-03-10 22:01:03
RAY/※※※ @growler_ray

一人きり、いつでもあなたは一人きり。 誰に言われたわけでもないこの言葉が、頭の中を回り続ける。 この声が聞こえる度に、私は耳を塞いで縮こまる。カッコ悪く小動物みたいに。 でも、君はいつも手を握ってくれるよね、そして、いつも同じ言葉を言ってくれるよね。 「もう、一人きりじゃないよ」

2018-03-10 22:01:30
色糸 @IRO_Iroito_

高校を卒業して直ぐ、取り立ての免許でドライブしていたら、道に迷った。 気付けばド田舎、山の中。 陽も傾き、一番星が輝き始める。君も独りぼっちだな、と呟くが、こいつにはすぐに仲間が増えるのだ……。皮肉な事に、ここではきっと満天の星空だ。 そういえば、いつぶりに星空を見上げるのだろう。

2018-03-10 22:01:40
楓もち/春秋 @mapledanke

まるで首を絞められたかのような息苦しさが僕を襲う。呼吸は出来ているはずなのに、とても息苦しい。思わず顔をしかめて洗面所に走った。一人きりで、じっと恐怖に耐える。きっと疲れているんだ。息苦しいと勝手に思い込んでいるだけだ。だって、ほら。鏡の中に、「ざまあみろ」と笑っている僕がいる。

2018-03-10 22:02:13
花滝ちかる @chikaru_toka

誰にも頼らずに甘えずに、独りで生きていかなきゃと思うのに、貴方は私を放さなかった。 「どうして…?」 「俺は、孤独と幸福を両立する方法は知らない。お前が1人きりで泣くのなら、俺はお前を諦めたくない」 私は泣いた。あたたかい、貴方の胸で。 私は、幸せと思ってもいいですか。 #140字小説

2018-03-10 22:02:37
きぃ @key_habataki

「今日も金星か…」青い空に赤が混じり始める頃、彼はそう呟いた。彼によると、一番星は金星である事が殆どらしい。「偶に金星よりも先に輝く星があるんだ。それってロマンチックじゃない?」確かに、と私は思った。彼は焦ったように頭を掻きながら言う。「でも君は変わらずに僕の一番星でいてほしい」

2018-03-10 22:05:03
綾坂キョウ|小説・漫画原作 @Ayasakakyo

「一番星みぃつけた」すれ違った子どもが、節をつけて唄っている。急にがらんとした、アパートの部屋。テーブルに置いたままの赤い湯飲み。「三月って、別れの季節って言うじゃない。だらだら続けても無意味だし」そんなときですら、はきはきと喋る君。空を見上げる。一番星を、僕は見失ってしまった。

2018-03-10 22:07:47
KTQ @wholiveo

「一番星って、二番星が出るまで1人きりだよなぁ」 「そりゃ地上から見た話」 互いに忙しい3月ではあるが、それぞれ仕事を早々切り上げて、公園で旧い友人と落ち合い、気の早い桜を眺めつつ呑み交わす。 「ひとりぼっちがたくさんいるだけさ」 #深夜の真剣140字60分一本勝負

2018-03-10 22:08:15
ポッキー(山野千鶴) @lilianne0523

三月生まれの友人が多い。皆、心優しくてタフだ。無理をして体調を崩していることを知ると心配になるが、治るとまたいつもの元気な彼女達に戻っている。先日、三月生まれの友人の一人から梅の写真を添えた便りが届いた。寒空の下、梅は美しく咲く。一人きりで暮らす彼女もまた、健気に凛と咲く。 pic.twitter.com/xPjXr1Llpa

2018-03-10 22:13:28
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秋月蓮華 @akirenge

一番星を見つけた。 ずっとずっと旅をしている私は空を見上げる。 星は、変わらない。 私も、変わらないようで変わっているのかな。 使っている装置のスイッチを入れた。 暦の上では三月。 そんな中で、 「明日はどんなモノが見られるのかな」 一人きりで、旅をする。 #深夜の真剣140字60分一本勝負

2018-03-10 22:20:08
行木しずく @gloom_tree

#深夜の真剣140字60分一本勝負 おじゃまします。SS名刺メーカーさん使用。 「三月」「1人きり」「一番星」 pic.twitter.com/PSoLLxLgIG

2018-03-10 22:23:14
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夢夜 @ruya_reve

一番星にそっと願いをかける。 ──貴方が幸せでいられますように いつ死んでもいいと思っていた私が、初めて「この人の為に生きよう」と思えた人。 貴方の明るさと優しさ、強さと清らかさに私がどれだけ救われているか、貴方にはわからないでしょうね。 ──「愛しています」だけでは、足りない

2018-03-10 22:32:26
夢夜 @ruya_reve

お前はよく1人きりで夜空を眺めている。 その姿は儚くて清らかで哀しくて美しい。 ふっと空に溶けてしまうような気がして、俺は手を伸ばしてお前の腕を掴んだ。 「どうかしましたか?」 「……なんでも、ない」 何もかも1人きりで抱え込まないでほしい、俺にも分けてほしい、というのは傲慢かな……?

2018-03-10 22:33:56
夢夜 @ruya_reve

三月のウサギに四月の魚。 春の陽気に誘われて頭のおかしい連中が騒ぎ出す。 歌って踊って笑って、上を下への大騒ぎ。 きっと五月も浮かれた頭でバカ騒ぎするんだろう。 だけど、気をつけて。 いかれたフリをした悪意が、あなたを陥れようと手ぐすね引いて待ってるかもしれないよ……?

2018-03-10 22:38:21
津森七@文学フリマ京都い-36 @tumori_nana

あなたは三月の一番星。雪解けを司る私の星。 峻厳なる冬の空気を花の香を乗せた生温い風が塗り替える、のに、追いつけない私は春に泣く。溶け出した雪に氾濫する川のよう、私は私を持て余す。だからどうか、ひととき夜を照らしてほしい。「君には私が必要だ」って、いつかのように言い切って。

2018-03-10 22:39:03
こやままやこ @coyamayaco

サヨナラ三月駆け抜けて、出会いの四月にコンニチハ。一人きりの時間も大切。だけど一番星を同時にみつけて、指さす仲間がいるのもいいね。同じもの見て泣いて笑っていつか離れる日がきても、彗星みたいに戻ってくるから、一人きりでも孤独じゃないよ。サヨナラ三月マタキテ四月。

2018-03-11 21:40:43
Altair @_altair_73

「星を見に行こうよ」なんて誘ったのは僕だけど、別に星に興味があるわけではなかった。だから「星が好きなんだね」なんて言われても曖昧に笑うことしか出来ない。夜空を見上げる君の横顔を盗み見ながら最高の台詞を探していた。言うなら今夜だと決めていたのだ、僕はやっと一番星を見つけたのだから。

2018-03-11 22:14:04