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カコ🐙 @3nasubi31

長谷部に片想いしている燭台切。ある日、長谷部が手入れバグで大太刀のへし切様になってしまう。記憶もなく戸惑うへし切様に燭台切は「あなたのお小姓の光忠です」と嘘をついてしまう。

2018-02-10 04:40:59
カコ🐙 @3nasubi31

「光忠……ああ、信長様も好んでいた刀工のか。ここの主もよい趣味だ」へし切様は見目のいい燭台切に満足げ。「いいだろう、では俺と主に茶を持て、光忠」「かしこまりました、へし切様」燭台切は小姓として甲斐甲斐しく尽くす。へし切様はすぐに燭台切を気に入る。

2018-02-10 08:19:11
カコ🐙 @3nasubi31

へし切様は横柄なわけでも横暴なわけでもなく、身分の高い人が尽くされて当然という感じ。ちゃんと労うし褒美も与えるし。審神者からも客人より少し上の扱いを受けているので当然みたいな感じ。

2018-02-10 10:47:38
カコ🐙 @3nasubi31

燭台切も、織田の倉で憧れていたへし切様のお世話ができて幸せ。よく働く燭台切をへし切様は気に入って「おい光忠、なぁ光忠」と我が物のように呼びつけるし可愛がる。「お前はどの光忠だ?」「…末の、銘もない光忠です」「そうか、ならばお前は俺の光忠だな」と上機嫌。

2018-02-10 10:51:30
カコ🐙 @3nasubi31

ある晩、へし切様に寝る前の燗を届けると「光忠、お前は俺の床の相手はしていなかったのか」と明け透けに聞かれる。小姓にはそういうことをする者もいることを織田の刀はよく知っている。燭台切は「……へし切様が望めばいつでもお相手したいと思っていました」と伏す。

2018-02-10 11:07:30
カコ🐙 @3nasubi31

「お前のような佳い男に手を付けていなかったとは、かつての俺はめくらだったのか」なんて笑いながら、へし切様は燭台切を床へ招く。こうして燭台切はへし切様に抱かれ、その日以定期的に来夜の相手をするようになる。

2018-02-10 11:12:05
カコ🐙 @3nasubi31

長谷部がへし切様になってから一月近く。審神者の判断でへし切様も戦場に。もちろん小姓の燭台切も一緒に出陣。大太刀らしい豪快な戦い方の中にも、あの憧れ恋した長谷部と同じしなやかさを見てしまい胸が苦しくなる。その日はへし切様も昂っていたこともあっていつもより激しく抱かれる

2018-02-10 13:25:16
カコ🐙 @3nasubi31

普段はうまくやれるのに、その日は脳裏にカソック姿の背中がちらつき最中に感情が決壊して泣いてしまう。「すき」と「ごめんなさい」を繰り返し、事後にへし切様に「他の男のことを考えていたな?」と言われてしまう。

2018-02-10 14:11:55
カコ🐙 @3nasubi31

「す、すみ、ま、せん、でも、僕、本当にへし切様のことをお慕いして」「構うな、責めているわけではない」煙管かパイプかをくゆらせながらへし切様は鷹揚に笑う。「お前ほどの男を虜にするのはどんなやつなのかを知りたかっただけだ」

2018-02-10 14:30:19
カコ🐙 @3nasubi31

「俺に話せないようなろくでなしなのか?」と言われ、へし切様に長谷部の話をする羽目に。「真面目で…いつも気難しい顔をしているんだけど、でも仲間思いで優しくて…太刀筋も見事で…僕なんかには、とうてい手が届かない、美しい刀です」

2018-02-10 15:06:58
カコ🐙 @3nasubi31

「光忠の末弟が手が届かないと言うほどの美丈夫か、どのような刀か気になるな!」楽しげに笑うへし切様にまさか未来の貴方ですとも告げられず、燭台切も笑うしかない。「で、その刀は何処に」「それは……」口ごもったあと「……いません、今は」と。

2018-02-10 16:31:37
カコ🐙 @3nasubi31

「……そうか」何かを察したらしいへし切様はそう言うと煙管をふかした。 それからはお褥のたびにその「美しい刀」のことを聞かれるようになり、燭台切は名前を出さずに長谷部の話をするように。

2018-02-10 16:33:28
カコ🐙 @3nasubi31

初めは躊躇いがあったものの、それまで誰にも秘めていた長谷部への思いを言葉にできることと、楽しそうにきいてくれるへし切様が長谷部とは繋がらなくなってきたのとで、燭台切もどんどん長谷部ののろけを話してしまう。

2018-02-11 08:46:12
カコ🐙 @3nasubi31

「彼が美しいのは姿形だけじゃないんです。例えば刀を一振りするにしても、その時の腕の動かし方、体の捻り方、それから、太刀筋から骨と肉を断った切り口まで美しいんです。それから、敵を切り伏せるその一瞬だけ唇をもたげて見せる姿も…美しいだけではなく、戦のための刀であると思わされるんです」

2018-02-11 14:24:18
カコ🐙 @3nasubi31

「いつも眉間にシワを寄せているんだけど、本当はすごく優しいんです、彼は。仲間が困っていたら1番助けになる刀にそっと耳打ちしたり、怪我や面倒がないように先回りして支度や手筈を整えてくれるのも、いつも彼なんです」

2018-02-11 14:28:22
カコ🐙 @3nasubi31

「甘いものが好きなくせに、絶対に1番には手をつけないんです。彼のために作ったずんだ餅も全て博多くんや小夜くんたち短刀にあげちゃって…でも、美味しそうに食べるのをニコニコ見守ってる姿は本当に幸せそうなんです。本当は彼にも美味しく食べてもらいたいけど……」

