今吉の紹介で変なバイトした結果がコレかよ!
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

goo.gl/bvkxBI 今日が知らねーオッサンと食事する日だ。 万が一 goo.gl/OJsvSM の可能性を考え古橋に影武者を頼んだ。復讐者に殺されかけるのはもう御免だ。オレは古橋とオッサンのデート()を後ろから尾行する。完璧な計画だ。

2014-09-15 18:30:07
リンク Twitter 意識の低い就活生だった花宮bot on Twitter “https://t.co/P1FMNaorRm 取引してる投資家の一人がオレのおかげでかなり儲けたらしく、お礼に、と食事に誘ってきた。ったくオッサンと食事させられるのがなんで礼になると思ってんだよ。 その日程で大丈夫です。お会い出来るのを楽しみにしています。ミスト …っと送信。”
リンク Twitter 意識の低い就活生だった花宮bot on Twitter “人事が昔オレが潰した奴の兄だったらしくて、「弟の仇ィ!!」とか何とか叫びながら、面接室に入るなりカッターで斬りつけてきた。赤司かよ。まぁ、オレの人生にはよくあることだから、刃は難なく避けられた。録音をエビデンスに会社に報告すると脅したら、その後はフツーに面接されてウケた。ふはっ!”

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

いつも通り古橋はオレより早く待ち合わせ場所にいた。大学が違うから会うのは久しぶりだ。 「相変わらず死にそうで何よりだ」 死人のような光のない瞳を向けられた。 「オレに花宮の代わりが務まるだろうか」 「初対面だし平気だろ。テキトーに笑っとけ」 「ニコ…ニコ…」 圧倒的人選ミスっ…!

2014-09-15 18:35:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「はーなーみーやーくーん」 「ふぎゃあっ!」 ハチ公の前に立つ古橋を物陰から見ていると、何者かに後ろから声をかけられた。 「そんなに驚かないでください。今吉君のマネです」 「…なんだ、驚かさないで下さい。お久しぶりです。今ちょっと取り込み中でして…」 「影武者とは連れないですね」

2014-09-15 18:55:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「せっかく君が喜ぶと思ってダーツバーを予約したというのに、ミスド君」 ミスド…? 感情は取り残されたが、思考は瞬時に追いついた。いつからオレは知らないオッサンと取引していると錯覚していた…? 「そ、それはそれは…」声が震えた。 待ち合わせの相手は 原 澤 克 徳 だ っ た 。

2014-09-15 19:00:14
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…今吉さんですか」 「ええ。そもそもこの方法を確立したのは今吉君ですし。面白いバイトですね」 「ど、ドーモ」 「古橋君を呼んできてください。あそこで待ちぼうけさせては可哀想です。彼もお誘いしたいのですが」 「は、ハイ…」 古橋に作戦中断の合図を送った。 #全日本帰りたい教会

2014-09-15 19:05:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

今吉の手のひらの上で転がされていたってわけか…ふはっ…ははっ……クソッ…! クソッ! クソォオオオ!!!!

2014-09-15 19:10:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

オレが店着くまでヒマなら読んどけ。>>体脂肪率の高い婚活生武内 togetter.com/li/647444

2014-09-15 19:15:04

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「今年のIHは見ましたか」 頭に生えた昆布をいじりながら原澤はオレ達に尋ねた。 「結果だけは」 古橋は答えず無心に料理を貪っている。 「優勝は洛山。準優勝は海常」 「桐皇はまたも出場を逃しました」 東京三大王者は、正邦、秀徳、泉真館に戻った。5 年前の戦いなど無かったかのように。

2014-09-15 19:30:12
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「桐皇が部活動に力を入れ始めたのは7,8年前。今吉君達をスカウトした時期ですね。5年前ついにキセキの世代を獲得するも結果はWC一回戦敗退。当然、部費は大きく削減されました」 「心中お察しします(ふはっ、お前のクビも危ないんじゃねーの)」 「その足しにと始めたのが」 「株、ですか」

