幸運の使者は会社員

ノルディカハッセ委員会 @NordicaHassecom

ここは通称・檸檬本丸。 本丸のほぼ全員がレモンを愛しているためそう呼ばれていた。 あのレモニカハッセが所属する本丸である。 写真の彼はこの本丸のスワへし。 彼もまたレモンを愛しているので、レモニカブッセと呼ばれていた。 pic.twitter.com/F9zb1oLuxA

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ある日レモニカブッセはレモンの天日干しを納屋にしまい、自室へ戻ろうとしていた。 玄関前を通りかかった時だった。 「ごめんください」という声がして、引き戸がからりと小さく開いた。 pic.twitter.com/N1TIwbTjm8

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声の主が玄関に姿を現した。 あれは… 「三角帽を被ったねんへし…もしやノルディカハッセ？」 「そうだよ」 ノルディカハッセは答えた。 pic.twitter.com/aRnpK1twWI

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「おれは幸運の使いねんへし・ノルディカハッセ。普段は長谷部商事で働く会社員で、会社での役職にちなんで『ノルディカ係長』と呼ばれている。昨年末にノルディカハッセになったばかりさ。どうぞよろしく。」 pic.twitter.com/R1r1EROomz

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「こちら、よろしかったらどうぞ。」 ノルディカ係長はレモンクリームもみまんを差し出した。 「アッハイありがとうございます。広島の民に広島のものを…？」 「地元民にはかえって新鮮かと存じまして。」 「ソウダネ」 pic.twitter.com/OgzGmclfxQ

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「ねんへし（レモニカハッセ）は今いないですよ。広島市の百貨店のバイヤーと尾道ラーメンを食べに行ってます。」 レモニカブッセがそう言うとノルディカ係長はこう答えた。 「いいんだよ。ハッセは同じ派遣先にふたり以上居てはいけない決まりだからね。」 「へ～」 pic.twitter.com/6N6pPynxPo

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ノルディカ係長はくるりとブッセに向き直って言った。 「さて本題に入りましょう。ノルディカハッセは幸運の使いねんへしですから、この本丸に幸運を運びますよ。そうですね…この本丸のレモン畑を幸運にしましょうか。気候、土壌、樹木、果実に恵まれるように。」 「素敵だ！」 ブッセは喜んだ。 pic.twitter.com/xykzOtlx34

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ふたりはレモン畑へ移動した。 畑に着くと、ノルディカ係長が「ハッセッ！！！」と叫んだ。 レモン畑は気持ちキラキラと輝きを放った。 「これでこのレモン畑は栄え続けますよ。」 「うれC！！」 レモニカブッセは喜んだ。 pic.twitter.com/zYwf6aJKxx

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「ではおれはこれで失礼します。バハハーイ。」 そう言うとノルディカ係長はくるりとブッセに背を向けて去っていった。 「ありがとうノルディカハッセ。今度はおれの頭を本物のブッセに…」 「申し訳ありません、それはレモニカハッセからNGが出ておりますので～」 遠くから小さな声が聞こえた。 終 pic.twitter.com/cNEEAR8irT

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