付き合いたての燭へしと、肉じゃが。

めしこ @mogmog_meshiko

※めちゃくちゃキャラ崩壊､注意⚠️ まだお付き合いしてから、そんなに日が経ってない長谷部くんと光忠くん。たまに一緒に出掛けたり、光忠くんが料理を振る舞ったりって感じで、ぴゅあっぴゅあな時期なんだ。そんなある日、長谷部くんから「今日、家に来ないか？」ってお誘いを受ける光忠くん ↓

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初めてじゃないけど、珍しいなって嬉しくなっちゃうんだ。 長谷部くんの家だと調理器具もたくさんないし、きっと冷蔵庫の中もあんまり食材がないだろうから、夕ご飯なに作ろうかな～って光忠くんが考えてたら 「今日の夕飯は俺が作る」 とか言われちゃうのね。長谷部くんに。 ↓

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えっ！？だって長谷部くん料理なんて、インスタントのラーメンか、レトルトカレーをチンするくらいしかしないって言ってたじゃないか…ってびっくりする光忠くん。 そんなにラーメンかカレーが良いのかな、でもそれだと栄養バランスが…って思って、キッチンにお邪魔しようとするんだけど ↓

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「おまえはあっち行ってろ」 って追い出されちゃう。えぇえ何これすっごくドキドキする、色んな意味でって感じで、点けっぱなしのバラエティ番組なんてぜんぜん頭に入ってこない。 仕方なくぽちぽち適当にチャンネル変えてたら、キッチンから良い匂いがしてくる。 ↓

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えっ、ラーメンでもカレーでもない…食欲を刺激する良い匂い。 気になって居ても立ってもいられなくなって、こっそりとキッチンに顔を出す。集中している様子だったのに、長谷部くんにすぐ気付かれてしまった。敵わない。 「覗き見とは感心しないな」 「だって、ごめん…気になっちゃって」 ↓

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「いま煮込み始めたばかりだから、まだ時間かかるぞ」 どうやら追い出されないようなので、長谷部くんの傍まで行った光忠くんの目に映ったのは、ことこと煮込まれている見慣れた野菜 「これ、肉じゃが…？」 「そうだ」 えっ、なんで長谷部くん急に料理なんて…今まで興味もなさそうだったのに ↓

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…もしかして、誰か手料理を食べさせたい相手でも出来たの？そういうこと？ 僕が料理好きだから、味見してもらおうって話？ それで今日ここに呼んだの？ え…僕、捨てられるの？ 待って待って待って、そんなの無理なんだけど聞いてないんだけど、きみをころしてぼくもしぬ…。 ↓

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いや、だめだ。長谷部くんはお日様の下で健やかに生きてほしい…。わかる。 「どうして急に肉じゃがなんて…長谷部くん料理なんて今まで、興味なさそうだったのに」 「いや…それは、その」 「…誰か食べさせたい相手でも、出来たの？」 「えっ、なんでそれを、いやっ…違」 ↓

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「隠さなくても良いじゃない、そのためにやったことない料理に挑戦して、ちょっと妬けちゃうよね。ねぇ、ほら誰なの？僕と長谷部くんの仲じゃないか、ねぇ、ほら、誰なの？」 「…お、…」 「うん？お？」 「…お、おまえ…」 ↓

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「えぇえ～～もうやだ長谷部くん好きなんだけど、昨日よりも今日よりも明日はたぶんもっと好きなんだけど。嫉妬全開で追及してごめん、本当に格好悪いよね、許してごめん好き」 「あ」 「なにどうしたの？好き？僕も好きだよ」 「米炊くの忘れてた」 「僕が炊くよ～早炊きで良い？」 「あぁ」 ↓

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なんだ、僕の早とちりだった。僕はちゃんと長谷部くんに愛されている、ちょっと自信が持てた。 そんなことを一人で考える光忠くん。 シンクにはピーラーで剥いたらしい野菜の皮。小さく千切れてたり、分厚かったりして、きっと慣れない手付きで肉じゃがを作ったんだろうと思うと、 ↓

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愛しくて愛しくて米を研ぐ手に力が入る。いけない、米は優しく研がなくては。それにしても、肉じゃがの作り方知ってたのかな？見たところレシピ本は見当たらないし…疑問に思って長谷部くんに聞いてみる。 「肉じゃがの作り方なんて、知ってたんだ？長谷部くん」 「ク○クパッド先生に聞いた」 ↓

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ク○クパッド先生…？ そんな、長谷部くんったらク○クパッド先生に、身も心も手ほどきを受けてしまったというの？ そんな簡単に身体を許したっていうのかい！？なんで、どうして！ 「そう…ク○クパッド先生に…肉じゃがの作り方なら僕に聞いてくれても良かったのに」 「いや、それは…その」 ↓

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「僕だって肉じゃがの作り方くらい、手取り足取り教えてあげるのに。…ねぇ、どうして？」 「えっと、あの…」 「僕より、ク○クパッド先生のほうが信用出来た？美味しく出来そうだった？ねぇ、そうなの長谷部くん。…ねぇ、どうして僕に聞いてくれなかったの？」 「その…」 ↓

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「うん？」 「…サ、サプライズ…みたいな？」 「はぁあ～～もう好き、めちゃくちゃ好きなんだけど、困る。今日も長谷部くんが可愛すぎてつらい。いやつらくない、幸せ。サプライズで僕に肉じゃが作ってあげたかったの？えぇえ嬉しい…ちなみになんで肉じゃがなの？」 ↓

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「おまえが、初めて作った料理って前に言ってたから」 「言った、言ったよ、確かに言った。でもそれめちゃくちゃ前の話だよね？それ覚えててくれたの？それで作ってくれたの？そういうこと？えぇえ～～好き、長谷部くん結婚しよう」 「っ！…い、いずれな…」 「本当に！？絶対だよ！！？」 ↓

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そんなこんなで、肉じゃがのお鍋にお肉を入れて、またしばらく煮込んで、お米が炊けたら完成です。 記念すべき長谷部くんの初めてのおもてなし料理。 玉ねぎとニンジンはなぜかとっても小さいのに、じゃがいもは大きくて。 「なんで？」って光忠くんが聞いたら、 ↓

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「じゃがいもは大きい方が嬉しいと思ったから」って、照れ臭そうに返ってくるから、あまりの愛しさにテーブルに突っ伏した光忠くん。 そんな今日の燭へしは、肉じゃがと共に！