2014-09-15 19:35:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「おかげで生徒達に新しいボールを買ってやれました。森山君も頑張ってくれていますし、冬こそはと思っています」 原澤は胡散臭い笑みを浮かべた。 「花宮君には感謝しています。今日は遠慮せず食べてください」 「ごちそうさまです」 古橋がキリッとした表情(弊社比)で頷いた。お前じゃねーよ。

2014-09-15 19:40:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

んだよこの24時間テレビ展開。虫唾が走る。 「僕の活動がお役に立って嬉しいです(なんて言うわけねェだろバァカ!)…が、僕もそろそろ就職活動をやめようと思っていまして。本日、直接お会いしたいと思ったのはそういったわけなんです」 「そうなのか花宮」 ウソに決まってんだろ黙ってろ古橋!

2014-09-15 19:45:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ふーむ…それは困りましたねぇ… 部活動の指導で忙しくて株の情報収集をしている暇はないですし」 「僕も残念です(なんてry」 「では、こうしましょう」 原澤は立ち上がりダーツ台を指差した。 「私が負けたら、取引はこれきりにしましょう。私が勝ったら、もう何社か受けてもらいます」

2014-09-15 19:50:12
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「いいんですか、オレかなり強いですよ。ダーツは6才で極めました。(7才だったかな、まあいいや)」 「それは楽しみですねぇ」 笑いながら原澤はマシンに金を入れた。 「あと一つ」 「何でしょう」 「オレが勝ったら今吉さんに近づかないで下さい」 「ひゅー、ひゅー」 だから黙ってろ古橋!

2014-09-15 19:55:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「近づくも何も今吉君にはここ半年ほど会ってませんが…でもわかりました。代わりに私が勝ったら“無料で”という条件を加えさせてもらいます」 「ふはっ、いいですよ。ボランティア経験は就活に生かせそうですし」 ダーツの盤面が色とりどりに光る。 VS 原澤 試合開始(ティップ・オフ)!!

2014-09-15 20:00:13

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「先に投げてお手本を見せてください。私は若い頃に何度か遊んだだけなので」 バカめ。ダーツにおいて先攻有利は常識。クリケット形式ならなおさらだ。 「緊張しちゃいます^^」 狙うはトリプル20。一投目を構えた。原澤の視線が絡みつく。キモい。pic.twitter.com/l17oK25QKL

2014-09-15 20:05:07
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

説明してやる! クリケットとは! 盤面の15〜20、ブル(中心)だけを使うゲームだ。各ナンバーに3ヒット入れば自陣(オープン)になり、以後、自陣のヒットが得点になる。逆に相手の陣地に3ヒット入れるとクローズ。加点されなくなる。全てクローズした時点の得点で勝敗が決まる。あとはggr

2014-09-15 20:21:31
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

矢は僅かに逸れT5に刺さった。チッ。だぼつくシャツを捲る。 「悪い、花宮。小さめのを着てきたつもりだったんだが」 古橋は交換したオレの服じゃ苦しいのか第三ボタンまで開き蜘蛛の巣柄をワイルドに着こなしていた。 「大丈夫だ、問題ねぇよ」pic.twitter.com/dxrNHRO6Up

2014-09-15 20:10:08
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

2投目、3投目は、両方T(トリプル)20に当たった。店員から拍手が湧く。 「さすが花宮! 1ターンで20をオープンしトリプルで60点の加点…!」 古橋解説乙。 「プロのような腕前ですね。それにフォームも美しい。君が本当に強くて助かりました」 原澤は“オレと同じように”矢を構えた。

2014-09-15 20:15:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「このフォーム…花宮に似ている! たった3投見ただけで花宮の4歳からの技術を習得したというのか…!?」 黙れ古橋。傷つく。 原澤は一投目からブレなくT19をマークした。 「黄瀬君のような能力ですね^^;」 「まさか」 原澤がふり返る。 「この程度“運動神経が良い”の範疇ですよ」

