我ながら誤解を招きそうな表現だとは思いつつそれとしか表せないのですが、これまで剥き出しのAnimaをそこに提示しておられた中野耀司さんは今日、確かに、「人」として立っておられました
2018-10-07 20:59:55中野耀司さんと、鎌田詩温さんもそうなのかもしれませんが、大学3年生というあるいはひとつの終わりが見えてきたようなときに、今までとは違う雰囲気を出してきたこと、それにもしかしたら、「挑んで」いるのかもしれないこと
2018-10-07 21:01:53中野耀司さんの「Chasing Cars」、先程も申し上げたように「剥き出しのAnima」ではなく「人としての情の濃(こま)かさ」を表す中野耀司。紡がれるもの、絡みあって描き出されるもの、あるいは淡いが浅くも儚くもない人間の情のありさま。
2018-10-07 22:19:19終わってから歌詞をさらりと読みましたが、なんとなく、戦いに戦って抗ってふっと疲れて弱気になって誰かの肩にもたれてみるようなイメージもありました 君は僕と一緒に世界を忘れてくれる? でもそれはただ弱いわけではなく、どこかそんな自分に鬱屈やもどかしさを感じるようなイメージ
2018-10-07 22:22:40鎌田詩温さんも、これまでのような絢爛たる華やかさは少し影を潜めて、けれどしんとした美しさ。音もなく流れる水のような、静かに広がる光のような美しさ。宗教画の崇高さではなくただそこにある祈りのような美しさ。ステップの中でふと花がほころぶようにこぼれた笑顔が印象的でした。
2018-10-07 22:25:44先輩たちの引退を惜しんだり、チームとしての「明治大学」を愛してらっしゃることがうかがえる詩温さんの「You raise me up」はいっそう意味を持ってこちらに響く気がします 私だけでは辿り着けない場所へ、あなた(たち)といるから辿り着ける。
2018-10-07 22:27:34唐川常人さんの「ファルーカ」はそこに燃える色のない炎。息詰まるような暗い舞台に音もなく燃え上がる火。はたして音がほんとうにそこにあるのか、それともほんとうにはないのか、あるいは彼こそが音楽であるのかもしれず。
2018-10-07 22:32:46鶴田翔真さんの「El Tango de Roxanne」は冒頭の、顎をくっと上げるような仕草から既に放たれる退廃した詩人の色香。力みのない、気怠いような体の見せる美しさ。個人的にとても好きです。
2018-10-07 22:36:21気怠さ、というと山藤一悟さんもそう。今日は「Por Una cabeza」でしたが、独特の気怠さや頽廃めいた雰囲気のある方です。長い手足と身のこなしのうるわしさ。
2018-10-07 22:40:51鎌田英嗣さんは、なんと言ったらいいんでしょうか「人の体とはああも自在になれるものなのか」という感嘆めいた感情がありました 体の中を音が流れていくのが見えたような冒頭の背中、くねる体の色香とそんな言葉では表しきれないもの、その、giftedとすら表したくなってしまう身体。
2018-10-07 22:45:01佐上凌さんの「gimme love」にも変化を感じたかもしれません 昨シーズンの投げ遣りなほどの激しい青さは薄れて、あるいは成熟と呼ばれるかもしれない諦念めいた雰囲気、しかし諦めも捨てきれもしない愛への切望とそれが叶わぬ望みと知っているかのように漂い滲む哀切。
2018-10-07 22:53:44神戸巧輝さんはスカパラの「paradise has no border」で鮮烈な演技。独特、と感じる動きが多くありました まっすぐに向けられる視線と笑顔、ここで見せる/魅せることができる楽しみと喜びをストレートに感じました
2018-10-07 22:58:23梶田健登さんの「fix you」は冒頭のさりげなさ、日常の中にある空気。もしかしたら何か上手くいかないことがあって、もしかしたらけんかか何かをしてしまって、それを少し悔いながら、うまくいかないと思いながら、その心の痛みにこそ思いを新たにする、ような雰囲気にも見えました
2018-10-07 23:02:43昨日の話ですが田中蓮音さんと凛音さんの双子のご兄弟は昨シーズン拝見したときはまだ、おかわいらしいなあ、という雰囲気だったのですが昨日拝見したらめちゃくちゃお上手になってて驚きました 男子七日会わざれば刮目して見よとはこのことか……
2018-10-07 23:10:58Jr男子の堀義正さんの「ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲」も素敵でした 繊細でエレガント、かつ激しい切なさの表現 衣装のグラデーションもとてもきれい
2018-10-07 23:16:29山藤一悟さんは持ち越しの「UNCLE」。昨日も触れた気怠いような陰りの持つ色香に視線の鋭さが入り交じる。苛烈さを見てみたい気もしますがその陰影の持つ魅力はなかなか余人をもって代えがたいものかと。