2018-02-11 14:31:33
カコ🐙 @3nasubi31

「……優しいくせに、身勝手な刀なんです。死ななきゃ安い、何て言うくせに、仲間が傷付くことに耐えられなくて、自信が国宝の癖に、焼刀なんか庇って……重傷を追って……本当は、僕の腹に槍が突き刺さるはずだったのに」

2018-02-11 17:52:19
カコ🐙 @3nasubi31

「……本当に身勝手な刀だな」と、燭台切の目に浮かんだ涙を拭いながらへし切様が言った。「お前のような美しい者を悲しませる、罪な刀だ。手打ちにしてやろう」

2018-02-11 17:55:22
カコ🐙 @3nasubi31

「俺の光忠を悲しませた罪だからな、簡単には折ってやらん」へし切様は楽しそうにそう言いながら、燭台切の髪を撫でる。「さんざん折檻して、それから、真っ二つに圧し切ってやろう。刀でなければ、頭蓋で祝杯をあげてやるところなのに」「嬉しいな、へし切様。僕のために、いっぱい叱ってください」

2018-02-11 18:03:20
カコ🐙 @3nasubi31

へし切様の胸に額を押し付けながら燭台切も笑う。「彼の頭蓋で祝杯をあげるときには、どうか僕も隣に並べてくださいね……」

2018-02-11 18:06:56
カコ🐙 @3nasubi31

翌日、燭台切が朝の挨拶のためにへし切様の元へ向かうと、そこには戦装束に身を包んだへし切長谷部がいた。「……長谷部くん」「燭台切か……俺は、随分と長い間眠っていたようだな」「……三月程、かな」

2018-02-11 18:10:22
カコ🐙 @3nasubi31

元の姿に戻った長谷部は大太刀であったときのことは何も覚えていないようで、審神者と近侍に挨拶をするとあっという間に普段とは何ら変わらない生活を始めた。燭台切の尽くしっぷりを知っている仲間たちは気の毒そうに燭台切を見たが、燭台切は微笑み返すだけ。

2018-02-11 18:14:56
カコ🐙 @3nasubi31

ある晩、燭台切がもう休もうと自室へ向かっていると、中庭に面した縁側に長谷部の姿がある。ぼんやりと月を眺めている長谷部に、燭台切は燗を持って声をかける。「よかったら、飲まないかい?」それは、へし切様のために毎晩用意していたものと同じ。

2018-02-11 18:41:52
カコ🐙 @3nasubi31

二人でならんで杯を傾ける。「……最近、夢を見るんだ」と長谷部。「昔の夢だ……大太刀であったころの」織田の、とは言わないあたりが長谷部だ。燭台切は黙って聞く。

2018-02-11 18:50:35
カコ🐙 @3nasubi31

「夢の中で大太刀の俺には小姓がついていた。成利のような、気も利いて賢い、愛らしい小姓だ。何処にでも着いてきたし、伽も上手い。といっても夢だからな、どんな姿かは断片的だがな」それでも愛らしいと思うのだからよっぽど見目がいいのだろう、と長谷部は笑う。

2018-02-11 19:20:13
カコ🐙 @3nasubi31

「その小姓には好いた相手がいるみたいなんだがな、どうやら録でもない刀らしく、その相手の話をするたびに悲しそうに微笑むんだ。小姓を残して折れでもしたのだろうな。だから俺が『そんなやつは手打ちにしてやろう』って言うと嬉しそうに笑ってな……すまない、それだけの、なんでもない夢だ」

2018-02-11 19:24:04
カコ🐙 @3nasubi31

「……その小姓は幸せ者だね。お慕いしているへし切様にそこまで言っていただけて」それにね、と、続ける。「好いた相手もきっと、立派な刀だよ。きっとその小姓のことを庇って、胸から腹にかけて槍が突き刺さるのも厭わないような」燭台切はそう言って長谷部の胸元に軽く手を当て、立ち上がる

2018-02-11 19:44:04
カコ🐙 @3nasubi31

「……少し飲みすぎたかも。おやすみなさい、長谷部くん」「燭台切」立ち去る燭台切の背中に、長谷部が声をかけた。「……その小姓は、いつも伽の前に燗を持ってきてくれた。ちょうどこんな、美しい酒器で」

2018-02-11 20:33:59
カコ🐙 @3nasubi31

「……なぁ、その小姓は本当に幸せ者だったのか? 不遜な主人と身勝手な刀の相手をさせられて?」「勿論だよ」燭台切は即答した。「へし切様のことは今も昔も変わらずにお慕いしているからね。大太刀でも打刀でも」

2018-02-11 20:38:43
カコ🐙 @3nasubi31

「お前は本当にいい男だが」と長谷部が笑った「男の趣味だけは最低だな」「そうかな、僕にとってはいつだって最高だよ」燭台切も笑った。目尻に少しだけ涙が浮かんでいた。 おわり!

2018-02-11 20:47:41
カコ🐙 @3nasubi31

それから距離が縮まってお付き合いするようになるんだけど、改めて初夜となると急に緊張してしまったり、光忠くんの初めてを雑に奪った過去の自分に長谷部くんが腹を立てたりあれこれある蛇足

2018-02-11 21:39:16
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まとめたひと
カコ🐙 @3nasubi31

とうの昔に20↑。Fは20↑のみ。刀剣/へし燭 🔥🦛/井王・六高・伊水 DQX/ファ夢女同担拒否 基本的に組み合わせ固定。突発的に長い妄想を呟きます。触手と男の娘がすき。 F外通知は切ってるので反応できません。