2014-09-15 20:20:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「昔は日本で5本の指に入るほどバスケが上手な人だったこともあるので。スポーツ全般、今でも得意ですよ」 揶揄うような物言いが癇に障る。 原澤は続いてS19、T19をマーク。最高得点の20をオープンしたのにも関わらず、10点以上差を付けられた。マズイ。何か(汚い)手を打たねぇと。

2014-09-15 20:25:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

オレの2ターン目。S5、T20、S20。並の奴が相手なら上々ってとこだが相手が相手だ。ボードから矢を抜きながら舌打ちした。 オレはマイダーツだが、原澤の矢はレンタル。勝機はそこにある。古橋の服の裾を引いて耳打ちした。 「わかった、やってみよう」 それまでは実力で持ちこたえるか。

2014-09-15 20:30:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

pic.twitter.com/5VjbkqYQh9 394対443。50点差の瀬戸際。こういうときこそ外すわけにはいかねぇんだよっ! 一投目を放つ。T15。 二投目。T15。 そして、三投目。T15。 っし。パーフェクト。ギャラリーに拍手を送られる。 やっと古橋が戻ってきた。遅ぇよ。

2014-09-15 20:45:03
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

古橋が原澤にダーツを手渡す。 「上級者用の矢です。預かってきました。どう見てもお客さん初心じゃないから、と店主から」 「では、有難く」 あっさり原澤はダーツを受け取った。古橋と目配せする。これで勝ったも同然だ。あの矢は古橋に連結部分を緩く改造させたものだ。マトモに飛ぶわけがねぇ。

2014-09-15 20:50:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

T16を狙った矢は僅かに弧を描きS7へ刺さる。 「…ふむ」 原澤が首を傾げた。古橋がこちらを見て親指を立てる。 原澤の2、3投目はS16に刺さった。まさかあの矢で加点してくるとはな。 だがスコアは484対475。逆転させてもらったぜ! pic.twitter.com/e3kWChBVow

2014-09-15 20:55:06
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

次のターン。オレはT15を2回決めて順調に加点。一方、原澤の1投目はT8へと逸れた。 「ダーツは先手必勝ってよく言いますもんね^^」 さらに煽って集中を散らしてやる。 「おや、そうなんですか。ダーツはセンスとも聞きますよ」 言いながら原澤は2投目を投げた。T16へ刺さる。 …は?

2014-09-15 21:00:13
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

ウソ…だろ…? 次の矢もふわふわ漂いながらT16へ収まる。ヘボ矢の失速を計算して投げたっつーのか!? 「慣れれば悪くないですね。花宮君も使ってみますか?」 原澤が笑顔で矢を差し出す。 「いえ、オレはマイダーツがあるのd「兄さんも使ってみなよ!」 突如、店主が割って入ってきた。

2014-09-15 21:05:15
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「店で1番いい矢だから!」 「そんな高価なもの…」 口籠っていると、兄さんの矢は調整しといてやるよ!とマイダーツを引ったくられた。死ねクソオヤジ。 「いいじゃないですか、お借りすれば。私は初心者用で構いませんので。…それとも、何かその矢では投げれない理由でも?」 「^^;」

2014-09-15 21:10:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

S8、S7、T16。クソッ。何が悪くないだ。殆ど加点領域にすら入らねぇ。次で原澤は涼しい顔をして仕上げのブルを閉めにかかる。574対596。差をひっくり返された。点稼いでブルをクローズして……クソッ! 勝てるシナリオが浮かばねぇ。 次のターン。オレの加点はたったの15点だった。

2014-09-15 21:18:02
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

最後に原澤は勿体ぶってS15で一投ずつ閉めた。店中から拍手が沸く。店主に肩を叩かれた。何がニーサンもナイスファイトだ、ふざけんな、お前のせいだろ。はにかんだ笑顔を作りながら胸中で悪態をつく。おまけに原澤と笑顔で握手する様を撮られた。スコアと一緒に店に飾るそうだ。…どうにでもなれ。

2014-09-15 21:20:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「さて、私の勝ちですね。約束通り、あと何社か受けてもらいます」 原澤は鞄から企業のパンフレットを取り出した。 「木村青果店…」 「秀徳の木村君、覚えていますか? 彼の実家の八百屋が最近上場したんですよ」 木村の彼女がんなこと呟いてたな。goo.gl/9EbQJy