2018-10-08 21:15:35鶴田翔真さんは「The Godfather」。しなやかでやわらかな腕と体、物静かな物言わぬ物語。派手な表情はなくとも視線に、腕のさばきに、物哀しい感情が確かに宿っている。雄弁な身体を持つ方です。
2018-10-08 21:17:49神戸巧輝さんの「sister act」、天使にラブソングを、は出色と感じました。音楽に打たれるような冒頭、愛と喜び、あるいは感謝のようなものが全身に満ちて溢れ出す演技。その感情に打たれて私は泣きどおしでした。
2018-10-08 21:21:22菅原生成さんは「LA LA LAND」。華やかなりし、夢。全て掴んだと思っても、あるいは全て諦めたと思っても、今もまだ夢に見る。切なさと華やかさが入り交じる情緒的な演技。
2018-10-08 21:23:21唐川常人さんの「A Lovely Night」は洗練されたレトロなショートムービーの空気。スマートで小粋、少し奥手でシャイな雰囲気もありますがそれがかえって魅力になるような。落ち着いた紳士のようにも見えましたが、最後は背伸びしたティーンエイジャーのようなキュートさも見せてのフィニッシュ。
2018-10-08 21:27:05鎌田英嗣さんの「月光」には月の光というより月光によって描き出される夜を強く感じます。夜とは、夜の闇とは、かくも雄弁である。
2018-10-08 21:28:31中野耀司さん「SANTANA」。昨季からの持ち越しですが受ける印象はまるで違いました。鮮やかなりしや人の身。昨年に感じた剥き出しの魂、獣めいたAnimaはそこにはなく、統制されて完全に「獲得された」人間としての姿。本能を文法として心得た、構成した、なんと言えばいいか……(続
2018-10-08 21:35:39承前)これまで無意識に迸っていたものを何かしらコントロール、抑制、統制されるようになられたと言うのがいいか、しかしそれは理性一辺倒ではなく、野性めいたぎらつきも確かにそこにあって。いずれにせよ、私は、惹き付けられて魅入られたように息もできなくなってしまうのです。
2018-10-08 21:35:39中野さんを獣めいただの人になっただの言うてるの失礼かなと思いながら呟いてしまってるな……なんだろうなあ、なんて言ったらいいんだろうなあ……ぬー……
2018-10-08 22:46:27鈴木元気さん「eroica」、英雄。なめらかに軽やか、高貴に気高く、しかし孤高にあらず。鈴木さんがおそらくは生来お持ちの「育ちのよさ」のようなものが遺憾なく表されていたと感じました。重厚ながら重くはならないノーブルさ。
2018-10-08 21:39:14鎌田詩温さんの「ライオンキング」もなんと申し上げたらよいか……妖しの視線、シャーマンとしての深く厳しい視線と靭(しな)やかな豹の体つき。美しき獣、と感じました 豹をカミと祀る文化もあるといいます なにかそんな、カミと通じるような気配、それでいながら地に足を踏み締めた空気。
2018-10-08 21:43:12梶田健登さんの演技を語るうえで「繊細な雰囲気」というのは鍵になってくるのかな、と モノクロの細密画のような、切れそうなほど細い細い糸が、繊細な情感が、絡み合って一枚の壮大な美しい絵を織り成すようなイメージ。言葉よりも雄弁なその足運び。
2018-10-08 21:48:00小林健斗さんの「Pagliacci」は忍び寄る狂気。前半の穏やかさの中から緊迫は忍び寄り後半の「衣装をつけろ」に至ってひたひたと狂気は溢れ出す。それは息が詰まるほど。這いのぼる狂気を示すように黒くグラデーションがかかった手と袖は、あるいは狂気の中では血染めに赤く映っているのかもしれず。
2018-10-08 21:53:20堀義正さん「ナザレの子」。息を呑む、息を詰めてしまう空気。罪なき無垢の子はしかし厳しい戦火に身を投じる。神の子に罪なかりせばなにゆえに彼は十字架にかけられしや。神よ、神よ、なぜに我を見捨てたもう。圧倒的なまでの表現。
2018-10-08 22:14:53堀さんはショートもフリーもお衣装が素敵だった……シフォン生地かな、細かいひだを畳んで流して繊細な雰囲気なんだけど全体にはすっきりと細身で
2018-10-08 22:17:12國方勇樹さんの「El Tango de Roxanne」、恋とはすなわち狂気。きりきりと張り詰める緊迫、鋭い視線に呑まれる。
2018-10-08 22:19:29樋口新葉さんの「冬」は氷の息吹に目覚める凍てつく冬の女王。厳然と孤独。赤い衣装は仮のものかもしれませんが、冬にこそ感じられる血潮の流れ、冷えが痺れに変わる頃に不思議と感じる熱、を思わせるようにも感じました。圧巻の一言。
2018-10-08 22:09:09ノービスA女子の石井心寧(ここね)さんも凄かったです 12歳にして「怒りの日」を滑りこなすお嬢さん 苛烈なほどの激しさ、いとけなき滅びの天使 天使の中には神への愛と情熱にその身の燃えているものもいると言います
2018-10-08 22:03:08