河の水面を歩く死神が問う。 「時の河で何をしている」 錘を下ろした舟の上の私は答えた。 「私の琥珀色の瞳を誉めてくれたあの人を待っているのです。時に流されては、もう会えぬものですから」 首を傾げて死神は去り、いつもそこで目が覚める。 また一日が始まる。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 pic.twitter.com/S6qz0cIxEB
2019-04-13 22:01:57きらめく琥珀色の瞳と長い髪。 「いちいちカラコンじゃないし地毛ですって、面倒くさい。髪だけでもバッサリ切ろうかな」 君があんまり無造作に言うから 「切っちゃダメだ」 僕は思わず、滑稽なくらい必死に言った。 「綺麗だから、ダメだ!」 君は笑わずに真っ赤になった。きっと僕も。 #140字小説
2019-04-13 22:02:01灰緑色のカーテンをあけたら 夕日に化けた樹脂の液が飛び込んできて ミニテーブルの角瓶とロックグラスに跳ね 部屋の中に満ちた ソファーに埋まって ナイトガウンの胸元と裾を 悪戯っぽくはだけさせる 2万年後の誰かは 琥珀の中の私を綺麗と思うかな? グラスに口をつけ 妄想に埋まる日曜日の午後
2019-04-13 22:02:09綺麗な琥珀色の瞳に一目惚れしたんだ。それを言ったら君の髪色も綺麗ねって返してきた君。でも、時の河は容赦なく流れ続ける。「……ごめんね、一緒にいれなくて」無機質な白に四方を囲まれた部屋。痩せ細った君から発せされた弱々しい言葉。「俺が、いるから」最期まで綺麗な琥珀色の瞳を君は閉じた。
2019-04-13 22:03:17他人に寄る事で人生の荒波を超えてきた 笑顔は武器 怒りは抹殺 哀しみは同情 楽しみは気をひかせるため 傾けたグラスには並々と琥珀色の液体が注がれ 私の座る椅子は彼らが代わりになる そんな人間は最後に寄るべなく 船に反乱されて時の川へと落ちていった 最後まで誰かが助けてくれると思い込んで
2019-04-13 22:05:20楽しかったこと、悲しかったこと、その日の一番の感情を折り紙にして流すの。この河は遠い昔からそうされていた、全部見ていたの。波の一つ一つに漂う誰かの気持ちが住む生き物を優しく包む。それはずっと受け継がれてきた思い出たちの集まり。今日はどの記憶で何を折ろっか。一日を生き抜いたご褒美。
2019-04-13 22:05:53#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite ) #140字小説 #SS名刺メーカー お題『琥珀色』うちの仲良し女子2人で140字。初参加故不手際あったらすみません。 pic.twitter.com/3mlRAUbJHU
2019-04-13 22:06:10#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 10年以上前からしつこく脳内で繰り返されるシーンの1つ。 長編の終盤だと思うんだけど…… pic.twitter.com/mIwYbY50SM
2019-04-13 22:06:18#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 ほぼ実話。 一卵性と二卵性はだいぶ違うと思うけど、正反対な双子もいないし全てが似通ってる双子もいない。と思う。 pic.twitter.com/XBv02zNpwg
2019-04-13 22:08:08一日に幾度となく、あたしはこの人に「好き」と言う。勿論どれも本心、どれも心を込めて言っている。現に、あたしはこの人に依存しちゃってるってなんとなくわかってるから 「えへへ、好き〜」 「私もっ!」 けど、けどね、自分を好きと言ってくれる存在に、この人はもーっと依存してるんだよ♪
2019-04-13 22:13:04琥珀色の熱で喉を焼いた彼は、掠れた音で「寂しい」と呟き、それきり無言で酒を煽った。弱音を吐けない彼の小さな慟哭が、グラスの酒に溶けていく。私は、それを一気に煽った。 大丈夫。時の河には酒が流れているから、飲むほどに時は過ぎる。二人でボトルを空ける頃には、悲しみも流れているはずだ。
2019-04-13 22:19:01オレ「無いと生きていけないんだよ!」 彼女「それはね、依存症っていうの!」 彼女はオレの腕を掴みながら 彼女「それは甘え!私がなんとかする!」 オレ「いやいやいや、それだけは無理!」 海へ引き込んだ。 オレ「人・は空気・・生き・ない・・死・・・だ・たす・て・・・」
2019-04-13 22:29:12我が時流に逆らうともよし、時流が我に逆らうともよし。時の河の一滴に何の意志があろうてか。時の河の一滴に、何の意志があろうてか。 俺はざわめく春の修羅となる。 陽光に照り滔々と流れる坂東太郎を跨ぐ大橋の歩道の上で、グラスに琥珀色の液体を注ぎ、一息に飲み干す。グラスは、河へぶん投げた。
2019-04-13 22:29:59⚽お題/①依存 ②琥珀色 ③時の河 #深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite ) #140字小説 #140字ss pic.twitter.com/PjvboVHfZY
2019-04-13 22:38:50フードを被った琥珀色の瞳をした船頭は小舟の上にいた。 流れる川を覗き込めば、過去の情景が流れる。時の川。 「死者に会えるのか」 「船には乗らないのね。逢えるけど、来た人が、想像した大事な人」 「帰ってこないのは」 「依存してるの」 彼は船頭に問う。解答を聞いた。彼はため息をついた。
2019-04-13 22:43:23