2014-09-15 21:30:11
リンク Twitter キムラプラスbot on Twitter “経済欄を見ると新規上場企業に「木村青果店」の文字が。また一歩、信介の夢に近づいて嬉しい反面、彼との距離がまた一歩開くのを感じる。「二人で店を大きくしよう」夢を語り合った高校時代は思い出の彼方。あなたはもう遠い人。啜ったモーニングコーヒーは苦かった。 #木村プラス #黒バスプラス”
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「渡すのを忘れていました。二人で食べて下さい」 別れ際、原澤は車内からドーナッツの袋を取り出した。 「訂正し損ねていましたが、ミスドじゃなくミストです」 「これは失礼。笑」 コイツわざとだろ。 「桐皇も大変ですね、生徒の手を借りる程とは」 「君を教えた覚えはありません。それに」

2014-09-15 21:40:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「今吉君もキミも、もう立派な大人です」 バタン。目の前で車のドアが閉まる。 「また会いましょう、悪童・花宮真」

2014-09-15 21:45:06

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「クソォオオオ!!!」 渋谷駅のホームで絶叫するオレから周囲は距離を取る。 隣に立つ古橋がボソリと呟いた。 「花宮のそういうところ、良いと思う」 「ハァ!? ケンカ売ってんのかよ?」 「思い切り悔しがれる、それは花宮の美点だ。オレはそんなふうに怒ったり笑ったりできないから」

2014-09-15 22:00:14
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

古橋の両頬を掴んで顔をこちらに向けさせた。 「どうした、花宮」 「今、お前の表情筋が動いた気がして」 背伸びして真っ暗な目を覗き込む。 「古橋は昔より感情表現が豊かになったな」 「花宮がオレの感情を読み取るのに慣れただけじゃないか」 「…どっちでも同じことだよな」 「…そうだな」

2014-09-15 22:05:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

古橋の無表情は“鏡”だ。自分が楽しければ古橋も楽しく見え、怒ってる時には古橋も怒って見えた。自分と同じ感情を抱いてくれる奴。そんなアイツを次第に同じ境遇・タイプの仲間だと捉えて親近感が増した。今、オレは死ぬほど機嫌が悪い。にも関わらず今の古橋は嬉しそうな顔をしているように見えた。

2014-09-15 22:10:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「花宮。言い忘れてたが、このシャツすごく…オシャレだ」 蜘蛛の巣シャツを待ち合わせの目印にする予定だったため、古橋と服を交換したままだった。 「お前は昔からいっつも図書館に行くような格好だな。地味すぎだぜ。もっと腕にシルバー巻くとかさ!」 「わかった。帰りにアルミホイルを買おう」

2014-09-15 22:20:09

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

3回目の発信ボタンを押して数コール。 「やっと出たか今吉」 「昨日も連絡くれとったな」 話すのは3ヶ月ぶりだ。 「既読スルーしてんじゃねぇよ」 「花宮がモテへん理由を教えたろか」 「マメな男は好まれると聞きましたが」 「それは付き合ってからやる戦術や。やいやい言いな。JKか自分」

2014-09-16 22:30:12
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

togetter.com/li/719803で? 先日はご利用ありがとうございます…なんて言うわけねぇだろ」 「利用なんて人聞き悪いわぁ。なら森山も利用されとるん? 違うやろ」 「何で森山が出てくんだよ」 「知らんとこで役に立っとる、ええことやん」 「それを利用っつーんだよ!」

2014-09-16 22:35:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…つーか、昔のことだろ。オレは、 主将 オレ 監督 オレ コーチ オレ 全部オレだったが、何も感じねーな。母校に寄付? バカらし」 「ここだけの話、今年こそ監督アレやねん。ワシの責任もあるしな。恩師がクビになんねんで。ややーん」 (やっぱな) 内容の割に今吉の声色は楽しそうだ。

2014-09-16 22:40:12